第1745回 今年も波乱の決着か? NHKマイルC分析|競馬情報ならJRA-VAN

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今年も波乱の決着か? NHKマイルC分析

2024/5/2(木)

5月に入り、今週から東京競馬場で5週連続G1が開催される。そのオープニングを飾るのは3歳マイル王決定戦のNHKマイルC。一昨年には3連単153万馬券が飛び出すなど、波乱傾向が強い一戦として知られている。果たして今年も波乱の決着となるのか、2014年以降過去10年におけるNHKマイルCのデータから今年狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

上位4番人気以内は前走G1組が好成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1番人気 2-  1-  1-  6/ 10 20.0% 30.0% 40.0% 42 60
2番人気 3-  2-  1-  4/ 10 30.0% 50.0% 60.0% 138 125
3番人気 1-  1-  1-  7/ 10 10.0% 20.0% 30.0% 64 74
4番人気 1-  1-  0-  8/ 10 10.0% 20.0% 20.0% 71 52
(1〜4人気) 7-  5-  3- 25/ 40 17.5% 30.0% 37.5% 78 77
(前走オープン特別) 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
(前走G3) 2- 2- 2-11/17 11.8% 23.5% 35.3% 52 76
(前走G2) 1- 1- 1- 8/11 9.1% 18.2% 27.3% 33 58
(前走G1) 4- 2- 0- 5/11 36.4% 54.5% 54.5% 170 106
5番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
6番人気 1-  0-  2-  7/ 10 10.0% 10.0% 30.0% 128 113
7番人気 0-  1-  1-  8/ 10 0.0% 10.0% 20.0% 0 107
8番人気 0-  1-  0-  9/ 10 0.0% 10.0% 10.0% 0 39
9番人気 2-  0-  1-  7/ 10 20.0% 20.0% 30.0% 518 182
10番人気以下 0-  3-  3- 83/ 89 0.0% 3.4% 6.7% 0 125

(表1 NHKマイルCの人気別成績(過去10年))

表1はNHKマイルCの人気別成績。1番人気馬は16年メジャーエンブレムら2勝にとどまり、複勝率も40.0%と低め。2番人気馬が21年シュネルマイスターら最多の3勝をあげ、複勝率60.0%はトップ。以下、9番人気馬が昨年のシャンパンカラーら2勝、3・4・6番人気馬が1勝ずつ。

上位4番人気以内の前走クラス別成績では、前走G1組が19年アドマイヤマーズら4勝をあげ、連対率・複勝率は54.5%と高く、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。

下位人気では9番人気馬が複勝率30.0%と健闘。10番人気以下も2・3着3回ずつと人気薄の激走が目立つ一戦だ。

前走皐月賞で1ケタ着順だった馬が連対率100%

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1200m 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
1400m 1-  1-  1- 31/ 34 2.9% 5.9% 8.8% 87 85
1600m 6-  5-  7- 86/104 5.8% 10.6% 17.3% 50 110
1800m 0-  3-  1- 19/ 23 0.0% 13.0% 17.4% 0 86
2000m 3-  1-  1- 12/ 17 17.6% 23.5% 29.4% 84 140
(前走皐月賞組) 2- 1- 1- 9/13 15.4% 23.1% 30.8% 82 171
(前走4着) 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 430 210
(前走5着) 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 640 210
(前走6〜9着) 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0 210
(前走10着以下) 0- 0- 1- 9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0 160

(表2 NHKマイルCの前走距離別成績(過去10年))

表2は前走距離別成績。出走数の半数以上を占める前走1600m組が過半数の6勝をあげるも、連対率・複勝率はそれほど高くない。前走1400m組は20年ラウダシオン(前走ファルコンS2着)が勝利するも、複勝率は低い。前走1800m組は勝ち星がないものの、複勝率で前走1600m組をわずかに上回っている。複勝率が最も高いのは前走2000m組で、なかでも前走皐月賞組は15年クラリティスカイら2勝をあげている。

皐月賞組の前走着順別成績は前走1ケタ着順に入っていた3頭がいずれも連対を果たしている一方、前走10着以下だった馬は3着1回のみで、複勝率10.0%と明らかな違いが出ている。該当数こそ少ないものの、これは見逃せないデータで、2000mの皐月賞で1ケタ着順に入れていた馬は東京マイルに替わってより力を発揮しやすいということだろう。

