第1768回 【秋華賞 × 過去データ分析】春二冠の結果が明暗を分ける!?|競馬情報ならJRA-VAN

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【秋華賞 × 過去データ分析】春二冠の結果が明暗を分ける!?

2024/10/10(木)

今週は牝馬三冠の最終戦・秋華賞が行われる。桜花賞馬・ステレンボッシュ、オークス馬・チェルヴィニアのいずれかが二冠目を手にするのか、それとも新星が誕生するのか。JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用して過去の傾向から分析してみよう。

優勝馬は4番人気以内

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率
1 4-1-1-4/10 40.0% 50.0% 60.0%
2 0-3-1-6/10 0.0% 30.0% 40.0%
3 4-1-2-3/10 40.0% 50.0% 70.0%
4 2-2-1-5/10 20.0% 40.0% 50.0%
5 0-2-1-7/10 0.0% 20.0% 30.0%
6 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0%
7 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0%
8 0-0-2-8/10 0.0% 0.0% 20.0%
9 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0%
10 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0%
11〜 0-0-0-73/73 0.0% 0.0% 0.0%

(表1 人気別成績)

過去10年の人気別では1番人気【4.1.1.4】と3番人気【4.1.2.3】が4勝ずつを挙げ、連対率や複勝率も上々。残る優勝馬2頭は4番人気から出ており、5番人気以下の勝利はない。加えて2着馬は9頭が5番人気以内で、連対馬20頭中19頭は5番人気以内だ。8〜10番人気が【0.1.4.25】と5頭好走しており、穴を狙うならこのあたりから選びたい。

近年は前走オークス組が主力

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 過去6年
1勝クラス 0-0-1-7/8 0.0% 0.0% 12.5% 0-0-0-4
2勝クラス 0-1-1-16/18 0.0% 5.6% 11.1% 0-1-1-11
3勝クラス 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-3
OPEN 1-0-0-10/11 9.1% 9.1% 9.1% 0-0-0-0
G3 3-4-0-36/43 7.0% 16.3% 16.3% 1-3-0-23
G2 1-4-6-55/66 1.5% 7.6% 16.7% 0-1-3-31
G1 5-1-2-16/24 20.8% 25.0% 33.3% 5-1-2-12

(表2 前走クラス別成績)

前走クラス別では重賞組が【9.9.8.107】と好走馬の大半を占める。オープン特別組の好走馬1頭は重賞昇格前の紫苑Sで、このオープン・重賞組はオークス【5.1.2.16】、ローズS【1.4.6.48】、紫苑S【4.4.0.41】からしか好走馬が出ていない。特に2018年以降はオークス組が6年で5勝と優勢だ。なお、条件戦組の好走馬3頭はすべて前走で1番人気に支持され、2着に2馬身以上の差をつけて勝利していた。今年は該当馬不在のため、狙いは上記のオークス組、ローズS組、紫苑S組に絞っていいだろう。

オークス好走からの直行馬は安定感抜群

馬名 秋華賞 オークス 桜花賞
人気 着順 人気 着順 通過順 着順
2018 アーモンドアイ 1 1 1 1 6-6-6-5 1
2019 クロノジェネシス 4 1 2 3 4-4-4-5 3
2020 デアリングタクト 1 1 1 1 11-12-12-13 1
2021 アカイトリノムスメ 4 1 2 2 5-7-10-10 4
2022 ナミュール 2 2 4 3 8-9-9-9 10
スターズオンアース 1 3 3 1 8-7-8-8 1
2023 リバティアイランド 1 1 1 1 6-6-6-6 1
ハーパー 2 3 2 2 8-8-8-8 4

(表3 前走オークスからの好走馬)

前走オークス組の好走馬は表3の8頭で、いずれもオークス4番人気以内かつ3着以内、そして秋華賞では4番人気以内。また8頭はすべて桜花賞にも出走しており、オークスの着順が桜花賞より悪化した馬はいなかった。さらに、8頭のオークスでの脚質(Target frontier JVによる分類)は中団または後方で、逃げ・先行だった馬は【0.0.0.5】に終わっている。

