セレクションセール2021
セレクションセールのみどころ
昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため8月下旬に行われた馬産地日高の選抜市場「セレクションセール」が、今年は7月27日(火)に北海道新ひだか町の北海道市場で開催される。
毎年、多くの活躍馬を送り出すセレクションセール。昨年の取引馬からも、早速6月19日のメイクデビュー札幌(ダート1,000m)で1番人気に応えて優勝したアーリーレッグを送り出すなど好調なスタートを切ったほか、2018年の取引馬ディープボンドは、今年の阪神大賞典に勝って天皇賞(春)でも2着。また、2017年の取引馬モズベッロは、昨年の日経新春杯に勝ち、昨年の宝塚記念で3着、今年の大阪杯で2着とGI勝利にあと一歩まで近づき、2014年の取引馬メイショウダッサイは、昨年の中山大障害、今年の中山グランドジャンプに優勝している。
そうした市場を側面から支えているのは、血統による書類審査の後に行われている「実馬検査」。今年も日本全国から585頭の上場申し込みがあったが、全体の約4割に相当する240頭のみが上場を許されている。これらは文字通り日高を代表する馬たちだ。
また、購買者を悩ませるもう1つのファクターが、バラエティに富んだ種牡馬陣。今年は3頭の海外供用種牡馬を含む50頭が顔をそろえた。2年連続で不敗のクラシックウイナーを出したエピファネイアをはじめ、次代のチャンピオンサイヤーを狙うキズナやドゥラメンテ、ロードカナロア。あるいは、サトノダイヤモンドやマインドユアビスケッツ、リアルスティール、デクラレーションオブウォーなどの産駒がセレクションセールを彩っている。
まだ記憶に新しい、今年のユニコーンSをレースレコードで制したスマッシャーの半弟(父エピファネイア、母スマッシュ)や、新潟大賞典を勝ったサンレイポケットの半弟(父ダンカーク、母アドマイヤパンチ)。あるいは昨年のフィリーズレビュー優勝馬エーポスの半弟(父ゴールドシップ、母ストライクルート)や、グランダムジャパン2021・3歳シーズン優勝のケラススヴィアの半弟(父キンシャサノキセキ、母レディパッション)といった旬の血統や、2017年のジャパンダートダービー優勝馬ヒガシウィルウィンの半弟(父マインドユアビスケッツ、母プリモタイム)や2018年のJBCクラシックに勝ったケイティブレイブの半妹(父コパノリッキー、母ケイティローレル)など。あるいはディープインパクトの半姉であるスターズインハーアイズの産駒(牝、父ハーツクライ)やキングカメハメハの半妹であるグランプリソフィの産駒(牡、父エピファネイア)など、目移りするような血統馬ばかり。
今回の240頭は、販売申込者、生産者がセレクションセールにかける期待を込めた馬ばかり。いまだに新型コロナウイルス感染症は収束したとは言えないが、購買者の方々も、可能な限り下見と検討を重ねて、市場に挑んでほしいものだ。
なお、「やむを得ず、セール会場に購買者本人または購買代理人のいずれの方もご来場できない場合に限り」今回からオンラインビッドシステムを活用することもできる。併せてご検討いただきたい。
注記:当コンテンツは、2021年6月23日時点での情報を基に制作しています。
ライタープロフィール
山田康文(道新スポーツ記者)
1963年東京生まれ。
道新スポーツ馬事通信部記者。北海道新聞中央競馬本紙予想担当でもある。