第1687回 実績馬か上がり馬か伏兵馬か! 高松宮記念を分析|競馬情報ならJRA-VAN

競馬予想・競馬情報ならJRA-VAN

データde出〜た

データde出〜たバックナンバー

第1687回 実績馬か上がり馬か伏兵馬か! 高松宮記念を分析

2023/3/23(木)

2023/1/29 中京 11R シルクロードステークス 1着 2番 ナムラクレア2023/1/29 中京 11R シルクロードステークス(G3)
1着 2番 ナムラクレア
(Photo by JRA)

今年も春のG1シリーズは高松宮記念が開幕を告げる。復活を期すG1馬、悲願のG1制覇を目指す実力馬、連勝中の上がり馬、虎視眈々と台頭を狙う伏兵馬が集う一戦を、過去10年のデータから読み解いてみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

馬場状態 人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 2- 0- 0- 2/ 4 50.0% 50.0% 50.0% 130% 65%
2番人気 1- 2- 0- 1/ 4 25.0% 75.0% 75.0% 137% 147%
3番人気 1- 1- 1- 1/ 4 25.0% 50.0% 75.0% 195% 177%
4番人気 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
5番人気 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6番人気 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
7番人気 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
8番人気 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9番人気 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気〜 0- 1- 3-31/35 0.0% 2.9% 11.4% 0% 302%
稍重〜不良 1番人気 0- 1- 2- 3/ 6 0.0% 16.7% 50.0% 0% 73%
2番人気 1- 2- 0- 3/ 6 16.7% 50.0% 50.0% 100% 100%
3番人気 1- 0- 2- 3/ 6 16.7% 16.7% 50.0% 128% 113%
4番人気 1- 0- 1- 4/ 6 16.7% 16.7% 33.3% 108% 91%
5番人気 1- 1- 0- 4/ 6 16.7% 33.3% 33.3% 145% 108%
6番人気 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 81%
7番人気 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
8番人気 1- 1- 0- 4/ 6 16.7% 33.3% 33.3% 463% 168%
9番人気 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 538% 135%
10番人気〜 0- 0- 1-53/54 0.0% 0.0% 1.9% 0% 83%

過去10年の高松宮記念は良馬場で開催されたのが4回と、半数に達しない。そこで人気別成績を「良」と「稍重〜不良」に分けてみたところ、興味深い傾向が見て取れたため紹介したい。

良の場合、好走例は1〜3番人気か10番人気以下のどちらかに限られ、中間の4〜9番人気はすべて4着以下という極端な傾向が出ている。一方、稍重〜不良の場合でも、1〜3番人気はコンスタントに好走しているのだが、1番人気の1着がない点には注意したい。また、良馬場では好走なしの4〜9番人気が合算して【4.3.1.28】、勝率11.1%、複勝率22.2%、単勝回収率209%、複勝回収率97%と、稍重〜不良では悪くない成績を残している点も注目に値する。この通り、馬場状態に応じて、特に穴馬好走の人気ゾーンが変わってくるのが過去10年の高松宮記念の特徴となっている。

■表2 馬番別成績

馬番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番 0- 0- 0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2番 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 278% 66%
3番 1- 1- 1- 7/10 10.0% 20.0% 30.0% 78% 79%
4番 2- 1- 0- 7/10 20.0% 30.0% 30.0% 104% 262%
5番 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 77% 26%
6番 1- 1- 0- 8/10 10.0% 20.0% 20.0% 87% 38%
7番 0- 0- 3- 7/10 0.0% 0.0% 30.0% 0% 732%
8番 0- 2- 1- 7/10 0.0% 20.0% 30.0% 0% 60%
9番 1- 1- 2- 6/10 10.0% 20.0% 40.0% 55% 99%
10番 0- 0- 1- 9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 450%
11番 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 13% 11%
12番 0- 1- 0- 9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 20%
13番 0- 0- 1- 9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 123%
14番 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 60% 21%
15番 0- 1- 0- 9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 49%
16番 1- 1- 1- 7/10 10.0% 20.0% 30.0% 323% 118%
17番 0- 1- 0- 9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 35%
18番 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2は馬番別成績。まず気がついたのが、1番枠および18番枠から3着以内に入った馬が1頭もいないこと。特に、18番枠は1番人気と3番人気が1頭ずついて、それぞれ13着、12着に終わっている。また、全体を見渡しても、10〜18番枠の複勝率は16番枠を除いて10.0%以下にとどまり、外寄りの馬番はやや不利の傾向があるようだ。

