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第1283回 日本ダービー、オークスへ向けて必要な「1月末」時点の実績は?

2019/1/14(月)

既に一定の実績を残している明け3歳馬にとっては、クラシックへ向けた充電期間にあてられることも多い1月開催。しかし現時点で未勝利の馬や、初勝利こそ挙げてもそれ以上の賞金を加算できずにいる馬は、ここで休んでいては、あっという間に春後半のG1出走すら怪しくなる。日本ダービーやオークスで好走するためには、「1月末」の時点で果たしてどのくらいの実績が必要なのか。ペーパーオーナーゲームに参加していたり、一口クラブで明け3歳馬に出資していたりする人にとっては、大いに気になるこのデータを調べてみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 ダービー馬の1月末時点における「前走」と「次走」(2000年以降)

ダービー馬 1月末時点の最終出走 同勝利数 2月以降の初戦
2000 アグネスフライト 未出走 0 新馬戦・1着
2001 ジャングルポケット 12/23 ラジオたんぱ杯3歳S・2着 2 共同通信杯・1着
2002 タニノギムレット 1/14 シンザン記念・1着 2 アーリントンC・1着
2003 ネオユニヴァース 1/18 白梅賞・1着 2 きさらぎ賞・1着
2004 キングカメハメハ 1/18 京成杯・3着 2 すみれS・1着
2005 ディープインパクト 1/22 若駒S・1着 2 弥生賞・1着
2006 メイショウサムソン 12/17 中京2歳S・1着 3 きさらぎ賞・2着
2007 ウオッカ 12/3 阪神JF・1着 2 エルフィンS・1着
2008 ディープスカイ 1/26 未勝利戦・1着 1 500万条件・2着
2009 ロジユニヴァース 12/27 ラジオNIKKEI杯2歳S・1着 3 弥生賞・1着
2010 エイシンフラッシュ 1/17 京成杯・1着 3 皐月賞・3着
2011 オルフェーヴル 1/9 シンザン記念・2着 1 きさらぎ賞・3着
2012 ディープブリランテ 11/19 東京スポーツ杯2歳S・1着 2 共同通信杯・2着
2013 キズナ 12/22 ラジオNIKKEI杯2歳S・3着 2 弥生賞・5着
2014 ワンアンドオンリー 12/21 ラジオNIKKEI杯2歳S・1着 2 弥生賞・2着
2015 ドゥラメンテ 11/8 未勝利戦・1着 1 セントポーリア賞・1着
2016 マカヒキ 1/23 若駒S・1着 2 弥生賞・1着
2017 レイデオロ 12/25 ホープフルS・1着 3 皐月賞・5着
2018 ワグネリアン 11/18 東京スポーツ杯2歳S・1着 3 弥生賞・2着

2017/11/18 東京11R 東京スポーツ杯2歳S(G3) 1着 3番 ワグネリアン

まず表1は、2000年以降のダービー馬について、1月末時点での最終出走レース(以下「前走」とする)と勝利数、そして2月以降に初めて出走したレース(以下「次走」とする)での成績を調べたものである。
その1頭目、00年のアグネスフライトは年明けデビューのダービー馬だが、JRA-VAN Data Lab.でデータが提供されている1986年以降、ほかに該当するのは96年のフサイチコンコルド(1月5日・新馬戦1着)のみ。これはかなり例外的な存在だ。
表にある通り、1月末時点で1勝しか挙げていなかった2000年以降のダービー馬も、ディープスカイ、オルフェーヴル(重賞2着の賞金加算あり)、そしてドゥラメンテの3頭しかいない。特に12年以降は7頭中6頭が、1月末時点で2勝以上を挙げていた。

その「12年以降」に限ると、あと3つ「例外1頭」というダービー制覇への条件が見えてくる。ひとつは、マカヒキを除く6頭の「前走」が前年中だったことだ。先の「1月末時点で2勝」も併せて考えると、前年のうちに2勝を挙げていることが望ましい。現在(1月中旬)1勝馬だからといって、1月末までに駆け込みで2勝目を挙げても、ダービー制覇はなかなか難しいというのが近年の傾向だ。
ほかには、「前走」で勝っていた馬が7頭中6頭。そしてもうひとつ、「次走」でオープン・重賞を勝ったのはマカヒキのみ(ほかに条件戦はドゥラメンテが優勝)。勝っていないことを「ダービー制覇の条件」と言うには抵抗も感じるが、少なくとも1月末時点の「前走」でさえ勝利を飾っていれば、「次走」で負けてもまったく気にする必要はない

■表2 ダービー2、3着馬の1月末時点における「前走」と「次走」(過去10年)

