データde出〜た
第1477回 阪神芝2000mで行われるチャレンジCの特徴は?
2020/11/30(月)
今週から開催が替わり、中山・阪神・中京の3場開催が始まる。土曜には中山でステイヤーズS、阪神でチャレンジC、日曜には中京でチャンピオンズCと3鞍の重賞が組まれている。今回のデータde出〜たでは、11月から連続開催となる阪神競馬の土曜メイン・チャレンジCをピックアップ。芝2000mで行われている近3年のレース傾向ならびに前開催の同コースの傾向から馬券で狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 チャレンジC近3年の3着以内馬一覧
年(馬場/頭数) | 着順 | 馬名 | 勝ちタイム | 人気 | 4角通過順 | 上がり3F | 前半1000m通過 |
2019 (良/12頭) |
1 | ロードマイウェイ | 1分59秒1 | 2 | 7 | 33秒8 | 61秒2 |
2 | トリオンフ | アタマ | 8 | 1 | 34秒4 | ||
3 | ブレステイキング | 1/2馬身 | 3 | 7 | 34秒0 | ||
2018 (良/12頭) |
1 | エアウィンザー | 1分58秒3 | 2 | 3 | 33秒7 | 59秒7 |
2 | マウントゴールド | 3馬身 | 4 | 3 | 34秒5 | ||
3 | ステイフーリッシュ | 1馬身1/2 | 5 | 6 | 34秒2 | ||
2017 (良/12頭) |
1 | サトノクロニクル | 1分58秒6 | 1 | 4 | 34秒9 | 59秒9 |
2 | デニムアンドルビー | クビ | 5 | 6 | 34秒6 | ||
3 | ブレスジャーニー | クビ | 2 | 9 | 34秒6 |
まず表1は阪神芝2000mで施行されているチャレンジC近3年の3着以内馬一覧。いずれも良馬場で行われ、勝ちタイムは1分58秒3〜59秒1の間でおさまっている。昨年は前半1000m通過61秒2とスローペースとなり、上がり勝負となった。ただ、17年・18年も33秒台後半〜34秒台の上がりを使った馬が3着以内に入っている。4コーナーで10番手以下からだと厳しく、先行〜中団から速い上がりでまとめられる馬が好走している。
人気別成績では1番人気馬は【1.0.0.2】で3着以内に入ったのは17年1着サトノクロニクルのみ。対して2番人気馬は【2.0.1.0】で近2年続けて勝利しており、複勝率100%と安定している。配当的には近3年いずれも3連単5万円未満と比較的堅めの決着が続いている。
■表2 チャレンジC近3年の年齢別成績
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
3歳 | 2- 0- 2- 2/ 6 | 33.3% | 33.3% | 66.7% | 136 | 156 |
4歳 | 1- 0- 1- 9/11 | 9.1% | 9.1% | 18.2% | 24 | 31 |
5歳 | 0- 2- 0- 6/ 8 | 0.0% | 25.0% | 25.0% | 0 | 115 |
6歳 | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
7歳以上 | 0- 1- 0- 4/ 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% | 0 | 44 |
表2は年齢別成績。黄色で強調した3歳馬が17年サトノクロニクル、昨年のロードマイウェイと2勝をあげ、複勝率66.7%と非常に高い。近3年で毎年1頭は3着以内に入っている。
4歳馬は一昨年のエアウィンザーが勝利。3着以内馬2頭はともに上位3番人気以内に支持されていた。5歳馬は勝利こそないものの、2着2回。一昨年2着マウントゴールドは4番人気、昨年2着トリオンフは8番人気での好走だった。6歳馬の好走はなく、7歳以上は17年デニムアンドルビー(当時7歳)が2着に入っている。
■表3 チャレンジC近3年の前走からの距離増減別成績
距離増減 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
同距離 | 0- 2- 1-16/19 | 0.0% | 10.5% | 15.8% | 0 | 60 |
今回延長 | 2- 0- 0- 6/ 8 | 25.0% | 25.0% | 25.0% | 92 | 42 |
今回短縮 | 1- 1- 2- 5/ 9 | 11.1% | 22.2% | 44.4% | 38 | 105 |
表3は前走からの距離増減別成績。距離短縮組は17年サトノクロニクルが勝利し、複勝率44.4%と最も高い。3着以内馬4頭中3頭が前走菊花賞組だった。
距離延長組は一昨年のエアウィンザー、昨年のロードマイウェイと近2年続けて勝利。両馬は前走オープン特別で勝利をおさめていた。なお、前走同距離の2000m組は勝ち星がなく、連対率、複勝率ともに最も低い。
■表4 チャレンジC近3年の前走着順別成績
