セレクトセール 高額取引馬(当歳)

当歳 セルキスの2021
(牡 黒鹿)

2021年3月6日生

4億1000万円(税抜)

セルキスの2021
キズナ セルキス 母父 Monsun
販売者 ノーザンファーム 落札者 小笹 芳央

父は日本ダービーやニエル賞を制覇。桜花賞などGTを3勝したファレノプシスの半弟にあたる良血で、ビワハヤヒデとナリタブライアン(いずれも年度代表馬で後者は三冠馬)の従兄弟でもある。ディープボンド、マルターズディオサ、ビアンフェ、バスラットレオンなど次々と重賞勝ち馬を送り出し、ディープインパクトの後継種牡馬として大きな存在感を示している。芝・ダート兼用の万能タイプ。

母は独国産。独オークストライアル(独G2・芝2000m)を勝った。その全弟にバーデンヴェルテンベルクトロフィー(独G3)で3着となったシュテューベンがいる。2011年12月、セリを通さずプライベートで日本に売却され、ノーザンファームで繁殖牝馬となった。2016年に産んだヴェロックス(父ジャスタウェイ)は三冠レース(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)でそれぞれ2、3、3着と健闘した。

母の父は独国産。アラルポカル(独G1・芝2400m)を勝ち、オイロパ賞(独G1・芝2400m)を連覇するなど通算23戦12勝。独年度代表馬に選出された。種牡馬としては、ドイツだけでなく英、米、仏、伊でも大レース勝ち馬を送り出し、ドイツ生産界の国際的地位を高めた。2400m戦に強く、日本ではノヴェリスト(種牡馬)、スタセリタ(ソウルスターリングの母)の父として知られている。

当歳 ヤンキーローズの2021
(牡 黒鹿)

2021年2月1日生

3億7000万円(税抜)

ヤンキーローズの2021
ロードカナロア ヤンキーローズ 母父 All American
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 (株)ダノックス

父はスプリンターズS(GT)2回、高松宮記念(GT)、安田記念(GT)、香港スプリント(G1・芝1200m)2回など19戦13勝。年度代表馬、顕彰馬に選出された。種牡馬としてもスピードを伝えるが、配合次第で2000m以上を得意とする馬も出す。アーモンドアイ(年度代表馬2回)、サートゥルナーリア(皐月賞、ホープフルS)、ダノンスマッシュ(香港スプリント、高松宮記念)など活躍馬多数。

母は豪州産。サイヤーズプロデュースS(豪G1・芝1400m)、スプリングチャンピオンS(豪G1・芝2000m)を勝ったほか、2歳短距離王決定戦のゴールデンスリッパーS(豪G1・芝1200m)で2着となった。2歳時に豪最優秀2歳牝馬に選出されている。母の半弟ミラヴァルはケンブラグランジクラシック(豪G3・芝1600m)の勝ち馬。一族には豪G1馬リダウツダンサーがいる。

母の父は豪州産。エミレーツS(豪G1・芝1600m)、スカイラインS(豪G3・芝1200m)を勝つなど24戦4勝の成績を残した。ロベルト系ながらスピードを武器とするレッドランサムを父に持つため、スプリント戦やマイル戦で好成績を挙げた。種牡馬としてはヤンキーローズの他に、ダークドリーム(豪G1クイーンズランドダービー)、バックマン(豪G3シュウェッパーヴセンスS)などを出した。

当歳 ラヴズオンリーミーの2021
(牡 鹿)

2021年2月25日生

2億8000万円(税抜)

ラヴズオンリーミーの2021
ハーツクライ ラヴズオンリーミー 母父 Storm Cat
販売者 ノーザンファーム 落札者 三木 正浩

父は有馬記念、ドバイシーマクラシックを制した名馬。種牡馬としても成功し、リスグラシュー、ジャスタウェイ、スワーヴリチャード、シュヴァルグラン、ワンアンドオンリー、ヨシダをはじめ多くの名馬を送り出し、国内外で積み上げたG1タイトルは「17」に達する。凱旋門賞馬トニービンを母の父に持つため、芝の中長距離に強みがある。母の父としても皐月賞馬エフフォーリアを出している。

