【菊花賞 × 過去データ分析】京都芝3000mの菊花賞で求められる条件は!?
2024/10/17(木)
今週は土曜に東京で富士S、日曜に京都で3歳三冠最終戦の菊花賞と2鞍の重賞が組まれている。今回は京都芝3000mを舞台に行われる菊花賞をピックアップ。昨年は春のクラシック実績馬を破って上がり馬のドゥレッツァが勝利している。今年はどういった結末となるか、2021・22年の阪神開催を含めた過去10年のデータから探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
前走2着馬が好成績、前走1着馬はG2・G1組!
前走着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
前走1着 | 4- 2- 6-47/59 | 6.8% | 10.2% | 20.3% | 40 | 76 |
(1勝) | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(2勝) | 0- 1- 4-30/35 | 0.0% | 2.9% | 14.3% | 0 | 87 |
(3勝) | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 365 | 105 |
(G3) | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(G2) | 3- 0- 2- 9/14 | 21.4% | 21.4% | 35.7% | 120 | 78 |
(G1) | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0 | 160 |
前走2着 | 3- 4- 3-13/23 | 13.0% | 30.4% | 43.5% | 100 | 104 |
前走3着 | 2- 3- 0-15/20 | 10.0% | 25.0% | 25.0% | 67 | 73 |
前走4着 | 0- 0- 0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走5着 | 0- 0- 1-13/14 | 0.0% | 0.0% | 7.1% | 0 | 30 |
前走6〜9着 | 0- 1- 0-32/33 | 0.0% | 3.0% | 3.0% | 0 | 23 |
前走10着以下 | 1- 0- 0-19/20 | 5.0% | 5.0% | 5.0% | 40 | 14 |
(表1 菊花賞近10年の前走着順別成績)
表1は前走着順別成績で、前走1着馬に関しては前走クラス別成績も示している。前走1着馬を勝率・連対率・複勝率いずれも大きく上回っているのが前走2着馬で、一昨年のアスクビクターモアら3勝をあげ、複勝率は43.5%と非常に高い。前走3着馬は19年ワールドプレミアら2勝をあげ、連対率・複勝率25.0%。出走数最多の前走1着馬は昨年のドゥレッツァら最多の4勝も、複勝率20.3%は前走2・3着馬を下回っている。これら前走3着以内馬で大半の9勝をあげており、例外は21年タイトルホルダー(前走セントライト記念13着)のみ。勝ち馬のみならず、好走馬はほぼ前走3着以内馬が占めている。
前走1着馬の前走クラス別成績を分析すると、前走条件クラスから勝利したのは昨年のドゥレッツァ(前走3勝クラスの日本海S)のみ。前走2勝クラス組は2着1回、3着4回。前走重賞組では前走G2組が20年コントレイル(前走神戸新聞杯)ら3勝をあげ、複勝率35.7%。前走G1組は昨年タスティエーラ(前走日本ダービー)が2着に入っている。
前走2200m戦で連対した馬に注目
前走距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1800m | 1- 0- 0- 9/ 10 | 9.1% | 10.0% | 10.0% | 145 | 45 |
1900m | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
2000m | 0- 1- 0- 22/ 23 | 0.0% | 4.3% | 4.3% | 0 | 21 |
2200m | 5- 5- 6-61/77 | 6.5% | 13.0% | 20.8% | 44 | 79 |
前走1着 | 3- 1- 4-12/20 | 15.0% | 20.0% | 40.0% | 109 | 178 |
前走2着 | 1- 1- 2- 6/10 | 10.0% | 20.0% | 40.0% | 41 | 103 |
前走3着 | 0- 2- 0- 9/11 | 0.0% | 18.2% | 18.2% | 0 | 45 |
前走4着 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走5着 | 0- 0- 0- 8/ 8 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走6〜9着 | 0- 1- 0-16/17 | 0.0% | 5.9% | 5.9% | 0 | 45 |
前走10着〜 | 1- 0- 0- 7/ 8 | 12.5% | 12.5% | 12.5% | 100 | 36 |
2400m | 4- 4- 3-42/53 | 7.5% | 15.1% | 20.8% | 38 | 42 |
2500m | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
2600m | 0- 0- 1- 9/10 | 0.0% | 0.0% | 10.0% | 0 | 52 |
(表2 菊花賞近10年の前走距離別成績)
表2は前走距離別成績。好走馬はほぼ前走2200mもしくは2400mから出ている。この両者で大半の9勝をあげており、残る1勝は前走1800mの18年フィエールマン(前走ラジオNIKKEI賞1着)があげている。
