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第1473回 11月に入って重賞勝利が続くオルフェーヴル産駒を分析

2020/11/16(月)

11月に入ってオルフェーヴル産駒の重賞勝利が続いている。まず8日にオーソリティがアルゼンチン共和国を勝利。翌週の15日にもバイオスパークが福島記念を制すと、直後のエリザベス女王杯ではラッキーライラックが連覇を達成した。そこで今回は、種牡馬オルフェーヴルに関するデータを調べてみたい。集計期間は産駒が中央デビューを飾った2017年6月24日から2020年11月15日で、平地戦のみを集計対象とする。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

2020/11/8 東京11R アルゼンチン共和国杯(G2) 1着 18番 オーソリティ 2020/11/15 阪神11R エリザベス女王杯(G1) 1着 18番 ラッキーライラック  

■表1 総合および東西・牡牝・年齢別成績

項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
総合 276- 268- 242-2327/3113 8.9% 17.5% 25.2% 66% 73%
所属 関東 93-  98-  94-1096/1381 6.7% 13.8% 20.6% 49% 62%
関西 183- 170- 148-1231/1732 10.6% 20.4% 28.9% 80% 82%
性別 牡馬・セン馬 145- 142- 129-1170/1586 9.1% 18.1% 26.2% 59% 70%
牝馬 131- 126- 113-1157/1527 8.6% 16.8% 24.2% 74% 77%
年齢 2歳 50-  54-  62- 489/ 655 7.6% 15.9% 25.3% 49% 61%
3歳 165- 166- 128-1360/1819 9.1% 18.2% 25.2% 72% 77%
4歳 56-  42-  43- 355/ 496 11.3% 19.8% 28.4% 77% 82%
5歳 5-   6-   9- 123/ 143 3.5% 7.7% 14.0% 42% 51%

表1は、オルフェーヴル産駒の総合成績および、東西・牡牝(セン馬は牡馬に含む)・年齢別の成績を示したもの。東西別の成績は結構な差がついており、明らかに関西馬が優位に立つ。これは、G1を勝ったラッキーライラックとエポカドーロがいずれも関西所属という実績通りの傾向とも言える。牡牝の差は小さく、このぐらいの差であれば牝馬優勢とみてもいいかもしれない。年齢別では4歳の成績がもっともよく、開花の時期はやや遅めとなっている。

■表2 クラス別成績

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
新馬 27-  24-  35- 312/ 398 6.8% 12.8% 21.6% 42% 57%
未勝利 115- 140- 115-1164/ 1534 7.5% 16.6% 24.1% 68% 78%
1勝 75-  51-  49- 530/ 705 10.6% 17.9% 24.8% 68% 65%
2勝 28-  26-  18- 168/ 240 11.7% 22.5% 30.0% 59% 72%
3勝 12-  11-  14-  43/  80 15.0% 28.8% 46.3% 177% 137%
オープン特別 5-   3-   0-  13/  21 23.8% 38.1% 38.1% 86% 113%
リステッド競走 1-   3-   2-  14/  20 5.0% 20.0% 30.0% 19% 71%
G3 5-   4-   4-  38/  51 9.8% 17.6% 25.5% 75% 72%
G2 3-   4-   3-  23/  33 9.1% 21.2% 30.3% 34% 50%
G1 5-   2-   2-  22/  31 16.1% 22.6% 29.0% 101% 68%

表2はクラス別成績。好走率、回収率ともに優秀なのが3勝クラスとオープン特別で、この両クラスでは狙ってみる価値が高そうだ。また、重賞(G1〜G3)の好走率も概して悪くない。一方、新馬戦や未勝利戦の数値はダウン傾向で、特に新馬戦では苦戦している様子も見受けられる。

