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第1182回 世代交代の一戦となるか? アメリカJCCを分析する

2018/1/18(木)

前回はダート重賞の東海Sを分析したので、今回は中山で行われる伝統のG2・アメリカJCCに注目していきたい。今年は少頭数となりそうだが、ゴールドアクターを筆頭にした7歳以上の歴戦の古馬とミッキースワローら明け4歳勢の戦いの構図となっている。世代交代を印象づける一戦となるのかどうか、2013年以降の過去5年のデータならびに今年の中山芝2200m戦の傾向から好走が期待できそうな馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 アメリカJCC近5年の上位3着以内馬一覧

年/馬場 着順 馬名 勝ちタイム 性齢 人気 4角通過順 上がり3F 1000m通過 レース上がり
2017
(良)
1 タンタアレグリア 2分11秒9 牡5 7 3 35秒7 59秒6 36秒3
2 ゼーヴィント 1/2馬身 牡4 1 3 35秒7
3 ミライヘノツバサ 1馬身1/4 牡4 3 2 36秒3
2016
(良)
1 ディサイファ 2分12秒0 牡7 2 4 34秒9 60秒8 35秒4
2 スーパームーン 1馬身1/4 牡7 3 8 35秒0
3 ショウナンバッハ クビ 牡5 7 9 34秒5
2015
(良)
1 クリールカイザー 2分13秒6 牡6 4 1 34秒4 63秒0 34秒6
2 ミトラ 1馬身1/4 セ7 7 2 34秒6
3 エアソミュール 1/2馬身 牡6 2 5 34秒3
2014
(良)
1 ヴェルデグリーン 2分14秒0 牡6 2 6 35秒5 61秒1 36秒4
2 サクラアルディート クビ 牡6 11 2 35秒9
3 フェイムゲーム クビ 牡4 6 8 35秒8
2013
(良)
1 ダノンバラード 2分13秒1 牡5 3 2 36秒0 59秒7 36秒3
2 トランスワープ 1馬身1/4 セ8 5 4 36秒1
3 アドマイヤラクティ 1馬身3/4 牡5 2 4 36秒4

まず表1はアメリカJCC近5年の上位3着以内馬一覧。年によって前半1000m通過のペースがかなり異なり、平均〜速めのペースで流れた近2年は勝ち時計も速くなっている。上位好走馬の上がり3Fはかなりバラつきがあるものの、すべて4コーナーで9番手以内と追い込み型では厳しいことを示している。4コーナー4番手以内だった馬が10頭を占め、直線へ入るまでの位置取りが重要なレースといえる。

 人気別では、1番人気馬が【0.1.0.4】で勝ち馬が出ておらず、昨年2着のゼーヴィントのみと不振傾向。15年には前年の有馬記念で3着だったゴールドシップも7着に敗れている。対して、2番人気馬は【2.0.2.1】で、一昨年のディサイファら最多の2勝をあげ、複勝率80%と非常に高い。また、3番人気馬も【1.1.1.2】で13年ダノンバラードが勝利し、複勝率60%と高い。10番人気以下の激走こそ14年2着サクラアルディートのみと少ないものの、馬連での万馬券は14年・15年の2回とやや波乱傾向の一戦といえそうだ。

■表2 アメリカJCC近5年の所属別成績

調教師分類 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
美浦 4- 4- 3-37/48 8.3% 16.7% 22.9% 81% 83%
栗東 1- 1- 2-26/30 3.3% 6.7% 13.3% 20% 53%

表2は出走馬の所属別成績。出走数が多い美浦所属の関東馬が昨年のタンタアレグリアら大半の4勝を占め、連対率16.7%・複勝率22.9%。一昨年、昨年と近2年続けて上位3着までを独占している。それに対して、栗東所属の関西馬は13年ダノンバラードの1勝のみ。関西勢の主力は休養しているか、次開催の京都記念に標準を合わせてくることも要因の一つだろう。勝ち星、それぞれの率ともに関東馬優勢の状況となっている。

