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第1218回 第85回日本ダービーを展望する

2018/5/24(木)

今年も日本ダービーがやって来る。2015年に生を受けたサラブレッドの頂点に立つのは、二冠を目指すエポカドーロ以下の皐月賞組か、それとも別路線組か。あるいは皐月賞の直前で回避を余儀なくされた2歳王者ダノンプレミアムの逆襲はなるのか。週末が待ちきれない大一番を、過去10年のデータを読み解いてみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 4- 1- 3- 2/ 10 40.0% 50.0% 80.0% 114% 117%
2番人気 2- 1- 0- 7/ 10 20.0% 30.0% 30.0% 130% 69%
3番人気 3- 2- 1- 4/ 10 30.0% 50.0% 60.0% 181% 129%
4番人気 0- 0- 0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
5番人気 0- 4- 0- 6/ 10 0.0% 40.0% 40.0% 0% 163%
6番人気 0- 0- 1- 9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 35%
7番人気 1- 0- 1- 8/ 10 10.0% 10.0% 20.0% 319% 93%
8番人気 0- 0- 3- 7/ 10 0.0% 0.0% 30.0% 0% 203%
9番人気 0- 0- 0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気〜 0- 2- 1- 85/ 88 0.0% 2.3% 3.4% 0% 31%

表1は人気別成績。まずいえるのは、ダービーは人気馬が強いレースということ。過去10年の勝ち馬10頭中9頭は1〜3番人気に支持されており、その1〜3番人気の成績は好走率、回収率ともに良好だ。以下、5〜8番人気には好走例がそれなりにあるが、9番人気以下は苦戦が否めない。基本的には、人気馬の取捨を考えるレースといっていいだろう。

■表2 枠番別成績 

人気   着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1〜3番人気 1枠 4- 0- 1- 2/ 7 57.1% 57.1% 71.4% 282% 152%
2枠 1- 1- 0- 0/ 2 50.0% 100.0% 100.0% 200% 165%
3枠 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 100% 50%
4枠 0- 1- 1- 2/ 4 0.0% 25.0% 50.0% 0% 60%
5枠 1- 1- 0- 2/ 4 25.0% 50.0% 50.0% 212% 137%
6枠 1- 0- 1- 3/ 5 20.0% 20.0% 40.0% 106% 78%
7枠 1- 1- 0- 1/ 3 33.3% 66.7% 66.7% 63% 90%
8枠 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 75%
4番人気〜 1枠 1- 2- 0-10/13 7.7% 23.1% 23.1% 245% 112%
2枠 0- 0- 3-15/18 0.0% 0.0% 16.7% 0% 140%
3枠 0- 0- 0-17/17 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
4枠 0- 2- 1-12/15 0.0% 13.3% 20.0% 0% 122%
5枠 0- 0- 1-15/16 0.0% 0.0% 6.3% 0% 38%
6枠 0- 2- 0-13/15 0.0% 13.3% 13.3% 0% 54%
7枠 0- 0- 1-26/27 0.0% 0.0% 3.7% 0% 16%
8枠 0- 0- 0-27/27 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2は枠番別成績。今回は上半分を1〜3番人気、下半分を4番人気以下に分けて示した。先に1〜3番人気から見ていくと、1枠が4勝を挙げていることに目が留まる。2枠に入った2頭もいずれも連対を果たしており、人気馬が内枠に入ったら好走の確率はかなり高いようだ。そして、内枠が強いのは4番人気以下も同様。過去10年で4番人気以下から1〜3着に入った13頭のうち半数近い6頭は1、2枠からのスタートで、唯一の勝ち馬であるエイシンフラッシュも1枠だった。逆に、4番人気以下の馬が外枠に入ると厳しい結果になっており、7、8枠は合わせて【0.0.1.53】と大苦戦。狙っていた穴馬が外枠を引いた場合は、予想の見直しも必要になってきそうだ。

■表3 前走レース別成績

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
皐月賞・G1 8- 7- 4-63/82 9.8% 18.3% 23.2% 82% 65%
京都新聞杯・G2 1- 1- 1-18/21 4.8% 9.5% 14.3% 13% 43%
NHKマイルC・G1 1- 0- 1-28/30 3.3% 3.3% 6.7% 12% 17%
青葉賞・G2 0- 2- 3-22/27 0.0% 7.4% 18.5% 0% 125%
プリンシパルS 0- 0- 1-10/11 0.0% 0.0% 9.1% 0% 56%
※好走例のある前走レースのみを掲載