■表3 競馬場別成績

競馬場 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
札幌 8-   6-   6-  79/  99 8.1% 14.1% 20.2% 50% 48%
函館 7-  11-  11-  58/  87 8.0% 20.7% 33.3% 42% 88%
福島 17-  13-   9- 117/ 156 10.9% 19.2% 25.0% 113% 94%
新潟 12-  14-  14- 154/ 194 6.2% 13.4% 20.6% 39% 79%
東京 23-  31-  26- 246/ 326 7.1% 16.6% 24.5% 53% 68%
中山 20-  19-  20- 210/ 269 7.4% 14.5% 21.9% 54% 56%
中京 17-   8-   8-  97/ 130 13.1% 19.2% 25.4% 128% 81%
京都 26-  24-  31- 241/ 322 8.1% 15.5% 25.2% 56% 84%
阪神 28-  26-  24- 208/ 286 9.8% 18.9% 27.3% 60% 74%
小倉 12-  11-   9- 124/ 156 7.7% 14.7% 20.5% 95% 59%
ダート 札幌 5-  5-  2- 34/ 46 10.9% 21.7% 26.1% 44% 48%
函館 4-  2-  1- 31/ 38 10.5% 15.8% 18.4% 82% 64%
福島 7-  4-  2- 52/ 65 10.8% 16.9% 20.0% 207% 77%
新潟 9-  8-  4- 61/ 82 11.0% 20.7% 25.6% 45% 57%
東京 3- 10-  6-113/132 2.3% 9.8% 14.4% 15% 43%
中山 13- 15- 14-116/158 8.2% 17.7% 26.6% 37% 89%
中京 4-  4- 14- 71/ 93 4.3% 8.6% 23.7% 18% 50%
京都 21- 23- 16-119/179 11.7% 24.6% 33.5% 98% 83%
阪神 26- 24- 20-150/220 11.8% 22.7% 31.8% 71% 89%
小倉 14- 10-  5- 46/ 75 18.7% 32.0% 38.7% 125% 104%

表3は競馬場別成績を芝・ダート別で示したもの。芝から見ていくと、福島や中京の勝率、単勝回収率が高いように、どちらかといえばローカルを得意としているようだ。中央場では阪神の好走率がもっとも高く、ラッキーライラックが阪神でG1を3勝したのも納得。ダートは小倉が抜群。また、京都や阪神の成績もよく、中京を除く関西圏を得意としている。そんななか東京の数値が大きく落ち込んでおり、これは不得手と判断してよさそうだ。

■表4 距離別成績

距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1000m〜1300m 8-   9-  12- 157/ 186 4.3% 9.1% 15.6% 90% 57%
1400m〜1600m 47-  40-  41- 431/ 559 8.4% 15.6% 22.9% 66% 75%
1700m〜2000m 86-  95-  81- 768/1030 8.3% 17.6% 25.4% 60% 75%
2100m〜2400m 19-  15-  17- 124/ 175 10.9% 19.4% 29.1% 51% 73%
2500m〜 10-   4-   7-  54/  75 13.3% 18.7% 28.0% 104% 66%
ダート 1000m〜1300m 17- 15- 17-120/169 10.1% 18.9% 29.0% 54% 69%
1400m〜1600m 13- 16- 15-159/203 6.4% 14.3% 21.7% 47% 64%
1700m〜2000m 70- 67- 51-476/664 10.5% 20.6% 28.3% 71% 77%
2100m〜2400m 6-  7-  1- 37/ 51 11.8% 25.5% 27.5% 168% 94%
2500m〜 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4は距離別成績を芝・ダート別で示したもの。芝の好走率は距離が延びるほど高く、2500m以上は単勝回収率も良好だ。ただし、短距離の1000〜1300mは得意とは言えないものの、単勝回収率90%を記録しており、激走傾向があることには気をつけたい。ダートは1400〜1600mのみ好走率が落ち、それ以外の好走率はあまり変わらないが、回収率を加味すると2100〜2400mがもっとも得意と言える。

■表5 枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1枠 21- 12- 16-141/190 11.1% 17.4% 25.8% 105% 83%
2枠 16- 21- 18-155/210 7.6% 17.6% 26.2% 55% 77%
3枠 23- 25- 19-169/236 9.7% 20.3% 28.4% 73% 86%
4枠 24- 21- 23-181/249 9.6% 18.1% 27.3% 83% 85%
5枠 21- 18- 21-203/263 8.0% 14.8% 22.8% 48% 77%
6枠 23- 18- 16-217/274 8.4% 15.0% 20.8% 67% 71%
7枠 20- 24- 22-236/302 6.6% 14.6% 21.9% 46% 56%
8枠 22- 24- 23-232/301 7.3% 15.3% 22.9% 60% 57%
ダート 1枠 7- 17-  8- 86/118 5.9% 20.3% 27.1% 31% 78%
2枠 4- 14-  9- 74/101 4.0% 17.8% 26.7% 9% 74%
3枠 15- 11- 14- 90/130 11.5% 20.0% 30.8% 82% 75%
4枠 12- 10-  3-101/126 9.5% 17.5% 19.8% 106% 51%
5枠 17- 13- 17- 96/143 11.9% 21.0% 32.9% 66% 81%
6枠 23- 11- 11-100/145 15.9% 23.4% 31.0% 106% 77%
7枠 10- 13-  8-134/165 6.1% 13.9% 18.8% 33% 74%
8枠 18- 16- 14-112/160 11.3% 21.3% 30.0% 96% 81%

