今年も牡馬8厩舎、牝馬8厩舎、合わせて16厩舎を総力取材。POGファンなら避けては通れない超良血馬に、厩舎長が密かに期待する"推し馬"まで、徹底的に聞いてきました。
そして空港の厩舎リポートで忘れてならないのが空港営業(事務局)主任・門正憲さんの存在でしょう。恒例となった門さんが各厩舎1頭ずつ推奨する"門馬"。昨年の成績は、ここまで9勝と二桁勝利目前のところまで来ている。各厩舎のイチ押し馬はもちろん、門馬にもご注目ください!
Saxon Warrior産駒は成長が遅めなことが多いのですが、この馬は早めに入厩する予定で、札幌デビューを目標にできそうなほど手応えがあります。動かすとスピードがあり、柔らかい。洋芝が合いそうな走りをしています。乗っていても悪さをせず、指示に従ってくれますし、それでいて前進気勢もあります。芝の1600〜2200mくらいが合うと思います。札幌2歳Sを目指したいです。
成長力が凄い馬。イヤリングから来た当初は華奢だったのですが、みるみるうちに大きくなり、特に肩や臀部が成長しました。それでいて、まだこれからも成長すると思いますし、ポテンシャルは高そうです。ゆったりと走るので、距離は長いところが合うのではないでしょうか。馬体的にはダートにも適性がありそうですが、最初は芝でも走れると思います。
クイックリトルミス22(父アドマイヤマーズ)。
アドマイヤマーズの一番星!
2年目を迎える齋藤厩舎長。これまでとやり方を変え、かなり攻めている中でも、全体的にまとまって良い状態で進められていると、手応えを掴んでいる様子でした。その他の注目馬で挙がったのは、大器の呼び声高いスウィートリーズン22(父ドゥラメンテ)。「成長途上だけどしっかり動ける。馬に合わせてじっくり進めたほうが良さそう」とのこと。速攻タイプならダノンオスカル22(父ミッキーアイル)。初戦から好勝負が期待できそうです。
4月29日生まれで、まだ成長の余地がありながら、この時点でも体力、筋力、骨格ともに競走馬に近づいている状態です。走りもバランスが良いですし、パワーもあって、しっかり溜めも利きます。4月移動を目標にしています。3F45秒を切る時計に適応して、体つきもグッと良くなりました。距離は、クラシックディスタンス、長距離も向いていると思います。期待が大きい1頭です。
こちらに来たのが10月で、時間が掛かるかなと思っていたのですが、体力がしっかりあり、この仔なら段階的にペースを上げていけば早期移動できると思って進めてきました。年明けにハロン15秒の調教を始めたのですが、今では余裕を持って調教をこなしています。条件はダート1600〜1800mくらいが良いのではないでしょうか。ダートの大きいところを狙える馬だと思っています。
ミカリーニョ22(父サートゥルナーリア)。
サートゥルナーリア産駒の牡馬ではトップクラス!
厩舎の中では2番手グループで、時計自体は出るのですが、体の成長中ということもあって我慢させているところです。全体的に柔らかいタイプではないですが、背中自体は柔らかく使えていますね。夏前〜夏に移動して、9月くらいのデビューが目標。距離は、2000m前後が合いそうです。現状、気持ちが入るところがあるので、前向きさを削がないようにコントロールしながら、大事に進めていきたいと思います。
この馬は確実に走ってくれると思っています。かなりの前向きさがあり、来た時から、どれだけでも動いてしまうというほどでした。うちの厩舎は、空港でも乗り込み量が多いほうなのですが、その中でも一番乗り込んでいるのではないでしょうか。ウィークポイントは特になく、脚元も問題ありません。6月東京マイルでのデビューを目指しています。
ノチェブランカ22(父バゴ)。
初仔でもしっかりしている。活躍次第で海外も視野に。
B-2厩舎で育成されたドウデュースが、昨年末の有馬記念で復活Vを果たし、「かなり盛り上がりました。ドウデュースが北海道に戻って来た夏に、携わることができたので嬉しかったです」と、笑顔を見せてくれた石井さん。この2頭以外の注目馬を聞くと、リリレフア22(父スワーヴリチャード)が「走りが凄く柔軟で、乗った人みんなが絶賛するほどです。後々は大物になりそうな予感があります」と、かなりの期待を寄せていました。また門馬のノチェブランカ22も、6月デビューが目指せるほど仕上がりが早いそうです。
筋肉量が豊富ですが、ゆったりと走ることができています。トモも使えていますし、身体能力の高さを感じますね。肩回りの筋肉もしっかりしてきましたが、そこまで大きくなる馬ではなさそうです。これから芯が入ってくれば、さらに良くなっていくと思います。距離はマイル前後が良いのではないでしょうか。5月中旬には移動して、8〜9月にデビューできればと思っています。
ゴンバデカーブースの半弟にあたりますが、この馬も能力が高そうで、立ち姿も申し分ありません。この馬も8〜9月にデビューできれば。気性は大人しいですが、坂路に行くと前向き。何としてもクラシックを狙っていきたいです。成長力は持っていると思います。ホープフルSに駒を進めてほしいですね。
ヒップホップスワン22(父ニューイヤーズデイ)。
2世代目であるNYD(ニューイヤーズデイ)の時代が来る!
