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第1187回 1月の複勝率は驚異の65%! 藤原英昭厩舎を分析する

2018/2/5(月)

年が明け、各種の年間成績がリセットされてから約ひと月。厩舎部門のランキングを見ると、勝ち鞍順では6勝で矢作、南井厩舎、そして5勝で藤原英昭厩舎などが続いている。中でも、藤原英昭厩舎は月間複勝率なんと65.2%の好成績をマーク。そこで今回は、その藤原英昭厩舎の成績を分析してみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した(成績は1月末まで)。

■表1 調教師勝ち鞍ベスト5(2015年〜2018年1月)

調教師 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
2015 2016 2017 2018
(栗)池江泰寿 158-122-106-654/1040 15.2% 26.9% 37.1% 34.1% 35.4% 42.3% 28.6% 85% 73%
(栗)矢作芳人 151-131-125-1167/1574 9.6% 17.9% 25.9% 24.8% 29.0% 23.6% 27.9% 74% 79%
(栗)藤原英昭 149-121-95-519/884 16.9% 30.5% 41.3% 41.9% 35.2% 44.6% 65.2% 87% 82%
(美)堀宣行 149-78-47-445/719 20.7% 31.6% 38.1% 37.9% 38.8% 38.5% 27.8% 90% 72%
(栗)角居勝彦 134-135-87-626/982 13.6% 27.4% 36.3% 32.9% 36.2% 38.5% 42.4% 75% 72%

表1は、2015年以降の厩舎成績(勝ち鞍順)ベスト5である。この3年少々で藤原英昭厩舎は149勝を挙げ、池江泰寿、矢作芳人厩舎に続く第3位。複勝率は15年から41.9%、35.2%、44.2%。そして今年の1カ月では、パフォーマプロミスの日経新春杯勝ちなども含め65.2%。もっとも悪かった16年でも、他の上位厩舎並みの安定感だ。また、複勝回収率は上位の中で唯一80%台に乗せている。 2位の矢作芳人厩舎は対照的に、まずは数を使ってその中から成績を残していく方針で、出走頭数は藤原英昭厩舎の倍近く。一方、4位の堀宣行厩舎は藤原英昭厩舎よりさらに出走数が少ないが、こうした3厩舎がたった2勝差に収まっているのも興味深い。

■表2 藤原英昭厩舎の年別成績推移

着別度数 勝率 連対率 複勝率 2着率 3着率 2+3着率 単回収 複回収
2018年 5-7-3-8/23 21.7% 52.2% 65.2% 30.4% 13.0% 43.4% 379% 189%
2017年 55-50-34-173/312 17.6% 33.7% 44.6% 16.0% 10.9% 26.9% 72% 83%
2016年 41-35-24-184/284 14.4% 26.8% 35.2% 12.3% 8.5% 20.8% 80% 73%
2015年 48-29-34-154/265 18.1% 29.1% 41.9% 10.9% 12.8% 23.7% 86% 82%
2014年 44-43-42-150/279 15.8% 31.2% 46.2% 15.4% 15.1% 30.5% 51% 85%
2013年 53-35-26-160/274 19.3% 32.1% 41.6% 12.8% 9.5% 22.3% 90% 93%
2012年 46-40-21-186/293 15.7% 29.4% 36.5% 13.7% 7.2% 20.9% 61% 74%
2011年 49-36-25-167/277 17.7% 30.7% 39.7% 13.0% 9.0% 22.0% 122% 95%
2010年 37-23-25-179/264 14.0% 22.7% 32.2% 8.7% 9.5% 18.2% 69% 70%
2009年 36-32-22-151/241 14.9% 28.2% 37.3% 13.3% 9.1% 22.4% 101% 92%
2008年 44-26-17-134/221 19.9% 31.7% 39.4% 11.8% 7.7% 19.5% 98% 88%