母は米国産で不出走。祖母モネヴァッシアは名種牡馬キングマンボの全妹で、3代母ミエスクは1980年代の世界最強マイラーという超良血。産駒にはリアルスティール(ドバイターフ)、ラヴズオンリーユー(オークス、クイーンエリザベスU世C)がいる。これらと同じ「父ディープインパクト×母父ストームキャット」はニックスで、キズナ、エイシンヒカリ、サトノアラジン、ラキシスなど多くのGIホースが出ている。2015年に産んだジンゴイスト(父ハーツクライ、ラヴズオンリーミーの2021の全兄)は、JRA1勝、地方2勝。

母の父は米国産。現役時代はヤングアメリカS(米G1・ダ約1700m)を勝った程度だが、種牡馬として大成功を収めた。1990年代から2000年代にかけて大きな存在感を示し、多くの一流馬を送り出した。産駒は芝・ダート兼用のマイラータイプで、アメリカはもとよりヨーロッパでも活躍。代表産駒ジャイアンツコーズウェイは欧州年度代表馬に選出された。母の父としても成功し、父ディープインパクトとのニックスは有名。

当歳 コールバックの2021
(牡 栗)

2021年3月21日生

2億4000万円(税抜)

コールバックの2021
Frankel コールバック 母父 ストリートセンス
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 (株)サラブレッドクラブライオン

父は英国産。英14戦全勝。圧倒的なスピードを武器にマイルのビッグレースを総なめにし、さらには10ハロン路線でも敵無しだった。種牡馬としても成功し、クラックスマン(欧州最優秀3歳牡馬)、アダイヤー(英ダービー)、アナプルナ(英オークス)などを出したほか、日本ではソウルスターリング(オークス、阪神JF)、モズアスコット(安田記念)、グレナディアガーズ(朝日杯FS)の父となっている。

母は米国産。ラスヴィルヘネスS(米G1・ダ約1600m)を勝ち、サンタイネスS(米G2・ダ約1300m)とエイトベルズS(米G3・ダ約1400m)でいずれも2着となった。2代母クイッケストのきょうだいにスーパーセイヴァー(ケンタッキーダービー)など3頭の重賞勝ち馬がいる。牝系をさかのぼると名牝ナンバードアカウント(米最優秀2歳牝馬で繁殖牝馬としても名種牡馬プライヴェートアカウントを産む)に至る。

母の父はBCジュヴェナイル(米G1・ダ約1700m)とケンタッキーダービー(米G1・ダ約2000m)を双方制した史上初めての馬。ディキシーランドバンド、ヒズマジェスティといったスタミナ型の血を抱えるので、アメリカ産馬にしては重厚なタイプだが、それでいてスピードに欠けるところはなく、オーストラリアでは複数の芝G1馬を出した。日本でも1年間供用。産駒はダートに向き、距離はマイル前後がベスト。

当歳 アルテリテの2021
(牡 鹿)

2021年3月5日生

2億2000万円(税抜)

アルテリテの2021
エピファネイア アルテリテ 母父 Literato
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 Y's consignment sales

父は14戦6勝(うち海外2戦0勝)。シンボリクリスエスの代表産駒で、母はオークス馬シーザリオ、半弟に最優秀2歳牡馬リオンディーズ、同じく半弟に皐月賞馬サートゥルナーリアを持つ超良血。前向きすぎる気性を抱えながら菊花賞(GT)とジャパンC(GT)を圧勝した。スピードの持続力を武器とし、スタミナと底力も十分。牝馬三冠デアリングタクト、皐月賞馬エフフォーリアを出している。

母は仏国産。フランスでデビューし、マルセルブーサック賞(仏G1・芝1600m)3着、サンタラリ賞(仏G1・芝2000m)2着の後アメリカへ転戦。ガーデンシティーS(米G1・芝約1800m)を勝ち、BCフィリー&メアターフ(米G1・芝約2000m)では3着と健闘した。ノーザンファームで繁殖牝馬となり、デビューした3頭のうちアルテフィーチェ、アルテヴェルトの2頭が勝ち上がっている。

母の父は仏国産。通算13戦9勝。3歳時に英チャンピオンS(英G1・芝約2000m)など英仏で4つの重賞を制し、仏ダービー(仏G1・芝2100m)で2着となった。名種牡馬ケンダルジャンと同じくケンドールを父に持ち、トニービンと同じくカラムーンの直系子孫にあたる。主流血統をほとんど含まない血統構成はおもしろく、父としての成績はもうひとつだが、ブルードメアサイヤーとしては期待できる。

当歳 シーズアタイガーの2021
(めす 鹿)

2021年1月20日生

2億円(税抜)