なお、オークス3着以内から秋華賞に直行した馬は【5.1.2.3】複勝率72.7%。馬券圏外に敗れた3頭のうちウインマリリン(15着)とユーバーレーベン(13着)はどちらも桜花賞不出走で秋華賞は5番人気だった。秋華賞4番人気以内にかぎれば【5.1.2.1】複勝率88.9%と非常に優秀だ。馬券圏外の残る1頭・ラッキーライラック(2番人気9着)は桜花賞2着→オークス3着とオークスで着順を下げていた。

ローズS組は同レース優勝馬か春のG1連対馬

馬名 秋華賞 ローズS オークス 桜花賞
人気 着順 人気 着順 着順 着順
2014 ヌーヴォレコルト 1 2 2 1 1 3
タガノエトワール 4 3 15 2
2015 ミッキークイーン 1 1 1 2 1
クイーンズリング 5 2 5 5 9 4
2016 カイザーバル 8 3 6 3
2017 リスグラシュー 4 2 3 3 5 2
モズカッチャン 5 3 2 7 2
2018 カンタービレ 3 3 5 1 13
2019 シゲルピンクダイヤ 10 3 4 4 12 2
2021 アンドヴァラナウト 3 3 4 1
2023 マスクトディーヴァ 3 2 7 1

(表4 前走ローズSからの好走馬)

ローズS組は3着以内の好走馬で最多の11頭を誇るが、【1.4.6.48】と1勝しか挙げられておらず、特にオークス組の好走が目立ってきた過去6年では【0.1.3.24】と好走しても3着止まりが多い。この組の好走馬11頭中8頭はローズSで優勝するか、桜花賞・オークスのいずれかで連対を果たしており、2017年以降の6頭はすべてこれに該当している。

紫苑Sなら優勝馬かオークス連対馬

馬名 秋華賞 紫苑S オークス 桜花賞
人気 着順 人気 着順 着順 着順
2014 ショウナンパンドラ 3 1 1 2
2016 ヴィブロス 3 1 3 2
パールコード 4 2 2 5
2017 ディアドラ 3 1 1 1 4 6
2019 カレンブーケドール 2 2 1 3 2
2020 マジックキャッスル 10 2 6 4 5 12
2021 ファインルージュ 2 2 2 1 11 3
2022 スタニングローズ 3 1 1 1 2

(表5 前走紫苑Sからの好走馬)

最後に紫苑S組。こちらは【4.4.0.41】と好走すれば連対まで届いている一方、複勝率17.3%は主要3競走で最も低いため、買うなら1〜2着候補としたい。好走馬の傾向はローズS組と似ており、2017年以降の5頭中4頭は紫苑S優勝馬かオークス連対馬だった。

【結論】

オークス馬・チェルヴィニアの二冠達成か!?

表3本文などで記したように近年の秋華賞はオークス3着以内からの直行馬が優勢で、今年はオークス1着のチェルヴィニア、同2着ステレンボッシュの2頭が該当する。どちらもオークス4番人気以内で「中団」からレースを運び、今回も4番人気以内必至と、オークス組の好走条件の大半を満たしている。2頭で差がつくのは桜花賞とオークスの着順で、チェルヴィニアは桜花賞13着→オークス1着、ステレンボッシュは桜花賞1着→オークス2着。ステレンボッシュのほうが安定していて良さそうに思えるが、秋華賞で好走しているのはオークスでの着順が桜花賞よりも上位か桜花賞と同じだった馬。2頭の比較では着順を上げてきたチェルヴィニアが優位に立つ。

オークス組以外ではローズS優勝馬のクイーンズウォークと、紫苑Sを制したクリスマスパレードがデータをクリアしてくる。特にクイーンズウォークは上記2頭とさほど差のない支持を集めそうだ。ただ、表4、5にあったようにローズS組は勝率が低い上に近年は3着止まりが多いのに対し、紫苑S組は好走すれば連対まで届いている。今年は人気サイド中心の狙いになるため、このあたりの傾向も踏まえて3連単の買い目を絞っていきたい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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