3600万円(税抜)
父 パイロ 母 オーシャンフリート 母父 アフリート |
販売者 (有)村田牧場 落札者 小笹 公也 |
父は米国産。米17戦5勝。フォアゴーS(米G1・ダ約1400m)を制した。種牡馬成績は優秀で、JRA在籍馬の平地重賞勝ちはビービーバーレル(フェアリーS)、シゲルカガ(北海道スプリントC)のみだが、地方競馬ではハセノパイロ、タービランス、インディウムなど毎年のように大物を出している。気性の激しさは有名で、これが良くも悪くもパイロのトレードマークとなっている。
母はJRA5勝。最終的にオープンで走った。勝ち星はすべてダート1400m。タイプのはっきりした馬だったので産駒にもこの特徴を伝えそうだ。「アフリート×トニービン」はビッグウルフ、ミリオンディスク、ゼンノパルテノンが出たニックスで、2代母の「トニービン×カーリアン」も7頭中4頭が重賞で連対を果たしたニックス。綺麗な配合構成なので繁殖牝馬として期待できる。
母の父は加国産。ジェロームH(米G1・ダ約1600m)を勝って加年度代表馬に選ばれた。アメリカで種牡馬となり、後継種牡馬のノーザンアフリートが米二冠馬アフリートアレックスを出した。日本ではミスタープロスペクター系の代表的な種牡馬の1頭となり、プリモディーネ(桜花賞)、スターリングローズ(JBCスプリント)をはじめ芝・ダートを問わず多くの一流馬を出した。
3550万円(税抜)
父 ロードカナロア 母 リアルヴィーナス 母父 ネオユニヴァース |
販売者 (有)笠松牧場 落札者 東豊物産(株) |
父はスプリンターズS(G1)2回、高松宮記念(G1)、安田記念(G1)、香港スプリント(G1・芝1200m)2回など19戦13勝。種牡馬としても大成功し、アーモンドアイ(牝馬三冠、ジャパンC、ドバイターフ)、サートゥルナーリア(皐月賞、ホープフルS)、ステルヴィオ(マイルCS)、ファンタジスト(京王杯2歳S)、ダノンスマッシュ(京阪杯)などを出している。
母はJRA3勝。葵S(L)を勝ち、ファンタジーS(G3)5着。その半弟に現在オープン入りを果たしているラヴィングアンサーとブラックジョーがいる。名牝コルヴェヤ(ヘクタープロテクター、シャンハイ、ボスラシャムの母)の半姉プロスコナから出たファミリーで、しばらく鳴りを潜めてから母の代で再び活力を取り戻している。抱えている血が良好なのでいい母となりそうだ。
母の父は日本ダービー(G1)、皐月賞(G1)など5つの重賞を含めて13戦7勝。菊花賞を勝てば三冠だったが3着に終わった。種牡馬としてはヴィクトワールピサ(皐月賞、有馬記念、ドバイワールドC)、ロジユニヴァース(日本ダービー)、アンライバルド(皐月賞)、ネオリアリズム(クイーンエリザベス二世C)を出し、母の父としてはアエロリット、ルヴァンスレーヴを出した。
3550万円(税抜)
父 ハーツクライ 母 レックスレイノス 母父 Intikhab |
販売者 下屋敷牧場 落札者 森中 蕃 |
父は有馬記念(G1)、ドバイシーマクラシック(首G1・芝2400m)を制した名馬。種牡馬としても成功し、ジャスタウェイ(天皇賞・秋、安田記念)、スワーヴリチャード(大阪杯)、シュヴァルグラン(ジャパンC)など9頭のG1ホースを出している。そのうちジャスタウェイ、アドマイヤラクティ、ヨシダが海外G1を勝った。トニービンを含んだ配合構成なので芝中長距離に強い。
母は愛国産。英米で15戦2勝。アメリカンオークス(米G1・芝約2000m)3着、ハニムーンH(米G2・芝約1800m)3着という成績がある。これまで競走年齢に達した5頭の産駒がJRAで走り、勝ち上がったのはレッドファルダ1頭のみ。本馬の全姉ミコクイーンは2着が最高着順だった。ただし本馬は馬体が素晴らしく、そこが高く評価された部分で、おそらく姉とは次元が違うだろう。
