思ったより悪くないというのが感想です。

というよりは、年末までグループとして重賞をひとつも勝てなかったし、2勝馬すら出てませんでした。「こりゃ、まずいな･･･」と思っていたところでダノンタッチダウンが朝日杯FSで2着して、ホープフルSをドゥラエレーデが勝ってくれました。年末で帳尻が合った、という感覚ですね。

去年の山内厩舎は、良い馬が揃っていましたからね。ドゥラエレーデにしたって、ここでも動いていたけど、厩舎長の評価が2番手だったから、名前が出なかったんでしょう。牧場からしがらきに移動した際、一緒に送った馬と比較して、「これが一番！」と絶賛されていましたからね。厩舎長は他に自信があったのか、評価にしっくりきていない様子で、首を傾げていたけど（笑）。まぁそれが、アイツらしいですけどね。

今年は、粒はそろっているけど、現状では少し小粒な印象かもしれません。

このあと、厩舎長の言葉を聞いてもらえば分かりますが、強気には言ってこないと思いますよ。去年はダノンザタイガーとダノンタッチダウンのような看板馬がいて、そういう馬がいると引っ張られるように他も調教量が増えていくものなんです。

そうなんです。だから期待が高い大物がいるときって、意外と厩舎のアベレージって上がらないものなんです。その点、今年は「入ってきた時からコイツはスゲェ」という馬が山内厩舎にはいませんでした。その分、丁寧な造りになっているから、全体的な仕上がりは去年より良いし、早いと思います。

素質があると、どうしてもどんどん進めたくなるんです。もちろん途中からの成長力で、素質馬を抜き去ることも多々あります。今年に関しては、ここまでの順調さや、現時点での仕上がりに関しては自信を持っているはずです。

ユードントラヴミー21（父オルフェーヴル）、ヒストリックスター21 （父レイデオロ）、サマーハ21（父リアルスティール）は、移動も遅くないし期待できると思います。
あと、今後の成長力も加味して、エラクレーア21（父アルアイン）、デグラーティア21（父ルーラーシップ）、ベルダム21（父エピファネイア）、ボンジュールココロ21（父ルーラーシップ）、モルジアナ21（父ミッキーアイル）あたりは良いと思いますよ。

すごく早いということはありませんが、成長力があって、最近はぐんぐんと良くなっているから、上位グループに位置していますよ。アルアイン産駒だと、兄や姉が思ったより結果がついてきていないから名前を出しにくい部分もあるけど、アーマイン21も悪くないと思いますよ。

野崎厩舎は逆に、去年があまり良くなかったからね。その点、今年は馬質が良いし、チェックのたびに周りから「やり過ぎじゃないの!?」って言われるくらい攻めることができていますよ。当然、攻めれば良いというわけではないのですが、仕上がっているんだから結果は付いてくるんじゃないかなと思っています。

ここはセルキス21 （父キズナ）とプリンセスロック21（父モーリス）が抜けて目立っていますね。厩舎長も話してくれるだろうけど、ずっと順調だし、坂路の動きを見ていても大物感がありますよ。あとドイツ語で正しい発音が難しいのですが、Waldjagd21 （父Kingman）。この前、ムルザバエフ（騎手）が来たときに、発音の仕方を聞いておけば良かったです（笑）。

ヨーロッパの馬は、乗り味は良いけどスピードが足りない馬が多いので、動きの良さだけで判断するのは難しいところもあるんです。だけどKingmanの産駒は、日本でも走っていますからね。スピードが足りないという心配が少ないのは魅力ですね。
あとは、アロマドゥルセ21（父ハービンジャー）、シンハディーパ21（父レイデオロ）、スカイフ21（父スワーヴリチャード）、ルールブリタニア21（父レイデオロ）。このあたりが上位グループで調整が進められていますよ。