データde出〜た
第1487回 前走馬体重がカギ!? フェアリーSを分析する
2021/1/7(木)
今週末は土曜〜月曜の3日間開催で、日曜中京ではシンザン記念、月曜中山ではフェアリーSと、2鞍の3歳重賞が組まれている。今回は3歳牝馬限定の重賞・フェアリーSに注目し、2016年以降・近5年のレース傾向から今年馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データの分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 フェアリーS 近5年の3着以内馬一覧
年(馬場/頭数) | 着順 | 馬名 | 勝ちタイム | 人気 | 4角通過順 | 上がり3F | 前半800m通過 |
2020 (良/16頭) |
1 | スマイルカナ | 1分34秒0 | 3 | 1 | 35秒0 | 47秒0 |
2 | チェーンオブラブ | 2馬身1/2 | 7 | 9 | 34秒4 | ||
3 | ポレンティア | 1馬身1/4 | 5 | 5 | 35秒0 | ||
2019 (良/16頭) |
1 | フィリアプーラ | 1分36秒0 | 3 | 10 | 34秒5 | 48秒3 |
2 | ホウオウカトリーヌ | アタマ | 4 | 7 | 34秒7 | ||
3 | グレイスアン | 1/2馬身 | 5 | 3 | 35秒3 | ||
2018 (良/16頭) |
1 | プリモシーン | 1分34秒6 | 2 | 5 | 34秒5 | 48秒0 |
2 | スカーレットカラー | 1馬身1/4 | 6 | 5 | 34秒6 | ||
3 | レッドベルローズ | クビ | 7 | 10 | 34秒5 | ||
2017 (良/16頭) |
1 | ライジングリーズン | 1分34秒7 | 10 | 7 | 35秒4 | 46秒1 |
2 | アエロリット | 3/4馬身 | 1 | 2 | 36秒4 | ||
3 | モリトシラユリ | クビ | 7 | 11 | 35秒4 | ||
2016 (良/16頭) |
1 | ビービーバーレル | 1分34秒3 | 3 | 1 | 34秒7 | 47秒5 |
2 | ダイワドレッサー | 1馬身3/4 | 10 | 3 | 34秒6 | ||
3 | ダイワダッチェス | 3/4馬身 | 7 | 3 | 34秒8 |
まず表1はフェアリーS・近5年の3着以内馬一覧。過去5年すべて良馬場で行われ、一昨年を除いて1分34秒台の勝ちタイムとなっている。ただし、今年に関しては、昨年末の中山芝が時計の掛かる状態だったこと、また火曜に行われた中山金杯もスローペースとはいえ2分0秒9と時計を要していたことから、1分35秒台〜36秒台の決着になるのではないか。例年よりもタフな馬場状態と見た方が良いだろう。
4角通過順を見ると、さまざまな脚質の馬が好走しているが、近4年は4コーナー9番手以下の馬が1頭は3着以内に入っている。
人気順では、1番人気馬は【0.1.0.4】で3着以内に入ったのは17年2着アエロリットのみ、2番人気馬は【1.0.0.4】で18年プリモシーンの1勝のみと、1・2番人気が思ったほど走れていない。対して、3番人気馬は昨年のスマイルカナら最多の3勝。他では7番人気馬が【0.1.3.1】で複勝率は80%とトップ、10番人気馬も【1.1.0.3】で連対率40%と健闘している。11番人気以下の激走こそないものの、中位人気馬の好走が目立ち、3連単4万円台〜27万円台の配当が出ている。
■表2 フェアリーS 近5年のキャリア別成績
キャリア | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1戦 | 0- 0- 2- 8/10 | 0.0% | 0.0% | 20.0% | 0 | 74 |
2戦 | 3- 1- 1-21/26 | 11.5% | 15.4% | 19.2% | 185 | 58 |
3戦 | 1- 2- 0-15/18 | 5.6% | 16.7% | 16.7% | 46 | 65 |
4戦 | 0- 1- 1- 8/10 | 0.0% | 10.0% | 20.0% | 0 | 76 |
5戦 | 1- 1- 1- 5/ 8 | 12.5% | 25.0% | 37.5% | 85 | 107 |
6戦以上 | 0- 0- 0- 8/ 8 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
表2はキャリア別成績。2戦の馬が一昨年のフィリアプーラら最多の3勝をあげている。5戦の馬は16年ビービーバーレルが勝利し、連対率25.0%・複勝率37.5%でトップだ。なお、1戦の馬からは連対馬が出ておらず、6戦以上の馬からは3着以内馬が出ていない。
■表3 フェアリーS 近5年の前走クラス別成績
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
新馬 | 0- 0- 3- 8/11 | 0.0% | 0.0% | 27.3% | 0 | 93 |
未勝利 | 2- 0- 2-15/19 | 10.5% | 10.5% | 21.1% | 64 | 63 |
1勝クラス | 2- 5- 0-27/34 | 5.9% | 20.6% | 20.6% | 44 | 63 |
オープン特別 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
G3 | 1- 0- 0- 5/ 6 | 16.7% | 16.7% | 16.7% | 600 | 110 |
G2 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
G1 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
表3は前走クラス別成績。前走同クラスのオープン・重賞組からは17年1着ライジングリーズンしか3着以内に入っていない。出走数最多の1勝クラス組は連対率20.6%でトップ。未勝利戦組も18年プリモシーンら2勝をあげている。新馬戦組は連対馬こそいないものの、複勝率27.3%と優秀だ。
