2009年に社台ファームが市場のバックアップをスタートさせてから、加速度的に注目度が高まった「千葉サラブレッドセール」。
社台ファーム東場長のインタビュー内でも、毎年のように「千葉セリの目玉のうちの1頭」という言葉が飛び出しているように、POGファンにとっても無視できないセールになっている。
18〜21年にかけてオメガパフュームが東京大賞典を4連覇を達成。22年には、藤田晋氏がドーブネを5億円超え(税込み)で購入するなど、大きな話題も生まれたが、今春ついに千葉セリ出身のベラジオオペラがJRAの芝GTを制覇したことで、セールはさらに注目を集めるに違いない。
そこで今回は、JRA所有馬3頭目にしてGTオーナーの勲章を手に入れた株式会社ベラジオコーポレーションの森川幸平社長に話を聞いた。
まずはベラジオオペラでの大阪杯勝利おめでとうございます。初のGT制覇。勢いが凄まじいですね。
ありがとうございます。まさか勝てるとは・・・(笑)。
POG本ということで、ベラジオオペラ(税込4851万円)は当然のこと、毎日杯3着のベラジオボンド(税込1億1000万円)を含め、千葉セリで活躍馬を見つけるポイントを教えていただきたいと思って、取材に来ました。
実はポイントというものはなくて、上村(洋行)先生とお会いしたのがすべてだと思っています。先生が社台ファームの方と関係があり、北海道にたびたび行かれて情報を仕入れて来られるんですよ。我々はそれに乗っかるだけです(笑)。
それにしても、中央所有馬が述べ4頭で、そのうち2頭が重賞で互角以上に戦っているなんて、強運にもほどがあるなと思います。
強運だとしたら上村先生に出会えたことだと思います。馬主のライセンスを取った当初は、別のスタッフが馬選びを担当していたんです。ただ、その人間が退職して、我々が引き継ぎ、最初に行ったセールで上村先生とお会いしたんです。
18年開業の厩舎ですから、いろいろとタイミングが合ったんですね。
私も競馬歴は長いので、ナムラコクオーやゴールドアリュールの上村騎手だ〜って感じでしたね。そこからともに歩んでいくことになるとは思っていませんでした。
そして社台ファームとのつながりがある上村調教師を介して、千葉セリに参加されるようになったんですね。
それもありますし、私どもがせっかちなんで1歳馬のセール、ましてや当歳のセールまでデビューまで待てないんです(笑)。
競馬ゲームみたいに、カレンダーを早送りできないですからね(笑)。
実際、オペラを買う前は、馬主事業の継続は無理なんじゃないかという声が会社で出ていたんです。
調べてみると、17年から本格的に馬主をされていますが、当初は園田競馬が中心だったんですね。
実は馬主のライセンスを取った目的には、海外事業を盛り上げるという側面が大きかったんです。世界の中でも日本競馬の馬主というのは、大きなステータスですから。
グアムでもパチンコ店を経営されていますよね。
ですのでJRAというよりは、関西に本社を構える企業として、地元に恩返しをしたいという気持ちもあり、園田競馬に馬を入れました。
しかし、馬がまったく走らなくて、赤字がどんどんと膨らんでしまいまして・・・。お話ししたように、会社の利益になると思って始めた活動ですから、それでは本末転倒。ベラジオオペラが走らなければ、馬主は辞めようと会社で決まっていたんです。
もしかしたら千葉セリに参加するのは、1回だけだったかもしれないんですね。
その時に同時に購入したベラジオソノダラブが菊水賞を含む現在6勝を挙げ収得賞金はオペラに次いで2位です。そのおかげで、馬主を続けられることができました。
上村調教師とお会いして流れが変わったわけですね。そして翌年、1億1000万円でベラジオボンドを購入と、桁が一つ上がりました。その時の心境をお聞かせください。
いい質問ですね(笑)。当然、ドキドキしましたよ。ただ、オペラがスプリングSを勝った後でしたし、周囲の強い思いもあり、我々も突き進みました。
今年の千葉セリはベラジオオペラのGT勝ちもあって、さらに高値になる可能性があります。
今から緊張していますよ(笑)。
今年の千葉セリも参加される予定ですか。
はい。(取材時の)現時点では、まだ何も情報がないので、注目している馬などはいないのですが、これだけファンの方々に注目していただいていますし、セリにも参加して明るい話題を提供したいですね。
ユーチューブ(ベラジオちゃんねる)も話題になっていますね。
パチンコ屋なので、いろんなことをやりたかったのですが、たくさんの方に応援していただけるのですっかり競馬チャンネルになってしまいました(笑)。
お客さまにも「また勝ったね」と声をかけられますし、競馬関係者に来店していただいたり、すべてが良い感じでつながっているのはありがたいです。
今年の千葉セリ、そしてベラジオ軍団の活躍を今度も注目いたします。本日はありがとうございました!
これからもレースで勝てるように頑張りますので、応援よろしくお願いします。
本コンテンツは、黄色のPOG本 「POGの王道」2024-2025(双葉社)の一部を掲載しています。