ダービー 馬名 1月末時点の最終出走 同勝利数 2月以降の初戦
2009 2着 リーチザクラウン 12/27 ラジオNIKKEI杯2歳S・2着 2 きさらぎ賞・1着
2010 ローズキングダム 12/20 朝日杯FS・1着 3 スプリングS・3着
2011 ウインバリアシオン 12/25 ラジオNIKKEI杯2歳S・4着 2 きさらぎ賞・4着
2012 フェノーメノ 1/29 500万条件・1着 2 弥生賞・6着
2013 エピファネイア 12/22 ラジオNIKKEI杯2歳S・1着 3 弥生賞・4着
2014 イスラボニータ 11/16 東京スポーツ杯2歳S・1着 3 共同通信杯・1着
2015 サトノラーゼン 1/5 未勝利戦・1着 1 500万条件・2着
2016 サトノダイヤモンド 12/26 500万条件・1着 2 きさらぎ賞・1着
2017 スワーヴリチャード 11/19 東京スポーツ杯2歳S・2着 1 共同通信杯・1着
2018 エポカドーロ 1/21 未勝利戦・1着 1 あすなろ賞・1着
2009 3着 アントニオバローズ 1/11 シンザン記念・1着 2 皐月賞・9着
2010 ヴィクトワールピサ 12/26 ラジオNIKKEI杯2歳S・1着 3 弥生賞・1着
2011 ベルシャザール 12/26 ホープフルS・1着 2 共同通信杯・4着
2012 トーセンホマレボシ 1/14 未勝利戦・2着 0 未勝利戦・1着
2013 アポロソニック 1/21 京成杯・7着 1 山吹賞・1着
2014 マイネルフロスト 12/21 ラジオNIKKEI杯2歳S・7着 2 共同通信杯・4着
2015 サトノクラウン 11/24 東京スポーツ杯2歳S・1着 2 弥生賞・1着
2016 ディーマジェスティ 11/23 未勝利戦・1着(※) 1 共同通信杯・1着
2017 アドミラブル 9/25 新馬戦・9着 0 未勝利戦・1着
2018 コズミックフォース 1/14 京成杯・2着 1 すみれS・5着
※ディーマジェスティは12/27のホープフルSで出走取消

続いて表2は、日本ダービー2、3着馬について1着馬と同様に調べたもので、こちらは頭数が多くなるため過去10年(09年以降)を対象とした。まず表の上半分、ダービー2着馬について見ると、11年のウインバリアシオンを除く9頭は、未勝利戦でもいいので「前走」で勝つか、重賞で2着になり、出走の可否にかかわる「賞金」を加算していたことで共通している。3着馬については、前走2着以下(重賞3着以下)でもあまり問題はなさそうだ。

そして表1同様に12年以降のダービー2、3着馬を見ると、ダービー馬よりかなり条件は緩いことがわかる。「前走」については、14頭中半数の7頭が「重賞以外」。そして1月末時点の勝利数は、14頭中8頭が1勝以下だった。その分、近年は「次走」1着馬が増えているものの、表1のダービー馬に比べれば、1月末時点での実績はさほど問われない。もちろん、日本ダービーはなんとしても勝ちたいレースだが、たとえ現時点で出遅れた感があっても、2〜3着なら希望は持てそうなのが近年の傾向だ。

■表3 オークス馬の1月末時点における「前走」と「次走」(2000年以降)

オークス馬 1月末時点の最終出走 同勝利数 2月以降の初戦
2000 シルクプリマドンナ 1/30 新馬戦・1着 1 500万条件・1着
2001 レディパステル 1/20 新馬戦・2着 0 未勝利戦・1着
2002 スマイルトゥモロー 12/16 フェアリーS・11着 1 黄梅賞・1着
2003 スティルインラブ 1/19 紅梅S・1着 2 チューリップ賞・2着
2004 ダイワエルシエーロ 1/18 紅梅S・2着 1 クイーンC・1着
2005 シーザリオ 1/9 寒竹賞・1着 2 フラワーC・1着
2006 カワカミプリンセス 未出走 0 新馬戦・1着
2007 ローブデコルテ 1/14 紅梅S・1着 2 チューリップ賞・5着
2008 トールポピー 12/2 阪神JF・1着 2 チューリップ賞・2着
2009 ブエナビスタ 12/14 阪神JF・1着 2 チューリップ賞・1着
2010 アパパネ 12/13 阪神JF・1着 3 チューリップ賞・2着
サンテミリオン 1/24 若竹賞・1着 2 フラワーC・3着
2011 エリンコート 1/29 500万条件・4着 1 500万条件・1着
2012 ジェンティルドンナ 1/8 シンザン記念・1着 2 チューリップ賞・4着
2013 メイショウマンボ 1/14 紅梅S・2着 1 こぶし賞・1着
2014 ヌーヴォレコルト 12/8 こうやまき賞・1着 2 チューリップ賞・2着
2015 ミッキークイーン 12/21 未勝利戦・1着 1 クイーンC・2着
2016 シンハライト 1/17 紅梅S・1着 2 チューリップ賞・1着
2017 ソウルスターリング 12/11 阪神JF・1着 3 チューリップ賞・1着
2018 アーモンドアイ 1/8 シンザン記念・1着 2 桜花賞・1着