表5は枠番別成績を芝・ダート別で示したもの。芝は1枠のみ10%を上回る勝率を記録しており、単勝回収率105%も優秀。3、4枠の成績も安定しており、芝は内枠を得意としているようだ。一方、ダートは6枠や8枠の数値がよく、どちらかといえば外枠のほうがよさそう。内枠も連対率や複勝率では引けをとらないのだが、1、2枠を引いた場合に2着がやたらと多く、勝ち切れないパターンに注意したい。

■表6 出走間隔別成績

出走間隔 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
連闘 1-   3-   5-  52/  61 1.6% 6.6% 14.8% 8% 40%
中1週 35-  26-  35- 265/ 361 9.7% 16.9% 26.6% 68% 79%
中2週 49-  50-  37- 345/ 481 10.2% 20.6% 28.3% 60% 75%
中3週 32-  39-  32- 230/ 333 9.6% 21.3% 30.9% 71% 70%
中4〜8週 53-  64-  55- 498/ 670 7.9% 17.5% 25.7% 65% 83%
中9〜24週 67-  51-  41- 508/ 667 10.0% 17.7% 23.8% 89% 76%
中25週〜 10-   7-   0-  63/  80 12.5% 21.3% 21.3% 88% 57%
初出走 29-  28-  37- 366/ 460 6.3% 12.4% 20.4% 43% 59%

表6は前走からの出走間隔別成績で、初出走時の成績も付記した。安定して走っているのは中2週や中3週。また、中9〜24週や中25週以上は単勝系の数値(勝率、単勝回収率)が高く、休み明けの馬を1着で狙って妙味がある。苦手としているのは連闘で、初出走時の成績もあまりよくない。

■表7 騎手別成績(騎乗30回以上)

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
着別度数 ルメール 17-16- 3-35/71 23.9% 46.5% 50.7% 84% 76%
川田将雅 16- 7-10-33/66 24.2% 34.8% 50.0% 79% 73%
戸崎圭太 12-16- 7-40/75 16.0% 37.3% 46.7% 88% 96%
M.デムーロ 12- 7- 7-19/45 26.7% 42.2% 57.8% 107% 89%
池添謙一 11-13- 3-44/71 15.5% 33.8% 38.0% 129% 79%
勝率 M.デムーロ 12- 7- 7-19/45 26.7% 42.2% 57.8% 107% 89%
川田将雅 16- 7-10-33/66 24.2% 34.8% 50.0% 79% 73%
ルメール 17-16- 3-35/71 23.9% 46.5% 50.7% 84% 76%
岩田望来 8- 4- 5-26/43 18.6% 27.9% 39.5% 123% 93%
福永祐一 10- 5- 5-35/55 18.2% 27.3% 36.4% 71% 67%
単勝回収率 川又賢治 6- 4- 0-31/41 14.6% 24.4% 24.4% 242% 86%
北村友一 4- 7- 6-38/55 7.3% 20.0% 30.9% 173% 102%
菅原明良 1- 1- 1-28/31 3.2% 6.5% 9.7% 137% 130%
池添謙一 11-13- 3-44/71 15.5% 33.8% 38.0% 129% 79%
石川裕紀人 3- 1- 1-29/34 8.8% 11.8% 14.7% 124% 57%

表7は騎手別成績。オルフェーヴル産駒に30回以上騎乗したジョッキーを対象に、着別度数、勝率、単勝回収率の各ベスト5を掲載した。最多勝ジョッキーはルメール騎手で、アルゼンチン共和国杯のオーソリティ、エリザベス女王杯のラッキーライラックで重賞勝利をマークしたばかり。このルメール騎手に負けない好走率を記録しているのがM・デムーロ騎手で、勝率では堂々のトップだ。また、現役時代の主戦だった池添謙一騎手が着別度数順で5位、単勝回収率順で4位とさすがの好相性を見せている。産駒のバイオスパークで福島記念を勝ち、史上6人目の全10場重賞制覇を達成したのもファンには嬉しいところだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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