母の父はエリザベス女王杯(G1)を連覇したスノーフェアリーの父として有名。同馬は欧州で愛チャンピオンS(G1・芝約2000m)や英・愛オークス(いずれもG1)を制している。ブルードメアサイアーとしては素晴らしく、日本ではダノンプレミアム(朝日杯FSなど重賞5勝)、サトノラーゼン(京都新聞杯)、サトノクロニクル(チャレンジC)を出している。芝向きの中距離タイプ。
3450万円(税抜)
父 ダンカーク 母 マチャプチャレ 母父 ヨハネスブルグ |
販売者 (有)チェスナットファーム 落札者 東豊物産(株) |
父は米国産。米クラシックレースのひとつベルモントステークス(米G1・ダ約2400m)で2着となった。名種牡馬アンブライドルドを父、ケンタッキーオークス馬シークレットステータスを母に持つ超良血で、アメリカ供用時代に新種牡馬チャンピオンとなった。芝・ダート兼用タイプで、アメリカ血統らしく仕上がりは早く、距離は2000mまでは守備範囲。
母はJRA6戦0勝。ダート1200mで3着という成績がある。ヨハネスブルグ産駒で母方にサンデーサイレンスが入り、なおかつミスタープロスペクターのクロスを持つ、という配合は、父の代表産駒ホウライアキコ、タガノブルグと同じ。2代母テンシノキセキはセントウルS(G3)やフェアリーS(G3)を勝っている。本馬は初仔で、アンブライドルド≒テンシノキセキ3×2は鮮やか。
母の父は米国産。2歳時に愛・仏・英・米のG1を制し、欧米双方の2歳チャンピオンに輝いた。引退後は米豪間を往復するシャトル種牡馬となり、2010年から日本で供用を開始した。最大の武器はスピードと仕上がりの早さ。日本ではホウライアキコ(デイリー杯2歳S、小倉2歳S)、ネロ(京阪杯2回)が重賞を勝った。アメリカではスキャットダディが後継種牡馬となって大成功を収めた。
3300万円(税抜)
父 スクリーンヒーロー 母 エスジーブルーム 母父 アフリート |
販売者 (有)辻牧場 落札者 三木 正浩 |
父は現役時代にジャパンC(G1)とアルゼンチン共和国杯(G2)を勝ち、天皇賞・秋(G1)でも2着に食い込んだ。レベルが高いとはいえない繁殖牝馬を相手に、モーリス(年度代表馬)、ゴールドアクター(有馬記念)、ジェネラーレウーノ(セントライト記念)、ミュゼエイリアン(毎日杯)などの活躍馬を出している。母方のサンデーサイレンス、ダイナアクトレスの影響を感じさせる。
母はダートで3勝。1200〜1700mで勝ち星を挙げた。その兄弟にエスジービーム(6勝)、エスジーバーニング(4勝)、エスジーナタリー(3勝)とパワー型の活躍馬が並んでおり、活力を感じさせる。「アフリート×マルゼンスキー」は桜花賞馬プリモディーネをはじめコンスタントに活躍馬を出したニックス。まだ若く配合的にも優れているので、今後さらに良駒を出せるだろう。
母の父は加国産。ジェロームH(米G1・ダ約1600m)を勝って加年度代表馬に選ばれた。アメリカで種牡馬となり、後継種牡馬のノーザンアフリートが米二冠馬アフリートアレックスを出した。日本ではミスタープロスペクター系の代表的な種牡馬の1頭となり、プリモディーネ(桜花賞)、スターリングローズ(JBCスプリント)をはじめ芝・ダートを問わず多くの一流馬を出した。
3300万円(税抜)
父 ロードカナロア 母 チェルビム 母父 サンデーサイレンス |
販売者 奥山牧場 落札者 前田 晋二 |
父はスプリンターズS(G1)2回、高松宮記念(G1)、安田記念(G1)、香港スプリント(G1・芝1200m)2回など19戦13勝。種牡馬としても大成功し、アーモンドアイ(牝馬三冠、ジャパンC、ドバイターフ)、サートゥルナーリア(皐月賞、ホープフルS)、ステルヴィオ(マイルCS)、ファンタジスト(京王杯2歳S)、ダノンスマッシュ(京阪杯)などを出している。
母チェルビムは18年前のセレクトセール当歳セッションで5600万円(税抜)の高値がついた良血馬。エガオヲミセテ(マイラーズC、阪神牝馬特別)、オレハマッテルゼ(高松宮記念、京王杯SC)の全妹、フラアンジェリコ(京成杯AH)の4分の3姉にあたる。ダイナカールにさかのぼるファミリーはわが国屈指の名牝系だ。JRAで走った産駒7頭中4頭が勝ち上がっている。
