セレクトセール 高額取引馬(当歳)

当歳 ヒルダズパッションの2020
(牡 栗毛)

2020年3月1日生

3億8000万円(税抜)

ヒルダズパッションの2020
ハーツクライ ヒルダズパッション 母父 Canadian Frontier
販売者 ノーザンファーム 落札者 小笹 芳央

父は有馬記念、ドバイシーマクラシック(UAE・G1)を制した名馬。種牡馬としても成功し、リスグラシュー(年度代表馬)、ジャスタウェイ〔天皇賞(秋)、安田記念〕、スワーヴリチャード(ジャパンカップ、大阪杯)、シュヴァルグラン(ジャパンカップ)など10頭のGIホースを出している。そのうち、リスグラシュー、ジャスタウェイ、アドマイヤラクティ、ヨシダが海外G1を勝った。トニービンを含んだ配合構成なので芝の中長距離に強い。

母はアメリカ産。重心の低いピッチ走法を武器にハイペースで逃げてバテず、バレリーナS(米G1・ダート約1400m)をはじめ5つの重賞を制し、インサイドインフォメーションS(米G2・ダート約1400m)ではガルフストリームパークのトラックレコード(1分20秒45)を樹立した。産駒成績も優秀で、本馬の全兄ヨシダは米G1を2勝。半姉のサンクテュエールはシンザン記念を勝った。

母の父はアメリカ産。UAEと北米で13戦6勝。重賞勝ちはボールドルーラーH(米G3・ダート約1200m)しかないが、重賞4勝馬を母に持つ良血を生かし、種牡馬としてはヒルダズパッションやノーサッチワード(米G1ガゼルS)などを出した。「ゴーンウエスト×シアトルスルー」なので先行力に秀でた持続力タイプ。パワー型ながら時計勝負に強い。緩急を必要とするレースは得意ではない。

当歳 シーズアタイガーの2020
(牡 鹿毛)

2020年2月3日生

2億7000万円(税抜)

シーズアタイガーの2020
ハーツクライ シーズアタイガー 母父 Tale of the Cat
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 (株)ダノックス

父は有馬記念、ドバイシーマクラシック(UAE・G1)を制した名馬。種牡馬としても成功し、リスグラシュー(年度代表馬)、ジャスタウェイ〔天皇賞(秋)、安田記念〕、スワーヴリチャード(ジャパンカップ、大阪杯)、シュヴァルグラン(ジャパンカップ)など10頭のGIホースを出している。そのうち、リスグラシュー、ジャスタウェイ、アドマイヤラクティ、ヨシダが海外G1を勝った。トニービンを含んだ配合構成なので芝の中長距離に強い。

母はアメリカ産。2歳時にデルマーデビュータントS(米G1・オールウェザー約1400m)を勝った。ブリーダーズカップジュヴェナイルフィリーズ(米G1・ダート約1700m)では1位入線したものの、他馬の進路を妨害したとして2着に降着となった。米G1を3勝したスマイリングタイガーの半妹にあたる良血。わが国に輸入されて繁殖牝馬となると、ディープインパクトとの交配でティグラーシャ(現JRA3勝)が誕生した。

母の父はアメリカ産。キングズビショップS(米G2・ダート約1400m)を5馬身半差で圧勝するなど北米で9戦5勝の成績を残した。ミナルディ(愛G1フェニックスS、英G1ミドルパークS)の半兄で、おいに名種牡馬ヨハネスブルグ、近親にプルピット(米リーディングサイアー・タピットの父)がいる良血。芝・ダート兼用のマイラーでG1勝ち馬多数。本邦輸入種牡馬ドレフォンの2代父でもある。

当歳 シーヴの2020
(牡 鹿毛)

2020年1月15日生

2億1000万円(税抜)

シーヴの2020
ハーツクライ シーヴ 母父 Mineshaft
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 三輪ホールディング

父は有馬記念、ドバイシーマクラシック(UAE・G1)を制した名馬。種牡馬としても成功し、リスグラシュー(年度代表馬)、ジャスタウェイ〔天皇賞(秋)、安田記念〕、スワーヴリチャード(ジャパンカップ、大阪杯)、シュヴァルグラン(ジャパンカップ)など10頭のGIホースを出している。そのうち、リスグラシュー、ジャスタウェイ、アドマイヤラクティ、ヨシダが海外G1を勝った。トニービンを含んだ配合構成なので芝の中長距離に強い。

