【秋華賞 × 過去データ分析】春二冠の結果が明暗を分ける!?
2024/10/10(木)
今週は牝馬三冠の最終戦・秋華賞が行われる。桜花賞馬・ステレンボッシュ、オークス馬・チェルヴィニアのいずれかが二冠目を手にするのか、それとも新星が誕生するのか。JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用して過去の傾向から分析してみよう。
優勝馬は4番人気以内
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1 | 4-1-1-4/10 | 40.0% | 50.0% | 60.0% |
2 | 0-3-1-6/10 | 0.0% | 30.0% | 40.0% |
3 | 4-1-2-3/10 | 40.0% | 50.0% | 70.0% |
4 | 2-2-1-5/10 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
5 | 0-2-1-7/10 | 0.0% | 20.0% | 30.0% |
6 | 0-0-0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7 | 0-0-0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8 | 0-0-2-8/10 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
9 | 0-0-1-9/10 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
10 | 0-1-1-8/10 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
11〜 | 0-0-0-73/73 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
(表1 人気別成績)
過去10年の人気別では1番人気【4.1.1.4】と3番人気【4.1.2.3】が4勝ずつを挙げ、連対率や複勝率も上々。残る優勝馬2頭は4番人気から出ており、5番人気以下の勝利はない。加えて2着馬は9頭が5番人気以内で、連対馬20頭中19頭は5番人気以内だ。8〜10番人気が【0.1.4.25】と5頭好走しており、穴を狙うならこのあたりから選びたい。
近年は前走オークス組が主力
前走 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 過去6年 |
1勝クラス | 0-0-1-7/8 | 0.0% | 0.0% | 12.5% | 0-0-0-4 |
2勝クラス | 0-1-1-16/18 | 0.0% | 5.6% | 11.1% | 0-1-1-11 |
3勝クラス | 0-0-0-3/3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0-0-0-3 |
OPEN | 1-0-0-10/11 | 9.1% | 9.1% | 9.1% | 0-0-0-0 |
G3 | 3-4-0-36/43 | 7.0% | 16.3% | 16.3% | 1-3-0-23 |
G2 | 1-4-6-55/66 | 1.5% | 7.6% | 16.7% | 0-1-3-31 |
G1 | 5-1-2-16/24 | 20.8% | 25.0% | 33.3% | 5-1-2-12 |
(表2 前走クラス別成績)
前走クラス別では重賞組が【9.9.8.107】と好走馬の大半を占める。オープン特別組の好走馬1頭は重賞昇格前の紫苑Sで、このオープン・重賞組はオークス【5.1.2.16】、ローズS【1.4.6.48】、紫苑S【4.4.0.41】からしか好走馬が出ていない。特に2018年以降はオークス組が6年で5勝と優勢だ。なお、条件戦組の好走馬3頭はすべて前走で1番人気に支持され、2着に2馬身以上の差をつけて勝利していた。今年は該当馬不在のため、狙いは上記のオークス組、ローズS組、紫苑S組に絞っていいだろう。
オークス好走からの直行馬は安定感抜群
年 | 馬名 | 秋華賞 | オークス | 桜花賞 | |||
人気 | 着順 | 人気 | 着順 | 通過順 | 着順 | ||
2018 | アーモンドアイ | 1 | 1 | 1 | 1 | 6-6-6-5 | 1 |
2019 | クロノジェネシス | 4 | 1 | 2 | 3 | 4-4-4-5 | 3 |
2020 | デアリングタクト | 1 | 1 | 1 | 1 | 11-12-12-13 | 1 |
2021 | アカイトリノムスメ | 4 | 1 | 2 | 2 | 5-7-10-10 | 4 |
2022 | ナミュール | 2 | 2 | 4 | 3 | 8-9-9-9 | 10 |
スターズオンアース | 1 | 3 | 3 | 1 | 8-7-8-8 | 1 | |
2023 | リバティアイランド | 1 | 1 | 1 | 1 | 6-6-6-6 | 1 |
ハーパー | 2 | 3 | 2 | 2 | 8-8-8-8 | 4 |
(表3 前走オークスからの好走馬)
