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第1616回 牝馬三冠の第一戦、桜花賞を分析する!
2022/4/7(木)
今週は阪神競馬場で牝馬三冠の第一戦、桜花賞が行われる。一昨年はデアリングタクト、昨年はソダシが無敗での優勝を決めている。今年、阪神芝1600mで勝利するのはどの馬だろうか。今回は2012年以降・過去10年のデータから桜花賞を分析し、レース傾向ならびに今年馬券で狙えそうな馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 桜花賞過去10年の人気別成績
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1番人気 | 1- 3- 1- 5/ 10 | 10.0% | 40.0% | 50.0% | 12 | 63 |
2番人気 | 5- 3- 0- 2/ 10 | 50.0% | 80.0% | 80.0% | 200 | 145 |
3番人気 | 1- 1- 3- 5/ 10 | 10.0% | 20.0% | 50.0% | 50 | 109 |
4番人気 | 0- 1- 0- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% | 10.0% | 0 | 30 |
5番人気 | 1- 0- 1- 8/ 10 | 10.0% | 10.0% | 20.0% | 102 | 53 |
6番人気 | 0- 0- 1- 9/ 10 | 0.0% | 0.0% | 10.0% | 0 | 81 |
7番人気 | 1- 2- 0- 7/ 10 | 10.0% | 30.0% | 30.0% | 180 | 147 |
8番人気 | 1- 0- 2- 7/ 10 | 10.0% | 10.0% | 30.0% | 408 | 158 |
9番人気 | 0- 0- 1- 9/ 10 | 0.0% | 0.0% | 10.0% | 0 | 73 |
10番人気以下 | 0- 0- 1- 87/ 88 | 0.0% | 0.0% | 1.1% | 0 | 21 |
表1は桜花賞過去10年の人気別成績。1番人気馬は14年ハープスターの1勝のみで、複勝率も50%とややもの足りない。対して、2番人気馬は昨年のソダシら近4年続けて勝利しており、半数の5勝をあげている。連対率・複勝率も80%と優秀だ。以下、3・5・7・8番人気馬が1勝ずつ。2着馬は上位7番人気までにおさまっているが、3着馬は8番人気以下が4頭と多い。ただし、10番人気以下の好走は13年に14番人気3着のプリンセスジャックのみ。
配当面では13年に7→2→14番人気の順で3連単67万9300円の高配当は出ているが、近4年は3連単5万円未満と堅めの決着が続いている。
■表2 桜花賞過去10年のキャリア別成績
キャリア | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
2戦 | 1- 0- 0- 5/ 6 | 16.7% | 16.7% | 16.7% | 70 | 31 |
3戦 | 3- 5- 2- 19/ 29 | 10.3% | 27.6% | 34.5% | 42 | 111 |
4戦 | 4- 4- 5- 33/ 46 | 8.7% | 17.4% | 28.3% | 60 | 69 |
5戦 | 1- 1- 2- 41/ 45 | 2.2% | 4.4% | 8.9% | 22 | 68 |
6戦 | 1- 0- 1- 26/ 28 | 3.6% | 3.6% | 7.1% | 145 | 26 |
7戦以上 | 0- 0- 0- 24/ 24 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
表2はキャリア別成績。3戦の馬が19年グランアレグリアら3勝をあげ、連対率・複勝率トップだ。4戦の馬は13年アユサンら最多の4勝をあげており、3着以内数も13頭と最も多い。昨年は1着馬ソダシが該当しており、15年を除いて毎年1頭は3着以内に入っている。5戦、6戦の馬からも3着以内馬が複数出ているが、連対率・複勝率で3・4戦の馬に大きく差をつけられている。2戦の馬は一昨年のデアリングタクトが勝利。なお、7戦以上の馬からは3着以内馬が出ていない。
■表3 桜花賞過去10年の前走レース別成績
前走レース名 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
チューリップ賞(G3時) | 5- 4- 4-17/30 | 16.7% | 30.0% | 43.3% | 131 | 185 |
阪神ジュベナイルF | 1- 2- 0- 2/ 5 | 20.0% | 60.0% | 60.0% | 72 | 88 |
フィリーズR | 1- 0- 2-49/52 | 1.9% | 1.9% | 5.8% | 78 | 30 |
朝日杯FS | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 170 | 85 |
