第1743回 前走人気が明暗を分ける!? マイラーズCを分析する|競馬情報ならJRA-VAN

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前走人気が明暗を分ける!? マイラーズCを分析する

2024/4/18(木)

クラシックの1冠目が終わり、今週末はG1シリーズの中休み。東西で大舞台に向けてのG2が開催される。そのうち今回は、京都で行われるマイラーズCを過去10年のデータから展望する。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

今走、前走ともに5番人気以内が優位

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
今走 1番人気 3- 3- 2- 2/10 30.0% 60.0% 80.0% 54 104
2番人気 2- 1- 2- 5/10 20.0% 30.0% 50.0% 90 72
3番人気 2- 1- 1- 6/10 20.0% 30.0% 40.0% 155 92
4番人気 1- 1- 2- 6/10 10.0% 20.0% 40.0% 68 80
5番人気 0- 3- 0- 7/10 0.0% 30.0% 30.0% 0 88
6〜9番人気 2- 1- 2-35/40 5.0% 7.5% 12.5% 75 53
10番人気〜 0- 0- 1-49/50 0.0% 0.0% 2.0% 0 17
前走 前走1番人気 2- 4- 1-12/19 10.5% 31.6% 36.8% 74 73
前走2番人気 3- 2- 4-10/19 15.8% 26.3% 47.4% 74 93
前走3番人気 2- 1- 2- 7/12 16.7% 25.0% 41.7% 243 134
前走4番人気 2- 1- 0- 6/ 9 22.2% 33.3% 33.3% 45 64
前走5番人気 1- 1- 1- 6/ 9 11.1% 22.2% 33.3% 57 78
前走6番人気〜 0- 1- 1-64/66 0.0% 1.5% 3.0% 0 17

(表1 今走および前走人気別成績)

人気別のデータをふたつチェックしたい。今走人気から見ていくと、1番人気は複勝率80%と非常に堅実。2〜5番人気も堅調な数字を記録しており、上位人気が強い傾向が見て取れる。一方、10番人気以下は極端に好走率を落とすため、少なくとも9番人気までには収まりたい。また、前走人気(集計対象は中央のみ)の傾向も明確。前走1〜5番人気はいずれもすべて複勝率30〜40%台と安定しているのに対し、前走6番人気以下だった馬はかなり苦戦というデータが残っている。

芝1600m複勝率80%以上なら半数超が好走

芝1600m実績 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
複勝率 80%以上 5- 4- 3- 9/21 23.8% 42.9% 57.1% 105 96
80%未満60%以上 1- 2- 4-23/30 3.3% 10.0% 23.3% 5 46
60%未満40%以上 2- 3- 2-42/49 4.1% 10.2% 14.3% 56 51
40%未満 0- 0- 1-32/33 0.0% 0.0% 3.0% 0 19
重賞の最高着順 G1で1着 3- 1- 0- 3/ 7 42.9% 57.1% 57.1% 77 94
G1で2、3着 3- 1- 3-13/20 15.0% 20.0% 35.0% 79 86
G1以外で1着 0- 2- 4-20/26 0.0% 7.7% 23.1% 0 48
G1以外で2、3着 1- 0- 0-21/22 4.5% 4.5% 4.5% 101 22

(表2 芝1600m実績別成績)

芝1600mの実績に関するデータをふたつ調べた。ひとつは複勝率別のデータで、こちらは芝1600mで2走以上を対象とした。表2の通り、芝1600mで「複勝率80%以上」を記録している馬は半数以上が好走し、これは有望だ。もうひとつは芝1600m重賞における最高着順別のデータで、「G1で1着」の実績を持つ馬はさすがの好成績。また、「G1で2、3着」と「G1以外で1着」を比較すると、前者のほうが好走しやすいことがわかる。言い換えると、G2やG3の1着実績より、G1の2、3着実績を持つ馬のほうが期待できるということになる。