昨年は「3本の矢」として、厩舎の期待馬を挙げてくれた足立厩舎長。「今年は2本の槍で行きたいと思います」と、太くして紹介してくれました。ドゥレッツァで菊花賞を制覇するなど、厩舎に良い風が吹いているようです。その他にPOG向きだというのが、エリーシエズワールド22(父Saxon Warrior)。厩舎全体のアベレージは高いと、自信を持っている様子でした。
順調にきています。馬体もしっかりしていて、バネもあるし、コントロール性もあるので楽しみな1頭です。走りも柔らかいですし、センスを感じさせてくれます。距離はマイル以上でしょうか。馬っぷりもいいですし、調教にも意欲的。矢作先生にも定期的に確認していただいているところです。デビューはそこまで遅くならないと思っています。
ここに来て、筋肉のメリハリが出てきて、動きも前向きになってきました。ここからさらに良くなりそうな1頭だと思っています。乗っていてバネを感じますし、走り方としては芝で弾けそうですが、パワーも感じるので、ある程度馬場が渋っても大丈夫そう。走りのセンスは高いので、中身を磨いていきます。5月には競走馬として仕上がってくると思うので、それからの移動を目標にしています。
リリーバレロ22(父キタサンブラック)。
秋の東京でデビューし、3戦目でのクラシック制覇!
2歳世代について聞くと、「凄く順調ですね」とはっきり答えてくれた藤波厩舎長。「今年は遅生まれの産駒が多いのですが、今の時点でも動ける馬が揃っています」とのことで、今後の成長にも期待できそう。その他では、アパパネ22(父ブラックタイド)が「バネがあって良い走り。風格もあります」とさすがは良血馬といった素晴らしい動きを見せているようです。早期デビュー組ならスミレ22(父へニーヒューズ)。門馬のリリーバレロ22も乗り味は良く、成長次第では大きいところも狙える逸材だそうです。
まだ成長途上で、緩さはありますが、シャープな動きで背中の柔らかさを感じます。バランスが良いので、これからどんどん変わってくると思います。距離は短めだと思いますが、スプリントというほどではありません。気性も真面目で、優等生ですね。
リアルスティールは幅広いカテゴリーで活躍馬を出していますが、この馬も融通が利きそうなタイプだと思います。早い時期のデビューをイメージしています。
何のトラブルもなく順調に進められました。筋肉量が豊富で、一見パワー型に見えるのですが、跨ると柔らかさもあるので、芝、ダートどちらかに偏ることもなさそうです。お母さんも芝で勝っていますし、どちらでも走れそうですね。背中はしっかりして安定感もありますし、気性面も難しいところは特にありません。調教も人間が促して、それにきっちりと応えてくれています。
ステップオブダンス22(父ドレフォン)。
ダンスを踊るかのような軽やかなステップを披露してくれます。
伊藤隆行厩舎長の代わりに取材に応じてくれた藤春厩舎長補佐。イチ押し馬について聞くと、「僕は答えられません」と最初は謙遜気味でしたが、こちらが「そこを何とか!」と粘ると、ベルスリーブ22(父アドマイヤマーズ)を挙げてくれました。「才能豊かな産駒が多いのでどの馬にも期待しています」と、最後に素晴らしいコメントもいただきました。
動きはかなり良くて、ポテンシャルが高い馬です。体力もありますし、背中も柔らかく、切れ味を感じさせます。最初はあまり目立つところがなかったのですが、年末から動きにメリハリが出てきて、凄く良くなってきました。操縦性も高いです。移動はまだ決まっていませんが、6月の京都1800mデビューをイメージしています。
中型で遅めなのかなと思っていましたが、グングンと大きくなってきました。成長力が凄いですね。もともとトップ集団にはいましたが、一番成長した馬だと思っています。3F43秒の調教をやっても、へこたれないくらいの体力があり、溜めて切れるスピードもありそうです。距離は2000mくらいが良さそう。これから、まだまだ成長すると思っています。
カレンオプシス22(父ルーラーシップ)。