2013/11/17 京都11R マイルチャンピオンS(G1) 1着 5番 トーセンラー

藤原英昭厩舎の年別成績推移(08年以降)を見ると、おおまかには右肩上がりの好走確率を示している。特に複勝率は、2012年以前は30%台だったのに対し、2013年以降は一昨年を除いて40%台だ。そこで、表3からは複勝率が40%台に乗った13年以降を対象として見ていきたい。その13年以降の全成績は【246.199.163.829】で複勝率42.3%(平地のみでは42.1%)、単複の回収率は80%、85%を記録している。

■表3 月別成績

着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
2013 2014 2015 2016 2017
1月 14-28-12-69/123 11.4% 34.1% 43.9% 40.9% 53.3% 18.8% 42.9% 38.5% 116% 92%
2月 16-8-14-64/102 15.7% 23.5% 37.3% 42.9% 54.5% 28.6% 26.1% 31.8% 63% 65%
3月 24-16-25-64/129 18.6% 31.0% 50.4% 50.0% 48.1% 44.4% 50.0% 56.7% 94% 103%
4月 19-19-17-58/113 16.8% 33.6% 48.7% 43.5% 56.5% 47.4% 43.5% 52.0% 67% 90%
5月 26-14-13-75/128 20.3% 31.3% 41.4% 36.4% 54.5% 40.5% 31.8% 44.0% 103% 92%
6月 20-14-13-64/111 18.0% 30.6% 42.3% 50.0% 37.9% 62.5% 18.2% 50.0% 55% 82%
7月 32-17-11-88/148 21.6% 33.1% 40.5% 40.0% 42.9% 39.3% 40.6% 40.0% 90% 72%
8月 22-20-7-67/116 19.0% 36.2% 42.2% 25.0% 43.5% 48.0% 43.5% 48.0% 101% 82%
9月 14-13-12-87/126 11.1% 21.4% 31.0% 26.9% 31.8% 35.7% 30.4% 29.6% 76% 87%
10月 20-19-15-62/116 17.2% 33.6% 46.6% 36.8% 61.5% 59.1% 27.3% 44.4% 53% 94%
11月 16-16-16-60/108 14.8% 29.6% 44.4% 57.9% 36.4% 55.6% 25.9% 54.5% 58% 98%
12月 23-15-8-71/117 19.7% 32.5% 39.3% 47.8% 35.0% 25.0% 40.9% 46.4% 72% 61%

まず、今年1月に高複勝率をマークしたことから、各年の月別成績を調べたのが表3である。こうして見ると、例年は特に1月が得意というわけでもなさそうで、今年は「上振れ」した形だ。ただ、表2にあったように好走確率はおおむね右肩上がり。さすがに複勝率60%台をキープするのは難しいだろうが、今年は40%台後半以降を視野に入れてくる可能性も十分にある。 そこへ向けてまずカギを握るのは、ここ3年は同厩舎としては不振だった2月の成績だ。本稿執筆中に行われた2月3日の競馬では、京都10レースのエルフィンSをレッドサクヤで制するなど3戦2勝、2着1回の連対率100%。もう少し様子を見て、1月の勢いをそのまま持続しているようなら、昨年までの2月の結果は気にせず信頼していいだろう。また、3〜4月は例年高複勝率をマークしており、仮に2月に落ち込んだとしても、盛り返してくるに違いない。次に注意したいのは9月で、ここ5年の複勝率は31.0%と、月別の中ではこの月だけ極端に低い。31%で「低い」となってしまうのはこの厩舎だからこそという面もあるが、8月までと同じつもりで狙うと痛い目に遭う回数は増えそうだ。

■表4 前走着順、着差別成績(平地)

