ドバイワールドカップ制覇の偉業に挑んだウシュバテソーロは惜しくも2着に敗れたものの、日本馬の獲得賞金ランキングで首位に立った。国内ではシリウスコルトが弥生賞3着で皐月賞の権利を奪取し、楽しみな春を迎える飯田正剛代表、飯田貴大専務に推奨馬を聞いた。

トップバッターを飾るのはやはりこの馬、ウシュバテソーロの半妹となるミルフィアタッチ22（牝、父ミスターメロディ）。
「贔屓目抜きにしてもこれは良い馬。父の特徴が良く出ていて、悍性が強い気性、スピードを前面に押し出していく走りで、兄とはタイプが違いますね。兄はダートで頂点を極めたとはいえ芝で3勝を挙げていますし、芝も十分こなせそうです。ここまで順調ですし、夏の新潟あたりのデビューになりそうです」（貴大専務）

現状、世代トップの動きを見せているというのがプレシャスライフ22 （牡、父サトノダイヤモンド）。正剛代表にして「父に似た光るものを持っている」と絶賛。「近親にサークルオブライフがいるように、仔出しが良く、種馬を選ばない安定した牝系。半兄ヴェローチェオロも中〜長距離重賞で活躍しているし、もう少し伸びが欲しくて配合したのがこの馬」（正剛代表）
「狙い通りと言いますか、跳びがきれいで動きが良く、体幹がしっかりしていて長く良い脚が使えそうなタイプ。このまま順調に磨きをかけていきたいですね」（貴大専務）

早期デビューから桜花賞を狙いたいという逸材はパイオニアプライド22（牝、父リアルスティール）。「母はホエールキャプチャの全妹で、非常に良い動きを見せています。前進気勢が強くピリッとした気性は競馬向きと言えますね。ピッチ走法ですが手先は軽く芝にも対応できそう。さらなる成長が伴えば大きなところを意識できる器です」（貴大専務）

プロディジー22（牡、父ゴールドシップ）は、「当歳の頃から飛節の伸びる歩き方に好感が持てて、動かしたら背中が柔らかくしなやかな筋肉で大きなフットワーク。距離はあってこそでしょう。将来性がありそうで完成形が楽しみな1頭、今はまだ薄手の馬体で見映えはしないけど完成するのが楽しみ」（貴大専務）

最後に、競馬ファンが気になるウオッカの孫、タニノアーバンシー22（牡、父ロードカナロア）についても尋ねた。「大型馬の多い血統でなかなか難しかったけど、この父を迎えていいサイズに抑えられました」（正剛代表）
「年前は時間がかかりそうなイメージでしたが、ここ1、2か月で一番変わった馬ですね。調教を重ねるごとに、ゴロンとしていた馬体がシャープになり動きにも芯が入ってきました。血統背景からも大いに期待しています」（貴大専務）