母はアメリカ産。不出走馬ながら繁殖牝馬として成功し、ケンタッキーオークス(米G1・ダート約1800m)など3つの米重賞を勝ったキャスリンソフィアを産んだ。日本に輸入後、ディープインパクトと交配し、現2歳のサトノスカイターフ(未出走)が誕生した。本馬はその半弟。母の血統構成は、3年連続米リーディングサイアーとなったタピットによく似ている。配合次第で芝向きもダート向きも出す。

母の父はアメリカ産。北米でジョッキークラブゴールドカップ(米G1・ダート約2000m)など4つのG1を制し、2003年に米年度代表馬に輝いた。その母プロスペクターズディライトは米G1を2勝した活躍馬で、繁殖牝馬としても2頭のG1馬を産んだ名牝。「エーピーインディ×ミスタープロスペクター」は、プルピット、コングラッツ、マリブムーン、テンペラなどを出したニックス配合だ。

当歳 ファイナルスコアの2020
(牡 鹿毛)

2020年2月5日生

2億円(税抜)

ファイナルスコアの2020
ロードカナロア ファイナルスコア 母父 Dylan Thomas
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 大塚 亮一

父は香港スプリント(G1・芝1200m)2回、スプリンターズS2回、高松宮記念、安田記念など19戦13勝。種牡馬としても基本的にはスピード型ながら、配合次第で2000m以上を得意とする馬も出す。アーモンドアイ〔ドバイターフ、牝馬三冠、ジャパンカップ、天皇賞(秋)、ヴィクトリアマイル〕、サートゥルナーリア(皐月賞、ホープフルS)、ステルヴィオ(マイルチャンピオンシップ)など重賞勝ち馬多数。

母はアイルランド産。イギリスとイタリアで走り、リディアテシオ賞(伊G1・芝2000m)、伊オークス(G2・芝2200m)を勝った。2代母ホーリームーンは繁殖牝馬として優秀で、本馬の母のほかにシーオブクラス(愛オークス、ヨークシャーオークス)、チャリティーライン(リディアテシオ賞、伊オークス)、チェリーコレクト(伊オークス、伊1000ギニー/ワーケアの母)を出した。

母の父はアイルランド産。凱旋門賞(仏G1・芝2400m)、愛チャンピオンS(G1・芝約2000m)2連覇、愛ダービー(G1・芝約2400m)など6つのG1を制した名馬で、半妹に英1000ギニー馬ホームカミングクイーン、半姉にチェヴァリーパークS(英G1)など5戦全勝で引退したクイーンズロジックがいる。種牡馬としてもペザーズムーンなど優れた中距離馬を出している。

当歳 マラコスタムブラダの2020
(牡 鹿毛)

2020年3月10日生

1億9000万円(税抜)

マラコスタムブラダの2020
キタサンブラック マラコスタムブラダ 母父 Lizard Island
販売者 ノーザンファーム 落札者 麻布商事

父は天皇賞(春)2回、天皇賞(秋)、有馬記念、菊花賞などGIを7勝した名馬。ディープインパクトの全兄ブラックタイドを父に持ち、母の父が短距離型のサクラバクシンオーでありながら、天皇賞(春)をレコード勝ちするなど長距離で無敵を誇った。血統的に多彩な引き出しを持っているので、決して中長距離専用ではなく、スピードタイプに出る仔もいるだろう。仕上がりは早いが、本領発揮は古馬になってから。

母は南米アルゼンチンでフィルベルトレレナ大賞典(亜G1・芝2200m)を4馬身差で圧勝した。デインヒルとサドラーズウェルズを併せ持ち、ヨーロッパの主流血統の影響が強い。瞬発力よりもスピードの持続力を武器とするタイプ。ダイワメジャーとの交配により、JRA賞最優秀2歳牝馬のレシステンシアを産んだ。

母の父はアメリカ産。アイルランドのエイダン・オブライエン厩舎に所属し、2歳時にレイルウェイS(愛G2・芝約1200m)を勝ったほか、ヴィンテージS(英G2・芝約1400m)で2着となったスピード馬。父系はダンジグにさかのぼる。引退後は南米アルゼンチンで種牡馬入りし、マラコスタムブラダ、コンテッサリンダ、エミレーツガールなどのG1馬を出した。1600〜2000mがベスト。

当歳 クイーンビー2の2020
(牡 黒鹿毛)

2020年1月29日生

1億4500万円(税抜)