前走オークス組の好走馬は表3の8頭で、いずれもオークス4番人気以内かつ3着以内、そして秋華賞では4番人気以内。また8頭はすべて桜花賞にも出走しており、オークスの着順が桜花賞より悪化した馬はいなかった。さらに、8頭のオークスでの脚質(Target frontier JVによる分類)は中団または後方で、逃げ・先行だった馬は【0.0.0.5】に終わっている。
なお、オークス3着以内から秋華賞に直行した馬は【5.1.2.3】複勝率72.7%。馬券圏外に敗れた3頭のうちウインマリリン(15着)とユーバーレーベン(13着)はどちらも桜花賞不出走で秋華賞は5番人気だった。秋華賞4番人気以内にかぎれば【5.1.2.1】複勝率88.9%と非常に優秀だ。馬券圏外の残る1頭・ラッキーライラック(2番人気9着)は桜花賞2着→オークス3着とオークスで着順を下げていた。
ローズS組は同レース優勝馬か春のG1連対馬
年 | 馬名 | 秋華賞 | ローズS | オークス | 桜花賞 | ||
人気 | 着順 | 人気 | 着順 | 着順 | 着順 | ||
2014 | ヌーヴォレコルト | 1 | 2 | 2 | 1 | 1 | 3 |
タガノエトワール | 4 | 3 | 15 | 2 | … | … | |
2015 | ミッキークイーン | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | … |
クイーンズリング | 5 | 2 | 5 | 5 | 9 | 4 | |
2016 | カイザーバル | 8 | 3 | 6 | 3 | … | … |
2017 | リスグラシュー | 4 | 2 | 3 | 3 | 5 | 2 |
モズカッチャン | 5 | 3 | 2 | 7 | 2 | … | |
2018 | カンタービレ | 3 | 3 | 5 | 1 | 13 | … |
2019 | シゲルピンクダイヤ | 10 | 3 | 4 | 4 | 12 | 2 |
2021 | アンドヴァラナウト | 3 | 3 | 4 | 1 | … | … |
2023 | マスクトディーヴァ | 3 | 2 | 7 | 1 | … | … |
(表4 前走ローズSからの好走馬)
ローズS組は3着以内の好走馬で最多の11頭を誇るが、【1.4.6.48】と1勝しか挙げられておらず、特にオークス組の好走が目立ってきた過去6年では【0.1.3.24】と好走しても3着止まりが多い。この組の好走馬11頭中8頭はローズSで優勝するか、桜花賞・オークスのいずれかで連対を果たしており、2017年以降の6頭はすべてこれに該当している。
紫苑Sなら優勝馬かオークス連対馬
年 | 馬名 | 秋華賞 | 紫苑S | オークス | 桜花賞 | ||
人気 | 着順 | 人気 | 着順 | 着順 | 着順 | ||
2014 | ショウナンパンドラ | 3 | 1 | 1 | 2 | … | … |
2016 | ヴィブロス | 3 | 1 | 3 | 2 | … | … |
パールコード | 4 | 2 | 2 | 5 | … | … | |
2017 | ディアドラ | 3 | 1 | 1 | 1 | 4 | 6 |
2019 | カレンブーケドール | 2 | 2 | 1 | 3 | 2 | … |
2020 | マジックキャッスル | 10 | 2 | 6 | 4 | 5 | 12 |
2021 | ファインルージュ | 2 | 2 | 2 | 1 | 11 | 3 |
2022 | スタニングローズ | 3 | 1 | 1 | 1 | 2 | … |
(表5 前走紫苑Sからの好走馬)
最後に紫苑S組。こちらは【4.4.0.41】と好走すれば連対まで届いている一方、複勝率17.3%は主要3競走で最も低いため、買うなら1〜2着候補としたい。好走馬の傾向はローズS組と似ており、2017年以降の5頭中4頭は紫苑S優勝馬かオークス連対馬だった。
【結論】
オークス馬・チェルヴィニアの二冠達成か!?
表3本文などで記したように近年の秋華賞はオークス3着以内からの直行馬が優勢で、今年はオークス1着のチェルヴィニア、同2着ステレンボッシュの2頭が該当する。どちらもオークス4番人気以内で「中団」からレースを運び、今回も4番人気以内必至と、オークス組の好走条件の大半を満たしている。2頭で差がつくのは桜花賞とオークスの着順で、チェルヴィニアは桜花賞13着→オークス1着、ステレンボッシュは桜花賞1着→オークス2着。ステレンボッシュのほうが安定していて良さそうに思えるが、秋華賞で好走しているのはオークスでの着順が桜花賞よりも上位か桜花賞と同じだった馬。2頭の比較では着順を上げてきたチェルヴィニアが優位に立つ。
オークス組以外ではローズS優勝馬のクイーンズウォークと、紫苑Sを制したクリスマスパレードがデータをクリアしてくる。特にクイーンズウォークは上記2頭とさほど差のない支持を集めそうだ。ただ、表4、5にあったようにローズS組は勝率が低い上に近年は3着止まりが多いのに対し、紫苑S組は好走すれば連対まで届いている。今年は人気サイド中心の狙いになるため、このあたりの傾向も踏まえて3連単の買い目を絞っていきたい。
ライタープロフィール
浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。