■表3 アメリカJCC近5年の年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
4歳 0- 1- 2- 6/ 9 0.0% 11.1% 33.3% 0% 77%
5歳 2- 0- 2-10/14 14.3% 14.3% 28.6% 147% 70%
6歳 2- 1- 1-18/22 9.1% 13.6% 18.2% 88% 90%
7歳以上 1- 3- 0-29/33 3.0% 12.1% 12.1% 15% 59%

表3は年齢別成績。5歳馬と6歳馬がそれぞれ2勝ずつをあげ、7歳以上の馬は一昨年ディサイファの1勝。勝率では5歳馬がやや抜き出ているものの、連対率ではほぼ変わらない。ただし、複勝率では4歳馬の33.3%を頂点として、年齢が高くなるにつれて下がっていく傾向を示していた。4歳馬は勝ち星こそないものの、昨年は2・3着に好走。出走数が少ないながら、健闘しているといえそうだ。

■表4 アメリカJCC近5年の前走レース別成績

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
金鯱賞 2- 0- 2- 3/ 7 28.6% 28.6% 57.1% 157% 127%
ステイヤーズS 1- 0- 0- 6/ 7 14.3% 14.3% 14.3% 197% 67%
有馬記念 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 95% 38%
天皇賞・春 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 1470% 340%
福島記念 0- 2- 0- 0/ 2 0.0% 100.0% 100.0% 0% 695%
ディセンバーS 0- 1- 1- 4/ 6 0.0% 16.7% 33.3% 0% 96%
中山金杯 0- 1- 0-13/14 0.0% 7.1% 7.1% 0% 64%
天皇賞・秋 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 145%
ジャパンC 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 103%
迎春S(1600万下) 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 70%
その他のレース 0- 0- 0-27/27 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4は前走レース別成績。表の黄色で強調した金鯱賞組と福島記念組がともに好成績をあげているが、どちらとも今年は出走予定馬がいない。ただし、この2つに共通するのは中山以外の芝2000m戦であるという点だ。実際に前走2000m組は【2.5.2.23】で、連対率21.9%・複勝率28.1%と高い。ただし、中山金杯組だけ不振で、その他の場所なら好相性といえそうだ。

また、ステイヤーズS組や有馬記念組といった前走中山コースだった馬はのべ【2.2.2.36】。出走数の半分以上を占めているが、連対率9.5%・複勝率14.3%とイマイチ。レースの格に関わらず、前走中山以外の馬の方が期待値的には狙えそうだ

■表5 アメリカJCC近5年の前走人気別成績

前走人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1人気 2- 2- 0- 4/ 8 25.0% 50.0% 50.0% 235% 125%
前走2人気 1- 0- 2- 1/ 4 25.0% 25.0% 75.0% 150% 195%
前走3人気 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走4人気 0- 1- 1- 4/ 6 0.0% 16.7% 33.3% 0% 173%
前走5人気 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9番人気 1- 2- 1-20/24 4.2% 12.5% 16.7% 23% 89%
前走10番人気以下 1- 0- 1-24/26 3.8% 3.8% 7.7% 56% 25%

表5は前走人気別成績。表の黄色で強調した前走1番人気だった馬が一昨年のディサイファら2勝をあげ、連対率・複勝率50%と優秀だ。また、前走2番人気だった馬も13年ダノンバラードが勝利し、複勝率75%と非常に高い。どちらとも単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。