前走1600m組は前走2〜5着に注目

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
前走1着 2-  0-  1- 19/ 22 9.1% 9.1% 13.6% 40 30
(アーリントンC) 2- 0- 1- 4/ 7 28.6% 28.6% 42.9% 128 95
(その他のレース) 0- 0- 0-15/15 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
前走2着 1-  3-  2- 11/ 17 5.9% 23.5% 35.3% 75 140
前走3着 1-  0-  2- 13/ 16 6.3% 6.3% 18.8% 138 83
前走4着 1-  1-  0-  6/  8 12.5% 25.0% 25.0% 28 136
前走5着 1-  0-  1-  5/  7 14.3% 14.3% 28.6% 82 125
前走6〜9着 0-  0-  0- 21/ 21 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
前走10着以下 0-  1-  1- 11/ 13 0.0% 7.7% 15.4% 0 392

(表3 前走1600m組の前走着順別成績(過去10年))

表3は前走1600m組の前走着順別成績。前走1着馬は一昨年のダノンスコーピオンら2勝をあげ、好走した3頭はいずれも前走アーリントンC組だった。その他のレースの前走1600m1着馬はすべて4着以下に敗れている。

前走2〜5着では前走3着のみ複勝率が20%を割り込むものの、この範囲の好走馬13頭中9頭が6番人気以下の伏兵で複勝回収率が高い。前走6着以下になると苦戦傾向。前走10着以下からは一昨年カワキタレブリー(前走アーリントンC11着)が18番人気ながら3着と激走しており、複勝回収率が跳ね上がっている。

ノーザンファーム生産の前走2〜5着馬をチェック

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
前走1着 1- 0- 0-10/11 9.1% 9.1% 9.1% 17 12
前走2着 0- 2- 3- 8/13 0.0% 15.4% 38.5% 0 146
前走3着 0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0 130
前走4着 2- 1- 0- 3/ 6 33.3% 50.0% 50.0% 110 270
前走5着 1- 0- 1- 4/ 6 16.7% 16.7% 33.3% 96 146
前走6〜9着 0- 0- 0- 8/ 8 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
前走10着以下 0- 1- 0-11/12 0.0% 8.3% 8.3% 0 26

(表4 ノーザンファーム生産馬の前走着順別成績(過去10年))

表4はノーザンファーム生産馬の前走着順別成績。NHKマイルCではノーザンファーム生産馬の出走数が抜けて多く、【4.4.5.47】。17年アエロリットら4勝をあげ、連対率13.3%・複勝率21.7%。ここでも前走1着馬は14年ミッキーアイル(前走アーリントンC1着)の1勝のみで、他の10頭はいずれも4着以下に敗れている。

対して、前走2〜5着馬が好調で、複勝率が高い。この範囲の好走馬11頭中6頭は6番人気以下の伏兵で、複勝回収率も100%を超えている。昨年も8番人気ウンブライル(前走ニュージーランドT2着)が2着に好走しており、今年も該当馬はチェックしておきたい。

【結論】

今年は人気2頭の順当決着と推測

馬名 前走成績
アスコリピチェーノ 桜花賞 2着
アルセナール クイーンC 2着
ゴンバデカーブース サウジアラビアRC 1着
ジャンタルマンタル 皐月賞 3着
ダノンマッキンリー ファルコンS 1着
ディスペランツァ アーリントンC 1着
ノーブルロジャー 毎日杯 2着
ボンドガール ニュージーランドT 2着

(表5 今年のNHKマイルCの注目馬)

(表5は5/1時点)

NHKマイルCの注目馬は表5のとおり。

例年は前走G1以外のさまざまな路線から来た馬が初顔合わせで対戦し波乱となるケースが多い。ただし今年は皐月賞3着ジャンタルマンタル、桜花賞2着アスコリピチェーノが出走を予定している。この2頭ともに戦績がまったく崩れておらず、調子落ち以外で凡走する場面は考えにくい。表2で示した好相性の皐月賞組からジャンタルマンタルを本命視するが、アスコリピチェーノも休み明けの前走桜花賞2着からさらに調子を上げてくる可能性があり、逆転の目も十分に考えられる。

この2頭の実力が抜けていると見るが、割って入るとすれば前走アーリントンC1着馬のディスペランツァ。そしてノーザンファーム生産馬で前走クイーンC2着のアルセナールも穴としておさえておきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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