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
前走1着 46-32-30-117/225 20.4% 34.7% 48.0% 92% 87%
前走2着 56-28-20-72/176 31.8% 47.7% 59.1% 74% 78%
前走3着 34-19-22-76/151 22.5% 35.1% 49.7% 73% 73%
前走4着 19-25-8-68/120 15.8% 36.7% 43.3% 59% 80%
前走5着 9-17-15-71/112 8.0% 23.2% 36.6% 45% 81%
前走6〜9着 34-25-22-175/256 13.3% 23.0% 31.6% 75% 76%
前走10着〜 17-20-17-159/213 8.0% 17.4% 25.4% 139% 109%
勝2.0〜 0-0-1-1/2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 55%
勝1.0〜1.9 1-3-0-1/5 20.0% 80.0% 80.0% 48% 108%
勝0.6〜0.9 2-5-0-4/11 18.2% 63.6% 63.6% 23% 88%
勝0.3〜0.5 10-9-8-26/53 18.9% 35.8% 50.9% 64% 90%
勝0.1〜0.2 25-9-14-47/95 26.3% 35.8% 50.5% 139% 93%
勝0.0 8-6-7-38/59 13.6% 23.7% 35.6% 60% 74%
負0.0 27-11-9-29/76 35.5% 50.0% 61.8% 84% 83%
負0.1〜0.2 47-27-21-86/181 26.0% 40.9% 52.5% 75% 76%
負0.3〜0.5 36-47-28-150/261 13.8% 31.8% 42.5% 48% 77%
負0.6〜0.9 27-19-24-146/216 12.5% 21.3% 32.4% 107% 90%
負1.0〜1.9 28-25-17-138/208 13.5% 25.5% 33.7% 103% 91%
負2.0〜2.9 1-3-5-51/60 1.7% 6.7% 15.0% 60% 100%
負3.0〜3.9 2-1-0-13/16 12.5% 18.8% 18.8% 249% 73%
負4.0〜 1-1-0-8/10 10.0% 20.0% 20.0% 19% 28%

表4は、前走の着順、着差別の成績である(障害戦は除く、表8まで)。ここで注目したいのは前走2桁着順馬の成績だ。この手のデータでは、単複の回収率が高くても滅多に好走しないようでは狙いづらいが、全体の好走確率が高い藤原英昭厩舎の馬は、たとえ前走が10着以下でも複勝率は25%超。このくらいになると、かなり狙いやすい印象だ。タイム差では0.6〜1.9秒差あたりまでが、複勝率と回収率のバランスが良い。また、前走2着や0.2秒以内の敗戦は、回収率こそ目立たないが好走確率はかなり高く、目の前のレースをぜひ当てたい、という際にはなるべく候補からは外さないようにしたい。 対して前走1着馬の場合は、0.1秒以上離して勝った馬なら合計で【38.26.23.79】複勝率52.4%、単複の回収率も103%、92%の好成績。2着と同タイムの僅差勝ちだった馬は複勝率35.6%、複勝回収率74%と、好走確率が低く妙味も薄くなる。

■表5 レース間隔別成績(平地)

間隔等 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
初出走他 26-27-25-74/152 17.1% 34.9% 51.3% 58% 92%
連闘 8-1-5-16/30 26.7% 30.0% 46.7% 64% 74%
2週 28-13-12-67/120 23.3% 34.2% 44.2% 122% 82%
3週 36-28-24-112/200 18.0% 32.0% 44.0% 62% 82%
4週 17-24-13-97/151 11.3% 27.2% 35.8% 38% 73%
5〜9週 59-43-30-185/317 18.6% 32.2% 41.6% 100% 86%
10〜25週 56-48-42-218/364 15.4% 28.6% 40.1% 75% 87%
半年以上 12-10-8-48/78 15.4% 28.2% 38.5% 156% 96%
明け2戦 54-46-33-184/317 17.0% 31.5% 42.0% 90% 89%
明け3戦 38-25-19-94/176 21.6% 35.8% 46.6% 90% 83%
明け4戦 15-9-11-47/82 18.3% 29.3% 42.7% 70% 85%
明け5戦 4-4-6-24/38 10.5% 21.1% 36.8% 43% 85%
明け6〜 7-2-2-22/33 21.2% 27.3% 33.3% 62% 46%

同じく前走との関係から、レース間隔別の成績を見ると、連闘から3週(中2週)までが連対率30%以上、複勝率44%以上と安定。一方で間隔が開くと複勝回収率は回収率が高めに出る傾向があり、馬券の方針次第だろうか。 また、休養明けの消化レース数別では、2〜3戦目(1〜2戦消化)が好走確率、回収率ともに良い。上記のように休養明けも決して悪くないため、休み明け初戦から3戦目あたりが狙いどころと言えそうだ。5戦目(4戦消化)以降になると該当馬は減り、好走確率や回収率も低くなる

