ビッグレッドファーム
牧場現地リポート

6月デビュー組から大器も待ち構える

昨年も、宣言通りの早期デビュー勝ちを決めているビッグレッドファーム。POG取材馬の中からは、コスモサガルマータが6月デビューから2戦目で勝利すると、紫菊賞を連勝。マイネルズーメンが7月の福島でデビュー勝ち。マイネルビジョンも2戦目となる7月の福島で勝利を挙げた。そんなビッグレッドファーム真歌の育成馬から、期待の2歳馬を聞いた。

2年前に導入したトレッドミルを、今年の2歳世代から積極的に使用することで運動量の増加につながったと話すのは九鬼勝己場長だ。
「今まで休養馬を中心に使っていましたが、この世代は馴致から使ってみました。筋肉の張りが良くなって逞しさが増したのは言わずもがな、輸送熱が減ったのも驚きの効果でしたね」

トレッドミルを併用して鍛え上げられた馬の中で、一番手に名前が挙がったのがコスモレオナルド (牡、父ゴールドシップ、母ミルルーテウス)。半兄のコスモカレンドゥラは芝中距離路線で5勝を挙げている。
「気性に少しうるさいところがある血統ということで、馴致から気難しいところを見せていました。5月生まれなので夏競馬でのデビューになるかもしれませんが、この馬の素質は別格。父産駒特有の緩さもなく、フットワークの良さ、背中の感じもクラシック候補"とスタッフから高評価を得ています」

スタッフの評価ではコスモレオナルドと双璧をなすのが、マイネルバーテクス(牡、父エピファネイア、母マイネレーツェル)。母はローズSなど重賞2勝し、牝馬クラシック皆勤賞だった。
「歩きがしなやかで風格すら感じられます。動かすとしなやかなままに、体を上手に使ったフットワークを見せています。これからトレッドミルを併用して攻め込んでいます。ゲート練習もスムーズにできていますし、クラシックの大舞台を目指して仕上げていきたいですね」

牝馬のオススメは、コスモエスメラルダ(父ゴールドシップ、母コスモリープリング)。半姉コスモポポラリタが、地方・ホッカイドウ競馬で重賞2勝。
「姉の活躍で繁殖としての評価が上がりましたね。父産駒の緩さが残り、今は一旦休ませているところです。体は大きいけど5月生まれですし、夏前には送り出したいと思っています。大きなフットワークが好印象で、これから運動量を強化して緩さを解消していく予定です」

一昨年、新設されたばかりのビッグレッドファーム泊津では、初年度からマイネルケレリウスが6月の東京芝1600m戦でデビュー勝ちを飾っている。
「昨年は施設を使いこなすために試行錯誤をしていましたが、今は落ち着いてペースが掴めてきました。1本18秒の坂路を基本に、馬の体力に合わせて本数を増やしていき、15-15まで速める調教を行っています」
と話すのは、出口宰史場長。

今年もデビュー勝ちを狙う筆頭格のマイネルフランツ (牡、父ゴールドシップ、母マイネアロマ)は、抜けた存在だという。「こちらに来た当初は目立つ馬ではなく、秋口から体高が出てくるとグンとよくなりましたね。坂路調教を始めると、みるみる頭角を現し、今では世代トップクラスの動きを見せています。フットワークが他の馬とは違いますし、追い切りでは常に先着しています。6月生まれなので馬体もまだまだ成長するでしょうし、ぜひクラシック路線に乗せたいですね」

乗り込みが進むにつれて評価が上がってきたのが、ラストクリスマス(牝、父リオンディーズ、母カーヴィシャス)。
「馴致当初は線が細く、少し頼りない印象もありましたが、馬体に幅が出てきて、力強いフットワークで走れるようになりました。追い切りでも素晴らしいスピードを見せていますし、仕上がりも順調。7月くらいのデビューになりそうです」

ユーバーレーベンの世代からより終い重点を意識した調教メニューに変えたというビッグレッドファーム明和。実績を上げ、このスタイルが定着しているようだ。

「この調教スタイルに変えてから、骨瘤が出たり冬場にガタッとくることもなくなりましたし、今年は雪が少なかったので乗り休んだ日もなく、順調な冬でした」
と自信を覗かせる榎並健史副場長。昨年の紹介馬からは、ゴールデンハインドが7月2戦目で勝ち上がると芙蓉S2着、フラワーC4着と奮闘し、推し馬として紹介したフェアエールングは、7月の福島で新馬勝ちを決めている。

今年の明和ツートップはグラビティブラスト (牡、父サトノアレス、母レヴリ)とグレンノアラシ(牡、父スクリーンヒーロー、母ビラゴーティアラ)。特にグラビティブラストは第一陣での移動予定と、仕上がりが早い。
「完成度の高い馬なので、6月の東京デビューを視野に調教を進めています。手応え十分なパワフルな走りができていて、ここまで手加減せずに攻め込んでこられました。この馬の走りで世代のレベルが測れると、思うので、順調にデビューしてほしいですね」

一方、遅生まれということもあり夏競馬でのデビューを目指すグレンノアラシは、
「5月29日生まれで、春先に一旦休ませれば、さらなる成長が見込めます。ガツガツしていない気性、一本調子ではない走りから距離の融通が効きそう。力強いフットワークは世代トップクラスと評価できますし、現時点でかなりの手応えを感じています」

この2頭に勝るとも劣らない動きを見せているのが、マイネルトバーン(牡、父ダノンバラード、母トバーン)。
「ゆくゆくはこの世代で1〜2を争う活躍ができると期待してる素質馬です。柔らかみのあるフットワークで水準以上の動きをしています。6月デビューも視野に入れていましたが、もう少し乗り込んで成長を促してから、夏デビューを目指していきたいですね」

多彩なラインナップでデビュースタンバイしているビッグレッドファームの2歳馬たち。早期デビュー組からクラシック候補まで取りそろえ、6月の新馬戦から楽しませてもらえそうだ。