クイーンビー2の2020
ドゥラメンテ クイーンビー2 母父 Le Havre
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 (株)ダノックス

父は皐月賞と日本ダービーの二冠を制覇し、ドバイシーマクラシック(UAEG1・芝2410m)では強豪ポストポンドの2着となった。母アドマイヤグルーヴ(エリザベス女王杯2回)、2代母エアグルーヴ(年度代表馬)、3代母ダイナカール(オークス)という良血で、近親にはルーラーシップなど活躍馬多数。現2歳の初年度産駒はJRAで3勝をあげている(7月12日終了時点)。

母はフランス産。2歳時にカルヴァドス賞(仏G3・芝1400m)を勝ち、クリテリウムドメゾンラフィット(仏G3・芝1200m)で2着となった。「ルアーヴル×キラッチー」という日本向きの素軽いスピード配合で、マリーダルゴンヌ3×5という珍しい牝馬クロスを持つ。繁殖牝馬としてはこれまでに2頭の産駒がデビューし、現3歳のロジアイリッシュ(父ハーツクライ)が2勝をあげている。

母の父はアイルランド産。3歳時に仏ダービー(G1・芝2100m)を勝ち、仏2000ギニー(G1・芝1600m)で2着。堅い馬場に向いたマイル〜中距離型種牡馬で、アヴニールセルタン(仏1000ギニー、仏オークス)、ラクレソニエール(仏1000ギニー、仏オークス)、ヴィラマリナ(オペラ賞)、プールヴィル(フィリーズレビュー)などを出している。牝馬の活躍馬が目立つ。

当歳 キラモサの2020
(牡 鹿毛)

2020年2月22日生

1億4000万円(税抜)

キラモサの2020
ロードカナロア キラモサ 母父 Alamosa
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 国本 哲秀

父は香港スプリント(G1・芝1200m)2回、スプリンターズS2回、高松宮記念、安田記念など19戦13勝。種牡馬としても基本的にはスピード型ながら、配合次第で2000m以上を得意とする馬も出す。アーモンドアイ〔ドバイターフ、牝馬三冠、ジャパンカップ、天皇賞(秋)、ヴィクトリアマイル〕、サートゥルナーリア(皐月賞、ホープフルS)、ステルヴィオ(マイルチャンピオンシップ)など重賞勝ち馬多数。

母はニュージーランド産。オーストラリアとニュージーランドで走り、VRCオークス(豪G1・芝2500m)、VRCウェイクフルS(豪G2・芝2000m)を勝つなど、ニュージーランド産馬らしいスタミナを武器に中長距離で活躍した。3代母オルガズパルはニュージーランド1000ギニー(G1)の優勝馬。日本で繁殖牝馬となり、初仔のアドマイヤミモザ(父ハーツクライ)は芝1800mの未勝利戦を勝って現在の戦績を5戦1勝とした。

母の父はニュージーランド産。ニュージーランドの名種牡馬オライリーの仔で、現役時代はオーストラリアとニュージーランドで走り、トゥーラックH(豪G1・芝1600m)、ソーンドンマイル(NZG1・芝1600m)など4つのG1を含めて7つの重賞を制した。種牡馬としてはオンザロックス(NZG1ハービーダイクS)、ストールンダンス(NZG1ソーンドンマイル)などを出している。芝向きのマイラー型種牡馬。

当歳 スターシップトラッフルズの2020
(牡 鹿毛)

2020年3月24日生

1億3500万円(税抜)

スターシップトラッフルズの2020
ハーツクライ スターシップトラッフルズ 母父 Ghostzapper
販売者 社台ファーム 落札者 原村 正紀

父は有馬記念、ドバイシーマクラシック(UAE・G1)を制した名馬。種牡馬としても成功し、リスグラシュー(年度代表馬)、ジャスタウェイ〔天皇賞(秋)、安田記念〕、スワーヴリチャード(ジャパンカップ、大阪杯)、シュヴァルグラン(ジャパンカップ)など10頭のGIホースを出している。そのうち、リスグラシュー、ジャスタウェイ、アドマイヤラクティ、ヨシダが海外G1を勝った。トニービンを含んだ配合構成なので芝の中長距離に強い。

母はアメリカ産。北米でプリンセスルーニーH(米G1・ダート約1200m)を含めて27戦14勝という成績を残したスピード馬だった。その母ボビーユーズは名牝ナンバードアカウント(米2歳牝馬チャンピオン)を3×4でクロスさせた好配合馬。それだけに血統的な奥が深く、母はG1優勝馬という競走成績以上に繁殖牝馬としての可能性を感じさせる。アメリカ血統らしいパワー型のスピードが持ち味。

