クラシックはもちろん、世界に通用する大物が育成されているノーザンファーム早来。今年も13厩舎を総力取材しました。ノーザンファーム空港から異動された早来営業(事務局)主任の門正憲氏による“門馬”も要チェック!
「動きが最初からずっと良く、常にトップグループで進めてきました。少し線が細かったり、勝ち気な性格をしていたりと心配な部分もあったのですが、すべて克服してきてくれています。線がきれいで品のある馬体をしており、距離の融通は利きそうですので1600〜1800mでのデビューになるかなと思います。もう少し成長を促して、夏を越してからの出走を目指して移動することになりそうです」
「父の名前を聞くと変化球≠ノ思われるかもしれませんが、タイプ的にはストレート≠ナ、芝の短距離が合いそうなタイプです。体を持て余すことなく、すごく素軽い動きをしてくれています。また調教でも強い負荷をこなせていますし、良い成長をしてくれていますね。7月の北海道、または福島1200mをイメージして進めています」
ブランノワール24(父エフフォーリア)。母が果たせなかった重賞制覇をこの馬が果たす。

フォーエバーヤングがBCクラシックを制覇、それ以前にもイクイノックスを輩出するなど、とにかく大谷翔平級≠フ特大ホームランが飛び出すのが桑田厩舎。2頭以外では、スペシャルグルーヴ24(父レイデオロ)は兄たち同様にダートが向きそうなタイプ。一方、フォエヴァーダーリング24(父レイデオロ)は兄と違って芝向きとのことでした。
「3ハロン42〜43秒と順調です。柔らかさとバネがあって、力強さというよりは軽さのあるタイプです。もっとしっかりしてきたときにどういう走りをするのか楽しみですね。4月中には移動して、夏デビュー出来たらと思っています。お姉さんのドリームコアも活躍しているので、この馬も頑張ってほしいです」
「坂路でもよく動きますし、早いうちから始動しようと思っているので、POG向きな1頭です。特に悪いところがなく、とにかく順調なので、3月移動、6月阪神でデビューができればと考えています。距離は短めになりそうで、パワーを要する舞台も問題なさそうです。2歳ステークスなどに出てくれたら面白いですね」
プレミアエンブレム24(父フィエールマン)。祖母のスピードと父の持久力が融合。芝の王道路線で。

「全体的には例年並み」といつも通り自然体で話す野崎厩舎長。2頭の他にはギエナー24(父インディチャンプ)に期待しているようで、マイルよりは意外に距離も持ちそうとのこと。大穴としてレッチェバロック24(父シルバーステート)をピックアップしてくれました。
「3ハロン42秒まで進めていて、3月上旬に移動予定です。イヤリングから来たときは439kgしかありませんでしたが、どんどん膨らんできました。この馬の長所はスピード。前向きな気性でもあるので、後々は短くなるかもしれませんが、6月の阪神・芝1600mでのデビューというイメージを持っています」
「ベースは3ハロン45秒で、速いときは42秒まで進めています。乗り心地が良く、先頭グループで進めていますが、もう一段階、動きの質が上がると思うので、さらに強化していきたいと考えています。早くても札幌1800mデビューかと思っているので、その時期に照準を合わせていきたいですね」
エリスライト24(父レイデオロ)。兄のクレパスキュラーよりコントロールが利きそう。

「自信がありません!」と「自信があります!」のテンションで答えてくれた小笠原厩舎長。この言葉の真意ははたして(笑)。そんな中でもシーウィルレイン24(父キズナ)は、時計を詰めた際の走りが良かったとのことでした。
「厩舎の中でイヤリングから最初に移動してきた馬で、現在は3ハロン45秒まで進めています。大きく動く馬で、走っているときのバランスが良く、ストライドがきれいですね。背中の感触もすごく良いですし、扱いやすくて反応も良いです。このまま成長していってくれれば。距離適性はクラシック、2000m以上かなと思っています」
「厩舎では2番手の組です。もともと少し華奢だったので、成長を促しながら進め、年明けから急にグッと張りが出て、馬体もふっくらしてきました。動きにはまだ幼さがありますが、それもだいぶ変わってきました。硬さがあるのでダートも向きそうですが、芝の中距離でのデビューを目指して進めていけたらと思っています」
ローズノーブル24(父エフフォーリア)。期待の新種牡馬産駒。素質は間違いなし。

「例年に比べても素質馬がそろっている」と自信を見せる八木厩舎長補佐。イチ押しの2頭以外には、良い動きを見せるというヴィルトゥース24(父ルーラーシップ)、秋が目標だというストリートバンド24(父コントレイル)に注目とのことでした。
「能力が高い分、やろうと思えば時計は出ると思いますが、脚元に注意しながら無理せずゆっくり進めています。背中は良いですし、乗り味も素晴らしく、走りは柔らかいですね。乗っているときは当然ですが、他馬に跨って横から見ても素晴らしい走りをしているなと感じます。馬体の成長を最優先に進めていければと思っています」
「前進気勢がありますし、走りのピッチが良いですね。順調に動けているので、4月移動を目標に進めています。牝馬ですが性格的にも素直で大きな問題もありません。433kgという体のわりに力強く動けていますので、これからさらに成長していくのが楽しみです」
ノチェブランカ24(父ポエティックフレア)。早期デビューも視野に。東京芝で躍動。