気性も扱いやすく、距離もあって良い。
高見厩舎長の代わりに、「去年に比べると、調教量を増やしたり、チャレンジしてやれているなと思っています」と答えてくれた岡嶋厩舎長補佐。手応えを感じている様子でした。それ以外で挙がったのが、アンソロジー22(父マジェスティックウォリアー)。「ダートで大きいところを狙っていけると思っています」と、ダート路線でも楽しみな1頭です。
走ることが好きで、前向きすぎるくらい走ってくれるところが一番の長所です。引っ掛かるというより走りたいという気持ちが強い馬。健康状態も脚元も問題ないので、早めに移動できればと考えています。現状やればやるだけ動いてしまうので、セーブしながら、"冷静に走るんだよ"と基礎的な部分を重点的に作っているところです。距離は、マイルから2000mくらいのスタートになるのではないでしょうか。
操縦性の高さなど、とにかく賢い馬です。良い意味では、乗り手に従順。それが一方では、ポテンシャルを余しているということでもあります。たとえば、まだやれるのに乗り手がOKを出したら、それでいいかなとなるので、"もっとはみ出て良いんだよ"と教えています。まだ余裕がある感じなので、移動までの残りの期間で、隠している部分を引き出していきたいですね。距離は2000mあたりが良さそうです。
ダンサール22(父レイデオロ)。
順調ならクラシックに乗れる!
「全体的に見ると成長が少し遅くて待たなければいけない馬が多いかな」と慎重な口ぶりだった佐々木厩舎長。ただ、そうして成長を待ちつつこの厩舎から頭角を現したのがビザンチンドリーム。粒は揃っていると厩舎長も話しているので、他の馬も要チェックです。2歳戦の短いところを狙っていけるラカリフォルニー22(父ミッキーアイル)、楽しみな素材だというドナウブルー22(父ロードカナロア)、マイルが合いそうなポロンナルワ22(父アドマイヤマーズ)がオススメ馬として挙がりました。
移動してきた当初は、体が幼かったのでゆっくり進めてきましたが、成長力が豊かで、凄く大きくなりました。顔が小さく品があり、動きからはスピード能力の高さを感じます。運動センスも良いと思います。馬体はまだ成長するはずですので、6〜7月に移動できればと思っています。距離は長くても良いイメージです。
それほど早くはないですが、センスが凄くありますね。距離はそんなに短くなさそうで、マイルくらいあっても良さそうです。乗り味的には1600〜2000mまで持ちそうなので。背中が良いし、走りは跳びも大きく、"ザ・芝馬"のような感じ。奥ゆきがあり、まだまだ成長しそうです。デビューは秋になると思います。
ラクアミ22(父ハービンジャー)。
踏ん張りが利き、楽々と動ける。
昨年はリバティアイランドが大活躍したことで、「リバティアイランドに追随したい」と話す佐藤厩舎長。実際、「良い馬が多く、期待が持てる」と話してくれました。出てきた2頭は、どちらも伸びしろがあり、リバティアイランドのようになれる可能性を秘めているとのこと。2頭以外でデビューが早そうなのが、門馬のラクアミ22とスリジエ22(父サートゥルナーリア)。前者に関しては、「良い意味でハービンジャー産駒っぽくない」とのことでした。
ゆっくりめではありますが、これまでずっと順調にきています。扱いやすく素直な馬。まだまだひと皮むけそうな気配を感じさせます。エピファネイア産駒にしては、おっとりとしたタイプで、距離はマイル〜2000mまで融通は利きそうですね。背中にも柔軟性があり、走りに硬さはありません。6月の移動を目標にしています。これからさらに良くなると思っています。
サトノダイヤモンド産駒なので、少し奥手なのかなとも思うのですが、持っているものはかなり良さそうですよ。これといった大きな欠点もなく、もともとシルエットのバランスが良く、品のある馬。6月の移動目標ではいますが、もしかしたら少し遅くなるかもしれません。距離は中距離あたりが良いと思います。
ストリートバンド22(父キズナ)。
パワーがあり、芝、ダートどちらも行ける!