表3は前走レース別成績。やはり、ダービーの最有力プレップレースといえるのが皐月賞で、出走馬、好走馬ともに最多となっている。まずはこの組の取捨が重要になる。青葉賞からは5頭、京都新聞杯からは3頭が好走を果たしており、別路線組を狙うのであれば東西のG2レースから探すのがセオリーか。NHKマイルCからの好走は08年の2頭が最後で、近9年は5着以内に入った馬もいない。プリンシパルSからの好走も09年が最後で、この両レースからの臨戦は近年苦戦している。

■表4 前走皐月賞出走馬の各種データ

項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走人気 1番人気 1- 1- 2- 5/ 9 11.1% 22.2% 44.4% 85% 93%
2番人気 0- 5- 0- 4/ 9 0.0% 55.6% 55.6% 0% 167%
3番人気 3- 0- 1- 6/10 30.0% 30.0% 40.0% 144% 102%
4番人気 2- 1- 0- 5/ 8 25.0% 37.5% 37.5% 107% 153%
5番人気 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 176% 60%
6〜9番人気 0- 0- 1-13/14 0.0% 0.0% 7.1% 0% 10%
10番人気〜 1- 0- 0-28/29 3.4% 3.4% 3.4% 110% 16%
前走着順 1着 2- 1- 2- 4/ 9 22.2% 33.3% 55.6% 54% 75%
2着 1- 1- 0- 8/10 10.0% 20.0% 20.0% 40% 37%
3着 2- 1- 0- 5/ 8 25.0% 37.5% 37.5% 505% 115%
4着 1- 1- 0- 6/ 8 12.5% 25.0% 25.0% 70% 87%
5着 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 88% 30%
6〜9着 0- 2- 1-11/14 0.0% 14.3% 21.4% 0% 92%
10着〜 1- 1- 1-24/27 3.7% 7.4% 11.1% 28% 47%
前走上がり順位 1位 4- 0- 0- 5/ 9 44.4% 44.4% 44.4% 161% 67%
2位 1- 0- 2- 6/ 9 11.1% 11.1% 33.3% 58% 58%
3位 1- 2- 1- 5/ 9 11.1% 33.3% 44.4% 354% 96%
4位 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 40%
5位 0- 2- 0- 2/ 4 0.0% 50.0% 50.0% 0% 175%
6〜9位 0- 0- 0-13/13 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10位〜 2- 2- 1-27/32 6.3% 12.5% 15.6% 50% 76%

表4は前走で皐月賞に出走した馬の、前走着順別、前走人気別、前走上がり順位別の成績をそれぞれ示したもの。もっとも顕著な傾向が出ているのは前走人気で、皐月賞で1〜5番人気だった馬と、6番人気以下だった馬の好走率に大きな差がついている。前走着順より参考になるぐらいなので、皐月賞での人気をしっかりチェックするようにしたい。前走上がり順位では、皐月賞で上がり1位を記録した馬が4勝、同1〜3位が計6勝など、基本的には速い上がりを使っていた馬の好走率が高い。面白いのは皐月賞で上がり6〜9位だった馬の好走例がゼロなのに対して、上がり10位以下だった馬は5頭が好走していること。皐月賞で中途半端な脚を使っていた馬より、まったく不発だった馬のほうが、ダービーではかえってチャンスがあるようだ。

■表5 前走青葉賞出走馬の各種データ5

項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走着順 1着 0- 2- 1- 7/10 0.0% 20.0% 30.0% 0% 120%
2着 0- 0- 1- 9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 96%
3着 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
4着 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
5着 0- 0- 0- 0/ 0          
6〜9着 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 406%
10着〜 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
当日馬体重 〜479キロ 0- 0- 0- 8/ 8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
480キロ〜 0- 2- 3-14/19 0.0% 10.5% 26.3% 0% 177%

表5は前走で青葉賞に出走した馬の、前走着順別、ダービー当日の馬体重別の成績をそれぞれ示したもの。青葉賞では2着以内に入っておきたいところで、できれば1着が望ましい。14年にマイネルフロストが青葉賞6着→ダービー3着という例はあるが、同馬は毎日杯を制しており、青葉賞で優先出走権を獲得する必要がなかったため、例外と考えたほうがいいだろう。そして、前走着順以上に明確な傾向が出ているのが当日馬体重。ご覧の通り、青葉賞組の好走馬はすべて当日480キロ以上の馬体重があった。3歳春に短期間で東京芝2400mを2走するのは過酷といわれるが、480キロ以上の立派な馬なら克服できる確率も高くなるようだ。

