第1804回 【しらさぎS × 過去データ分析】前走条件戦組に要注意!|競馬情報ならJRA-VAN

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【しらさぎS × 過去データ分析】前走条件戦組に要注意!

2025/6/19(木)

昨年までの米子Sが重賞に昇格する形で創設されたしらさぎS。レース名が変わり、格もリステッド競走からG3となったが、阪神芝1600mで行われるサマーマイルシリーズの初戦という位置づけは従来と同様だ(昨年は京都で代替。サマーマイルシリーズには2020年に指定)。そこで今回は、米子Sの過去10年を参考にしらさぎSの行方を占ってみたい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

穴馬の激走を警戒

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 過去5年
1 4-3-0-3/10 40.0% 70.0% 70.0% 1-1-0-3
2 2-1-0-7/10 20.0% 30.0% 30.0% 2-0-0-3
3 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0-1-0-4
4 2-1-2-5/10 20.0% 30.0% 50.0% 1-0-1-3
5 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0-0-0-5
6 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0-1-1-3
7 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0-1-0-4
8 0-0-2-8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0-0-2-3
9 1-1-0-8/10 10.0% 20.0% 20.0% 0-1-0-4
10 1-0-1-7/9 11.1% 11.1% 22.2% 1-0-1-3
11 0-0-1-6/7 0.0% 0.0% 14.3% 0-0-0-5
12〜 0-0-0-24/24 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-23

(表1 人気別成績)

人気別の成績は1番人気が連対率・複勝率70.0%、4番人気が複勝率50.0%の好成績。その他は10番人気以内であれば複勝率20〜30%と、好走馬は幅広い人気に分散している。出走頭数がさほど揃わなかった年も多いため12番人気以下からは好走馬が出ていないものの、穴馬の激走を警戒したいレースだ。

牡・セン馬は5歳、牝馬は5歳以下が好成績

年齢 牡・セン馬 牝馬
着別度数 勝率 複勝率 着別度数 勝率 複勝率
3歳 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 1-0-0-0/1 100.0% 100.0%
4歳 1-0-1-16/18 5.6% 11.1% 2-2-1-4/9 22.2% 55.6%
5歳 4-4-3-19/30 13.3% 36.7% 1-0-1-4/6 16.7% 33.3%
6歳 1-4-2-28/35 2.9% 20.0% 0-0-0-2/2 0.0% 0.0%
7歳以上 0-0-2-24/26 0.0% 7.7% 0-0-0-2/2 0.0% 0.0%

(表2 性齢別成績)

性別では牡・セン馬が【6.8.8.88】複勝率20.0%に対し、牝馬が【4.2.2.12】同40.0%と牝馬が優勢。特に牝馬の5歳以下であれば【4.2.2.8】複勝率50.0%になる。牡・セン馬では5歳が【4.4.3.19】と4勝をマークし、複勝率36.7%と上々だ。

前走条件戦組・G1組に注目

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率
2勝 1-0-0-0/1 100.0% 100.0% 100.0%
3勝 1-0-2-4/7 14.3% 14.3% 42.9%
OPEN 3-6-7-63/79 3.8% 11.4% 20.3%
G3 1-2-1-15/19 5.3% 15.8% 21.1%
G2 1-0-0-12/13 7.7% 7.7% 7.7%
G1 2-2-0-6/10 20.0% 40.0% 40.0%
障害 1-0-0-0/1 100.0% 100.0% 100.0%

(表3 前走クラス別成績)

※出走取消も前走扱いとする

前走クラス別(出走取消も前走扱いとする)では、平地の2、3勝クラスに出走していた馬が計【2.0.2.4】で複勝率50.0%をマーク。前走1着馬にかぎれば同57.1%になる。この組の好走馬4頭はいずれもオープン特別か重賞に出走した経験があった。また、前走G1組も【2.2.0.6】連対率40.0%と優秀だ。ただ、前走オープン特別やG1以外の重賞からの好走馬も多く、好走確率で劣勢だからといって完全に無視してしまうのは危険だろう。

