大雪警報が発表された2月下旬の某日。厳しい寒さにへこたれそうな取材陣を尻目に、堂々と立ち振る舞っていた将来のスター候補性たち。
牡馬6厩舎、牝馬6厩舎、合わせて12厩舎を総力取材した!
完成度が高く一番進んでいる組にいるので、3月中の移動、6月デビューを目標にしています。ナダル産駒の特徴なのか、少しワンペースなところはありますが、スピードもありますし、唸るような馬体をしています。最終的にはダートが主戦場になるかもしれませんが、2歳戦なら芝1400mあたりが良さそうですね。
欠点がなく、本当に良い馬ですね。性格、背中、操縦性も良く、品もある。速い調教をこなしても息が上がらないので、心肺機能も強いと思います。3月には移動して、6月の京都1800mあたりに出てきてくれることをイメージして進めています。手応えを感じている1頭です。
昨年は控えめな山内厩舎長でしたが、今年は何度も「大丈夫!」と口にしていました。この2頭以外もかなり順調に進んでいるようで、サロニカ22(父エピファネイア)もかなりの逸材の様子。そして「一発を秘める」と話すのが、大注目のアーモンドアイ22(父エピファネイア)。良い上昇曲線を描いているようです。じっくり進めているハープスター22(父サートゥルナーリア)、短めの距離で面白そうなEuthenia22(父Blue Point)、これからさらに良くなりそうなレーヴドゥラメール22(父キタサンブラック)と、どの路線でも「大丈夫!」と思えるほどの好メンバーが揃っていました。
走りがきれいで、芯がブレないところが一番の長所。また、柔らかみや安定感もあります。サートゥルナーリア産駒は初めてなので他と比較はできませんが、最初から馬体のバランスが良く、ここまで順調です。距離はマイル以上が合いそうなイメージを持っています。少し神経質な部分はありますが、そこが大人になれば、さらに良くなると思っています。
現在は2番手グループで進めています。ピッチ走法気味なので、距離はやや短めになるかと思いますが、反応も良いですしスピード感もあります。その反応の良さが変な方向に行かないようにしつつ、もう少しパワーが欲しいので、ここから乗り込んでさらに成長してくれたらと思っています。夏デビューが目標です。
昨年の取材で出していただいたホウオウプロサンゲとマーシャルポイントは、ともに勝ち上がり。今年の世代に関しても、順調に進められているようです。その他では、進行が早いヤングスター22(父キズナ)、馬体のバランスが良く奥を感じさせるトレジャーステイト22(父フィエールマン)の名前が挙がりました。
現状、2番手のグループで進めています。幅があまりなかったので、3番手にいたのですが、1つ上のグループに入りました。もともと馴致の時から背中が凄く良くて、大事に進めていきたいと思い、じっくり成長を待ちながら進めていましたが、かなりしっかりしてきたので徐々にペースアップしてきました。5月下旬の移動を目標にしています。背中も、フットワークも良いですし、ドゥラメンテの代表産駒になってほしいです。
悪いところはまったくありませんが、最初からじっくりやると決めていたので、秋のデビューを目標にしています。兄のジャスティンパレスも早来にいて、この時期は餌を残したりして、最初はかなり細かったんです。そこからの成長力を見てきているので、この馬もあえて待っているところです。距離は2000m前後が合うかもしれません。
取材時点で3歳世代が16勝、そのうち新馬勝ちも10頭以上と好成績を挙げている木村厩舎。さらに、「2歳世代も手応えを感じています」と木村厩舎長が話すように、今年もクラシック戦線を賑わしてくれそうです。その他には、ポジティブマインド22(父ドゥラメンテ)、マイハッピーフェイス22(父キタサンブラック)、プリームス22(父ナダル)の名前が挙がりました。
馬体の成長を待ちながらじっくり進めています。母の血統的には短距離寄りなのですが、フィエールマン産駒ということもあり、距離は持つと思います。気性的にも、扱いやすくて大人しいですよ。
