今年はノーザンファーム早来・牡馬の調教主任のインタビューもお届けします。まずは昨年の年度代表馬イクイノックスを始め、多くの活躍馬を輩出している「林グループ」率いる林宏樹調教主任。今年、主任が手応えを感じている馬は、いったいどの馬だろうか。
例年、厩舎回りの際にいろいろとお話を聞かせてもらっていますが、今年は改めてインタビューさせていただきます。よろしくお願いいたします。
こちらこそ、よろしくお願いします。
林グループは今年も、新たにひとつ厩舎(石井厩舎)が増えました。そういった部分からも、牧場全体の勢いを感じています。
どこまで増えるのでしょうね。いい馬が各厩舎に散らばっているから、多くて見きれないくらいです(笑)。
その中から、走る馬を教えてもらいたいのですが・・・。
いっぱいいますよ。去年より出来自体は良いんじゃないかな。
では、少し昨年を振り返っていただきたいのですが、林グループの結果を振り返ると、いかがでしたか。
正直、もうちょっと走ると思っていましたけどね。今にして思う部分だけど、もっとしっかり乗ったほうが良かったのが反省点。そこを踏まえて、今年は例年と違って調教方法が変わりました。インターバルトレーニング(スピードの違うトレーニングを交互に行うこと)を例年なら2月からスタートしていたんだけど、今世代は10月から始めました。
効果がしっかり出ているんですね。
乗り込み量が豊富だから、1頭1頭の出来栄えが良いですね。昔は、何もわからず毎日坂路乗っていたけど、それに近いくらい今の世代は走っていると思います。
以前ハードなトレーニングを課していたのを、一度緩めたのには理由があるんですか。
大物は出ていたんだけど、その代償に故障馬が多くなって出走率が悪くなったんです。ただ、今は休みを入れたり、変化をつけることで、故障馬がグッと減りました。今世代は粒ぞろいですよ。
話は変わるのですが、林主任の好みというか、自然と目を引く馬体はどういったタイプが多いですか。
今年は距離問わず面白い馬が多いけど、個人的には中距離向きの馬が好きですね。
クラシックを意識できるような馬ということですね。
そう。これははっきりと意識している目標なんだけど、林グループになってまだクラシックを獲れていないんですよ。早来でも、ドゥラメンテ以来ダービーを勝てていないですからね。クラシックを何が何でも獲りたいですね。
本が発売される頃には皐月賞も終わって、ダービーへの勢力図も固まっている頃なので、「すでに(現3歳世代が)勝ってるじゃん」となっているかもしれないですけどね(笑)。きさらぎ賞勝ちのフリームファクシや、弥生賞勝ちのタスティエーラもいます。
そうなると期待しています。どちらも、ここにいるときから良い馬だったからチャンスはあると思いますよ。
それでは、林主任が期待している2歳馬について、具体的に教えてください。
まずはシェリール21(父ルーラーシップ)ですね。ずっと順調だし、これは走る手応えを感じています。
フリームファクシに続いて、2年連続でルーラーシップ産駒から大物誕生の予感ですね。
同じ木村厩舎では、アドマイヤローザ21(父モーリス)、ウイングステルス21(父サトノダイヤモンド)、ソブラドラインク21(父ドゥラメンテ)。ユキチャン21(父ヘニーヒューズ)も厩舎で見せてもらえると思うけど、いい馬だしデビューも早いと思いますよ。
次は、イクイノックスでクラシックは悔しい思いをした桑田厩舎をお願いします。
今年もいい馬が揃っています。ドゥラメンテ産駒でいいと思っているのがウィープノーモア21。あとはチャイマックス21(父ミッキーアイル)、インヘリットデール21 (父エピファネイア)、フォエヴァーダーリング21(父リアルスティール)。それと産駒みんな評価が高いけど、その中でも抜けているジンジャーパンチ21 (父スワーヴリチャード)ですね。
桑田厩舎長も、自信を持っていそうですね。
ジンジャーパンチ21に関しては相当自信があるはずです。パワーがあって扱いやすい。褒める言葉しか出てこないね。スワーヴ産駒なら、オールドタイムワルツ21も、デビューが早そうで手応えありますよ。
続いて小笠原厩舎ですが、いかがでしょうか。
クリスプ21(父ハーツクライ)、ハピネスダンサー21(父ドレフォン)、Starlet's Sister21(父Siyouni)あたりでしょうかね。
話題の高額馬ですね。
芝でも活躍できると思っていますよ。あと、ホームカミングクイーン21(父モーリス)が、ここにきてかなり良くなっていますよ。
では最後に石井厩舎お願いします。
オープンウォーター21(父ダイワメジャー)、インクルードベティ21(父ハーツクライ)、カンデラ21(父レイデオロ)、デアレガーロ21(父ロードカナロア)、アドマイヤリード21 (父モーリス)。今年が初年度になる厩舎だけど、さっき言ったように各馬の仕上がりは良いから、ある程度の自信を持ってデビューを迎えられると思います。あとは、それぞれ本人たちに聞いてください(笑)。
各厩舎長にうかがいたいと思います。ありがとうございました。
本コンテンツは、黄色のPOG本 「POGの王道」2023-2024(双葉社)の一部を掲載しています。