前走着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
前走1着 | 2- 2- 1- 2/ 7 | 28.6% | 57.1% | 71.4% | 105 | 211 |
前走2着 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走3着 | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走4着 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走5着 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
前走6〜9着 | 0- 1- 0- 9/10 | 0.0% | 10.0% | 10.0% | 0 | 22 |
前走10着以下 | 1- 0- 2- 3/ 6 | 16.7% | 16.7% | 50.0% | 58 | 121 |
表4は前走着順別成績。黄色で強調したように好走馬の大半が前走1着か前走10着以下から出ている。前走1着馬は一昨年1・2着、昨年は上位3着までを独占し、連対率57.1%・複勝率71.4%と非常に高い。複勝回収率も211%と高く、今回も前走1着馬はチェックしておきたい。
前走10着以下から3着以内に巻き返した3頭は前走菊花賞組だった。今年も該当馬がいれば、注目したい。
■表5 前開催の阪神芝2000m戦の種牡馬別成績(2勝クラス以上)
種牡馬 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
ディープインパクト | 3- 1- 0- 2/ 6 | 50.0% | 66.7% | 66.7% | 171 | 100 |
ロードカナロア | 0- 1- 0- 1/ 2 | 0.0% | 50.0% | 50.0% | 0 | 80 |
キングカメハメハ | 0- 1- 0- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% | 100.0% | 0 | 220 |
ハービンジャー | 0- 0- 1- 1/ 2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% | 0 | 550 |
スクリーンヒーロー | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 0 | 130 |
オルフェーヴル | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% | 0 | 180 |
その他の種牡馬 | 0- 0- 0-21/21 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
※対象レースは岸和田S、アンドロメダS、猪名川特別の3鞍。
表5は前開催に阪神芝2000mで行われた2勝クラス以上の特別戦3鞍の種牡馬別成績。今週の阪神芝も前開催と同じAコースで施行される。ディープインパクト産駒が3鞍すべて勝利しており、連対率・複勝率66.7%と非常に高い。オープン特別のアンドロメダSでは3歳馬アドマイヤビルゴが断然の1番人気に応えて、差し切り勝ちを決めている。内回りのレースではあるが、速い上がりを出す馬が多いディープインパクト産駒の活躍が目立っている。
2着には同系のロードカナロア産駒、キングカメハメハ産駒が好走している。
■表6 前開催の阪神芝2000m戦の前走距離別成績(2勝クラス以上)
前走距離 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1600m | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
1800m | 0- 1- 0- 8/ 9 | 0.0% | 11.1% | 11.1% | 0 | 24 |
2000m | 2- 0- 2-11/15 | 13.3% | 13.3% | 26.7% | 56 | 102 |
2200m | 1- 2- 1- 3/ 7 | 14.3% | 42.9% | 57.1% | 25 | 90 |
2400m | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
※対象レースは岸和田S、アンドロメダS、猪名川特別の3鞍。
最後に表6は阪神芝2000mで行われた特別戦3鞍の前走距離別成績。黄色で強調した前走2200m組が連対率42.9%・複勝率57.1%と抜けて高い。3レースともに3着以内馬が出ており、今回のチャレンジCでも該当馬がいれば注目しておきたい。
前走2000m組は2勝をあげており、複勝率26.7%と前走2200m組に次いで高い。3着以内馬は大半が前走2000〜2200m組から出ていた。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。