ここ最近、凄く良くなってきた1頭です。あまり見栄えがするタイプではなかったのですが、だいぶ体高も伸びました。走りも前重心だったのが、意識して乗っていたこともあり、バランスも良くなってきました。移動は夏頃で、ダートの中距離で活躍してくれたらと思っています。ダート界を盛り上げていってほしいですね。ちなみに、顔はイクイノックスに似ているんですよ。
昨年、フォーエバーヤングを紹介していただいた桑田厩舎長の代わりに、取材を受けてくれた吉田厩舎長補佐。「自信はあります」と話すように、粒揃いの様子。早期移動を見込めるのが、クインアマランサス22(父ナダル)、動きが良いのがダンシングラグズ22(父レイデオロ)とレディアンジェラ22(父レイデオロ)。レイデオロ産駒2頭には注目しておいたほうが良さそうです。トレジャリング22(父アドマイヤマーズ)も、良いものを持っているとこのことでした。
一番進んでいる組にいて、ここまでずっと順調にきていますね。来た時から乗り役が、"この馬良いよ"と話すなど、もともと体の使い方が良かったので、期待しながら扱ってきました。最初は芝でも良さそうですが、パワーがあるのでダートでも面白いのかなと思っています。距離は1600〜1800mあたりが合いそうですね。能力が高い1頭だと思います。
昨年は注目馬として挙がったシンエンペラー、ダノンマッキンリーが活躍するなど、絶好調だった小笠原厩舎。今年も注目です。後藤厩舎長補佐が「個人的に面白いと思っている1頭」と話すのがヒカルアモーレ22 (父ワールドエース)。ワールドエースの代表産駒を目指せるほどの素質を持っているようです。
現在は2番手グループで進めています。動かした時の感触はかなり良いです。柔らかくてスピードもありそう。気性的に、跨るとカリカリする部分はありますが、走っている時は引っ掛かることもなく乗りやすいし、抑えも利いています。距離は2000mくらいが良さそうです。能力は良いものを持っていますし、これから成長してくれると思います。
昨年、名前が挙がった中でキャプテンシーがジュニアCを勝利。厩舎長初年度から見事、結果を残しました。今年も総じて順調な世代ということですが、POG向きだというのがグラマラスライフ22(父ハービンジャー)。「一番早い組にいて、一番動く」そうで、厩舎の初陣を飾ってくれそうな1頭です。あとは、レッドパラス22(父ルヴァンスレーヴ)はダートだけでなく芝でも面白い1頭のようです。
フットワークが良く、前向きさはエピファネイア譲りでスピードもあります。身体能力が高いですね。少し環境の変化に敏感なところがあるので、そのあたりが成長してくれればと思っています。5月の移動が目標で、クラシックに乗ってほしいと期待しています。
バランスが良くて体幹もしっかりしています。ロードカナロア産駒らしい緩さもあるので、成長力もまだまだありそうです。5月に一度、入厩できればと友道先生と話していますが、デビューはもう少しゆっくりになるかもしれません。この馬もクラシックに出てほしいと思っています。
今年も良血馬が揃う村上厩舎。全体的に粒が揃っており、順調に進められていると話してくれた舩嶋厩舎長補佐。2頭以外では、ドナブリーニ22(父ドゥラメンテ)が、動きが凄く良く、仕上がりも問題ないので4月中の移動を目標にしているということでした。
跳びが大きくて、体をしっかり使った良いフットワークをしています。イヤリング時から評判馬でしたが、こちらに来てからも、その評価はまったく変わることなくここまできています。福永先生にも"ええ馬やな"と仰っていただけていますし、当然クラシックを意識しています。マイルから2400mにも対応できると思います。
5月に移動、8月のデビューを目標にしています。最初は、体は立派でしたが、気持ちの面で難しいところがあったので、焦らずに進めてきました。体のわりにスッと動きますし、スタミナがあるので、中距離以上が良いと思います。オークスに向かえたら良いですね。大人しいタイプではありませんが、それが走る方向に向かってくれれば。ここに来て馬体も凄く成長していますが、本格的に良くなるのは夏以降だと思っています。
