ノーザンファーム生産馬に注目! クイーンC分析
2024/2/8(木)
今週は土曜東京でクイーンC、日曜には東京で共同通信杯、京都で京都記念と3鞍の重賞が行われる。今回は土曜東京メインの3歳牝馬重賞、クイーンCをピックアップ。桜花賞のみならず、NHKマイルCに向けても注目の一戦だ。2014年以降過去10年のデータからクイーンCのレース傾向ならびに今年馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
3番人気以内で9勝、なかでも前走連対馬が7勝
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1番人気 | 4- 1- 2- 3/ 10 | 40.0% | 50.0% | 70.0% | 81 | 87 |
2番人気 | 4- 2- 1- 3/ 10 | 40.0% | 60.0% | 70.0% | 168 | 104 |
3番人気 | 1- 2- 2- 5/ 10 | 10.0% | 30.0% | 50.0% | 56 | 95 |
上位1〜3番人気 | 9- 5- 5- 11/ 30 | 30.0% | 46.7% | 63.3% | 101 | 95 |
(前走1着) | 5- 1- 0- 4/10 | 50.0% | 60.0% | 60.0% | 172 | 96 |
(前走2着) | 2- 1- 1- 1/ 5 | 40.0% | 60.0% | 80.0% | 118 | 104 |
(前走3着) | 1- 2- 0- 4/ 7 | 14.3% | 42.9% | 42.9% | 25 | 55 |
(前走4着以下) | 1- 1- 4- 2/ 8 | 12.5% | 25.0% | 75.0% | 70 | 123 |
4番人気 | 0- 1- 0- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% | 10.0% | 0 | 19 |
5番人気 | 0- 3- 1- 6/ 10 | 0.0% | 30.0% | 40.0% | 0 | 107 |
6番人気 | 1- 0- 1- 8/ 10 | 10.0% | 10.0% | 20.0% | 126 | 69 |
7番人気 | 0- 1- 2- 7/ 10 | 0.0% | 10.0% | 30.0% | 0 | 113 |
8番人気以下 | 0- 0- 1- 79/ 80 | 0.0% | 0.0% | 1.3% | 0 | 32 |
(表1 クイーンCの人気別成績(過去10年))
表1はクイーンC過去10年の人気別成績。1・2番人気馬が4勝ずつで、複勝率でも70.0%で並んでいる。連対率では2番人気馬が60.0%でトップ。3番人気馬も複勝率は50.0%と高く、上位3番人気以内が【9.5.5.11】で大半の9勝をあげ、好走が目立つ。
これら上位3番人気以内の前走着順別成績は、前走1着馬が5勝、前走2着馬が2勝と前走連対馬で7勝をあげており、ともに連対率は60.0%と高い。前走4着以下は1勝のみだが、3着が4回と多く、複勝率は75.0%と優秀だ。
4番人気以下では、5〜7番人気馬が【1.4.4.21】で2・3着が多く、複勝率30.0%。8番人気以下は3着1回(12番人気)のみとなっている。
栗東所属の関西馬、特に前走連対馬に注目
調教師分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
美浦 | 6- 5- 7- 89/107 | 5.6% | 10.3% | 16.8% | 20 | 56 |
栗東 | 4- 5- 3- 26/ 38 | 10.5% | 23.7% | 31.6% | 56 | 67 |
(前走1着) | 2- 3- 1- 9/15 | 13.3% | 33.3% | 40.0% | 103 | 114 |
(前走2着) | 2- 0- 0- 2/ 4 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 147 | 67 |
(前走3着) | 0- 2- 0- 4/ 6 | 0.0% | 33.3% | 33.3% | 0 | 46 |
(前走4着以下) | 0- 0- 2-11/13 | 0.0% | 0.0% | 15.4% | 0 | 22 |
地方 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
(表2 クイーンC出走馬の所属別成績(過去10年))
表2はクイーンC出走馬の所属別成績。出走馬の7割強を占める美浦所属の関東馬は一昨年のプレサージュリフトら6勝をあげている。昨年は3着モリアーナが該当しており、毎年1頭は3着以内に入っているものの、連対率10.3%・複勝率16.8%。対して、栗東所属の関西馬は昨年のハーパーら4勝をあげており、連対率23.7%・複勝率31.6%と関東馬を大きく上回っている。関西馬の勝ち馬4頭はすべて前走で連対を果たしていた。
前走阪神JF9着以内馬が安定
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