シンザン記念 | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 195 | 70 |
エルフィンS(L) | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% | 210 | 95 |
チューリップ賞(G2時) | 0- 3- 2-12/17 | 0.0% | 17.6% | 29.4% | 0 | 91 |
クイーンC | 0- 1- 1-16/18 | 0.0% | 5.6% | 11.1% | 0 | 27 |
フェアリーS | 0- 0- 1- 3/ 4 | 0.0% | 0.0% | 25.0% | 0 | 87 |
その他のレース | 0- 0- 0-46/46 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
※(L)はリステッド競走。
表3は前走レース別成績。チューリップ賞組が16年ジュエラーら最多の5勝をあげているものの、G2へ昇格した18年以降は勝ち星がない。とはいえ、G2となった近4年で3着以内馬5頭とやはり最重要の前哨戦であることは間違いない。
阪神JF組は昨年のソダシが勝利し、連対率・複勝率60%と好相性。連対した3頭は桜花賞で上位2番人気以内に支持されていた。出走数最多のフィリーズR組は17年レーヌミノルの1勝のみ。連対率・複勝率ともに低く、18年以降は好走馬が出ていない。
朝日杯FS組は19年グランアレグリア、シンザン記念組は18年アーモンドアイ、リステッド競走となったエルフィンS組は一昨年のデアリングタクトがそれぞれ勝利している。なお、クイーンC組、フェアリーS組は勝ち星がなく、2・3着止まりとなっている。
■表4 桜花賞過去10年の前走着順別成績
前走着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
前走1着 | 4- 4- 4- 47/ 59 | 6.8% | 13.6% | 20.3% | 21 | 39 |
前走2着 | 2- 2- 2- 32/ 38 | 5.3% | 10.5% | 15.8% | 120 | 61 |
前走3着 | 3- 2- 1- 15/ 21 | 14.3% | 23.8% | 28.6% | 150 | 68 |
前走4着 | 1- 0- 0- 8/ 9 | 11.1% | 11.1% | 11.1% | 54 | 20 |
前走5着 | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走6〜9着 | 0- 1- 3- 19/ 23 | 0.0% | 4.3% | 17.4% | 0 | 153 |
前走10着以下 | 0- 1- 0- 20/ 21 | 0.0% | 4.8% | 4.8% | 0 | 29 |
表4は前走着順別成績。前走1着馬が昨年のソダシら最多の4勝をあげているが、連対率・複勝率はそれほど高くない。前走2着馬は17年レーヌミノルら2勝。注目は前走3着馬で15年レッツゴードンキら3勝をあげ、勝率・連対率・複勝率は前走1着馬を上回っている。前走4着馬は12年ジェンティルドンナが勝利。勝ち馬はすべて前走4着以内に入っていた。
前走5着以下では、前走6〜9着だった馬が複勝率17.4%。2・3着馬4頭はいずれも前走チューリップ賞組で、そのうち3頭は桜花賞で8番人気以下の人気薄だった。
■表5 桜花賞過去10年の前走人気別成績
前走人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
前走1人気 | 6- 4- 4- 27/ 41 | 14.6% | 24.4% | 34.1% | 141 | 91 |
前走2人気 | 2- 4- 1- 30/ 37 | 5.4% | 16.2% | 18.9% | 40 | 40 |
前走3人気 | 1- 0- 1- 20/ 22 | 4.5% | 4.5% | 9.1% | 19 | 24 |
前走4人気 | 0- 1- 2- 8/ 11 | 0.0% | 9.1% | 27.3% | 0 | 129 |
前走5人気 | 1- 1- 1- 16/ 19 | 5.3% | 10.5% | 15.8% | 94 | 71 |
前走6〜9人 | 0- 0- 1- 29/ 30 | 0.0% | 0.0% | 3.3% | 0 | 62 |
前走10人気以下 | 0- 0- 0- 18/ 18 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
表5は前走人気別成績。前走1番人気馬が18年アーモンドアイら過半数の6勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。昨年は1着馬ソダシが該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。前走2番人気馬は15年レッツゴードンキら2勝で、連対率は前走1番人気馬に次いで高い。前走3番人気馬は一昨年のデアリングタクト、前走5番人気馬は13年アユサンがそれぞれ勝利している。なお、前走6番人気以下からは13年3着プリンセスジャック(前走チューリップ賞8番人気8着)しか好走馬が出ていない。