昨年はチェルヴィニアがアルテミスSを勝利。加我厩舎長補佐は、「全重賞制覇が厩舎の目標」だと話してくれました。王道路線で期待の2頭以外では、北海道デビューを目指しているアドマイヤアロマ22 (父マクフィ)、短距離で良さが出そうなテディーズプロミス22(父アドマイヤマーズ)、ミスエルテ22(父キズナ)、エピックラヴ22(父ジャスタウェイ)がオススメとのことでした。
一番進んでいる組にいます。少し胴が詰まっていますが、スピードがありそうで、雰囲気も良いですね。距離は、1400〜1600mが合いそうですね。気性的に難しさがあるかなと思っていたのですが、今のところまったく悪いところは出てきていませんね。3月中の移動を目標にしています。
キャンターに伸びがあり、スピード感が凄いですね。距離も持つと思います。東京でもいけると思っていますが、エピファネイア産駒らしく気性的に少しピリピリした面があるので、北海道に戻して少し楽させてあげてもいいのではないかとも思っています。これから腹回りが増えてくれば、さらに良くなりそうです。
佐藤厩舎といえば、ホープフルSを勝ったレガレイラについて聞かないわけにはいきません。「レガレイラとガルサブランカもここで挙げることができて良かったです」と、佐藤厩舎長は笑顔を見せてくれました。その他では、早期デビューが期待できるPOG向きな馬がグランデアモーレ22(父ニューイヤーズデイ)。Deirdre22(父Wootton Bassett)も順調にペースアップできているそうです。
最初は体も薄めで体重も今より30キロくらい軽くて、どういう成長をしてくれるのかと思っていたら、想像以上に幅が出てくれました。体力面はかなりあると思います。馬体的には、お母さんと形がそっくりなのですが、筋肉はお母さん以上につくかもしれませんね。セールスポイントは柔軟性。中距離が合いそうなので、7月の小倉1800mを目標にしつつ、早ければ6月末の京都も目途に入ってくると思います。
厩舎長初年度となる倉宗厩舎長。手応えを聞くと、「馬体重が軽い馬でも、430キロくらいはキープしてくれているし、全体的に揃っている」と話してくれました。
そんな倉宗厩舎長が他に期待しているのが、ソニックグルーヴ22(父スワーヴリチャード)。「スピード感があり、1400〜1600mが合いそう」とのこと。そして少し頓挫があったものの、大器として注目されているのが、マラコスタムブラダ22(父ドゥラメンテ)。「3か月休んだ影響がほとんどないところまで戻ってきました。姉のレシステンシアと同じ進め方で良いと日下主任とも話しています」と、今後の成長を見逃せません。
大型馬ですが、重々しさを感じさせません。フットワークが大きくて、45秒くらいなら楽に動けてしまうタイプ。3月の移動を目標に進めてきていますが、秋になってさらに成長しそうなので、少し待っても良いのかなと思っています。距離も、マイルよりは中距離が良さそうなので、桜花賞よりオークス向きかもしれませんね。
「今年はみんないいですよ」と自信を覗かせた大谷厩舎長。オススメ馬を聞くと、「どの馬にしようかな」と、迷うほどのラインナップ。その中から大谷厩舎長に指名されたのは、ジョイカネラ22(父Frankel)。日下主任も、「POGにピッタリ。東京の短いところから進めていきたい」と話していた1頭。要チェックです。
1歳の時から、体幹が強くて乗り味も良く、凄くバランスが良い馬です。奥手な血統なのでここからさらにもう一段、二段上がってくれたらと思っています。今月中に移動できればと思っています。半姉のサラキアもうちの厩舎にいたのですが、この馬のほうが、現時点での完成度は高い思います。ドゥラメンテ産駒なので、カリカリする面があると思っていましたが、手が掛かることもありません。
昨年は名前を出していただいたスミレファーストが勝ち上がり。今年は、例年にも増して順調に進められているようです。サロミナ22と並ぶエース格となりそうなのが、ラヴズオンリーミー22 (父サトノダイヤモンド)。「動かしてみてお姉ちゃん(ラヴズオンリーユー)に似ている気がします。体重の増え方も同じで、動きは抜群に良いですね。ポテンシャルは高いと思います」と、相当な素質を感じさせるコメントをいただきました。
本コンテンツは、黄色のPOG本 「POGの王道」2024-2025(双葉社)の一部を掲載しています。