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第1405回 波乱の目もある!? 日経賞を分析する

2020/3/23(月)

今週は中山・阪神・中京で計4鞍の重賞が行われる。土曜中山のメインレースは伝統の長距離G2、日経賞。春の天皇賞に向けて注目の一戦だ。今回の当コラムでは日経賞をピックアップして、2015年以降・近5年のデータからレース傾向ならびに馬券での狙いどころを探っていきたい。なお、データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 日経賞 近5年の3着以内馬一覧

年(馬場/頭数) 着順 馬名 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 前半900m通過
2019
(稍重/12頭)
1 メイショウテッコン 2分34秒2 3 1 35秒4 56秒2
2 エタリオウ 1馬身1/4 1 2 35秒6
3 サクラアンプルール 1馬身1/4 4 5 35秒2
2018
(良/15頭)
1 ガンコ 2分33秒9 3 2 35秒6 56秒1
2 チェスナットコート 3/4馬身 7 9 34秒8
3 サクラアンプルール 3/4馬身 6 10 34秒6
2017
(良/16頭)
1 シャケトラ 2分32秒8 4 8 35秒0 55秒1
2 ミライヘノツバサ 3/4馬身 7 1 36秒2
3 アドマイヤデウス アタマ 6 4 35秒8
2016
(良/9頭)
1 ゴールドアクター 2分36秒8 2 2 33秒8 57秒9
2 サウンズオブアース 3/4馬身 1 2 33秒9
3 マリアライト 1馬身1/4 4 5 33秒9
2015
(良/12頭)
1 アドマイヤデウス 2分30秒2 4 5 34秒2 53秒7
2 ウインバリアシオン 1馬身3/4 5 3 34秒7
3 ホッコーブレーヴ アタマ 6 8 34秒4

まず表1は近5年の日経賞3着以内馬一覧。勝ちタイムを見ると、かなりのスローペースだった16年を除いて、2分32秒8〜2分34秒2の間におさまっている。上がりタイムも瞬発力勝負となった16年以外は34秒2以上掛かっており、勝ちタイム・上がりともにやや掛かるレースとなっている。4角通過順では一桁順位からまんべんなく好走している。

人気順では、1番人気馬が【0.2.0.3】で勝ち星がなく、連対率・複勝率40%とやや低め。上位人気馬では4番人気馬が【2.0.2.1】で一昨年以外はすべて3着以内に入っており、健闘が目立つ。3着以内馬はすべて上位7番人気以内の馬から出ている。ただし、15年・17年・18年は1・2番人気馬が馬券圏外に敗れており、17年・18年は3連単10万円以上の波乱となった。過去の実績だけでは簡単に決まらないレースといえるだろう。

■表2 日経賞 近5年の年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
4歳 3- 3- 0- 7/13 23.1% 46.2% 46.2% 135% 155%
5歳 2- 1- 1-11/15 13.3% 20.0% 26.7% 58% 40%
6歳 0- 0- 1-14/15 0.0% 0.0% 6.7% 0% 38%
7歳以上 0- 1- 3-17/21 0.0% 4.8% 19.0% 0% 53%

2019/3/23 中山11R 日経賞(G2) 1着 1番 メイショウテッコン

表2は近5年の年齢別成績。4歳馬が昨年のメイショウテッコンら最多の3勝をあげており、連対率・複勝率46.2%と抜けた数字を残している。出走がなかった16年を除いて毎年連対、昨年は1・2着馬が4歳だった。

5歳馬は一昨年のガンコら2勝をあげ、複勝率26.7%で4歳馬に続いている。勝ち馬は4・5歳馬に集中していた。対して、6歳馬は3着1回のみと不振傾向。なお、7歳以上の馬は勝ち星こそないものの、近2年もサクラアンプルールが連続で好走。複勝率19.0%と侮れない。

■表3 日経賞 近5年の前走レース別成績

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
日経新春杯 3- 0- 0- 3/ 6 50.0% 50.0% 50.0% 293% 110%
有馬記念 1- 2- 2- 4/ 9 11.1% 33.3% 55.6% 36% 133%
松籟S(1600万下) 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 270% 120%
アメリカJCC 0- 1- 1- 6/ 8 0.0% 12.5% 25.0% 0% 117%
菊花賞 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 55%
早春S(1600万下) 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 490%
中山記念 0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0% 87%
ステイヤーズS 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 340%
その他のレース 0- 0- 0-31/31 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

