【日本ダービー × 過去データ分析】前走皐月賞組で信頼できる条件とは?
2025/5/29(木)
ダービーウィークの今週は土曜に京都で葵S、日曜に東京で日本ダービーと目黒記念と3鞍の重賞が組まれている。もちろん今回は第92回を迎える日本ダービーをピックアップ、2015年以降過去10年のデータからレース傾向ならびに今年馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
前走500kg以上の1番人気馬は2・3着止まり
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1番人気 | 2- 3- 2- 3/ 10 | 20.0% | 50.0% | 70.0% | 33 | 89 |
前走馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
(460〜479kg) | 1- 1- 1- 0/ 3 | 33.3% | 66.7% | 100.0% | 46 | 123 |
(480〜499kg) | 1- 0- 0- 2/ 3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% | 63 | 43 |
(500〜519kg) | 0- 2- 1- 1/ 4 | 0.0% | 50.0% | 75.0% | 0 | 97 |
(前走減) | 1- 1- 1- 1/ 4 | 25.0% | 50.0% | 75.0% | 47 | 100 |
(同体重) | 1- 1- 1- 0/ 3 | 33.3% | 66.7% | 100.0% | 46 | 123 |
(前走増) | 0- 1- 0- 2/ 3 | 0.0% | 33.3% | 33.3% | 0 | 40 |
2番人気 | 1- 3- 1- 5/ 10 | 10.0% | 40.0% | 50.0% | 53 | 78 |
3番人気 | 2- 2- 1- 5/ 10 | 20.0% | 40.0% | 50.0% | 82 | 91 |
4番人気 | 2- 1- 0- 7/ 10 | 20.0% | 30.0% | 30.0% | 200 | 86 |
5番人気 | 1- 1- 0- 8/ 10 | 10.0% | 20.0% | 20.0% | 125 | 72 |
6番人気 | 0- 0- 1- 9/ 10 | 0.0% | 0.0% | 10.0% | 0 | 38 |
7番人気 | 0- 0- 2- 8/ 10 | 0.0% | 0.0% | 20.0% | 0 | 79 |
8番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
9番人気 | 1- 0- 1- 8/ 10 | 10.0% | 10.0% | 20.0% | 466 | 125 |
10番人気以下 | 1- 0- 2- 85/ 88 | 1.1% | 1.1% | 3.4% | 105 | 57 |
(表1 日本ダービーの人気別成績過去10年)
表1は過去10年の日本ダービーにおける人気別成績ならびに1番人気馬の前走馬体重別成績と前走時の馬体重増減別成績。1番人気馬は2015年ドゥラメンテ、20年コントレイルが計2勝をあげ、連対率50.0%・複勝率70.0%。以下、3・4番人気馬が各2勝、2・5・9・12番人気馬が1勝ずつ。2着馬は上位5番人気以内におさまっているが、3着馬は過半数の6頭が6番人気以下。近7年続けて6番人気以下の伏兵が1頭は3着以内に入っている。
1番人気馬の前走馬体重では460〜479kgの馬が複勝率100%に対して、480〜499kgの馬は同33.3%。500kg以上の馬は勝ち星がなく、連対率50.0%・複勝率75.0%。また、前走時の馬体重増減別では体重減・同体重が高複勝率なのに対して、体重増は複勝率33.3%と低い。今年の日本ダービーではクロワデュノールが1番人気と目されているが、皐月賞の馬体重は500kgで、ホープフルSから4kg増。日本ダービーでの成績が悪くなる条件を満たしている点が気がかりだ。
勝ち馬はキャリア3〜5戦
キャリア | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
3戦 | 1- 3- 0- 10/ 14 | 7.1% | 28.6% | 28.6% | 83 | 47 |
4戦 | 4- 4- 2- 35/ 45 | 8.9% | 17.8% | 22.2% | 42 | 34 |
5戦 | 5- 2- 5- 39/ 51 | 9.8% | 13.7% | 23.5% | 310 | 164 |
(5戦以内) | 10- 9- 7- 84/110 | 9.1% | 17.3% | 23.6% | 171 | 96 |
(前走5番人気以内) | 9- 8- 6-50/73 | 12.3% | 23.3% | 31.5% | 195 | 123 |
(前走6番人気以下) | 0- 1- 1-34/36 | 0.0% | 2.8% | 5.6% | 0 | 26 |
6戦 | 0- 0- 3- 24/ 27 | 0.0% | 0.0% | 11.1% | 0 | 27 |
7戦以上 | 0- 1- 0- 40/ 41 | 0.0% | 2.4% | 2.4% | 0 | 7 |
(表2 日本ダービーのキャリア別成績過去10年)
表2はキャリア別成績。5戦(※前走皐月賞除外の昨年ダノンデサイルを含む)の馬が半数の5勝をあげ、勝率トップ。3着以内馬12頭中7頭が6番人気以下で、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を大きく超えている。
4戦の馬は一昨年のタスティエーラら4勝。3着以内馬10頭はすべて上位4番人気以内に支持されていた。3戦の馬は21年シャフリヤールが勝利し、連対率・複勝率トップ。好走馬3頭はいずれも前走連対を果たしていた。勝ち馬はすべてキャリア3〜5戦の馬から出ている。これらキャリア5戦以内の前走人気別成績では、大半の好走馬が前走5番人気以内だった。
なお、6戦の馬は連対がなく、7戦以上の馬は2着1回のみと苦戦傾向にある。
皐月賞組は前走8着以内、他路線は前走連対が必須
前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
皐月賞 | 7- 9- 7-74/97 | 7.2% | 16.5% | 23.7% | 38 | 54 |