前走G2出走馬の半数が連対

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
1勝 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
2勝 0- 0- 0- 0/ 0          
3勝 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 130 46
オープン特別 2- 1- 0-21/24 8.3% 12.5% 12.5% 120 34
リステッド競走 0- 3- 1-20/24 0.0% 12.5% 16.7% 0 42
G3 1- 4- 6-46/57 1.8% 8.8% 19.3% 15 59
G2 6- 2- 0- 8/16 37.5% 50.0% 50.0% 132 88
G1 0- 0- 2- 5/ 7 0.0% 0.0% 28.6% 0 38
地方 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
海外 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0 46

(表3 前走クラス別成績)

続いて前走クラス別成績をチェック。前走G2が過去10年で6勝、2着2回の好成績で、連対率は50%に達する。出走最多は延べ57頭の前走G3。1〜3着に入った馬も計11頭で最多だが、好走率の優位性は見られない。前走リステッド競走・オープン特別は合わせて延べ48頭が出走。出走例が多いこれらの組は、絞り込みが重要になる。前走3勝クラスの好走は22年1着のソウルラッシュが唯一で、条件戦3連勝の勢いをそのまま持ち込んだ。そのほか、前走G1と前走海外だった馬が合わせて3着3回を記録している。

前走G3出走馬はタイム差0秒4以内が目安

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
前走人気 前走1〜3番人気 1- 3- 5-10/19 5.3% 21.1% 47.4% 47 118
前走4番人気〜 0- 1- 1-35/37 0.0% 2.7% 5.4% 0 31
前走タイム差 前走1着 0- 0- 1- 4/ 5 0.0% 0.0% 20.0% 0 38
前走負け0秒4差以内 1- 3- 4-10/18 5.6% 22.2% 44.4% 50 121
前走負け0秒5差以上 0- 1- 1-31/33 0.0% 3.0% 6.1% 0 31

(表4 前走G3出走馬に関するデータ)

前走G3出走馬は前走人気と前走タイム差をチェックしたい。レース全体では前走1〜5番人気の好走率が高いことを確認済みだが、前走G3ではより厳しく前走1〜3番人気をボーダーとしたい。また、前走タイム差は0秒4以内なら許容範囲で、前走G3で1着だった馬よりむしろ結果を残している

前走OP特別・リステッドならは中8週以上ほしい

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
前走人気 前走1〜3番人気 2- 3- 1-13/19 10.5% 26.3% 31.6% 151 77
前走4番人気〜 0- 1- 0-28/29 0.0% 3.4% 3.4% 0 12
出走間隔 〜中7週 0- 1- 1-33/35 0.0% 2.9% 5.7% 0 9
中8週〜 2- 3- 0- 8/13 15.4% 38.5% 38.5% 221 116

(表5 前走リステッド・OP特別出走馬に関するデータ)

前走リステッド競走・オープン特別出走馬に関しても前走1〜3番人気に推されていることが基準となり、好走馬7頭中6頭が該当する。また、このケースで前走からの出走間隔が中7週以下だと複勝率5.7%と苦戦する一方、中8週以上なら連対率38.5%と激変する。なお、この組に該当するディープインパクト産駒は、前走人気や出走間隔を問わず【1.2.1.3】と警戒すべきだ。

【結論】

実績上位のセリフォスとソウルラッシュ

最大勢力は登録8頭の前走リステッド組(前走オープン特別は該当馬なし)。そこで1〜3番人気に推され、なおかつ中8週以上の出走となるのがリューベックである。加えて、ディープインパクト産駒ノースザワールドも侮れない存在となる。

前走G3組は5頭いるが、そこで1〜3番人気に推されていた馬が見当たらない。もうひとつの好走条件であるタイム差が0秒4以内だった馬には、エアロロノアとエエヤンの2頭がいる。好成績の前走G2組にはソーヴァリアントが該当。過去に経験した芝1600m戦は昨年のマイルCS(12着)だけだが、相性のいいローテーションで新味を発揮できるか。

この通り、例年のマイラーズCで主力となる組の中に、好走条件がピタリと当てはまる馬は決して多くはない。となると、表2の項で述べた芝1600m実績が物を言う可能性もあるだろう。この条件のG1で1着があるセリフォス、同じくG1で2着があるソウルラッシュのほか、芝1600m(2走以上)で複勝率100%のニホンピロキーフの名前も挙げておきたい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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