■表6 年齢、年齢条件別成績(平地)

年齢・条件 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
2歳 31-29-14-55/129 24.0% 46.5% 57.4% 62% 85%
3歳 96-63-67-357/583 16.5% 27.3% 38.8% 82% 85%
4歳 78-52-22-167/319 24.5% 40.8% 47.6% 87% 79%
5歳 25-34-28-130/217 11.5% 27.2% 40.1% 99% 90%
6歳 11-12-19-76/118 9.3% 19.5% 35.6% 65% 86%
7歳 1-4-8-26/39 2.6% 12.8% 33.3% 45% 112%
8歳 0-0-1-6/7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 28%
2歳限定 31-29-14-55/129 24.0% 46.5% 57.4% 62% 85%
3歳限定 72-51-55-279/457 15.8% 26.9% 38.9% 78% 88%
3歳以上 81-61-45-298/485 16.7% 29.3% 38.6% 71% 74%
4歳以上 58-53-45-185/341 17.0% 32.6% 45.7% 108% 96%

年齢別では2歳と4歳が良く、間の3歳は今ひとつ。また6歳以上は、連対率こそ下がっても複勝率の極端な低下はなく、ベテランになってもこの厩舎で現役にとどまれるくらいの馬なら、十分にチャンスがあると考えたい。 年齢条件別では、2歳限定戦と、古馬なら4歳以上が好成績。今の時期は夏のクラス替えまで「3歳」と「4歳以上」で行われており、この2つなら狙いは「4歳以上」の古馬戦。単複の回収率も優秀だ。

■表7 競馬場別成績(平地)

場所 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
札幌 9-7-3-29/48 18.8% 33.3% 39.6% 179% 89%
函館 14-5-3-44/66 21.2% 28.8% 33.3% 93% 62%
福島 3-1-3-17/24 12.5% 16.7% 29.2% 51% 67%
新潟 14-9-7-39/69 20.3% 33.3% 43.5% 82% 80%
東京 21-14-17-82/134 15.7% 26.1% 38.8% 91% 82%
中山 7-8-5-35/55 12.7% 27.3% 36.4% 54% 81%
中京 42-34-19-95/190 22.1% 40.0% 50.0% 82% 90%
京都 57-58-49-193/357 16.0% 32.2% 45.9% 83% 98%
阪神 57-46-47-211/361 15.8% 28.5% 41.6% 75% 84%
小倉 18-12-6-72/108 16.7% 27.8% 33.3% 52% 62%
東開催・芝 38-24-25-127/214 17.8% 29.0% 40.7% 86% 87%
東開催・ダ 7-8-7-46/68 10.3% 22.1% 32.4% 54% 58%
西開催・芝 122-102-83-390/697 17.5% 32.1% 44.0% 75% 88%
西開催・ダ 52-48-38-181/319 16.3% 31.3% 43.3% 81% 86%

競馬場別では、関西の主要2場では阪神よりも京都が好成績。また、ローカルでは中京と新潟の好走確率が高く出ている。京都は栗東トレセンから近く、中京もローカルの中では輸送距離が短い。また、新潟は道路の関係で距離の割に輸送がしやすいとも言われており、全体としては「栗東から行きやすいところ」の成績が良い傾向だ。今なら、小倉の複勝率や回収率が低いことには注意したい。また、東西別では、関東地区のダート戦で好走確率、回収率とも大きく低下している。ディープインパクトなど芝向きと思われる血統の馬が多い厩舎だが、関西にかぎればダート戦の成績も決して悪くない。

■表8 クラス別成績(平地)

