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第1263回 JBC3競走のコースデータ(騎手・枠順)を知ろう

2018/10/29(月)

今週日曜日は京都競馬場でJBCスプリント、クラシック、レディスクラシックが行われる。例年は地方の競馬場での持ち回り開催になっており、中央の競馬場が使われるのは初めてのことだ。今回はJBC3競走が行われるコースについて、データを分析。騎手と枠順に注目して、特徴・傾向を調べてみることにした。データの集計期間は2013年1月1日から2018年10月21日開催終了時点まで。対象レースは全クラスとしており、JBC以外のレースでも使える資料となっている。データの集計・分析はJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 京都ダート1200mの騎手別成績(2013年1月1日〜2018月10月21日)

順位 騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 岩田康誠 33- 23- 29-115/200 16.5% 28.0% 42.5% 92 89
2 武豊 31- 23- 20- 88/162 19.1% 33.3% 45.7% 60 84
3 福永祐一 25- 15- 16- 86/142 17.6% 28.2% 39.4% 92 89
4 川田将雅 24- 14- 13- 79/130 18.5% 29.2% 39.2% 109 88
5 浜中俊 20- 15- 18-125/178 11.2% 19.7% 29.8% 76 65
6 幸英明 18- 31- 31-208/288 6.3% 17.0% 27.8% 91 101
7 松山弘平 18- 17- 13-152/200 9.0% 17.5% 24.0% 151 84
8 和田竜二 16- 19- 21-196/252 6.3% 13.9% 22.2% 78 65
9 M.デムーロ 16-  8-  8- 32/ 64 25.0% 37.5% 50.0% 80 76
10 池添謙一 14-  8-  8-118/148 9.5% 14.9% 20.3% 116 59
11 藤岡康太 10- 11- 10- 74/105 9.5% 20.0% 29.5% 96 116
12 小牧太 10- 10-  8-111/139 7.2% 14.4% 20.1% 185 114
13 ルメール 9-  9-  6- 50/ 74 12.2% 24.3% 32.4% 41 68
14 酒井学 8- 18- 12-182/220 3.6% 11.8% 17.3% 44 87
15 太宰啓介 8- 12-  9-161/190 4.2% 10.5% 15.3% 105 82
16 国分恭介 7- 12- 15-148/182 3.8% 10.4% 18.7% 74 85
17 北村友一 7-  7- 14-116/144 4.9% 9.7% 19.4% 62 66
18 国分優作 7-  6-  7-183/203 3.4% 6.4% 9.9% 53 48
19 秋山真一郎 6- 10- 11-116/143 4.2% 11.2% 18.9% 28 59
20 藤田伸二 6-  7-  3- 46/ 62 9.7% 21.0% 25.8% 63 131
21 藤岡佑介 6-  6-  8- 86/106 5.7% 11.3% 18.9% 30 38
22 四位洋文 6-  6-  8- 66/ 86 7.0% 14.0% 23.3% 37 75
23 戸崎圭太 6-  2-  2- 17/ 27 22.2% 29.6% 37.0% 148 99
24 小崎綾也 6-  0-  2- 55/ 63 9.5% 9.5% 12.7% 72 37
25 菱田裕二 5-  6-  4- 77/ 92 5.4% 12.0% 16.3% 44 50
26 松若風馬 4- 10-  9-103/126 3.2% 11.1% 18.3% 117 141
27 古川吉洋 4-  7-  4- 75/ 90 4.4% 12.2% 16.7% 22 70
28 C.デムーロ 4-  4-  4- 17/ 29 13.8% 27.6% 41.4% 124 75
29 荻野極 4-  3-  3- 53/ 63 6.3% 11.1% 15.9% 63 47
30 川島信二 4-  0-  2- 60/ 66 6.1% 6.1% 9.1% 43 35