牡牝混合となった今年の伊藤厩舎は、良血馬がズラリ。POGファン注目のアーモンドアイ24に関して「携われるだけで幸せです」と笑顔で語る柴田さんが印象的でした。牡馬ではドリームローバー24(父Kingman)、マーゴットディド24(父キタサンブラック)の2頭を推奨してくれました。
「当初は秋デビューかなと思っていましたが、ここ1か月で動きがすごく良くなってきています。少し硬さはありますが、従順に走ってくれます。キレるというよりは、どこまでもバテることなくしっかり進んでいくような印象です。6月に移動して、9月の(中山)デビューをイメージしています」
「こちらに来たときから期待をしていて、その青写真通りにしっかり成長してきています。欠点がないタイプで、ゆったり入りながらもGOサインを出せばビュンと反応してくれますし、本当に乗り心地の良い馬ですね。このまま順調にいけば、宝塚記念当日の阪神1800mでデビューできれば良いですね」
ヴァルキュリア24(父クリソベリル)。クリソベリル産駒にしては軽く、芝でも!?

開業初年度からロブチェンがホープフルSを制覇。勢いに乗る加我厩舎からは今年も目が離せません。2頭以外では、「昨日移動してしまったのですが、お見せしたかったんです」とケイティーズハート24(父モーリス)を教えてくれました。相当な素質を秘めているようです。エフフォーリアの半弟ということで血統的にも大注目の逸材。こちらも要チェックです。
「一番早い組で進めています。柔らかさとバネ感が素晴らしく、体の使い方や乗り味も抜群ですね。折り合いがつくので、距離の融通は利くと思います。気性面に多少の不安はありますが、そこさえコントロールできれば、重賞級だと感じさせる素質を持っています。4月の移動を目標にしています」
「見た目も走っている姿もチェッキーノ24とよく似ています。2頭を比べると、現状では、こちらのほうが身の入りが良いかなと感じています。気性は繊細なところがありますね。前進気勢が強いので、舞台は少し短めになるかもしれません。6月デビューも視野に入れて進めています」
ミルヴィオ24(父シスキン)。数少ない父の産駒は、さらに本領発揮。母の初仔とは思えない成長力。

新種牡馬であるエフフォーリア産駒の2頭を紹介してくれた後藤厩舎長補佐。この大物候補の他に、POG的に面白そうなのが、ソヴィエトキャッチ24(父St Mark’s Basilica)。前進気勢が強く、早い時期から短距離での活躍が期待できそうです。
「5月生まれですが遅生まれという感じもなく、ここまで順調にきました。エピファネイア産駒ですが、カッとならない性格で、操縦性も高いです。スピードもありますし、距離は持ちそうですよ。デビューする頃には一段と良くなりそうです。自信を持っている1頭です」
「3ハロン42秒を乗っていますが、行け、行け≠ニ促さずとも楽に時計が出ます。走りのセンスが高く、体の収縮がすごくてバネを感じますね。ゼロから一気にトップスピードへ乗るスピード感は、厩舎の中でもトップクラスだと思います。山根厩舎長も自信を持ってクラシックを目標にしている1頭です」
ダンダラ24(父ロードカナロア)。ロードカナロアから牝馬の大物がここに誕生!

現3歳世代はスターアニスが阪神JFを勝利。毎年のように活躍馬を送り出す山根厩舎ですが、今年も強力な布陣。取材班の感触としてグルヴェイグ24には、相当な手応えをつかんでいる印象でした。林厩舎長補佐からは、大物候補として血統注目のクロノジェネシス24(父サートゥルナーリア)、早期始動なら動きの良いマイティースルー24(父フィエールマン)の名前が挙がりました。
「牡馬の中では2番手グループで進めています。430kgと小柄ですが、フットワークが軽くて牝馬のようなタイプ。運動神経が良く、身のこなしはディープインパクトを感じさせます。神経質な面がキレにつながればと思います。距離はマイルかなと思っていましたが、延びても対応できそうです。夏の新潟デビューを目指しています」
「このきょうだいはずっと扱っていますが、父の形が出るのか、みんなタイプが違いますね。この仔はパワーがあるので、マイル前後で面白そうです。これまでの姉たちと比べても遜色ないと思っています。そろそろミヤビの仔でタイトルが欲しいですね。移動はGW前後をイメージしています」
セットスクエア24(牝、父サリオス)。父の産駒らしい筋肉の持ち主。牝馬とは思えないパワフルさ。