母の父はアメリカ産。通算11戦9勝で米年度代表馬に輝いた。仕上がりが遅れてクラシックには間に合わなかったが、3歳秋に本格化し、5歳春の引退までブリーダーズカップクラシック(米G1・ダート約2000m)を含めて破竹の6連勝を飾った。2000年代のアメリカを代表する名馬の1頭。種牡馬としてはダート中距離がベストで、日本ではワイルドフラッパーが牝馬限定のダート重賞を3勝した。母の父としても優秀。

当歳 カデナダムールの2020
(牡 鹿毛)

2020年3月19日生

1億2000万円(税抜)

カデナダムールの2020
エピファネイア カデナダムール 母父 ディープインパクト
販売者 ノーザンファーム 落札者 野田 みづき

父は14戦6勝。シンボリクリスエスの代表産駒で、母はオークス馬シーザリオ、半弟にJRA賞最優秀2歳牡馬リオンディーズ、同じく半弟に皐月賞馬サートゥルナーリアを持つ超良血。気性面の難しさを抱えながら菊花賞とジャパンカップを圧勝した。瞬発力よりもスピードの持続力を武器とし、スタミナも十分。初年度から牝馬二冠馬デアリングタクトを出した。

母は日本産。現役時代は3戦して未勝利に終わったが、血統的には素晴らしく、全兄のリアルスティールはドバイターフ(UAEG1・芝1800m)と毎日王冠を優勝、全妹のラヴズオンリーユーは無敗でオークスを制覇した。世界的な名牝ミエスク(ブリーダーズカップマイル2連覇)にさかのぼる名牝系に属し、3代母モネヴァッシアは名種牡馬キングマンボ(キングカメハメハの父)の全妹にあたる。

母の父は無敗の二冠馬コントレイルをはじめ日本ダービー馬を6頭出し、海外でも英2000ギニー、仏ダービー、仏オークスを制覇するなど産駒が大活躍。世界屈指の大種牡馬と評価されている。2012年以降リーディングサイアーの座にあり、JRAにおける平地GI勝利数は「56」〔京都で開催された2018年のJBCレディスクラシック(優勝馬アンジュデジール)を含む〕、海外G1は「16」。サンデーサイレンス譲りの鋭い瞬発力が持ち味で、芝のマイル〜中距離で圧倒的に強い。

当歳 フリーティングスピリットの2020
(牡 黒鹿毛)

2020年2月15日生

1億1000万円(税抜)

フリーティングスピリットの2020
キタサンブラック フリーティングスピリット 母父 Invincible Spirit
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 (株)インゼル

父は天皇賞(春)2回、天皇賞(秋)、有馬記念、菊花賞などGIを7勝した名馬。ディープインパクトの全兄ブラックタイドを父に持ち、母の父が短距離型のサクラバクシンオーでありながら、天皇賞(春)をレコード勝ちするなど長距離で無敵を誇った。血統的に多彩な引き出しを持っているので、決して中長距離専用ではなく、スピードタイプに出る仔もいるだろう。仕上がりは早いが、本領発揮は古馬になってから。

母はアイルランド産。ジュライカップ(英G1・芝約1200m)を勝ったほか、欧州の主要短距離G1であるキングズスタンドS、スプリントカップ、アベイドロンシャン賞で2着となった。繁殖牝馬としては、欧州時代にリステッドレースを勝ったカリーシーを出し、日本に輸入されてからはダイワメジャーと交配してクリスマスローズS(オープン特別)でハナ差の2着となったメメントモリを出した。頑固に短距離適性を伝える。

母の父はアイルランド産。欧州スピード父系の中心的存在であるグリーンデザートの子供で、現役時代にはスプリントカップ(英G1・芝約1200m)を快勝。種牡馬としても成功し、キングマン(サセックスSなどG1を4勝)、ムーンライトクラウド(ムーランドロンシャン賞などG1を6勝)など多くの活躍馬を出している。スピードの持続力に優れ、馬場の硬軟を問わない。半弟のコディアックも優秀な種牡馬だ。

栗山求(血統評論家)

大学在学中の1989年に競馬通信社入社。血統専門誌「週刊競馬通信」編集長を経て、現在はフリー。血統関係を中心に執筆活動を展開中。