第1732回 G1制覇へ前進する馬は? 東京新聞杯を分析する|競馬情報ならJRA-VAN

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G1制覇へ前進する馬は? 東京新聞杯を分析する

2024/2/1(木)

ヴィクトリアMや安田記念と同じ東京芝1600mで行われる東京新聞杯。大一番までは3カ月以上あるものの、2022年には本競走2着のファインルージュがヴィクトリアMに直行して2着、そして本競走1着のイルーシヴパンサーが安田記念に向かい1番人気(8着)の支持を受けるなど、G1のステップレースとしても機能している一戦だ。今年、ここを制してG1へはずみをつけるのはどの馬か。JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用して過去の傾向を分析したい。

4歳馬、牝馬が好成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率
4歳 4-5-4-27/40 10.0% 22.5% 32.5%
5歳 2-3-5-29/39 5.1% 12.8% 25.6%
6歳 4-1-1-31/37 10.8% 13.5% 16.2%
7歳 0-1-0-21/22 0.0% 4.5% 4.5%
8歳以上 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0%
牡・セン馬 6-6-8-107/127 4.7% 9.4% 15.7%
牝馬 4-4-2-11/21 19.0% 38.1% 47.6%

(表1 年齢別、性別成績)

過去10年の年齢別では4歳が【4.5.4.27】で複勝率32.5%の好成績。そして性別では牝馬が【4.4.2.11】同47.6%で、牡・セン馬の同15.7%を大きく上回っている。どちらにも該当する4歳牝馬は【1.3.1.3】で複勝率62.5%と注目は欠かせない。

今年は前走G1出走馬が主力か

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 牝馬
3勝クラス 4-1-0-8/13 30.8% 38.5% 38.5% 0-1-0-1/2
OPEN 0-3-1-38/42 0.0% 7.1% 9.5% 0-0-0-2/2
国内G3 1-3-4-42/50 2.0% 8.0% 16.0% 0-1-1-5/7
国内G2 0-0-3-12/15 0.0% 0.0% 20.0% 0-0-0-1/1
国内G1 5-3-2-16/26 19.2% 30.8% 38.5% 4-2-1-2/9
海外 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-0/0

(表2 前走クラス別成績)

前走クラス別では、3勝クラス組と国内G1組が複勝率38.5%で並んでいる。このうち3勝クラス組の好走馬5頭は前走11月以降の芝1600〜1800m戦1着馬ばかりで、今年は該当馬不在。前走G1組が主力と考えていいだろう。そのG1組の中でも牝馬は【4.2.1.2】複勝率77.8%と抜群の成績を残している。なお、G1組に次いで複勝率が高いのはG2組だが、好走した3頭はすべて阪神C組で今年は登録なし。前走G1組以外ならG3組ということになりそうだ。

前走G1組は前年夏以降の重賞実績をチェック

馬名 性齢 東京新聞杯 前走 前年夏以降
主な重賞実績
人気 着順 レース 着順
2014 ホエールキャプチャ 牝6 8 1 エ女王杯 6 府中牝馬S1着
ヴィルシーナ 牝5 9 11 ジャパンC 7 (ジャパンC7着)
2016 スマートレイアー 牝6 5 1 エ女王杯 5 府中牝馬S2着
2018 リスグラシュー 牝4 3 1 エ女王杯 8 秋華賞2着
2020 プリモシーン 牝5 4 1 マイルCS 11 中京記念3着
2021 シャドウディーヴァ 牝5 3 3 エ女王杯 8 府中牝馬S2着
2022 ファインルージュ 牝4 1 2 秋華賞 2 紫苑S1着
2023 ナミュール 牝4 2 2 エ女王杯 5 秋華賞2着
ピンハイ 牝4 3 8 エ女王杯 9 (エ女王杯9着)
2017 プロディガルサン 牡4 5 2 菊花賞 11 セントライト記念3着
2020 クリノガウディー 牡4 5 3 マイルCS 7 中京記念2着
2023 ウインカーネリアン 牡6 4 1 マイルCS 12 関屋記念1着

(表3 前走G1組の成績(牝馬は該当全馬、牡馬は3着以内好走馬のみ))

