第1758回 【エルムS×過去データ分析】マリーンSかG1/Jpn1の好走馬に注目|競馬情報ならJRA-VAN

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【エルムS×過去データ分析】マリーンSかG1/Jpn1の好走馬に注目

2024/8/1(木)

今週は札幌競馬場でエルムS、新潟競馬場でレパードSが行われる。JRAでは毎週重賞が組まれているが、年間で唯一、ダートの重賞だけが行われる週となっている。今回はエルムSに注目してデータを分析。いつものようにJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

4歳・5歳が中心

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
4歳 3-  2-  1- 14/ 20 15.0% 25.0% 30.0% 143 115
5歳 5-  3-  2- 21/ 31 16.1% 25.8% 32.3% 189 101
6歳 1-  2-  5- 27/ 35 2.9% 8.6% 22.9% 14 58
7歳以上 0-  2-  1- 33/ 36 0.0% 5.6% 8.3% 0 36

(表1 エルムSの年齢別成績、21年を除く過去10年)

函館ダート1700mで行われた2021年を除く、過去10年のエルムSの年齢別成績を調べたところ、4歳と5歳の成績がほぼ互角かつ優秀だった。それぞれ勝率は約15%、連対率は約25%、複勝率は約30%。単勝・複勝の回収値は100を超えていた。6歳は好走率がガクンと下がり、7歳以上は未勝利かつ複勝率はわずか8.3%だった。

マリーンS組に注目

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
マリーンS 6- 2- 2-32/42 14.3% 19.0% 23.8% 110 62
平安SG3 1- 2- 1- 4/ 8 12.5% 37.5% 50.0% 152 150
安達太良S 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 950 146
東京大G1 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 520 220
プロキオG3 0- 2- 0- 7/ 9 0.0% 22.2% 22.2% 0 47
アンタレG3 0- 1- 1- 7/ 9 0.0% 11.1% 22.2% 0 45
大沼S(L) 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0 220
甲州街H・3勝 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0 320
マーキG3 0- 0- 2- 4/ 6 0.0% 0.0% 33.3% 0 113
名古屋G3 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0 870
大沼S 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0 130
JCDG1 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0 850

(表2 エルムSの前走レース別成績(一部)、21年を除く過去10年)

続いて前走レース別成績を調べたところ、マリーンS【6.2.2.32】が出走頭数・好走馬数ともに最も多かった。さらに同レースの着順別成績を調べると、1着【2.1.0.4】、2着【2.1.0.3】、3着【2.0.0.3】、4着以下【0.0.2.22】だった。つまりマリーンSで3着以内だと【6.2.0.10】、勝率33.3%、連対率・複勝率44.4%とさらに成績が良くなった。

その他では平安S【1.2.1.4】やプロキオンS【0.2.0.7】、アンタレスS【0.1.1.7】といった比較的近い時期に行われたJRAダート重賞組の成績が良かった。また、前走3勝クラス【1.1.0.5】も好成績。16年にリッカルドが7番人気1着、23年にワールドタキオンが4番人気2着と好走している。

G1/Jpn1通用の実力が必要

着順 馬名S 人気 性別 年齢 G1/Jpn1好走実績
23年 1 セキフウ 6 4 24年フェブラリーS3着
20年 2 ウェスタールンド 2 8 18年チャンピオンズC2着
20年 3 アナザートゥルース 5 6 21年チャンピオンズC3着
18年 3 ミツバ 1 6 19年川崎記念1着
17年 2 テイエムジンソク 1 5 17年チャンピオンズC2着
15年 2 グレープブランデー 5 7 13年フェブラリーS1着
14年 1 ローマンレジェンド 3 6 12年東京大賞典1着
14年 3 インカンテーション 10 4 15年フェブラリーS2着

(表3 主なエルムS好走馬、21年を除く過去10年)

表3ではダートG1/Jpn1(2歳・3歳限定戦除く)好走実績に注目し、過去だけでなく未来の実績も記載して好走馬をまとめた。14年1着ローマンレジェンドは12年東京大賞典1着、15年2着グレープブランデーは13年フェブラリーS1着の実績があった格上馬だった。一方、14年3着インカンテーションは15年のフェブラリーSで2着、23年1着セキフウは24年のフェブラリーSで3着と、本競走を経て後のG1で好走した。このように本競走を境にし、過去や未来のG1/Jpn1で好走した馬が多かった。本競走は夏のローカルのG3という位置づけのレースだが、出走馬のレベルが高く、秋の大きなレースにもつながると言える。

【結論】

まずはマリーンS好走馬

今年のエルムSはフルゲート14頭に対して18頭の登録(7/29時点)があり、いいメンバーが揃うレースとなりそうだ。まず何はともあれ前走マリーンS組に注目。同レースで3着以内に入ったナチュラルハイ、サンテックス、テーオードレフォンが有力。ナチュラルハイとサンテックスは今回が重賞初挑戦だが、ともに4歳と若く、これから活躍が期待される馬だ。

今年のフェブラリーS上位人気馬が巻き返している

人気 着順 馬名 その後の主な成績
1 14 オメガギネス 三宮S1着
2 8 ウィルソンテソーロ 帝王賞2着
3 12 ドゥラエレーデ ドバイWC5着
4 5 キングズソード 帝王賞1着
5 2 ガイアフォース 安田記念4着

(表4 24年フェブラリーSで5番人気以内に支持された馬)

過去にダートG1/Jpn1(2歳・3歳限定戦除く)で好走実績があるのは、ドゥラエレーデ(23年チャンピオンズC3着など)とペイシャエス(22年JBCクラシック3着)。未来のG1/Jpn1好走馬の予測は難しいので、今回はこの2頭が有力と見たい。中でもドゥラエレーデにはさらに後押しできる材料がある。

表4は24年のフェブラリーSで5番人気以内に支持された馬の結果と、その後の主な成績を記したもの。今年のフェブラリーSは11番人気ペプチドナイルが勝利した一方で、上位人気勢は1番人気オメガギネスが14着に敗れるなど散々な結果だったが、次走か2走後にしっかりと巻き返している。例えば、オメガギネスは先日の三宮Sを7馬身差で圧勝。キングスソードとウィルソンテソーロは帝王賞でワン・ツー決着を果たした。したがって、ドゥラエレーデもG3のここでは負けられず、巻き返し濃厚とみたい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。


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