新馬 | 1- 2- 1-17/21 | 4.8% | 14.3% | 19.0% | 17 | 56 |
未勝利 | 1- 1- 1-20/23 | 4.3% | 8.7% | 13.0% | 54 | 43 |
1勝 | 3- 1- 0-39/43 | 7.0% | 9.3% | 9.3% | 28 | 18 |
オープン特別 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
G3 | 2- 3- 4-22/31 | 6.5% | 16.1% | 29.0% | 30 | 128 |
G2 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
G1 | 3- 3- 4-12/22 | 13.6% | 27.3% | 45.5% | 23 | 72 |
(前走1〜9着) | 3- 3- 2- 7/15 | 20.0% | 40.0% | 53.3% | 34 | 70 |
(前走10着以下) | 0- 0- 2- 5/ 7 | 0.0% | 0.0% | 28.6% | 0 | 75 |
(表3 クイーンCの前走クラス別成績(過去10年))
表3は前走クラス別成績。前走G1はすべて阪神JF組で、19年クロノジェネシスら3勝をあげ、複勝率は45.5%と高い。この中で前走1ケタ着順だった馬は連対率40.0%・複勝率53.3%と優秀だ。
他では前走G3組が2勝しており、複勝率29.0%。前走1勝クラス組は21年アカイトリノムスメら3勝をあげるも、複勝率は9.3%と低い。
ノーザンファーム生産馬が8連勝中
生産者 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
ノーザンファーム | 8- 7- 8-24/47 | 17.0% | 31.9% | 48.9% | 78 | 100 |
(1〜3番人気) | 7- 4- 5- 3/19 | 36.8% | 57.9% | 84.2% | 127 | 128 |
(4番人気以下) | 1- 3- 3-21/28 | 3.6% | 14.3% | 25.0% | 45 | 81 |
社台コーポレーション 白老F |
1- 0- 0- 3/ 4 | 25.0% | 25.0% | 25.0% | 110 | 42 |
追分ファーム | 1- 0- 0- 0/ 1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 180 | 110 |
社台ファーム | 0- 2- 0-23/25 | 0.0% | 8.0% | 8.0% | 0 | 12 |
その他の生産者 | 0- 1- 2-70/73 | 0.0% | 1.4% | 4.1% | 0 | 44 |
(表4 クイーンCの生産者別成績(過去10年))
表4は生産者別成績。ノーザンファーム生産馬が目下8連勝中で、連対率31.9%・複勝率48.9%。この中で上位3番人気以内に支持された馬は【7.4.5.3】で、大半の7勝をあげ、連対率57.9%・複勝率84.2%と非常に優秀。瞬発力に優れた馬が多いノーザンファーム生産馬にとって、東京芝1600mのクイーンCは狙いのレースなのだろう。
他では白老ファーム生産馬、追分ファーム生産馬が1勝ずつ。対して、社台ファーム生産馬は勝ち星がなく、2着2回止まりとなっている。
【結論】
ノーザンファーム生産の関西馬クイーンズウォークに注目!
馬名 | 前走成績 |
アルセナール | 新馬(東京芝1600m)1着 |
クイーンズウォーク | 未勝利(阪神芝1800m)1着 |
コスモディナー | 阪神JF 9着 |
サクセスカラー | 新馬(中山芝1600m)1着 |
サフィラ | 阪神JF 4着 |
テリオスサラ | フェアリーS 7着 |
ルージュサリナス | 新馬(東京芝1600m)1着 |
ルージュスエルテ | 1勝クラス(東京芝1400m) 1着 |
(表5 今年のクイーンCの注目馬)
(表5は2/7時点)
実績最上位は前走阪神JF4着のサフィラ。2走前のアルテミスSでは2着に入っておりコース実績もある。ノーザンファーム生産の関西馬で、前走阪神JF組と条件は揃っているものの、前走4着というのが表1・表2から引っかかる。朝日杯FSを勝利したサリオスの全妹で能力の高さは間違いないが、敗れる場面は十分にあるだろう。
今回筆頭に推奨するのがサフィラと同じくノーザンファーム生産の関西馬クイーンズウォーク。前走未勝利組は過去10年で1勝のみだが、重賞初挑戦でも勝つ力はあると見る。前走の未勝利戦は後半3ハロンを加速ラップで走り、ムチを入れずに2馬身差の快勝。栗東の中内田厩舎所属で、前走に引き続き川田騎手が騎乗予定。アタマから狙ってみたい。
他ではナミュールの半妹で東京芝1600mの新馬戦を勝利したアルセナール。前走に引き続きルメール騎手が騎乗予定で人気になりそうだが、前走の勝ち時計、上がりともに平凡。それならば前走新馬勝ちの時計が1分34秒1と優秀で、ノーザンファーム生産馬のルージュサリナスを上に見たい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。