母の父はわが国が持ち得た史上最高の名種牡馬。1995年以降13年連続リーディングサイアーの座につき、ブルードメアサイアーランキングでも2007年以降首位に立っている。ディープインパクトやハーツクライといった後継種牡馬も大成功している。すでに日本競馬の枠を超え、世界の血統シーンのなかで重要な地位を占めるに至っている。芝向きのスピードと瞬発力が最大の持ち味。
3200万円(税抜)
父 ヘニーヒューズ 母 ピエナアマゾン 母父 アグネスタキオン |
販売者 (有)フジワラファーム 落札者 松本 好雄 |
父は米国産。ヴォスバーグS(米G1・ダ約1200m)、キングスビショップS(米G1・ダ約1400m)を制覇した。アメリカ時代に米G1を10勝した女傑ビホルダーを出し、マル外として走ったアジアエクスプレスとモーニンがG1を勝った。日本で種付けをして誕生した産駒にはワイドファラオ(ニュージーランドT、ユニコーンS)、ドンフォルティス(北海道2歳優駿)がいる。
母はJRA1戦0勝。ダートでオープンクラスまで出世したメイショウダグザの半妹で、「アグネスタキオン×キングマンボ」の組み合わせはアドマイヤメジャー(朝日チャレンジC3着)やスズカサンバ(オープンクラス)と同じ。繁殖牝馬としては優秀で、JRAで走った4頭中2頭が勝ち上がり、セントウルS(G2)と函館2歳S(G3)を勝ったアクティブミノルを産んでいる。
母の父は2008年のリーディングサイアー。日本ダービー馬アグネスフライトの全弟で、母アグネスフローラは桜花賞馬という超良血。現役時代は皐月賞(G1)など4戦全勝の成績を残した。種牡馬としては女傑ダイワスカーレット、日本ダービー馬ディープスカイ、皐月賞馬キャプテントゥーレなど多くの活躍馬を送り出し、母の父としてはノンコノユメ、ジューヌエコールなどを出している。
3200万円(税抜)
父 モーリス 母 アメージングムーン 母父 アドマイヤムーン |
販売者 (有)村田牧場 落札者 井山 登 |
父は安田記念(G1)、マイルCS(G1)、天皇賞・秋(G1)のほか、海外でも香港マイル(G1)、チャンピオンズマイル(香G1)を制した近年最高のマイラー。戦績通り中距離もこなした。父系はスクリーンヒーロー→グラスワンダー→シルヴァーホーク→ロベルトとさかのぼり、2代母は重賞を4勝した名牝メジロモントレー。重厚さとスピードを併せ持つ血統は野性味にあふれている。
母は現役時代、札幌芝1200mの2歳レコード(1分09秒5)を樹立し、ファンタジーS(G3)で3着となった。スプリンターズS(G1)や高松宮記念(G1)など4つの重賞を制したローレルゲレイロの半妹にあたる良血。現2歳の初仔アメージングサン(父ロードカナロア)は函館芝1200mの新馬戦でクビ差2着と健闘した。繁殖牝馬としても高い能力を秘めていると思われる。
母の父は17戦10勝(うち海外3戦1勝)。3歳春のクラシックでは壁に跳ね返されたが、4歳時に本格化し、ドバイデューティーフリー(首G1・芝1777m)、宝塚記念(G1)、ジャパンC(G1)を勝った。種牡馬としては父エンドスウィープのスピードを伝え、高松宮記念(G1)を勝ったセイウンコウセイ、ファインニードルを筆頭にコンスタントに良質のスピード馬を出している。
3200万円(税抜)
父 ハービンジャー 母 シャドウカラーズ 母父 キングカメハメハ |
販売者 (株)前田ファーム 落札者 了徳寺健二ホールディングス(株) |
父は現役時代にキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1・芝約2400m)を大差レコード勝ち。種牡馬としても2018年の総合種牡馬ランキングで5位に食い込んでいる。ブラストワンピース(有馬記念)、モズカッチャン(エリザベス女王杯)、ディアドラ(秋華賞)、ペルシアンナイト(マイルCS)、ノームコア(ヴィクトリアマイル)などコンスタントにG1馬を出している。
