坂東牧場
牧場現地リポート

オジュウチョウサンが引退!

説明不要の障害王者から2歳Sの勝ち馬まで、多彩な育成馬を送り出す坂東牧場。

荒木一仁ゼネラルマネージャーは、「昨年までと大幅に育成方針を変えた点はありませんが、しっかりと乗り込むことができておりトレセンでの調教に耐えられるよう整えられています。言わば、育成場としての根本を改めて重視しています」と話す。

基礎体力強化に余念がない育成馬は、例年以上に力強く映った。「例年と比べて技術が向上し連携もうまくいき全体的にスムーズでした」とは岡本渉マネージャー。さっそくその中から選りすぐりの育成馬を紹介しよう。

まずはGI3勝の母を持つ、メイショウマンボ21 (牡、父エピファネイア)。
「フワッとしたステップでスピードの乗りが良くうまく体を使って走るあたりは、さすが血統馬と思わせますね。高い潜在能力は間違いないので、母譲りの我の強さや気の勝った面を上手くコントロールできるよう師と連携を取り、進めています」

これだけの血統だけに、プレッシャーを感じるとしつつも、荒木氏は大きな期待を寄せる。

岡本氏からは、アメイジングライト21(牡・父ドゥラメンテ)について伺った。
「現在は15-15のスピード調教も取り入れつつ順調に進んでいます。ブレーキングの頃から良い馬でしたが、こちらが求める通り、順調に成長してくれて、総合力の高さが特長ですね。筋力と敏捷性を併せ持つタイプなので、芝中距離で決め手を活かす競馬が合いそうです」

同じくドゥラメンテ産駒では、青葉賞を制したプラダリアを兄に持つ、パフュームセント(牝・母シャッセロール)もスタンバイ。
「成長を見つつじっくり進めていますが、プラダリアもこの時期は目立たない存在だったので、良血らしい一変に期待しています。走りにも変わってくる下地は感じさせます」

新種牡馬のレイデオロ産駒からポムフィリア21(牡)は、
「順調に15-15までやれており3月下旬には本州へ移動予定です。常にこちらの要求に的確に応える賢さがあり、乗り役は行き出すとすごい≠ニ語っています」とのこと。

岡本氏からは、ペブルガーデン21(牡・父アメリカンペイトリオット)の名前も挙がった。
「父に似て柔軟性に富んでいて、体を上手に使って淀みなくロスのない走りができます。気性の問題もなく、持久力を生かすレースが合いそうな走りです」

順調なら3月下旬には本州に移動予定で、早めのゲート試験を目指しているという。

ダート路線の交流重賞が整備される初年度世代だけに、その候補も聞かないわけにはいかない。荒木氏のオススメとしてまず挙がったのが、テンザンオトヒメ21(牡・父シニスターミニスター)だ。
「調教は質・量ともに多いグループで順調に進めています。体の芯の強さを感じさせる弾力に富んだフットワークが特長で、スピード・筋力ともに申し分なく、集団での調教でも目立つ存在です。父の仔らしく完成度が高く、競馬向きの性格でしょう」

今年もPOGファンを楽しませてくれそうだ。