まずはJBCスプリントが行われる京都ダート1200mの騎手別成績を見ていくことにする(表1参照)。勝利数が多い順にベスト30のランキングとなっている。1位は33勝をマークしている岩田康誠騎手だが、2位の武豊騎手、3位の福永祐一騎手、4位の川田将雅騎手まで勝率は16〜19%あたりで近い成績となっている。それ以上の高勝率を叩き出しているのが、M・デムーロ騎手。勝率は25.0%だ。比較的上位人気馬に乗ることが多く、単勝回収率は80%に留まるが、勝ち切るケースが多い。連対率も37.5%、複勝率は50%で、とにかく好走率が全体的に高い。実績・実力馬に乗った時の信頼度はかなり高い騎手と言えるだろう。

また、戸崎圭太騎手も勝率は22.2%とかなり優秀。関東所属の騎手としては唯一、このトップ30にランクインしている。元地方の騎手だけあり、ダートの短距離での手綱さばきには秀でるものがある印象だ。

■表2 京都ダート1200mの枠順別成績(2013年1月1日〜2018月10月21日)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1枠 39- 39- 61-532/671 5.8% 11.6% 20.7% 59 70
2枠 45- 41- 46-582/714 6.3% 12.0% 18.5% 54 74
3枠 42- 50- 52-611/755 5.6% 12.2% 19.1% 42 70
4枠 51- 43- 53-627/774 6.6% 12.1% 19.0% 92 65
5枠 71- 50- 45-623/789 9.0% 15.3% 21.0% 80 76
6枠 47- 52- 57-646/802 5.9% 12.3% 19.5% 81 92
7枠 51- 62- 47-652/812 6.3% 13.9% 19.7% 88 73
8枠 64- 73- 50-627/814 7.9% 16.8% 23.0% 72 76

続いて京都ダート1200mの枠順別成績を見ていくことにする(表2参照)。勝率が最も高いのは5枠で9.0%、2位が7.9%で8枠となっている。8枠は連対率が16.8%、複勝率が23.0%でそれぞれトップの成績。よって、総合的には8枠の成績が優秀となっている。ダートの1200mで8枠が有利と言えば、中山ダート1200mがすぐに思い浮かぶ。しかし、京都ダート1200mは中山ダート1200mのような芝スタートではなく、ダートスタート。にもかかわらず、大外の方がいいという傾向が出た。

■表3 京都ダート1900mの騎手別成績(2013年1月1日〜2018月10月21日)

順位 騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 福永祐一 13- 2- 3-24/42 31.0% 35.7% 42.9% 230 101
2 松山弘平 9- 6- 8-42/65 13.8% 23.1% 35.4% 110 94
3 川田将雅 8- 8- 8-29/53 15.1% 30.2% 45.3% 66 85
4 小牧太 7- 8- 0-41/56 12.5% 26.8% 26.8% 162 140
5 和田竜二 7- 3- 8-62/80 8.8% 12.5% 22.5% 63 54
6 ルメール 7- 2- 3-17/29 24.1% 31.0% 41.4% 123 86
7 幸英明 5- 7- 6-68/86 5.8% 14.0% 20.9% 129 60
8 M.デムーロ 5- 3- 1-17/26 19.2% 30.8% 34.6% 140 76
9 武豊 4-10- 2-21/37 10.8% 37.8% 43.2% 44 101
10 浜中俊 4- 8- 7-32/51 7.8% 23.5% 37.3% 85 135
11 藤田伸二 4- 1- 2-10/17 23.5% 29.4% 41.2% 226 114
12 北村友一 3- 4- 8-24/39 7.7% 17.9% 38.5% 63 105
13 岩田康誠 3- 4- 6-49/62 4.8% 11.3% 21.0% 32 85
14 池添謙一 3- 3- 0-19/25 12.0% 24.0% 24.0% 148 78
15 四位洋文 3- 2- 5-22/32 9.4% 15.6% 31.3% 29 100
16 高倉稜 3- 0- 0-18/21 14.3% 14.3% 14.3% 1105 253
17 藤岡康太 2- 2- 4-26/34 5.9% 11.8% 23.5% 91 58
18 太宰啓介 2- 2- 3-46/53 3.8% 7.5% 13.2% 17 38
19 秋山真一郎 2- 2- 3-22/29 6.9% 13.8% 24.1% 79 70
20 菱田裕二 2- 2- 2-18/24 8.3% 16.7% 25.0% 243 118
21 C.デムーロ 2- 1- 2- 9/14 14.3% 21.4% 35.7% 102 71
22 岡田祥嗣 2- 1- 1- 9/13 15.4% 23.1% 30.8% 2406 471
23 鮫島克駿 2- 0- 0- 5/ 7 28.6% 28.6% 28.6% 88 35
24 藤岡佑介 1- 3- 3-25/32 3.1% 12.5% 21.9% 37 59
25 酒井学 1- 3- 0-35/39 2.6% 10.3% 10.3% 3 21
26 佐藤友則 1- 1- 1- 6/ 9 11.1% 22.2% 33.3% 885 187
27 鮫島良太 1- 1- 1- 7/10 10.0% 20.0% 30.0% 81 54
28 荻野琢真 1- 1- 0- 6/ 8 12.5% 25.0% 25.0% 478 170
29 内田博幸 1- 1- 0- 2/ 4 25.0% 50.0% 50.0% 155 135
30 荻野極 1- 0- 1-12/14 7.1% 7.1% 14.3% 88 49