シーズアタイガーの2021
ハーツクライ シーズアタイガー 母父 Tale of the Cat
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 金子真人ホールディングス(株)

父は有馬記念、ドバイシーマクラシックを制した名馬。種牡馬としても成功し、リスグラシュー、ジャスタウェイ、スワーヴリチャード、シュヴァルグラン、ワンアンドオンリー、ヨシダをはじめ多くの名馬を送り出し、国内外で積み上げたG1タイトルは「17」に達する。凱旋門賞馬トニービンを母の父に持つため、芝の中長距離に強みがある。母の父としても皐月賞馬エフフォーリアを出している。

母は米国産。2歳時にデルマーデビュータントS(米G1・AW約1400m)を勝った。BCジュヴェナイルフィリーズ(米G1・ダ約1700m)では1位入線したものの2着降着となった。繁殖牝馬としてはティグラーシャ(現3勝)を産んでいる。祖母シャンドラスマイルズはドクターフェイガ−≒グレートアバヴ4×2で、繁殖牝馬として成功し、シーズアタイガーの他に米G1を3勝したスマイリングタイガーを産んだ。

母の父は米国産。同国でキングズビショップS(米G2・ダ約1400m)を含めて9戦5勝の成績を残した。ミナルディ(愛G1フェニックスS、英G1ミドルパークS)の半兄で、甥に名種牡馬ヨハネスブルグ(名種牡馬スキャットダディの父)、近親にプルピット(米リーディングサイアー・タピットの父)がいる良血。芝・ダート兼用のマイラーで産駒のG1勝ち馬は多数。本邦輸入種牡馬ドレフォンの祖父でもある。

当歳 ラブリーベルナデットの2021
(牡 黒鹿)

2021年2月25日生

2億円(税抜)

ラブリーベルナデットの2021
ハーツクライ ラブリーベルナデット 母父 Wilburn
販売者 社台ファーム 落札者 藤田 晋

父は有馬記念、ドバイシーマクラシックを制した名馬。種牡馬としても成功し、リスグラシュー、ジャスタウェイ、スワーヴリチャード、シュヴァルグラン、ワンアンドオンリー、ヨシダをはじめ多くの名馬を送り出し、国内外で積み上げたG1タイトルは「17」に達する。凱旋門賞馬トニービンを母の父に持つため、芝の中長距離に強みがある。母の父としても皐月賞馬エフフォーリアを出している。

母は米国産。G1は勝てなかったものの、芝の重賞戦線で好成績を挙げ、ミセスリヴィアS(米G2・芝約1700m)、ヴァリーヴューS(米G3・芝約1700m)、ミントジュレップS(米G3・芝約1700m)などを勝った。脚質は好位差しで、直線まで我慢してゴール前で抜け出すという、安定感のあるタイプだった。引退後、キーンランドの繁殖牝馬セールで社台ファームが購買し、日本にやってきた。

母の父は米国産。インディアナダービー(米G2・ダ約1700m)を勝つなど9戦5勝の成績を挙げた。種牡馬としてはラブリーベルナデットの他に、ズザンナ、インディアマンツアナという重賞勝ち馬を出している。この2頭はいずれも芝約2200mのG3レッドカーペットHの勝ち馬。前者はラブリーベルナデットと同じく母の父にバーンスタインを持つ。アメリカの種牡馬だが芝向きの特長を伝える。

当歳 モルガナイトの2021
(牡 鹿)

2021年2月7日生

1億8000万円(税抜)

モルガナイトの2021
レイデオロ モルガナイト 母父 アグネスデジタル
販売者 ノーザンファーム 落札者 小笹 芳央

父は日本ダービーと天皇賞(秋)を勝ち、最優秀3歳牡馬、最優秀4歳以上牡馬に選出された。名種牡馬キングカメハメハの代表産駒の一頭。サンデーサイレンスを含まない血統構成なので、この血を持つ繁殖牝馬と自由に交配できるメリットがある。また、曾祖母が名牝ウインドインハーヘアということは、大種牡馬ディープインパクトと同じ牝系に属していることになり、そこから伝わる活力にも期待できる。

母は早来産。通算10戦4勝。ダンビュライト(京都記念、アメリカJCC)の半姉にあたり、阪神芝1800mで1分45秒1のレコードタイムを樹立した。繁殖成績は優秀で、ブラックスピネル(東京新聞杯)、インフィナイト(サウジアラビアロイヤルC2着)をはじめ競走年齢に達した6頭はすべて勝ち上がっている。キャサリーンパーにさかのぼる一族は活力旺盛。多くの重賞勝ち馬を出して活発に枝葉を伸ばしている。