「今年は、去年よりも更なる進化を目指して、馬作りをガラッと変えました」と話す佐野厩舎長。具体的には、馬が乗りやすかった半面、大人しすぎたそうです。そのあたりのバランスは本当に難しそう・・・。2頭以外の推奨馬を聞くと、「バレちゃうから、あんまり言いたくないんですよね」としつつも、ジュベルアリ22(父ナダル)、キューティゴールド22(父ロードカナロア)、を挙げてくれました。
手応えを感じている1頭です。気性的には大人しくて、扱いやすい。走っている時もコントロールが利きますね。馬体に関しては、そこまで大きくならないタイプかもしれませんが、馬体の寂しさは感じさせません。しなやかで切れ味がありそうで、距離はマイルくらいが合っていそうですね。今乗っている"重永厩舎長補佐絶賛!"と書いておいてください(笑)。移動は、4月下旬から5月上旬を目標にしています。
調教はハロン14-15をやっていて、トップグループで進められています。馬格があって順調です。本質はダートかと思っていますが、脚捌きに硬さがあるものの、筋肉は柔らかいので芝でも走れると思います。4月に移動して、早期デビューを目標にしています。気性は穏やかで扱いやすいですよ。
ローザブランカ22(父サートゥルナーリア)。
サートゥルナーリアの牝馬で、最初に勝つのでは。
現3歳世代は、アスコリピチェーノが阪神JFを制覇。春先からの成長力が物凄かったそう。その勢いに続けと言わんばかりに、2歳世代も順調に進められているようです。
馬体的にユキチャン22のライバルになりそうだというのが、アンデスクイーン22(父ナダル)。そしてもう1頭"推し"だというのが、メジロトンキニーズ22(父シスキン)。ともに新種牡馬ということで、こちらも要チェックです!
入場当初から見栄えのする馬体の持ち主で、お姉ちゃんのミッキーゴージャスが重賞勝ちしたように血統的にも魅力十分です。今のところ心配な点は何もなく、お父さんとお母さんの良いとこ取りをしているような感じです。現時点ではミッキーゴージャスやミッキークイーンよりも完成度が高いですね。夏までに移動することを視野に入れており、2歳戦から活躍してくれそうですし、それでいて成長力もあると思います。母娘オークス制覇というのは、牝馬厩舎をやっている人間なら夢の一つ。ぜひ叶えてほしいと思っています。
この馬の一番良いところは心臓。排気量が大きいんです。乗った感覚なので外見上からは判断しにくいのですが、乗った時に強力なエンジンを感じさせます。姉のリバティアイランドと比較して、現状でそれより上とは当然言えませんが、リバティアイランドを抜きにしても良い馬ですよ。あと1〜2か月でグンと良くなる感触もあります。切れ味がありそうで、距離はマイルが一番合っているかなと思います。リバティアイランド同様、新潟でデビューできればと思っています。
フィニフティ22(父モーリス)。
全身バネの塊。直線で弾けそう。
昨年出していただいたルシフェルとクイックバイオが、ともに阪神JFへと駒を進めました。「取材に来ていただいているので、その時点で期待が高い馬を出しています」と話す中川厩舎長。今年の2頭もクラシック戦線を賑わしてくれそうです。その他では、ラストグルーヴ22(父レイデオロ)、パストフォリア22(父ロードカナロア)、マニーズオンシャーロット22(父ロードカナロア)の名前が挙がりました。
来た時は、もう少し小ぶりな馬だったので、そこまで早くないかなと思っていたのですが、年末からグーッと体高も伸びて逞しくなってきました。走りにも前向きですし、14秒台にもすぐ対応してくれました。ストライドも大きいですし、手応え以上に時計が出ているタイプです。今も良くなっているところで、伸びしろも感じます。距離はマイル前後で、切れ味がありそうな動きをしていますね。3月中に入厩して、夏デビューを目指しています。
レガレイラの妹なので、血統的に注目される馬ですね。お姉さんが活躍する以前から、この馬の動きには期待していました。成長速度は少しゆっくりめかもしれないので、3〜4月で良くなって、秋のデビューを目標にしています。距離はシュヴァルグラン産駒なので長めでもいいかもしれません。広々としたコースが合いそうですね。
ジュントップヒトミ22(父ドゥラメンテ)。
雄大な馬体で、ドゥラメンテ産駒最高傑作になれる。
昨年取材したライトバックがエルフィンSを勝利。「何とか間に合ってくれました。今年の世代も、出てきてほしいですね」とホッとしたように話した高島厩舎長。厩舎長になって2年目で多少余裕が出てきたようです。その他のオススメを聞くと、リュラ22(父ドレフォン)を紹介してくれました。「線が細いので幅が出てくれれば。動きは抜群です」