■表6 前走から継続騎乗or乗り替わり別成績(過去10年)
前走騎手 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
同騎手 | 7- 7- 6-100/120 | 5.8% | 11.7% | 16.7% | 27 | 41 |
乗替り | 3- 3- 4- 48/ 58 | 5.2% | 10.3% | 17.2% | 108 | 93 |
表6は前走から継続騎乗と乗り替わりの成績比較。勝率・連対率・複勝率いずれもほぼ変わらず、複勝率では乗り替わりの方が上回っている。注目は単勝回収率と複勝回収率。継続騎乗で3着以内に入った20頭はすべて上位7番人気以内に支持されていた。対して、乗り替わりで3着以内に好走した10頭中6頭は7番人気以下の人気薄だった。乗り替わりの馬の方が人気薄でも激走のチャンスはありそうだ。
■表7 桜花賞過去10年の前走馬体重別成績
前走馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
400〜419kg | 0- 1- 1- 13/ 15 | 0.0% | 6.7% | 13.3% | 0 | 60 |
420〜439kg | 0- 4- 2- 33/ 39 | 0.0% | 10.3% | 15.4% | 0 | 37 |
440〜459kg | 0- 1- 3- 40/ 44 | 0.0% | 2.3% | 9.1% | 0 | 50 |
460〜479kg | 7- 1- 2- 43/ 53 | 13.2% | 15.1% | 18.9% | 129 | 67 |
480〜499kg | 3- 3- 2- 15/ 23 | 13.0% | 26.1% | 34.8% | 114 | 97 |
500〜519kg | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
520〜539kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
最後に表7は前走馬体重別成績。勝ち馬10頭はすべて前走馬体重が460kg以上だった。特に前走480〜499sのゾーンは19年グランアレグリアら3勝をあげ、連対率・複勝率ともに優秀だ。前走460kg未満の馬は2・3着止まり、500kg以上の大型馬からは3着以内馬が出ていない。
<結論>
■表8 今年の桜花賞の出走予定馬(4/6現在)
馬名 | キャリア | 前走成績 |
ナミュール | 4戦 | チューリップ賞 1着 |
ピンハイ | 2戦 | チューリップ賞 2着 |
サークルオブライフ | 5戦 | チューリップ賞 3着 |
サブライムアンセム | 7戦 | フィリーズR 1着 |
ナムラクレア | 6戦 | フィリーズR 2着 |
アネゴハダ | 7戦 | フィリーズR 3着 |
クロスマジェスティ | 4戦 | アネモネS 1着 |
ラズベリームース | 4戦 | アネモネS 2着 |
ウォーターナビレラ | 5戦 | チューリップ賞 5着 |
ラブリイユアアイズ | 4戦 | 阪神JF 2着 |
プレサージュリフト | 2戦 | クイーンC 1着 |
ライラック | 3戦 | フェアリーS 1着 |
スターズオンアース | 5戦 | クイーンC 2着 |
アルーリングウェイ | 3戦 | エルフィンS 1着 |
フォラブリューテ | 3戦 | 紅梅S 1着 |
ベルクレスタ | 5戦 | クイーンC 3着 |
アリシアン | 5戦 | アネモネS 6着 |
カフジテトラゴン | 6戦 | 1勝クラス 6着 |
カランセ | 5戦 | ミモザ賞 5着 |
グランスラムアスク | 5戦 | 1勝クラス 6着 |
パーソナルハイ | 6戦 | フラワーC 6着 |
ビジン | 5戦 | 未勝利戦 1着 |
※フルゲート18頭。アリシアン以下は抽選対象。
2021/12/12 阪神11R 阪神ジュベナイルF(G1)
1着 10番 サークルオブライフ
2022/2/5 中京10R エルフィンステークス
1着 6番 アルーリングウェイ
今年の桜花賞出走予定馬は表8のとおり。
1番人気に支持されるのは前走チューリップ賞を勝利したナミュールだろう。馬券圏外に敗れたのは昨年末の阪神JF4着だけ。前走1番人気で勝利したのは好材料だが、G2昇格後のチューリップ賞組から勝ち馬が出ていないこと、前走馬体重が430kgで表7に示した過去10年の勝ち馬の共通点から外れている点は気にかかる。能力の高さは間違いないものの、出遅れの懸念材料もあり、アタマ固定は危険と見る。
替わってサークルオブライフを主軸に推したい。キャリア5戦ではあるが、前走3着、前走馬体重476kgは好材料。一度使われて良くなるタイプの馬で、前走チューリップ賞を叩いた上積みは大きいだろう。阪神JFに続くG1・2勝目の可能性も十分だ。
他では好成績のキャリア3戦組からアルーリングウェイ、フォラブリューテ、好相性の阪神JF組からラブリイユアアイズも穴候補として挙げておきたい。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。