表3は前走国内G1組の成績。【4.2.1.2】の牝馬は該当全馬を掲載し、【1.1.1.14】の牡馬は3着以内の好走馬のみを抜粋している。牡牝問わず好走した10頭に共通するのは、前年夏以降の重賞で3着以内に入っていたこと。特に牝馬はこれをクリアしていれば【4.2.1.0】の複勝率100%で、クリアしていなかった馬は【0.0.0.2】とくっきり明暗が分かれている。なお、前走は前年10月以降であれば着順は問われない。

G3組は前走京都金杯3着以内か2走前連対

馬名 東京新聞杯 前走 2走前
人気 着順 レース 人気 着順
2014 エキストラエンド 3 2 京都金杯 6 1 毎日王冠9着
2015 フルーキー 1 3 京都金杯 2 4 チャレンジC2着
2016 エキストラエンド 6 2 京都金杯 4 7 京成杯AH2着
2017 ブラックスピネル 3 1 京都金杯 6 2 チャレンジC5着
エアスピネル 1 3 京都金杯 1 1 菊花賞3着
2018 ダイワキャグニー 2 3 中山金杯 3 5 ※キャピタルS1着
2019 レッドオルガ 6 2 ターコイズS 6 6 ※紅葉S1着
2023 プレサージュリフト 6 3 京都金杯 2 3 秋華賞9着

(表4 前走G3からの好走馬)

2走前の※は東京芝1600m

前走G3組の好走馬は8頭。このうち半数の4頭は前走で同じマイルG3の京都金杯に出走して3着以内だった。これに該当しない馬は2走前がチェックポイントとなり、2頭は重賞で連対、2頭は本競走と同じ東京芝1600mのオープン特別か3勝クラスで勝利していた。

オープン特別組は前走1〜2番人気のマイル重賞実績馬

馬名 東京新聞杯 前走 主なマイル重賞実績
主な重賞実績
人気 着順 レース 人気 着順
2015 アルフレード 9 2 ニューイヤーS 2 9 朝日杯FS1着
2018 サトノアレス 5 2 キャピタルS 2 2 朝日杯FS1着
2021 カテドラル 12 2 キャピタルS 2 9 アーリントンC2着
2022 カラテ 2 3 ニューイヤーS 1 1 東京新聞杯1着

(表5 前走オープン特別からの好走馬)

オープン特別組はG1組やG3組に比べれば劣勢だが、好走馬の傾向はわかりやすい。まず前走のキャピタルSかニューイヤーSで2番人気以内の支持を受けていたこと。そしてマイル重賞の連対実績を持っていたことが共通点として挙げられる。なお、カテドラルはNHKマイルC3着もあるため、「マイルG1で3着以内か東京マイルの重賞勝ち」ととらえることもできる。いずれにせよ、前走がオープン特別だった馬でも重賞好走実績は必須だ。

【結論】

前走秋華賞2着の4歳牝馬・マスクトディーヴァが中心

前走3勝クラス組と国内G1組が高複勝率を残す東京新聞杯だが、表2本文で触れたように今年は国内G1組が有力。中でも、2走前にローズSを制し前走の秋華賞でも2着に食い込んだ4歳牝馬・マスクトディーヴァが中心になる。G1組かつ前年夏以降に重賞3着以内の実績がある牝馬は複勝率100%だ(表3本文)。マイル戦初出走という点はやや気になるものの、2020年には同じく牝馬でマイル戦未経験だったシャドウディーヴァが2着に食い込んだ例もあり、大きな減点までは必要ないとみたい。

G1組からもう1頭挙げればジャスティンカフェ。6歳牡馬(表1)という点でマスクトディーヴァには見劣るが、6月のエプソムC優勝、前走のマイルCS3着でこちらもG1組の好走条件を満たしている。

その他、G3組では京都金杯3着のトゥードジボンが有力。オープン特別組にはすんなりデータをクリアできる馬がいないが、一昨年のニュージーランドT3着で前走ニューイヤーS2番人気のリューベック(出走馬決定順17位)が表5の好走例に近く、出走できれば穴候補になる。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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