前走距離と前走馬体重がカギ! フィリーズR分析!
2024/3/7(木)
今週は土曜に中山でハンデ重賞の中山牝馬S、日曜に中京で金鯱賞、阪神で桜花賞トライアルのフィリーズRと3鞍の平地重賞が組まれている。今回はそのなかで日曜阪神メインのフィリーズRをピックアップ。2014年には3連単175万馬券が飛び出すなど波乱傾向が強い一戦を14年以降・過去10年のデータから分析し、今年馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
関西馬が圧倒、そのなかで2番人気馬が好成績
調教師分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
美浦 | 0- 0- 1- 31/ 32 | 0.0% | 0.0% | 3.1% | 0 | 13 |
地方 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
栗東 | 11- 9- 9-113/142 | 7.7% | 14.1% | 20.4% | 89 | 103 |
(1番人気) | 1- 3- 0- 5/ 9 | 11.1% | 44.4% | 44.4% | 40 | 61 |
(2番人気) | 4- 3- 2- 1/ 10 | 40.0% | 70.0% | 90.0% | 221 | 172 |
(3番人気) | 1- 0- 0- 7/ 8 | 12.5% | 12.5% | 12.5% | 43 | 30 |
(4番人気) | 0- 0- 1- 7/ 8 | 0.0% | 0.0% | 12.5% | 0 | 28 |
(5番人気) | 1- 0- 1- 5/ 7 | 14.3% | 14.3% | 28.6% | 197 | 114 |
(6番人気) | 0- 0- 2- 5/ 7 | 0.0% | 0.0% | 28.6% | 0 | 91 |
(7番人気) | 0- 2- 0- 7/ 9 | 0.0% | 22.2% | 22.2% | 0 | 87 |
(8番人気) | 3- 0- 0- 5/ 8 | 37.5% | 37.5% | 37.5% | 792 | 158 |
(9番人気) | 0- 0- 0- 9/ 9 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(10番人気以下) | 1- 1- 3- 62/ 67 | 1.5% | 3.0% | 7.5% | 30 | 125 |
(表1 フィリーズR出走の関西馬の人気別成績(過去10年))
注:2019年は1着同着のため、1着馬11頭
表1は出走馬の所属別成績と関西馬における人気別成績。関東馬で好走したのは14年3着エスメラルディーナのみで苦戦傾向にある。関西馬が19年ノーワンとプールヴィルの1着同着を含めてすべて勝利しており、3着以内数でも圧倒している。
これら関西馬の人気別成績では1番人気馬は15年クイーンズリングの1勝のみで、複勝率も44.4%と低め。一方、2番人気馬が昨年のシングザットソングら最多の4勝をあげており、複勝率は90.0%と非常に高い。8番人気馬は21年シゲルピンクルビーら3勝と勝ち星で2番人気馬に続いている。また、19年ノーワンが12番人気で勝利するなど、10番人気以下が5頭激走している。14年には2→13→7番人気の順で3連単175万馬券、昨年を含めて10年中5年で3連単10万円以上の配当となっており、波乱傾向が強い一戦だ。
前走1600mが好成績も、阪神JF組は1勝のみ
前走平地距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1200m | 0- 0- 2- 34/ 36 | 0.0% | 0.0% | 5.6% | 0 | 28 |
1400m | 4- 1- 3- 57/ 65 | 6.2% | 7.7% | 12.3% | 87 | 37 |
1500m | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
1600m | 7- 8- 5- 50/ 70 | 10.0% | 21.4% | 28.6% | 100 | 166 |
(エルフィンS) | 2- 0- 0- 2/ 4 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 465 | 160 |
(阪神JF) | 1- 6- 3-19/29 | 3.4% | 24.1% | 34.5% | 47 | 261 |
(その他のレース) | 4- 2- 2-29/37 | 10.8% | 16.2% | 21.6% | 101 | 92 |
1800m | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
2000m | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表2 フィリーズRの前走距離別成績(過去10年))
※エルフィンSはリステッド時を掲載
前走距離別成績では、前走1600m組が7勝をあげ、複勝率でも28.6%でトップ。昨年のシングザットソングら近5年続けて勝ち馬が出ている。前走1600m組のレース別成績は、現在のリステッドになってからのエルフィンSが20年エーポスら2勝で最多。出走数最多の前走阪神JF組は21年シゲルピンクルビーの1勝のみで、意外に勝ち切れていない。
前走1400m組は19年プールヴィルら4勝。この組の3着以内馬8頭中7頭は前走で連対を果たしていた。前走1200m組は連対がなく、3着2回のみ。前走1800m以上は3着以内馬が出ていない。
前走馬体重460kg以上が7勝、なかでも前走1600m組
前走馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
〜399kg | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