■表6 前走京都新聞杯出走馬の各種データ

項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走人気 1番人気 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 72% 40%
2番人気 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 62%
3番人気 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
4番人気 0- 0- 0- 0/ 0          
5番人気 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 220%
6〜9番人気 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気〜 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走着順 1着 1- 1- 1- 5/ 8 12.5% 25.0% 37.5% 36% 113%
2着 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
3着 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
4着 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
5着 0- 0- 0- 0/ 0          
6〜9着 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10着〜 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表6は前走で京都新聞杯に出走した馬の、前走着順別、前走人気別の成績をそれぞれ示したもの。わかりやすいのは前走着順で、京都新聞杯からダービーで好走したのはすべて前走1着となっている。加えて、6番人気以下だった馬の好走例はないため、1〜5番人気で1着が京都新聞杯組の好走条件といえそうだ。

■表7 重賞で上がり1位1着した実績の有無

実績 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
あり 9- 5- 5-26/45 20.0% 31.1% 42.2% 152% 123%
なし 1- 5- 5-122/133 0.8% 4.5% 8.3% 4% 39%

表7は「重賞で上がり1位を記録して1着」の実績を持つ馬と持たない馬の成績を比較したもの。その差は一目瞭然で、過去10年のうち勝ち馬9頭がこの実績を持っていた。本命候補の馬に関しては、特に重視したいファクターといえる。

■表8 芝2000m以上で1着した実績の有無

実績 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
あり 8- 7- 8-75/98 8.2% 15.3% 23.5% 63% 68%
なし 2- 3- 2-73/80 2.5% 6.3% 8.8% 15% 51%

表8は「芝2000m以上のレースで1着」の実績を持つ馬と持たない馬の成績を比較したもの。絶対条件ではないものの、好走例、好走率ともに明らかに高い数値を残しているのはこの実績を持つ馬のほう。できれば、満たしておきたい条件だ。

2018/3/18 中山11R フジTVスプリングステークス(G2) 1着 8番 ステルヴィオ

まずチェックしたいのが、上がり表7の項で確認した「重賞で上がり1位を記録して1着」の実績の有無。過去10年で9頭の勝ち馬が該当する重要なデータで、今年はグレイル、ジャンダルム、ステルヴィオ、タイムフライヤー、ダノンプレミアム、ワグネリアンの6頭が該当する。

前記6頭のうちダノンプレミアム以外の5頭は皐月賞に出走しており、この組で重要なのは皐月賞で1〜5番人気に推されていることだった。これも満たすのはステルヴィオワグネリアンの2頭。前者は芝2000m以上の勝ち鞍がないこと、後者は皐月賞7着がマイナスではあるが、有力視できる存在といえそうだ。また、皐月賞で上がり1位タイのグレイルも一発の可能性はあるだろう。

2017/11/18 東京11R 東京スポーツ杯2歳ステークス(G3) 1着 3番 ワグネリアン

一方、皐月賞1着のエポカドーロ、2着のサンリヴァル、3着のジェネラーレウーノは、いずれも「重賞で上がり1位を記録して1着」を持っていない。この3頭とも皐月賞で上がり3位以内に入れなかったことを考えても、ダービーでは勝ちづらいタイプなのかもしれない。もちろん、好走の可能性は十分にあるはずだが、2、3着どまりのケースも想定したほうがいいかもしれない

別路線組では、青葉賞を勝ったゴーフォザサミット。青葉賞当時の馬体重が496キロだから、この組の好走条件となる当日480キロ以上も、よほどのことがなければキープできるだろう。一方、京都新聞杯を制したステイフーリッシュは、その前走が7番人気だった点が気がかりである。

最後に、過去10年では好走歴のない前走からの臨戦ながら、上位人気に推されそうなダノンプレミアムとブラストワンピースにも触れておくべきだろう。ダノンプレミアムは前述の通り、重賞で上がり1位1着の実績を持つ。また、弥生賞1着で芝2000m以上1着も満たしている。万全の状態で出走できるようなら、やはり有力な1頭となりそうだ。ブラストワンピースは芝2000m以上1着の実績は持つが、唯一の重賞出走となった毎日杯が上がり2位1着で、こちらは満たせず。レースぶりから相当な素質を秘めた馬には違いないが、ダービーを勝ち切るとなると、さらなる潜在能力を引き出さなければならないのかもしれない。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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