第1747回 やはり桜花賞組? それとも別路線組? オークスを展望する|競馬情報ならJRA-VAN

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やはり桜花賞組? それとも別路線組? オークスを展望する

2024/5/16(木)

先週に続き、東京で牝馬のG1が開催される。今週は3歳馬によるオークス。3年連続で桜花賞馬が春の二冠を達成するのか、阻止する馬が現れるのか。過去10年のデータから展望していこう。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

オークスまでキャリア4、5戦が主流

キャリア 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
2戦 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
3戦 2- 0- 1-18/21 9.5% 9.5% 14.3% 26 30
4戦 4- 4- 2-27/37 10.8% 21.6% 27.0% 32 122
5戦 2- 5- 4-25/36 5.6% 19.4% 30.6% 33 93
6戦 2- 0- 3-33/38 5.3% 5.3% 13.2% 40 70
7戦〜 0- 1- 0-39/40 0.0% 2.5% 2.5% 0 18

(表1 キャリア別成績)

近年、3歳春のG1ではキャリアの浅い馬が勝利する例が目立つ。オークスはどうかといえば、好走馬の大半はキャリア3〜6戦から出ている。そのなかでも主流はキャリア4戦もしくは5戦で、好走率も高い。

桜花賞で4角5番手以降から1〜3着

桜花賞で 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
着順 1着 4- 1- 0- 3/ 8 50.0% 62.5% 62.5% 140 86
2着 1- 0- 2- 4/ 7 14.3% 14.3% 42.9% 28 75
3着 2- 1- 1- 5/ 9 22.2% 33.3% 44.4% 135 72
4着〜 0- 3- 3-51/57 0.0% 5.3% 10.5% 0 37
4角通過 1〜4番手 0- 0- 1-14/15 0.0% 0.0% 6.7% 0 8
5番手〜 7- 5- 5-49/66 10.6% 18.2% 25.8% 38 59

(表2 前走桜花賞出走馬に関するデータ)

前走桜花賞出走馬は、そこでの着順と4角通過順をチェックしたい。まず着順は、桜花賞で1〜3着だった馬は合算して【7.2.3.12】という成績で、オークスでも半数は3着以内に入っている。4角通過順の傾向も明確で、桜花賞で4角1〜4番手だった馬は【0.0.1.14】と苦戦が目立つ。両方のデータをまとめると、桜花賞で4角5番手以降から1〜3着に入っていた馬が狙い目ということになる。

東京無敗馬が桜花賞4着以下から巻き返す

年度 人気 着順 馬名 東京の全成績と主な勝ち鞍
15年 1 2 ルージュバック 【1.0.0.0】百日草特別
17年 2 3 アドマイヤミヤビ 【2.0.0.0】クイーンC
21年 2 2 アカイトリノムスメ 【3.0.0.0】クイーンC
22年 4 3 ナミュール 【1.0.0.0】赤松賞
23年 2 2 ハーパー 【1.0.0.0】クイーンC
15 3 ドゥーラ (東京未出走)

(表3 桜花賞4着以下のオークス好走馬と東京実績)

とはいえ、桜花賞4着以下からオークスで巻き返した馬もいないわけではない。過去10年で6頭おり、それらの戦績を調べると、23年のドゥーラ(東京未出走)を除く5頭には東京で無敗という共通項があった。さらに、そのうち3頭が2月東京のクイーンC勝ち馬であることにも注目しておきたい。

フローラSで4角8番手以降から上がり1〜2位

フローラSで 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
4角通過 1〜 7番手 0- 1- 0-23/24 0.0% 4.2% 4.2% 0 17
8番手〜 1- 2- 1-16/20 5.0% 15.0% 20.0% 44 52
上がり3F順 上がり1〜2位 1- 3- 1- 7/12 8.3% 33.3% 41.7% 74 122
上がり3位〜 0- 0- 0-32/32 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

(表4 前走フローラS出走馬に関するデータ)

前走フローラS出走馬は、そこでの4角通過順と上がり3F順をチェックしたい。フローラSで上がり1〜2位を記録することは絶対条件とも言え、この組のオークス好走馬5頭すべてが該当する。また、4角通過順は8番手以降が望ましく、フローラSで4角1〜7番手だった馬はオークスでの苦戦傾向が顕著だ。

非主流ローテの好走には3つの共通項

年度 人気 着順 馬名 前走
レース名 条件 人気 着順
14年 3 3 バウンスシャッセ 皐月賞 芝2000m 12 11
15年 3 1 ミッキークイーン 忘れな草賞 芝2000m 1 1
19年 1 1 ラヴズオンリーユー 忘れな草賞 芝2000m 1 1
12 2 カレンブーケドール スイートピーS 芝1800m 2 1
20年 13 3 ウインマイティー 忘れな草賞 芝2000m 3 1
21年 16 3 ハギノピリナ 矢車賞 芝2200m 3 1
22年 10 2 スタニングローズ フラワーC 芝1800m 2 1

(表5 前走桜花賞・フローラS以外のオークス好走馬)

過去10年、前走が桜花賞とフローラS以外だったオークス好走馬は7頭いる。このうち、14年のバウンスシャッセを除く6頭の前走には「重賞・オープンか1勝クラス」「芝1800m以上」「1〜3番人気で1着」という共通項がある。なお、バウンスシャッセも2走前のフラワーC(G3・芝1800m)では3番人気1着という成績を収めており、牡馬相手の皐月賞をノーカウントとみなせば前記の条件をクリアという見方もできる。

【結論】

桜花賞馬ステレンボッシュに死角なし

前走桜花賞組のうち「4角5番手以降から1〜3着」に該当するステレンボッシュ(桜花賞で4角8番手→1着)とライトバック(同4角18番手→3着)は、当然有望とみるべきだろう。桜花賞4着以下から巻き返しを期待するなら、東京で無敗かつクイーンC勝ち馬のクイーンズウォークだ。

前走フローラS組は「上がり1〜2位」を記録していることが絶対条件といってよく、これに該当するのは上がり2位だったアドマイヤベル。ただし、4角6番手だったため、フローラS組のもうひとつの条件として挙げた「4角8番手以降」は満たせなかった。

桜花賞・フローラS以外の前走からは、「重賞・オープンか1勝クラス」「芝1800m以上」「1〜3番人気で1着」をすべて満たすミアネーロタガノエルピーダエセルフリーダの3頭を挙げておこう。

最後に上記7頭のキャリアを記しておくと、ステレンボッシュ、ライトバック、クイーンズウォーク、アドマイヤベル、タガノエルピーダ、エセルフリーダは好走率の高いキャリア4、5戦に該当。ミアネーロはキャリア3戦での出走となる。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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