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
新馬 24-22-19-43/108 22.2% 42.6% 60.2% 63% 95%
未勝利 68-43-35-204/350 19.4% 31.7% 41.7% 91% 86%
500万下 73-63-30-220/386 18.9% 35.2% 43.0% 81% 71%
1000万下 41-26-26-114/207 19.8% 32.4% 44.9% 92% 84%
1600万下 13-16-17-94/140 9.3% 20.7% 32.9% 86% 83%
OPEN特別 7-4-3-31/45 15.6% 24.4% 31.1% 53% 73%
G3 8-5-10-40/63 12.7% 20.6% 36.5% 70% 112%
G2 4-9-12-34/59 6.8% 22.0% 42.4% 45% 98%
G1 4-6-7-35/52 7.7% 19.2% 32.7% 78% 140%
重賞計 16-20-29-111/176 9.1% 20.5% 36.9% 63% 114%

2016/5/15 東京11R ヴィクトリアマイル(G1) 1着 13番 ストレイトガール (7番人気)

クラス別の成績では、特に新馬戦の好成績が目立ち、複勝率は60.2%をマーク。単勝回収率はひと息ながら、複勝回収率は95%と高い。ここから未勝利、500万、1000万までは複勝率40%台で、1600万以上になると好走確率は低下する。ただ、重賞では複勝回収率114%と、複勝率こそやや下がるものの妙味は十分。昨年はG1・大阪杯で7番人気のステファノスが2着、その他重賞でも京成杯オータムHで11番人気・ガリバルディが2着になるなど、穴馬も好走を見せている。

■表9 騎手別成績(騎乗30回以上、複勝率順)

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 平均人気
ルメール 10-7-5-13/35 28.6% 48.6% 62.9% 63% 81% 2.0人気
M.デムーロ 9-7-2-13/31 29.0% 51.6% 58.1% 94% 89% 2.1人気
川田将雅 17-18-7-31/73 23.3% 47.9% 57.5% 111% 97% 2.8人気
福永祐一 52-44-27-115/238 21.8% 40.3% 51.7% 76% 88% 2.8人気
藤岡佑介 7-4-10-20/41 17.1% 26.8% 51.2% 55% 116% 3.7人気
戸崎圭太 20-14-12-51/97 20.6% 35.1% 47.4% 103% 111% 3.9人気
浜中俊 27-15-17-67/126 21.4% 33.3% 46.8% 67% 81% 3.1人気
岩田康誠 34-26-27-120/207 16.4% 29.0% 42.0% 60% 76% 3.3人気
内田博幸 5-5-4-24/38 13.2% 26.3% 36.8% 66% 80% 4.9人気
鮫島良太 2-6-3-26/37 5.4% 21.6% 29.7% 19% 89% 7.5人気
吉田隼人 12-5-2-48/67 17.9% 25.4% 28.4% 128% 61% 4.9人気
岡田祥嗣 3-2-0-40/45 6.7% 11.1% 11.1% 264% 121% 8.9人気
騎乗30回以上 198-153-116-568/1035 19.1% 33.9% 45.1% 85% 88% 3.7人気
騎乗30回未満 48-46-47-261/402 11.9% 23.4% 35.1% 68% 78% 4.8人気

最後に表9は騎手別の成績(集計期間中騎乗30回以上の全騎手、複勝率順)である。表の一番下に記したように、全体的には「よく乗る騎手」のほうが好走確率や回収率は高く、たまにしか乗らない騎手は低くなる。騎乗数トップの福永祐一騎手は、複勝率51.7%で、複勝回収率も88%と上々の数字を記録するなど、騎乗30回以上の騎手なら複勝率上位7人までが複勝率45%以上、複勝回収率80%以上だ。そんな中では、騎乗数2位の岩田康誠騎手が複勝率42.0%と厩舎全体のほぼ平均値(平地42.1%)、複勝回収率も76%にとどまるのは少々気になるところだ。

以上、今年好ダッシュを決めた藤原英昭厩舎の成績を分析してみた。好走確率が高いと、回収率は平均的なところに落ち着いてしまいがちなものだが、狙える条件や、逆にあまり狙いたくない条件もいくつか見られた。ほかにも、生産者別で出走数最多のノーザンファーム生産馬は複勝回収率83%だが、馬主別でサンデーレーシングの所有馬は同100%になるなど、馬主、生産者から切ってもおもしろそうなので、興味のある方はぜひTarget frontier JVなどのJRA-VAN対応ソフト、アプリで調べていただきたい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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