もともと動きが凄く良くて、期待が高かった馬です。馬体に少し幼さがあったので、時間をかけたほうがいいタイプなのかと見ていたんですが、ここに来ての良化具合が著しく、早期移動もできるかなという感触ですね。走らせると、かなりのバネを感じさせ、乗り味は凄く良いですね。いかにも芝で切れそうなタイプです。GW明けくらいに移動して、8月の新潟マイルを目標にしていましたが、使えるのであれば6月の東京でも良いと思います。相当高いポテンシャルを持っているので、楽しみな1頭です。
来た時から物凄い筋肉量。パワーとスピードを兼ね備えています。先行して押し切る競馬があっていそうなタイプですね。気性的には、チャカチャカとする部分はありますが、それが良い前向きさにつながっていると思います。4月上旬〜中旬には入厩して、6月に使おうかという話も出ています。距離はピッチ走法に近いので1400mあたりでしょうか。
キングスローズ22(父エピファネイア)。
どんなところでも戦えるような精神的な大物感を感じさせる。
3世代目の今年は、今のところ順調に進められ、「3世代の中でも一番期待値が高い」と言う菅原厩舎長。色々と取り組んでいることが、良い方向に進んでいるとのことでした。その他、POG向きなのがゴーマギーゴー22(父キズナ)。穴っぽいところでは、マイミスリリー22(父サトノダイヤモンド)、早めに移動しそうなパロネラ22(父シュヴァルグラン)が面白いとのことでしたが、今年は総じてキズナ産駒が良いとも付け加えてくれました。
こちらに来たのが、少し遅かったこともあり、ゆっくりめに進めています。まさに走るエピファネイア産駒というイメージで、乗った感じがオーソクレースやアルセナールに似ています。個人的には、無駄な動きがなくて、スッと動くのが走るエピファネイア産駒で、それに近い動きができていると思います。持っているエンジンは相当なもので、奥ゆきはかなりありそうですよ。性格はまったりしているので、本気になったら相当なものを持っていそうです。
マンビア22(父スワーヴリチャード)。
スピード能力が非常に高い。桜花賞を狙える。
どちらかというと控えめな印象の林厩舎長ですが、「今年は本当に良い」と仕上がりに満足な様子。ただその直後に、「ひいきされていると思うくらい・・・」と"らしさ"も出してくれました。その他で注目は、やはりサンブルエミューズ22(父ブリックスアンドモルタル)。この馬について聞くと、「これまでの中で完成度が一番高い。能力は相当あるとい思います」と、衝撃のコメントが飛び出しました。ナミュールやアルセナールより完成度が高いというのは、最大の褒め言葉ではないでしょうか。
さらには、ドバイマジェスティ22 (父リアルスティール)も「少し遅いかもしれませんが、GT級の素質があり、かなり期待できます。距離はマイルから2400mも走れそう。リアルスティール産駒は硬めの馬が多いですが、この馬はバネがありますよ」と、絶賛。コンドコマンド22(父ドゥラメンテ)、ショウナンパンドラ22(父サートゥルナーリア)、モアザンセイクリッド22(父レイデオロ)も注目馬のようです。
トップグループで進めています。サートゥルナーリアに関してはまだ僕も分からない部分があるのですが、それを抜きにしても良い馬ですよ。距離も持ちそうですし、2歳のマイル戦にも対応できると思います。イヤリングから来た時は、臆病なところがあったのですが、今はそうした部分も解消されています。これから筋肉が付き、幅が出てくると思います。順調にいけば、6月に使えるのではないでしょうか。
いつでも移動できるという進行でここまで来ました。スピードがあり、乗り味も抜群。バネもあって凄く良い走りをしています。気性的に、我が強いところはありますが、それも良い方向に出ています。課題はありますが、順調にいけば、しっかり勝てると思っている1頭ですよ。距離は走りのバランスが良いので、持つと思います。
ウィラビーオーサム22(父ミッキーアイル)。
距離は短めになるかもしれないが、突き抜けてほしい。
昨年は、1頭目に桜花賞馬のステレンボッシュ、2頭目にサウジアラビアRC2着のボンドガールを出していただいたと伝えると、「よし!」とガッツポーズを見せた橋口厩舎長。今年もここまで順調で、不安もなく進められているということでした。2頭以外では、「早期デビューが狙えてなおかつ、乗り味が凄く良い」というアンジュシャルマン22(父リオンディーズ)、秋に向けて良くなる気配が感じさせるというラッドルチェンド22(父キタサンブラック)、順調なメジロツボネ22(父ドゥラメンテ)の名前が挙がりました。
本コンテンツは、黄色のPOG本 「POGの王道」2024-2025(双葉社)の一部を掲載しています。