2017/3/25 中山11R 日経賞(G2) 1着 13番 シャケトラ

表3は前走レース別成績。日経新春杯組が17年シャケトラら最多の3勝をあげており、勝率50%と高い。3勝はいずれも4歳馬によるものだった。有馬記念組は16年ゴールドアクターが勝利し、複勝率55.6%は日経新春杯組を上回っている。松籟S組は一昨年ガンコが勝利している。

その他ではアメリカJCC組、中山記念組、ステイヤーズS組と、前走中山芝重賞から3着以内に入っているケースも見られる。

■表4 日経賞 近5年の前走距離別成績

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1800m 0- 0- 1- 7/ 8 0.0% 0.0% 12.5% 0% 43%
1900m 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2000m 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2200m 0- 1- 1-11/13 0.0% 7.7% 15.4% 0% 72%
2400m 4- 1- 0- 9/14 28.6% 35.7% 35.7% 164% 99%
2500m 1- 2- 2- 6/11 9.1% 27.3% 45.5% 30% 109%
3000m 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 36%
3200m 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
3400m 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
3600m 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 340%

表4は前走距離別成績。黄色で強調した前走2400m組と前走2500m組に好走馬が多く集まっていることがわかる。表3とも関連しているが、前走2400m組が近5年中4勝と勝ち切る傾向が強い。この組の連対馬5頭中4頭は4歳馬だった。

前走2500m組の好走馬5頭はすべて前走有馬記念組。前走2400m戦だった4歳馬ならびに前走有馬記念組には注目しておきたい。

■表5 日経賞 近5年の前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1着 3- 1- 0- 6/10 30.0% 40.0% 40.0% 141% 107%
前走2着 1- 2- 0- 3/ 6 16.7% 50.0% 50.0% 121% 83%
前走3着 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 152%
前走4着 0- 0- 2- 2/ 4 0.0% 0.0% 50.0% 0% 122%
前走5着 0- 0- 2- 0/ 2 0.0% 0.0% 100.0% 0% 260%
前走6〜9着 1- 0- 0-18/19 5.3% 5.3% 5.3% 25% 8%
前走10着以下 0- 1- 1-16/18 0.0% 5.6% 11.1% 0% 46%

表5は前走着順別成績。前走1着馬が15年アドマイヤデウスら3勝をあげており、連対率・複勝率40%と高い。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を上回っている。前走2着馬は17年シャケトラが勝利し、連対率・複勝率50%は前走1着馬を上回っている。

また、前走3着馬は複勝率20%とやや低めだが、前走4着馬は同50%、前走5着馬は同100%と優秀。前走5着以内に入っていた馬が近5年の3着以内馬15頭中12頭を占めている

前走6着以下から勝利したのは昨年のメイショウテッコン(前走日経新春杯9着)のみ。前走10着以下から巻き返した15年2着ウインバリアシオン(前走有馬記念12着)、17年3着アドマイヤデウス(前走有馬記念11着)の2頭は過去に日経賞で勝利した経験があった。

■表6 日経賞 近5年の馬体重別成績

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
420〜439kg 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 140%
440〜459kg 0- 1- 0- 7/ 8 0.0% 12.5% 12.5% 0% 61%
460〜479kg 1- 1- 0-14/16 6.3% 12.5% 12.5% 33% 20%
480〜499kg 1- 0- 4-16/21 4.8% 4.8% 23.8% 15% 74%
500〜519kg 3- 2- 0- 5/10 30.0% 50.0% 50.0% 176% 155%
520〜539kg 0- 1- 0- 7/ 8 0.0% 12.5% 12.5% 0% 32%

最後は馬体重別成績。黄色で強調した500〜519キロから昨年のメイショウテッコンら近3年続けて勝ち馬が出ており、連対率・複勝率50%と高い。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を大きく超えている。

勝ち馬5頭はいずれも460キロ以上で、特に480キロ以上の馬から3着以内馬11頭が出ている。480キロ以上の大型馬、特に500〜519キロの馬はチェックしておきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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