該当数こそ少ないものの、好走馬の約半数を占める前走2番人気以内だった馬には注目しておきたい。

■表6 アメリカJCC近5年の種牡馬別成績

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ディープインパクト 2- 2- 0- 5/ 9 22.2% 44.4% 44.4% 122% 155%
ジャングルポケット 1- 0- 1- 1/ 3 33.3% 33.3% 66.7% 190% 203%
ゼンノロブロイ 1- 0- 0- 7/ 8 12.5% 12.5% 12.5% 183% 42%
キングヘイロー 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 690% 235%
シンボリクリスエス 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 420%
ブライアンズタイム 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 220%
ファルブラヴ 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 290%
ハーツクライ 0- 0- 2- 3/ 5 0.0% 0.0% 40.0% 0% 100%
ステイゴールド 0- 0- 1- 9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 31%
ドリームジャーニー 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 210%
その他の種牡馬 0- 0- 0-35/35 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表6は種牡馬別成績。ディープインパクト産駒が一昨年のディサイファら最多の2勝をあげ、連対率・複勝率44.4%と高い。昨年も2着ゼーヴィントが該当しており、15年を除いて毎年3着以内馬を出している。また、ジャングルポケット産駒も14年ヴェルデグリーンが勝利し、複勝率66.7%と好相性を誇っている。

■表7 今年の中山芝2200m2戦の脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
逃げ 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 260% 100%
先行 1- 1- 2- 3/ 7 14.3% 28.6% 57.1% 25% 94%
差し 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 30%
追い込み 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

最後に表7は今年行われた中山芝2200m戦2戦での脚質別成績。サンプル数こそ少ないものの、2勝ともに逃げ・先行馬があげており、好走馬の大半を占めている。ペースにもよるが、差し・追い込み勢には厳しく、道中前目につけた馬に有利な今開催の中山芝2200mの傾向が出ている。

<結論>

■表8 今年のアメリカJCCの出走予定馬(1/17現在)

馬名 性齢 種牡馬 前走成績
ゴールドアクター 牡7 スクリーンヒーロー 宝塚記念 2着
シホウ 牡7 キングカメハメハ ステイヤーズS 5着
ショウナンバッハ 牡7 ステイゴールド 中日新聞杯 4着
ダンビュライト 牡4 ルーラーシップ サンタクロースS 1着
ディサイファ 牡9 ディープインパクト ジャパンC 17着
トーセンビクトリー 牝6 キングカメハメハ 有馬記念 14着
トミケンスラーヴァ 牡8 タイキシャトル 万葉S 1着
ブラックバゴ 牡6 バゴ 中山金杯 4着
マイネルディーン 牡9 ダンスインザダーク ディセンバーS 8着
マイネルミラノ 牡8 ステイゴールド 中山金杯 11着
ミッキースワロー 牡4 トーセンホマレボシ 菊花賞 6着
レジェンドセラー 牡4 ルーラーシップ オリオンS 1着
※全馬出走可能。ブラックバゴは回避予定。

2017/9/18 中山11R 朝日セントライト記念(G2) 1着 5番 ミッキースワロー

今年の出走予定馬は表8のとおり。

実績では15年の有馬記念勝ち馬であるゴールドアクターで断然。美浦所属馬で先行できる脚質もデータ的に合っているが、昨年の宝塚記念以来というのは間隔が空きすぎだろう。 一昨年のオールカマー以来勝ち星から遠ざかっており、久々でいきなりやれるかどうかは疑問が残る。

データ的には明け4歳勢のミッキースワローレジェンドセラーを推奨したい。ミッキースワローは2走前のセントライト記念で皐月賞馬アルアインを豪快に差し切って勝利している。前走の菊花賞は極度の不良馬場でのもので参考外。血統的には祖父がディープインパクトで母父ジャングルポケットと、表6で示した近5年の種牡馬傾向にも合っている。

2017/12/9 阪神10R オリオンステークス 1着 10番 レジェンドセラー

レジェンドセラーは近2走で1000万下、1600万下と連勝。関東馬で前走1番人気、また先行できる脚質も合っている。馬体を増やしながら連勝しており、かなり力をつけているのだろう。重賞初挑戦でも期待できる一頭だ。他では同じく4歳馬のダンビュライト。前走2000m組で前走1番人気も強調材料で、先行できる脚質も合っている。これら4歳馬3頭を中心に馬券を組み立てていきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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