2018/2/3 京都11R アルデバランステークス 1着 1番 ナムラアラシ

次はJBCクラシックが行われる京都ダート1900mのデータを調べることにする。表3は騎手別成績。1位は福永祐一騎手で【13.2.3.24】という成績。2着・3着数に比べて勝利数が圧倒的に多い。勝率は31.0%でダントツの好成績だ。今年2月に行われたアルデバランSでは5番人気のナムラアラシに騎乗して勝利している。連対率は37.8%で武豊騎手が優秀。【4.10.2.21】という成績で、勝ち切れていないとも言えるが、連軸での信頼度は高そうだ。複勝率は川田将雅騎手が45.3%で非常に優秀。福永騎手や武騎手も40%以上の数値が出ている。

■表4 京都ダート1900mの枠順別成績(2013年1月1日〜2018月10月21日)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1枠 14- 20- 11-110/155 9.0% 21.9% 29.0% 249 135
2枠 9-  9- 13-134/165 5.5% 10.9% 18.8% 45 54
3枠 12-  8- 14-136/170 7.1% 11.8% 20.0% 55 57
4枠 14- 16- 15-137/182 7.7% 16.5% 24.7% 66 69
5枠 14- 10- 18-158/200 7.0% 12.0% 21.0% 77 62
6枠 16- 15- 15-169/215 7.4% 14.4% 21.4% 192 96
7枠 18- 18- 19-167/222 8.1% 16.2% 24.8% 96 75
8枠 21- 22- 14-178/235 8.9% 18.3% 24.3% 106 60

続いて京都ダート1900mの枠順別成績を見ていく(表4参照)。勝率は1枠が9.0%でトップ。しかし、2位は8枠の8.9%で、その差はわずかだ。連対率は21.9%で1枠。2位がやはり8枠で18.3%。複勝率は29.0%で1枠がトップ。2位は7枠、8枠、4枠が24%台で競っている。総合的に見ると、1枠と8枠が優秀。最内と最外という、極端な枠順が好成績である点が興味深い。ダートも基本的には経済コースを取りやすい内枠が有利になりやすいが、揉まれにくい・砂をかぶりにくいという理由で、外枠でも悪くないことがある。

■表5 京都ダート1800mの騎手別成績(2013年1月1日〜2018月10月21日)