母の父は米国産。通算32戦12勝。天皇賞(秋)、マイルCS、安田記念などの芝のGTだけでなく、フェブラリーS、マイルCS南部杯などのダートGTを勝ち、さらには海外遠征で香港Cを制覇した。現代においてはきわめて稀なオールラウンダー。種牡馬としてはカゼノコ(ジャパンダートダービー)、サウンドバリアー(フィリーズレビュー)、ヤマニンキングリー(札幌記念、シリウスS)などを出している。

当歳 ポジティブマインドの2021
(牡 鹿)

2021年3月2日生

1億8000万円(税抜)

ポジティブマインドの2021
サトノダイヤモンド ポジティブマインド 母父 Equal Stripes
販売者 ノーザンファーム 落札者 藤田 晋

父は菊花賞、有馬記念など6つの重賞を制覇。日本ダービーはハナ差2着と惜敗したが、最優秀3歳牡馬に選出されている。大種牡馬ディープインパクトの代表産駒の一頭で、その母マルペンサは南米アルゼンチンで3つのG1を制覇した名牝。母の父オーペンはアルゼンチンでリーディングサイヤーとなり、ブルードメアサイヤーランキングで首位となった。芝中距離向きだが距離の融通性があり、配合によってはダート馬も出す。

母は亜国産。同国の2歳女王決定戦といえるエストレラスジュヴェナイルフィリーズ大賞典(亜G1・芝1600m)を勝ち、最優秀2歳牝馬に選出された。他に亜1000ギニー(亜G1・芝1600m)で2着となっている。その全兄パウリーニョはエストレラスジュヴェナイル大賞典(亜G1・ダ1600m)を勝ち、亜最優秀2歳牡馬に選出された。兄妹でアルゼンチンの2歳チャンピオンとなっており、血統的な質は高い。

母の父は亜国産。ミゲルカーネ賞(亜G2・ダ1600m)、オトニョ賞(亜G2・ダ2000m)を勝ち、エストレラスジュヴェナイル大賞典(亜G1・ダ1600m)で2着。名種牡馬キャンディストライプス(米年度代表馬インヴァソール、米最優秀芝牡馬ルロワデザニモーなどの父)を父に持ち、同馬が繋養された名門アボレンゴ牧場で誕生した。種牡馬としても成功し、多くの重賞勝ち馬を誕生させている。

当歳 リンフォルツァンドの2021
(牡 鹿)

2021年1月28日生

1億8000万円(税抜)

リンフォルツァンドの2021
レイデオロ リンフォルツァンド 母父 ディープインパクト
販売者 吉田 俊介 落札者 国本 哲秀

父は日本ダービーと天皇賞(秋)を勝ち、最優秀3歳牡馬、最優秀4歳以上牡馬に選出された。名種牡馬キングカメハメハの代表産駒の一頭。サンデーサイレンスを含まない血統構成なので、この血を持つ繁殖牝馬と自由に交配できるメリットがある。また、曾祖母が名牝ウインドインハーヘアということは、大種牡馬ディープインパクトと同じ牝系に属していることになり、そこから伝わる活力にも期待できる。

母は安平産。現役時代に芝1800mで1勝を挙げた。その全姉にタッチングスピーチ(ローズS)、全弟にサトノルークス(菊花賞2着)がいる。これが初仔となる。祖母リッスンはフィリーズマイル(英G1・芝約1600m)の勝ち馬。他のサドラーズウェルズ牝馬と比較すると、アメリカ血統を豊富に受けている影響で、高速馬場への適性と仕上がりの早さを伝えている。活力ある牝系の出身なので楽しみが大きい。

母の父は無敗の三冠馬コントレイルをはじめ日本ダービー馬を7頭出し、海外でも英2000ギニー、英オークス、仏ダービー、仏オークスを制覇するなど産駒が大活躍。世界屈指の大種牡馬と評価されている。2012年以降リーディングサイヤーの座にあり、日本における平地GT勝利数は「64」、海外G1は「20」。サンデーサイレンス譲りの鋭い瞬発力が持ち味で、芝のマイル〜中距離で圧倒的に強い。

栗山求(血統評論家)

大学在学中の1989年に競馬通信社入社。血統専門誌「週刊競馬通信」編集長を経て、現在はフリー。血統関係を中心に執筆活動を展開中。