■表3 牡牝・年齢・所属別成績

項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
性別 牡馬・セン馬 9- 5- 7-101/122 7.4% 11.5% 17.2% 61% 154%
牝馬 1- 5- 3-48/57 1.8% 10.5% 15.8% 56% 53%
年齢 4歳 3- 2- 3-30/38 7.9% 13.2% 21.1% 63% 73%
5歳 4- 3- 3-36/46 8.7% 15.2% 21.7% 93% 70%
6歳 2- 5- 3-33/43 4.7% 16.3% 23.3% 78% 258%
7歳 1- 0- 1-29/31 3.2% 3.2% 6.5% 20% 153%
8歳〜 0- 0- 0-21/21 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
所属 関東 2- 3- 5-44/54 3.7% 9.3% 18.5% 67% 289%
関西 7- 7- 5-104/123 5.7% 11.4% 15.4% 52% 48%
外国 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 325% 130%

表3は、牡牝別・年齢別・所属別の成績。「牡牝別」では、牡馬(セン馬を含む)の9勝に対して牝馬は1勝と、勝ち切れるのは牡馬。ただし、連対率や複勝率では大差ない数値が残っている。

「年齢別」では、5歳が4勝、4歳が3勝で、勝率でも6歳以上をややリード。ただし、近2年は6歳が連勝中。また、連対率と複勝率は6歳がトップの数値で、複勝回収率258%も際立っており、6歳までは十分チャンスがありそうだ。7歳になると好走率が下がるが、好走した2頭にはセン馬という共通項がある。そして過去10年、8歳以上の好走はなかった。

「所属別」では、中央所属だと関西馬7勝に対して関東馬2勝。1〜3着数で見ても、関西馬が計19回、関東馬が計10回と、関西馬がリードしている。ただし、複勝率に関しては関東馬のほうが高く、複勝回収率289%も優秀。10番人気以下の好走5回のうち4回を関東馬が記録していることからも、激走に注意しておきたい。なお、外国馬も1勝しているが、今年は登録がなかった。

■表4 前走レース別成績

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
シルクロードS・G3 4- 2- 1-23/30 13.3% 20.0% 23.3% 168% 132%
阪急杯・G3 3- 2- 3-38/46 6.5% 10.9% 17.4% 36% 36%
オーシャンS・G3 1- 2- 5-54/62 1.6% 4.8% 12.9% 44% 234%
香港スプリント・G1 1- 0- 1- 3/ 5 20.0% 20.0% 40.0% 120% 74%
チェアマンズSP・G1 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 650% 260%
京都牝馬S・G3 0- 2- 0- 4/ 6 0.0% 33.3% 33.3% 0% 100%
阪神C・G2 0- 1- 0- 7/ 8 0.0% 12.5% 12.5% 0% 26%
フェブラリーS・G1 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 36%

※好走例のある前走レースのみ掲載

表4は前走レース別成績。過去10年の高松宮記念1〜3着馬延べ30頭のうち、前走でシルクロードS(7頭)、阪急杯(8頭)、オーシャンS(8頭)のいずれかを使っていた馬が23頭を占める。そこで、この主要な3つの前走を比較すると、好走率、回収率ともに優秀なのは前走シルクロードS組。ただし、このレースが中京開催となった過去2年に限ると【0.0.0.7】で、本番につながっていない。今年のシルクロードSも中京開催だっただけに、気がかりなデータではある。

前走阪急杯組は単複の回収率がいずれも36%にとどまるが、これは本番の好走が当日1〜4番人気に推された馬に限られている影響が大きい。そして、「前走で阪急杯に出走し、高松宮記念で1〜4番人気」に該当すれば【3.2.3.5】、勝率23.1%、複勝率61.5%、単勝回収率129%、複勝回収率130%と優秀な成績を残しており、一気に有望な存在となりうる。