G2〜G3組なら前走掲示板外で今回6番人気以内

馬名 米子S 前走
人気 着順 レース 人気 着順
2017 ブラックムーン 1 1 東京新聞杯 6 8
2021 クラヴァシュドール 4 3 福島牝馬S
2022 カイザーミノル 6 2 ダービー卿CT 5 7
2024 トゥードジボン 4 1 マイラーズC 5 10
ディオ 3 2 ダービー卿CT 1 11

(表4 前走G2〜G3からの好走馬)

前走G2〜G3からの好走馬は表4の5頭。前走は7〜11着と敗れるか出走を取り消していながらも、米子Sでは6番人気以内(4頭は4番人気以内)に支持されていた。また、芝1600mでオープン特別1着か重賞3着以内という距離実績があったことも共通点だ。

オープン特別組はレース間隔に注目

馬名 米子S 間隔 前走
人気 着順 レース 人気 着順
2015 メイショウヤタロウ 7 3 中2週 安土城S 6 8
2016 ケントオー 4 1 中2週 安土城S 2 8
2017 サトノラーゼン 4 2 中17週 洛陽S 1 10
グァンチャーレ 5 3 中17週 洛陽S 4 2
2018 タイセイサミット 1 2 中3週 メイS 3 6
マサハヤドリーム 4 3 中4週 都大路S 11 4
2019 リライアブルエース 2 2 中2週 安土城S 5 3
シャイニービーム 11 3 中3週 メイS 15 6
2020 ラセット 9 2 中2週 安土城S 5 8
2021 スマートリアン 1 2 中5週 谷川岳S 2 2
2022 ウインカーネリアン 1 1 中5週 谷川岳S 1 1
クラヴァシュドール 8 3 中11週 六甲S 6 14
2023 メイショウシンタケ 10 1 中11週 六甲S 12 9
ラインベック 7 2 中11週 六甲S 3 9
グレイイングリーン 6 3 中6週 谷川岳S 5 6
2024 アナゴサン 10 3 中2週 安土城S 5 4

(表5 前走オープン特別からの好走馬)

前走オープン特別組の好走馬は16頭。前走人気や前走着順、今回の人気はバラバラだが、米子Sがサマーマイルシリーズに組み込まれた2020年以降は1番人気または6番人気以下から好走馬が出ている。また、前走からのレース間隔は中2〜17週。幅が広すぎる感も受けるが、今年の登録馬に当てはめると有効なデータになる。

【結論】

前走3勝クラス1着の5歳牡馬・ダイシンヤマトに注目!

しらさぎSの前身である米子Sでは、前走条件戦優勝馬やG1出走馬の好走確率が高かった。今年の登録馬で条件戦組はシヴァースとダイシンヤマト、G1組はダディーズビビッドとチェルヴィニア。パッと見では好成績を残す4歳牝馬・チェルヴィニアが良さそうだが、前走のG1が国内ではなく海外(過去10年該当馬不在)という点がどうか。条件戦組の5歳牡馬で重賞出走経験もあるダイシンヤマトには特に気になる材料もなく、配当妙味もありそうなので、こちらを上位に取るのがおもしろそうだ。シヴァース(牡4歳)、ダディーズビビッド(牡7歳)は年齢から上記2頭に次ぐ評価になる。

好走馬の多いオープン特別組の登録馬は3頭。このうち前走から中2〜17週に該当するのは安土城Sを勝ってきたラケマーダ1頭で、さほど人気にはならなそうな点や、5歳牡馬である点もプラス材料になる。なお、G1以外の重賞組でピタリと条件に当てはまる馬はいないが、マイル重賞好走歴を持つマテンロウオリオン、ニホンピロキーフや、牝馬のダンツエランあたりには念のため注意したい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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