400〜419kg | 0- 0- 3-12/15 | 0.0% | 0.0% | 20.0% | 0 | 47 |
420〜439kg | 1- 3- 1-38/43 | 2.3% | 9.3% | 11.6% | 8 | 28 |
440〜459kg | 3- 3- 2-44/52 | 5.8% | 11.5% | 15.4% | 78 | 147 |
460〜479kg | 6- 3- 2-34/45 | 13.3% | 20.0% | 24.4% | 137 | 79 |
480〜499kg | 1- 0- 2-11/14 | 7.1% | 7.1% | 21.4% | 147 | 133 |
500〜519kg | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
520〜539kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
460〜540kg | 7- 3- 4-49/63 | 11.1% | 15.9% | 22.2% | 131 | 86 |
(1200m) | 0- 0- 1-11/12 | 0.0% | 0.0% | 8.3% | 0 | 42 |
(1400m) | 2- 0- 1-25/28 | 7.1% | 7.1% | 10.7% | 110 | 33 |
(1600m) | 5- 3- 2-12/22 | 22.7% | 36.4% | 45.5% | 234 | 181 |
(1800m) | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表3 フィリーズRの前走馬体重別成績(過去10年))
表3は前走馬体重別成績。前走460kg以上の馬が過半数の7勝と勝ち切る傾向が強い。ただし前走500kg以上となると好走馬はおらず、前走460〜499kgの複勝率が高い。前走460kg以上の馬の中で前走1600m組は一昨年のサブライムアンセムら5勝をあげており、連対率36.4%・複勝率45.5%と優秀だ。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を大きく超えている。
勝ち馬11頭はすべて前走420kg以上で、420kg未満の馬からは連対馬が出ておらず、3着止まりとなっている。
前走上がり1位で3着以内だった馬が6勝
前走上がり順位 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
3F 1位 | 6- 2- 1- 16/ 25 | 24.0% | 32.0% | 36.0% | 250 | 132 |
(前走1着) | 3- 2- 0-11/16 | 18.8% | 31.3% | 31.3% | 200 | 118 |
(前走2着) | 2- 0- 0- 1/ 3 | 66.7% | 66.7% | 66.7% | 860 | 233 |
(前走3着) | 1- 0- 0- 2/ 3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% | 160 | 66 |
(前走4着以下) | 0- 0- 1- 2/ 3 | 0.0% | 0.0% | 33.3% | 0 | 176 |
3F 2位 | 1- 1- 2- 17/ 21 | 4.8% | 9.5% | 19.0% | 18 | 48 |
3F 3位 | 0- 0- 1- 22/ 23 | 0.0% | 0.0% | 4.3% | 0 | 15 |
3F 〜5位 | 0- 2- 1- 22/ 25 | 0.0% | 8.0% | 12.0% | 0 | 24 |
3F 6位以下 | 4- 4- 5- 64/ 77 | 5.2% | 10.4% | 16.9% | 78 | 126 |
(表4 フィリーズRの前走上がり順位別成績(過去10年))
表4は前走上がり順位別成績。前走上がり1位だった馬が18年リバティハイツら過半数の6勝をあげている。この組の勝ち馬6頭はすべて前走で3着以内に入っていた。
前走上がり2位だった馬は17年カラクレナイが勝利。前走上がり3〜5位の馬からは勝ち馬が出ておらず、6位以下の馬が4勝をあげている。
【結論】
前走1600m組で460kg超だったジューンブレアに注目!
馬名 | 前走成績 |
エトヴプレ | 中京2歳S 4着 |
オメガウインク | 春菜賞(1勝クラス) 1着 |
カルチャーデイ | 阪神JF 16着 |
コラソンビート | 阪神JF 3着 |
シカゴスティング | 阪神JF 5着 |
ジューンブレア | デイリー杯2歳S 7着 |
ドナベティ | 阪神JF 8着 |
バウンシーステップ | つわぶき賞(1勝クラス) 1着 |
レディマリオン | 未勝利戦(芝1800m) 1着 |
ロゼフレア | 紅梅S 4着 |
(表5 今年のフィリーズRの注目馬)
(表5は3/6時点)
今回のフィリーズRで1番人気に推されるのは前走阪神JFで3着のコラソンビートだろう。阪神JFでは1・2着とは0秒2差、また4着馬を3馬身離していた。2走前には京王杯2歳Sを勝利して格上の存在だが、劣勢の関東馬に加えて、過去10年で1勝のみの1番人気、前走阪神JF組、前走馬体重438kgとレース傾向に合っていない。あくまで1着は別の馬で馬券作戦は考えてみたい。
1着候補としてまずはジューンブレアを推奨したい。前走1600mのデイリー杯2歳Sで7着、当時の馬体重は476kg。前走は2走前1200mの新馬戦1着からの距離延長で厳しかった。それでも勝ち馬とは0秒7差、3着とは0秒2差。牝馬限定となる今回は休み明けでもいきなり走っておかしくない。
上がり1位を重視するならバウンシーステップ。前走つわぶき賞は上がり1位で1着。2着に2馬身半差をつける快勝だった。時計の速い良馬場で追い比べになれば勝ち切る力は十分にある。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。