2018/1/8 京都11R シンザン記念(G3) 1着 3番 アーモンドアイ

さて、今度は2000年以降のオークス馬についても見てみよう(10年は1着同着)。こちらは全20頭に共通するはっきりした傾向がひとつある。1月末時点から見た「前走」か「次走」のいずれかでは、勝利を飾っていることだ。特に14年以降の5頭はすべて「前走」1着、ここ3年のシンハライトからアーモンドアイは1月末を挟んで連勝と、近年はまず「前走」で勝っているのが理想である。本稿掲載日には京都で紅梅Sが組まれており、その結果も気になるところだ。

一方、1月末時点の勝利数を見ると、20頭中8頭は1勝以下だった。ダービー馬(表1)の19頭中4頭に比べればかなり多く、オークスのほうが「まだ間に合う」可能性が高い。ただ、これら8頭中7頭は「次走」1着、残る1頭・15年のミッキークイーンも重賞2着で賞金を加算している。いくらオークスまで間があるとはいえ、2月以降にまだもたついているようでは厳しくなる。

■表4 オークス2、3着馬の1月末時点における「前走」と「次走」(過去10年)

オークス 馬名 1月末時点の最終出走 同勝利数 2月以降の初戦
2009 2着 レッドディザイア 1/4 新馬戦・1着 1 エルフィンS・1着
2011 ピュアブリーゼ 1/10 フェアリーS・4着 1 500万条件・3着
2012 ヴィルシーナ 12/11 エリカ賞・1着 2 クイーンC・1着
2013 エバーブロッサム 1/12 未勝利戦・1着 1 フラワーC・2着
2014 ハープスター 12/8 阪神JF・2着 2 チューリップ賞・1着
2015 ルージュバック 11/9 百日草特別・1着 2 きさらぎ賞・1着
2016 チェッキーノ 12/6 未勝利戦・1着 1 アネモネS・1着
2017 モズカッチャン 1/17 未勝利戦・3着 0 未勝利戦・1着
2018 リリーノーブル 12/10 阪神JF・2着 2 チューリップ賞・3着
2009 3着 ジェルミナル 1/11 フェアリーS・1着 3 チューリップ賞・5着
2010 アグネスワルツ 11/29 白菊賞・1着 2 フローラS・2着
2011 ホエールキャプチャ 12/12 阪神JF・2着 2 クイーンC・1着
2012 アイスフォーリス 1/9 フェアリーS・7着 1 ミモザ賞・2着
2013 デニムアンドルビー 未出走 0 新馬戦・2着
2014 バウンスシャッセ 1/6 寒竹賞・1着 2 フラワーC・1着
2015 クルミナル 1/25 新馬戦・1着 1 エルフィンS・1着
2016 ビッシュ 未出走 0 新馬戦・1着
2017 アドマイヤミヤビ 11/6 百日草特別・1着 2 クイーンC・1着
2018 ラッキーライラック 12/10 阪神JF・1着 3 チューリップ賞・1着

最後に表4はオークス2、3着馬で、表2同様に過去10年とした。1月末時点で1勝以下だった馬が19頭中9頭。また、「前走」が重賞だったのは、19頭中7頭のみ。新馬・未勝利戦5頭のほか、1月末時点でデビューすらしていなかった馬も2頭いる。そのうちの1頭、13年のデニムアンドルビーは、2月に新馬戦、未勝利戦とデビュー2連敗を喫してから、未勝利戦とフローラSを連勝し、オークス3着までこぎ着けた。表3のオークス馬もダービーに比べれば条件は緩かったが、2〜3着ならさらに可能性は広がってくる。
なお、19頭中18頭は「次走」で3着以内。表3のオークス馬も20頭中18頭が「次走」3着以内となっており、オークス好走へ向けては2月以降の初戦で馬券圏内は確保したい。これは、表1〜2のダービー好走馬とはまったく異なるポイントだ。

以上、日本ダービーとオークスの1〜3着馬について、1月末時点での成績を調べてみた。さすがにダービー馬、オークス馬となると一定の条件をクリアしている必要がある。ただしオークスなら、やや出遅れていたとしても、今後の成長次第で勝利まで手が届く可能性はありそうだ。2〜3着であれば、ダービー、オークスともによりチャンスは大きくなる。
もちろん、これはあくまで過去の結果で、今年も同じとは限らない。たとえば08年のダービー馬・ディープスカイは、1月末時点で未勝利戦を勝ったばかり。「次走」の500万条件でも2着に敗れたが、その後ダービーを1番人気で迎えるほどの急成長を見せている。ペーパーオーナーゲームでの指名馬や、クラブの出資馬が、もし過去の傾向からは厳しく思われても、ここから大逆転する可能性を信じて応援したいところだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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