前走オーシャンS組は出走数では最多ながら、好走率としてはもうひとつ。ただし、複勝回収率234%を記録しているように、人気薄の激走には注意しておきたい。

これら以外の前走レースの好走例は、多くても2頭までに限られる。そのなかでは、前走で香港の芝1200mG1(表4では香港スプリント、チェアマンズスプリントプライズ)を使っていた馬は注目に値しそうだ。また、前走京都牝馬S組も出走6頭から2着馬2頭が出ており、こちらも侮れない。

■表5 前走シルクロードS出走馬の各種データ

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走着順 前走1着 1- 1- 1- 4/ 7 14.3% 28.6% 42.9% 78% 82%
前走2着 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 145% 38%
前走3着 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走4着 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 1615% 405%
前走5着 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 78% 30%
前走6〜9着 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走10着〜 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 368%
前走人気 前走1番人気 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 78% 30%
前走2番人気 1- 1- 1- 4/ 7 14.3% 28.6% 42.9% 461% 164%
前走3番人気 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走4番人気 2- 0- 0- 1/ 3 66.7% 66.7% 66.7% 473% 156%
前走5番人気 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 442%
前走6〜9番人気 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走10番人気〜 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走馬体重 前走減 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 538% 135%
同体重 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走増 3- 2- 1-12/18 16.7% 27.8% 33.3% 100% 176%

前項で述べた通り、高松宮記念では前走シルクロードS組、阪急杯組、オーシャンS組の好走が多い。そこで、この3レースに関連するデータを追加で確認しておきたい。

表5は、前走シルクロードS組に関する各種データを表したもの。上から順に、前走着順から見ていこう。10着以下から巻き返した例もあるが、これは19年2着のセイウンコウセイ。同馬が17年高松宮記念勝ち馬であることを考えると、例外的な存在とみるべきか。となると5着までには入っておきたい。前走人気は基準が明快で1〜5番人気が目安。もうひとつ、前走馬体重の増減が興味深い傾向を示しており、この組から好走した馬の大半は、シルクロードSにプラス馬体重で出走していた。例外は20年1着のモズスーパーフレアだけで、同馬はシルクロードSがマイナス6キロでの出走だった。

■表6 前走阪急杯出走馬の各種データ

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走着順 前走1着 2- 2- 0- 4/ 8 25.0% 50.0% 50.0% 112% 82%
前走2着 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 32%
前走3着 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 41%
前走4着 0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0% 47%
前走5着 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9着 1- 0- 0-11/12 8.3% 8.3% 8.3% 65% 26%
前走10着〜 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走人気 前走1番人気 2- 2- 1- 3/ 8 25.0% 50.0% 62.5% 113% 126%
前走2番人気 1- 0- 0- 6/ 7 14.3% 14.3% 14.3% 110% 37%
前走3番人気 0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0% 47%
前走4番人気 0- 0- 1- 4/ 5 0.0% 0.0% 20.0% 0% 46%
前走5番人気 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9番人気 0- 0- 0-12/12 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走10番人気〜 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走4角通過順 1〜4番手 2- 2- 2-13/19 10.5% 21.1% 31.6% 81% 73%
5番手〜 1- 0- 1-25/27 3.7% 3.7% 7.4% 4% 11%

表6は、前走阪急杯組に関する各種データを表したもの。なお、表4の項で述べた通り、この組の好走は高松宮記念で1〜4番人気に推された馬に限られるため、当日の人気を必ずチェックするようにしたい。

このことを踏まえて、表6を上から順に確認していこう。前走着順は、阪急杯1〜4着馬が好走例の多くを占めるが、19年にミスターメロディが阪急杯7着→高松宮記念1着と巻き返した例もある。むしろ、基準としては前走人気のほうが明快で、好走例は阪急杯1〜4番人気に限られる。前述したミスターメロディも、阪急杯では1番人気に推されていた。最後にもうひとつ、前走4角通過順もチェックしておきたい。というのも、阪急杯で4角1〜4番手だった馬と5番手以降だった馬では、本番の好走率にけっこうな差がついているからだ。できれば、阪急杯では4角を1〜4番手で回っておきたいところ。5番手以降だった馬の好走も2例あるのだが、該当するのは13年1着のロードカナロア、21年3着のインディチャンプで、いずれもすでにG1を2勝という高い実績を持っていた。