出走数最多の前走2200m組は前走1・2着馬が好成績で、ともに複勝率は40.0%と高い。これら前走連対馬が好走馬16頭中12頭を占めている。
前走2400m組の好走馬11頭中10頭は前走神戸新聞杯組で、残る1頭は昨年2着のタスティエーラとなっている。
京都開催の菊花賞では上がり2位以内が好走条件
脚質上がり | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
3F 1位 | 5- 4- 1- 3/ 13 | 38.5% | 69.2% | 76.9% | 323 | 241 |
3F 2位 | 2- 3- 1- 2/ 8 | 25.0% | 62.5% | 75.0% | 100 | 197 |
3F 3位 | 1- 0- 2- 6/ 9 | 11.1% | 11.1% | 33.3% | 72 | 156 |
3F 〜5位 | 0- 1- 3- 9/ 13 | 0.0% | 7.7% | 30.8% | 0 | 113 |
3F6位以下 | 0- 0- 1- 99/100 | 0.0% | 0.0% | 1.0% | 0 | 5 |
(表3 京都開催の菊花賞における上がり順位別成績(2014〜20年、23年))
表3は京都競馬場で施行された過去8回の菊花賞における上がり順位別成績。上がり1位の馬が昨年のドゥレッツァら5勝をあげ、連対率69.2%・複勝率76.9%と非常に高い。上がり2位も20年コントレイルら2勝をあげ、連対率62.5%・複勝率75.0%と上がり1位に引けをとらない。上がり3位は19年ワールドプレミアが勝利しており、京都での過去8回は上がり3位以内の馬から勝ち馬が出ている。
その中でも上がり2位以内が特に好成績で、速い上がりを繰り出せる馬を見つけることが菊花賞攻略のカギといえるだろう。なお、前走における上がり別成績でも京都開催の過去8回中7回で上がり2位以内の馬が勝利している。
ルメール騎手が最多の3勝で見逃せない
騎手 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
ルメール | 3- 2- 1- 2/ 8 | 37.5% | 62.5% | 75.0% | 301 | 188 |
M.デム | 1- 1- 0- 6/ 8 | 12.5% | 25.0% | 25.0% | 56 | 46 |
武豊 | 1- 0- 2- 6/ 9 | 11.1% | 11.1% | 33.3% | 72 | 134 |
横山武史 | 1- 0- 1- 1/ 3 | 33.3% | 33.3% | 66.7% | 266 | 136 |
川田将雅 | 0- 0- 1- 7/ 8 | 0.0% | 0.0% | 12.5% | 0 | 15 |
戸崎圭太 | 0- 0- 1- 3/ 4 | 0.0% | 0.0% | 25.0% | 0 | 90 |
鮫島克駿 | 0- 0- 1- 1/ 2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% | 0 | 165 |
池添謙一 | 0- 0- 0- 9/ 9 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
坂井瑠星 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
横山典弘 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表4 菊花賞近10年の騎手別成績(抜粋))
表4は騎手別成績で、抜粋したデータとなっている。ルメール騎手が昨年のドゥレッツァら最多の3勝をあげており、連対率62.5%・複勝率75.0%と非常に高い。ルメール騎手といえば芝中長距離戦における安定感が特長だが、中でも菊花賞では好結果を残している。2020年以降、京都芝2400m以上で行われた2勝クラス以上では【3.1.1.0】となっており、京都の長距離戦では非常に優秀な成績を残している。
他ではM.デムーロ騎手、武豊騎手、横山武史騎手が1勝ずつ。中でも横山武史騎手はルメール騎手に次ぐ高い複勝率を残している。一方、川田騎手、戸崎騎手は3着1回ずつ。池添騎手、坂井騎手、横山典弘騎手はいずれも4着以下に敗れている。
【結論】
ルメール騎手が騎乗予定のアーバンシックが軸
今年の菊花賞の注目馬は表5のとおり。
馬名 | 前走成績 |
アーバンシック | セントライト記念 1着 |
アドマイヤテラ | 茶臼山高原特別(2勝クラス)1着 |
エコロヴァルツ | セントライト記念 3着 |
コスモキュランダ | セントライト記念 2着 |
ショウナンラプンタ | 神戸新聞杯 3着 |
ダノンデサイル | 日本ダービー 1着 |
ピースワンデュック | 阿賀野川特別(2勝クラス)1着 |
ヘデントール | 日本海S(3勝クラス)1着 |
メイショウタバル | 神戸新聞杯 1着 |
メリオーレム | 神戸新聞杯 5着 |
(表5 今年の菊花賞の注目馬)
(表5は10/16時点、除外対象馬なし)
日本ダービー1着のダノンデサイルが出走予定で人気になりそうだが、昨年同じローテーションだったタスティエーラは2着。ダノンデサイルは日本ダービーでは直線で内ラチ沿いを突き抜けて2着に2馬身差をつける快勝だったが、上がりは4位タイ。今年は前走日本ダービー組が前哨戦で上位を占めた。その日本ダービー勝ち馬だけに二冠も狙えると思うが、アタマ鉄板とはいえないだろう。
軸として挙げたいのがアーバンシック。前走セントライト記念を差し切り勝ち、前走上がり1位、ルメール騎手が継続騎乗と買い条件が揃っている。メイショウタバルが逃げる流れも合いそうで、差し切り勝ちの可能性は十分にある。
前走セントライト記念で勝ちに行って2着のコスモキュランダが相手上位。前走2着、前走上がり2位も強調材料だ。あとは昨年優勝のドゥレッツァと同じ前走日本海S1着のヘデントールも相手候補として注目しておきたい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。