■表4 フェアリーS 近5年の前走着順別成績
前走着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
前走1着 | 3- 1- 5-28/37 | 8.1% | 10.8% | 24.3% | 55 | 75 |
前走2着 | 0- 2- 0- 2/ 4 | 0.0% | 50.0% | 50.0% | 0 | 112 |
前走3着 | 1- 0- 0- 3/ 4 | 25.0% | 25.0% | 25.0% | 170 | 62 |
前走4着 | 0- 1- 0- 6/ 7 | 0.0% | 14.3% | 14.3% | 0 | 54 |
前走5着 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走6〜9着 | 0- 1- 0-11/12 | 0.0% | 8.3% | 8.3% | 0 | 43 |
前走10着以下 | 1- 0- 0-12/13 | 7.7% | 7.7% | 7.7% | 276 | 50 |
表4は前走着順別成績。前走1着馬が昨年のスマイルカナら近3年続けて勝利し、複勝率24.3%。昨年は1・3着馬が該当しており、近3年の3着以内馬9頭中7頭を占めている。
前走2着馬は連対率・複勝率50%と高く、前走3着馬も16年ビービーバーレルが勝利している。これら前走3着以内馬を中心に狙っていきたい。
■表5 フェアリーS 近5年の前走馬体重別成績
前走馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
〜399kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
400〜419kg | 1- 0- 0- 3/ 4 | 25.0% | 25.0% | 25.0% | 210 | 70 |
420〜439kg | 1- 0- 0-20/21 | 4.8% | 4.8% | 4.8% | 36 | 10 |
440〜459kg | 0- 2- 1-21/24 | 0.0% | 8.3% | 12.5% | 0 | 51 |
460〜479kg | 3- 2- 1-15/21 | 14.3% | 23.8% | 28.6% | 225 | 99 |
480〜499kg | 0- 1- 3- 2/ 6 | 0.0% | 16.7% | 66.7% | 0 | 201 |
500〜519kg | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
表5は前走馬体重別成績。黄色で強調した前走460kg以上の馬の複勝率が高い。460〜479kgの馬は18年プリモシーンら3勝をあげており、毎年1頭は連対馬を出している。480〜499kgの馬は勝ち星こそないが、複勝率66.7%と非常に高い。500kg以上の馬は【0.0.0.3】だが、そのうちの一頭ジャストザマリンは17年に11番人気で僅差の4着だった。
パワーで勝る大型馬には、時計が掛かりやすい冬の中山芝に合う馬が多いのだろう。今年の中山芝は例年よりタフな馬場状態となっており、馬体重の重いタイプがより走れる傾向となるのではないか。前走460kg以上の馬を中心に狙っていきたい。
<結論>
■表6 今年のフェアリーSの出走予定馬(1/6時点)
馬名 | 前走馬体重 | 前走成績 |
アトミックフレア | 436kg | 新馬(芝1600m) 1着 |
オプティミスモ | 420kg | ファンタジーS 4着 |
カラパタール | 444kg | 未勝利(芝1400m) 1着 |
グロリユーノワール | 440kg | ひいらぎ賞(芝1600m) 7着 |
クールキャット | 518kg | アルテミスS 5着 |
シャドウファックス | 440kg | アルテミスS 7着 |
タイニーロマンス | 516kg | 新馬(芝1600m) 1着 |
テンハッピーローズ | 438kg | アルテミスS 3着 |
ニシノエルサ | 446kg | つわぶき賞(芝1400m) 7着 |
ネクストストーリー | 490kg | つわぶき賞(芝1400m) 2着 |
ビップエレナ | 468kg | 1勝クラス(ダ1200m) 13着 |
ファインルージュ | 488kg | 未勝利(芝1400m) 1着 |
プリティインピンク | 414kg | 未勝利(ダ1200m) 1着 |
ベッラノーヴァ | 396kg | 新馬(芝1400m) 1着 |
ホウオウイクセル | 418kg | 未勝利(芝1800m) 1着 |
ラストリージョ | 450kg | 全日本2歳優駿 8着 |
ルチェカリーナ | 460kg | 未勝利(芝1400m) 1着 |
ルース | 482kg | つわぶき賞(芝1400m) 5着 |
※フルゲート16頭。現時点で2頭除外。
今年の出走予定馬は表6のとおり。
2勝馬がラストリージョ1頭のみで混戦ムードが漂うが、人気を集めるのは前走アルテミスSで3着だったテンハッピーローズだろう。2走前のサフラン賞では次走阪神JF2着のサトノレイナスから0秒2差の2着、アルテミスSでも阪神JFを勝つソダシの3着だけに実績では一枚上の存在だ。ただし、前走不振の重賞組、前走馬体重438kgと比較的小柄で、絶対視は危険と考える。
前走馬体重から狙ってみたいのがファインルージュとネクストストーリーの2頭。ファインルージュは前走未勝利戦ながら2馬身差の快勝。近5年中3勝をあげているキャリア2戦馬、前走1着馬、前走馬体重480〜499kgと条件が揃っており、アタマから狙ってみたい。
ネクストストーリーは2走前の福島芝1200mで勝ち上がり。前走のつわぶき賞は距離延長で臨んだが、好位から伸びて2着と好走した。人気はないかもしれないが、穴で狙って面白い一頭だ。
他では前走馬体重で500kgを超えるタイニーロマンス、クールキャットも初の中山コースをこなせば、好走する可能性は十分にある。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。