コスモヴューファーム
牧場現地リポート

期待の新種牡馬産駒がデビュー

2021年に拠点を移し、施設も新たにリニューアルオープンしたコスモヴューファーム。
山の尾根に沿うように作られた全長1000mの坂路コースは、序盤300mの急勾配で一気に負荷をかけるため、当初は苦しがる育成馬が続出したという。「今年は馴致がスムーズに進んだため、1歳の早い時期から屋内・外トラックでじっくり周回を重ねたことで、坂路へ入れる前にしっかりと体力を付けることができました。その甲斐あって、坂路へ入れた後も急勾配の坂路に手こずる育成馬も減りましたし、早い時期から15−15も取り入れつつ調教を進めることが出来ました。今年はこれまでで1番の乗り込み量になりましたね」と話すのは、川口祐一調教主任。

今年はウインが送り出した待望の新種牡馬ウインブライトのデビュー年。当然バックアップ体制も万全で、先日ビッグレッドファーム明和で行われた公開調教にはウインアルテミス22 (牡)とコスモチェーロ22 (牡)がエントリー。坂路で迫力ある走りを披露した。

ウインアルテミス22は、「松岡騎手が"この馬に乗りたい"と指名した馬で、フットワークの良さは父にそっくりと絶賛してくれました。産駒の出来の良さをアピールするためにも、東京の開幕週でその走りを全国の競馬ファンに見てもらいたいです」と自信の1頭。

GT香港ヴァーズなど重賞3勝を誇るウインマリリンの半弟となるコスモチェーロ22も、その能力、期待度の高さは負けてはいない。「坂路では1、2を争う良い動きを見せていて、走り方は姉に良く似ていますね。まだ414キロと見た目の割に軽いですし、馬体が出来上がるまで時間のかかる血統なので、じっくり乗り込んで秋のデビューからクラシックの王道を歩ませたいです」と力を込める。

そのコスモチェーロ22と双璧を成す動きを見せていたのがサマーエタニティ22(牡、父アルアイン)だ。ウインブライトの半弟になる。「この2頭がトップ2で、常に良い併せ馬、他馬を置き去りにして2頭で先頭を駆け上がってきます。どちらかというとパワータイプで、持続的に良い脚が使え、先行力もありますね」

牝馬からは、品があって歩く姿だけで目を引いてしまうというウインシャトレーヌ22(牝、父エピファネイア)。「スラリと脚長で、ここの砂の深い坂路はあまり得意そうではないですが、それでも馬体を目一杯使ったフットワークは美しいです。地面の凍結がなくなり、外トラックで乗れるようになればもっと良い動きを見せてくれそうですし、カリカリした気性ではないのでクラシックディスタンスも問題ないでしょう」

開幕からクラシックまで、多種多様なタイプのウインブライト産駒が、競馬場で躍動することになりそうだ。