■表7 前走オーシャンS出走馬の各種データ

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走着順 前走1着 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走2着 1- 2- 1- 5/ 9 11.1% 33.3% 44.4% 308% 250%
前走3着 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走4着 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走5着 0- 0- 2- 1/ 3 0.0% 0.0% 66.7% 0% 2193%
前走6〜9着 0- 0- 2-13/15 0.0% 0.0% 13.3% 0% 382%
前走10着〜 0- 0- 0-17/17 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走人気 前走1番人気 0- 1- 1- 5/ 7 0.0% 14.3% 28.6% 0% 94%
前走2番人気 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 107%
前走3番人気 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 175%
前走4番人気 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 463% 110%
前走5番人気 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9番人気 0- 0- 1-17/18 0.0% 0.0% 5.6% 0% 250%
前走10番人気〜 0- 1- 1-11/13 0.0% 7.7% 15.4% 0% 520%
前走上がり3F順 1位 1- 1- 1- 3/ 6 16.7% 33.3% 50.0% 463% 196%
2〜5位 0- 0- 0-24/24 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6位〜 0- 1- 4-27/32 0.0% 3.1% 15.6% 0% 418%

表7は、前走オーシャンS組に関する各種データを表したもの。前走着順で目を引くのは、1着馬は【0.0.0.9】とすべて凡走に終わっていること。また、10着以下から巻き返した例もない。これらを除いたオーシャンS2〜9着馬は、【1.2.5.28】、複勝率22.2%、複勝回収率404%と侮れない数値を残している。前走人気は、オーシャンS1〜4番人気馬の好走がやや多いものの、人気薄にとどまっていた馬にもチャンスはありそう。それ以上にチェックしておきたいのが上がり3Fタイム順。まず、オーシャンSの上がり1位馬は複勝率50.0%を記録。そして、上がり2〜5位馬の好走はないのに、上がり6位以下馬が2、3着に入ったケースが5回あるのは非常に興味深い。複勝回収率418%も抜群で、穴党には見逃せないゾーンとなりそうだ。

【結論】

2023/2/26 阪神 11R 阪急杯 1着 11番 アグリ2023/2/26 阪神 11R 阪急杯(G3)
1着 11番 アグリ
(Photo by JRA)

以上のデータ分析に基づいて、今年の高松宮記念で有望と思われる馬を紹介していきたい。登録20頭のうち、前走シルクロードS組が5頭、阪急杯組とオーシャンS組が各4頭を占めているのは、例年通りの傾向だ。

前走シルクロードS組は、そこで「1〜5着」「1〜5番人気」「プラス馬体重」を満たしておきたいことを表5の項で述べた。この条件を満たす登録馬は、ナムラクレア(前走プラス6キロ、2番人気1着)、トウシンマカオ(前走プラス12キロ、3番人気4着)の2頭。過去2年、中京開催のシルクロードS組が本番で好走できなかった点がどうかだが、軽視はできない存在だ。

前走阪急杯組は、そこで「1〜4番人気」「4角1〜4番手」であることが重要だった。この条件を満たす登録馬は、アグリ(前走2番人気、4角2番手)、ダディーズビビッド(前走3番人気、4角4番手)、グレナディアガーズ(前走1番人気、4角4番手)の3頭。そして、表4の項で述べた通り、この組の好走は当日1〜4番人気に限られており、実際の人気順のチェックが欠かせない。

前走オーシャンS組は、そこで「2〜9着」「上がり1位もしくは6位以下」が好走していることを述べた。この条件を満たす登録馬はディヴィナシオン(前走2着、上がり6位)だけとなっている。

以上の3レース以外から臨む馬では、前走香港スプリントのピクシーナイトとメイケイエールはもちろん注目。ただし、好走例があるのは前年の香港スプリント以来の出走であり、メイケイエールはいいとして、2年前の香港スプリント以来となるピクシーナイトはデータの埒外の存在となる。また、前走京都牝馬S組も侮れず、昨年の2着馬でもあるロータスランドの2年連続好走の目もあるだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


データde出〜たバックナンバー

データ競馬のための最強ツール TARGET frontier JV(ターゲット)