(前走1着) | 2- 4- 1- 3/10 | 20.0% | 60.0% | 70.0% | 33 | 113 |
(前走2着) | 2- 2- 1- 5/10 | 20.0% | 40.0% | 50.0% | 123 | 81 |
(前走3着) | 1- 2- 1- 5/ 9 | 11.1% | 33.3% | 44.4% | 46 | 115 |
(前走4着) | 0- 0- 0- 8/ 8 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(前走5着) | 1- 0- 2- 6/ 9 | 11.1% | 11.1% | 33.3% | 58 | 107 |
(前走6〜8着) | 1- 1- 2-15/19 | 5.3% | 10.5% | 21.1% | 65 | 70 |
(前走9着以下) | 0- 0- 0-32/32 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
京都新聞杯 | 1- 1- 0-15/17 | 5.9% | 11.8% | 11.8% | 547 | 72 |
毎日杯 | 1- 0- 0- 7/ 8 | 12.5% | 12.5% | 12.5% | 146 | 33 |
京成杯 | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 4660 | 700 |
青葉賞 | 0- 0- 2-19/21 | 0.0% | 0.0% | 9.5% | 0 | 25 |
プリンシパルS | 0- 0- 1- 2/ 3 | 0.0% | 0.0% | 33.3% | 0 | 1213 |
その他のレース | 0- 0- 0-31/31 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表3 日本ダービーの前走レース別成績過去10年)
※昨年優勝のダノンデサイルは前走京成杯として掲載。
表3は前走レース別成績で、皐月賞組は着順別成績も示している。出走数の半数以上を占める皐月賞組が18年ワグネリアンら7勝をあげており、毎年2頭以上は3着以内に入っている。皐月賞組の前走着順別成績では、前走1着馬が20年コントレイルら2勝をあげ、連対率60.0%・複勝率70.0%でトップ。前走2着馬は一昨年タスティエーラら2勝をあげ、複勝率50.0%。前走3着馬は22年ドウデュースが勝利し、複勝率44.4%。前走4着馬は好走馬がなく、前走5着馬が複勝率33.3%。皐月賞組の3着以内馬23頭はすべて前走8着以内に入っていた。
他のレースでは京都新聞杯組が19年ロジャーバローズ、毎日杯組が21年シャフリヤール、京成杯組は昨年のダノンデサイルがそれぞれ優勝。青葉賞組とプリンシパルS組を含め、皐月賞以外の他路線組で好走した7頭はすべて前走で連対を果たしていた。
皐月賞組は前走上がり2位以内で3着以内馬に注目
前走脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
3F 1位 | 4- 1- 0- 7/12 | 33.3% | 41.7% | 41.7% | 95 | 54 |
3F 2位 | 1- 2- 4- 5/12 | 8.3% | 25.0% | 58.3% | 44 | 127 |
(1〜 2位) | 5- 3- 4-12/24 | 20.8% | 33.3% | 50.0% | 70 | 90 |
(前走3着以内) | 4- 3- 3- 3/13 | 30.8% | 53.8% | 76.9% | 88 | 137 |
(前走4着以下) | 1- 0- 1- 9/11 | 9.1% | 9.1% | 18.2% | 48 | 35 |
3F 3位 | 0- 1- 0- 5/ 6 | 0.0% | 16.7% | 16.7% | 0 | 20 |
3F 〜5位 | 2- 3- 0-10/15 | 13.3% | 33.3% | 33.3% | 138 | 94 |
3F 6位以下 | 0- 2- 3-47/52 | 0.0% | 3.8% | 9.6% | 0 | 30 |
(表4 前走皐月賞組の前走上がり順位別成績過去10年)
表4は皐月賞組の前走上がり順位別成績。7勝中5勝は前走皐月賞で上がり2位以内だった馬があげており、複勝率が高い。この中で前走皐月賞3着以内だった馬が16年マカヒキら4勝をあげており、連対率53.8%・複勝率76.9%と非常に高い。
この「前走皐月賞で上がり2位以内・3着以内」という条件を満たす13頭のうち、日本ダービーで4着以下に敗れた3頭中2頭は4着には来ていた。つまり13頭中12頭は4着以内だったわけで「皐月賞で上がり2位以内の脚で3着以内に入った馬が直線の長い東京コースに替わって再度好走しやすい」というのが皐月賞組の傾向といえるだろう。
皐月賞組の勝ち馬7頭はすべて前走上がり5位以内で、前走上がり6位以下で好走した5頭中4頭は前走皐月賞で5着以内だった。
【結論】
前走皐月賞では上がり2位で3着となったマスカレードボールを中心視
今年の日本ダービーの注目馬は表5のとおり。
馬名 | 前走成績 |
エムズ | 京都新聞杯 2着 |
エリキング | 皐月賞 11着 |
クロワデュノール | 皐月賞 2着 |
サトノシャイニング | 皐月賞 5着 |
ショウヘイ | 京都新聞杯 1着 |
ジョバンニ | 皐月賞 4着 |
ファンダム | 毎日杯 1着 |
マスカレードボール | 皐月賞 3着 |
ミュージアムマイル | 皐月賞 1着 |
(表5 今年の日本ダービーの注目馬)
※5/28時点。フルゲート18頭。
前走皐月賞組が上位人気を占めそうな今年の日本ダービー。その中で皐月賞1着ミュージアムマイル、2着クロワデュノールよりも3着だったマスカレードボールを中心視したい。
キャリア5戦(表2)、勝ち星もある前走3着馬(表3)、そして皐月賞上がり2位以内で3着(表4)というデータから推奨。実際に東京芝では2戦2勝、左回りの直線の長いコースがベストで、中山から東京替わりのアドバンテージは非常に大きい。皐月賞で先着された2頭を逆転することも十分可能で、アタマから積極的に狙ってみたい。
皐月賞組以外ではキャリア3戦のファンダムとエムズを伏兵、穴候補として挙げておきたい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。