母は現役時代、平地と障害で1勝ずつ挙げた。平地の勝ち星は芝1800m。京都4歳特別(G3・芝2000m)を勝ったケイウーマンの孫にあたり、近親にはモンテクリスエス(ダイヤモンドS)やマチカネキララ(札幌記念3着)がいる。「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」という良血で、ラストタイクーン3×3という大胆なインブリードを施された繁殖牝馬向きの血統構成だ。
母の父は2010、11年のリーディングサイアーで、12年以降は2位をキープしている。サンデー系が支配するわが国における最も重要な対抗勢力の祖で、短距離王ロードカナロア、ダート王ホッコータルマエ、二冠馬ドゥラメンテ、中長距離型のルーラーシップなど、さまざまなタイプの産駒を出せるオールラウンダー。ロードカナロアとルーラーシップが後継種牡馬として成功している。
3200万円(税抜)
父 モーリス 母 ラヴァリーノ 母父 Unbridled's Song |
販売者 (株)クラウン 落札者 前原 敏行 |
父は安田記念(G1)、マイルCS(G1)、天皇賞・秋(G1)のほか、海外でも香港マイル(G1)、チャンピオンズマイル(香G1)を制した近年最高のマイラー。戦績通り中距離もこなした。父系はスクリーンヒーロー→グラスワンダー→シルヴァーホーク→ロベルトとさかのぼり、2代母は重賞を4勝した名牝メジロモントレー。重厚さとスピードを併せ持つ血統は野性味にあふれている。
母は米国産。英8戦2勝。2代母はグロット賞(仏G3・芝1600m)3着馬、3代母は米2歳牝馬チャンピオンという良血馬で、近親には多くの活躍馬がひしめいている。日本で繁殖牝馬となり、現時点でJRAで走った産駒6頭中2頭が勝ち上がっている。スピードを伝えるミスタープロスペクターを4×3で持ち、重苦しいヨーロッパ血統とは無縁なので、素軽さと仕上がりの早さを伝える。
母の父は米国産。北米で12戦5勝。ブリーダーズCジュヴェナイル(米G1・ダ約1700m)を制した。アンブライドルド系の発展を担った1頭で、高いスピード能力を誇り、母の父がカロだけに芝適性の高さもセールスポイント。アグネスソニックがNHKマイルC(G1)で2着となった。母の父としてはスワーヴリチャード、トーホウジャッカル、ダノンプラチナなどを出している。
3200万円(税抜)
父 モーリス 母 スマッシュハート 母父 キングカメハメハ |
販売者 (有)酒井牧場 落札者 ノーザンファーム |
父は安田記念(G1)、マイルCS(G1)、天皇賞・秋(G1)のほか、海外でも香港マイル(G1)、チャンピオンズマイル(香G1)を制した近年最高のマイラー。戦績通り中距離もこなした。父系はスクリーンヒーロー→グラスワンダー→シルヴァーホーク→ロベルトとさかのぼり、2代母は重賞を4勝した名牝メジロモントレー。重厚さとスピードを併せ持つ血統は野性味にあふれている。
母はJRAで2戦0勝。2代母ビーナスラインは函館スプリントS(G3)を勝ち、3代母ホクトペンダントは報知杯4歳牝馬特別(G2・芝1400m)2着、4代母ホクトビーナスはキャリア2戦で臨んだ桜花賞(G1)でアタマ差2着となった名牝。名繁殖牝馬ツルマルワンピース(ブラストワンピースの母)と同じ「キングカメハメハ×フジキセキ」で、初仔ストロングラインは現3戦1勝。
母の父は2010、11年のリーディングサイアーで、12年以降は2位をキープしている。サンデー系が支配するわが国における最も重要な対抗勢力の祖で、短距離王ロードカナロア、ダート王ホッコータルマエ、二冠馬ドゥラメンテ、中長距離型のルーラーシップなど、さまざまなタイプの産駒を出せるオールラウンダー。ロードカナロアとルーラーシップが後継種牡馬として成功している。
大学在学中の1989年に競馬通信社入社。血統専門誌「週刊競馬通信」編集長を経て、現在はフリー。血統関係を中心に執筆活動を展開中。