順位 騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 浜中俊 40- 37- 27-152/256 15.6% 30.1% 40.6% 115 117
2 M.デムーロ 34- 20- 11- 59/124 27.4% 43.5% 52.4% 106 81
3 川田将雅 33- 33- 28-158/252 13.1% 26.2% 37.3% 54 71
4 和田竜二 32- 38- 29-286/385 8.3% 18.2% 25.7% 81 71
5 岩田康誠 32- 30- 55-210/327 9.8% 19.0% 35.8% 54 94
6 幸英明 29- 34- 46-336/445 6.5% 14.2% 24.5% 46 81
7 武豊 27- 27- 16-126/196 13.8% 27.6% 35.7% 56 64
8 ルメール 26- 17- 18- 64/125 20.8% 34.4% 48.8% 66 95
9 小牧太 23- 22- 16-194/255 9.0% 17.6% 23.9% 68 78
10 福永祐一 18- 33- 26-130/207 8.7% 24.6% 37.2% 33 76
11 松山弘平 18- 17- 12-229/276 6.5% 12.7% 17.0% 138 92
12 北村友一 16- 15- 16-145/192 8.3% 16.1% 24.5% 87 91
13 太宰啓介 16- 13- 18-208/255 6.3% 11.4% 18.4% 75 69
14 藤岡佑介 15-  7- 17-114/153 9.8% 14.4% 25.5% 296 102
15 古川吉洋 14- 13-  6-120/153 9.2% 17.6% 21.6% 128 77
16 松若風馬 14- 12-  8-131/165 8.5% 15.8% 20.6% 135 76
17 武幸四郎 13-  7-  3- 75/ 98 13.3% 20.4% 23.5% 180 89
18 国分優作 12- 16- 15-240/283 4.2% 9.9% 15.2% 51 77
19 池添謙一 11- 22- 17-138/188 5.9% 17.6% 26.6% 68 66
20 国分恭介 11-  9- 23-196/239 4.6% 8.4% 18.0% 64 111
21 秋山真一郎 10- 10- 13-136/169 5.9% 11.8% 19.5% 135 91
22 荻野極 10-  4-  9- 86/109 9.2% 12.8% 21.1% 135 118
23 藤岡康太 9- 15- 11-144/179 5.0% 13.4% 19.6% 48 69
24 田中健 9-  3-  2- 65/ 79 11.4% 15.2% 17.7% 395 114
25 酒井学 8- 10- 10-215/243 3.3% 7.4% 11.5% 103 63
26 川島信二 8-  9- 11-101/129 6.2% 13.2% 21.7% 273 119
27 四位洋文 8-  6-  5- 65/ 84 9.5% 16.7% 22.6% 27 42
28 松田大作 8-  2-  8- 77/ 95 8.4% 10.5% 18.9% 92 68
29 C.デムーロ 7- 12-  6- 24/ 49 14.3% 38.8% 51.0% 48 102
30 高倉稜 7-  8-  2-136/153 4.6% 9.8% 11.1% 31 29

JBCレディスクラシックが行われる京都ダート1800mの騎手別成績は表5の通り。勝利数は浜中俊騎手がトップだが、勝率はM・デムーロ騎手が27.4%で断然のトップ。ダート1200mの勝率25.0%を上回る高勝率をマークしている。連対率も43.5%、複勝率は52.4%というケタ違いの好走率だ。また、8位のC・ルメール騎手もなかなか優秀な成績。外国人騎手である両名が京都ダート1800mを席捲しているような状況だ。

■表6 京都ダート1800mの枠順別成績(2013年1月1日〜2018月10月21日)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1枠 82-  56-  65- 647/ 850 9.6% 16.2% 23.9% 77 81
2枠 73-  63-  80- 700/ 916 8.0% 14.8% 23.6% 87 82
3枠 71-  88-  74- 751/ 984 7.2% 16.2% 23.7% 140 87
4枠 71-  81-  77- 823/1052 6.7% 14.4% 21.8% 64 81
5枠 71-  85-  86- 872/1114 6.4% 14.0% 21.7% 97 93
6枠 98-  74-  78- 916/1166 8.4% 14.8% 21.4% 88 73
7枠 80-  85-  84- 966/1215 6.6% 13.6% 20.5% 70 67
8枠 85-  97-  88- 968/1238 6.9% 14.7% 21.8% 62 68

最後に京都ダート1800mの枠順別成績を見ていくことにする(表6参照)。勝率は1枠がトップ。9.6%で1900mよりも若干いい。連対率は1枠と3枠が16.2%で並んでトップタイ。複勝率は1枠が23.9%でトップだが、2枠や3枠とあまり差はない。1900mと比較すると8枠は良くなく、全般的に内枠がいいようだ。スタート地点から1コーナーまでの距離が、1800mの方が1900mよりも短いので、外目が苦しくなり、内目の枠が有利となるのかもしれない。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。


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