伊藤厩舎と同じく牡牝混合となった村上厩舎。例年より早く攻められているようで、現時点では特に牡馬の成長が目立っているとのこと。その他には、ハードな攻めをこなしているナスティア24(父ロードカナロア)や、素質を秘めるカルタエンブルハーダ24(父キタサンブラック)という牡馬2頭がオススメとのことです。
「こちらに来たのは遅かったのですが、そこから一気に他馬に追いつき、先頭までくることができました。体に芯があり、それが良い動きにつながっています。誰が乗っても高く評価するほど、フットワークや乗り味が良いですね。距離もある程度持ちそうです。阪神の1600m、小倉の1800mをイメージしています」
「ハロン14〜15秒まで順調にきていますが、もう少し負荷をかけて送り出したいですね。もともと少し硬さはありますが、フットワークが良く、良いバネを持っています。1つ上の全姉(プラウディッツ)が2000mを勝っているので、この馬も6月移動で10月東京1800〜2000mでのデビューを目標にしています」
ウィラビーオーサム24(父アドマイヤマーズ)。バネのように弾む走法。父の力は本馬が示す。

今年は馬格のある馬が多く、しっかり乗り込めていると自信をのぞかせる倉宗厩舎長。2頭以外では、早期活躍の期待ができるというグランワルツ24(父ミスターメロディ)の名前も飛び出しました。すでに入厩の予定も立っており、素晴らしいスピードを持っているとのことです。
「少しゆっくり進めていましたが、年末あたりから馬体が安定し、少しずつ時計を上げています。背中の柔らかさと走りのきれいさ、そしてバネ感がこの馬の良さ。距離はそこまで長いイメージはないので、マイル前後でしょうか。ここから筋肉量を増やして、6月移動、秋デビューを目指しています」
「イヤリング時に順調さを欠いた時期はありましたが、その後は順調で何の苦労もなく進めてきました。走りに関しても全く問題ありません。キタサンブラック産駒の牝馬にしては幅があって、体がしっかりしています。4月の移動を予定しています。距離はあったほうが良さそうなので、7月の福島・北海道1800mを目指していければと思っています」
クルークハイト24(父オルフェーヴル)。オルフェーヴルがまだまだ存在感をアピールしていく!

2年目を迎える岡本厩舎長によると、現2歳世代は「これからの成長力に期待」とのこと。その他には、牧場全体でも注目されているクリスプ24(父オルフェーヴル)、乗り味抜群のルナシオン24(父エフフォーリア)、1400mのスペシャリストを目指すサンダードラム24(父キタサンブラック)の3頭をリストアップしてくれました。
「最初からトップグループで進めてきて、3月に移動予定です。スピードがありそうで、背中の良さや脚捌きに光るものを感じます。コントロールや口向きに問題もなく、メンタル的にはマイル以上、持ってもおかしくないと思います」
「こちらも3月移動で考えています。本当に(優秀な)優等生で、手がかからない馬です。函館の1200mに行けたらと思っています。全体的な体の伸びが良く、速いところをやってもへこたれないので、高いレベルで走れそう。マイルまでなら大丈夫だと思います」
デアレガーロ24(父モーリス)。スピードスター誕生。桜花賞まで突っ走る!

昨年はドリームコアを紹介してくれた大谷厩舎。クラシックでもエンブロイダリーが2冠を達成するなど絶好調です。今年も粒ぞろいのラインナップから、本命級はユナカイト24(父ロードカナロア)、隠し玉ならヤングスター24(父コントレイル)がオススメとのことです。後者は「POG向きではないものの、クラシックを期待できる逸材」とのことです。
「420kgと小柄ですが、今のところ順調です。こちらに来たときから形が良かったので、それを壊さないようバランスを保ちつつ成長を促してきました。ストライドが大きく、背中が柔らかいですし、心肺機能の高さも感じます。どちらかというとスピードタイプで、小回りよりは広いコースの方が向きそうです」
「体格の小ささと気性の激しさからゆっくり進めてきましたが、ようやく心身が追いついてきました。走らせると運動神経が良く、ストライドも大きいです。能力は非常に高いですね。距離はマイルくらいが良さそうです。デビューは秋頃になるかなと思います」
ジュントップヒトミ24(父キタサンブラック)。軽いスピードタイプ。ビュビュッと差し切る!

ノーザンファーム空港から異動してきた島厩舎長。早来1年目の今世代は、緩さはありつつもトラブルなく順調に進められているようです。ほかには、早期デビューが期待できるポロンナルワ24(父シルバーステート)、そしてエンブロイダリーの半妹ということでPOGファンも気になる1頭、ロッテンマイヤー24(父クリソベリル)はダート路線の注目株です。
本コンテンツは、黄色のPOG本 「POGの王道」2026-2027(双葉社)の一部を掲載しています。