ノーザンファーム早来
厩舎リポート

厩舎長も自信満々!エースはどの馬だ!?

昨年の取材は記録的な大雪に見舞われたが、今年は晴天。「黄本が来ると天気が……」と言われずにすみました(笑)。

クラシックはもちろん、歴史的名馬になり得る逸材は、この中にいることでしょう!


村上厩舎(牝馬)村上隆博厩舎長

村上厩舎長

リミニ20
(父モーリス)

ここまで本当に順調で、一番進んでいる組にいます。4月下旬の移動を目標にして進めているので、夏デビューをイメージしています。フットワークがきれいで、距離は長いほうがよさそう。モーリス産駒は、夏を越してから体がしっかりしてくる印象があるので、夏以降の成長にも期待しています

村上厩舎長

レツィーナ20
(父ミッキーアイル)

まだ体がついてきていないところもあるので、無理せずしっかり乗り込んでいければと思っています。フットワークは軽くて、スピードに乗るといい加速をしているので楽しみです。秋デビューを目指していますが、順調なら北海道も視野に入るのではないでしょうか

今年は、全体的に順調な馬が多く、底上げができているという村上厩舎。出していただいた2頭以外にオススメを聞いたところ、「この馬は絶対に足しておいたほうがいいですよ」と出てきたのが、デニムアンドルビー20(父モーリス)でした。
「動きがデニムに似ていて、切れそうな脚があります。5月中の移動を目指しています」

その他には、アイムユアーズ20(父リアルスティール)は、小柄ながらも、フットワークがいいとのことでした。

山根厩舎(牝馬)岡本和大厩舎長補佐

岡本厩舎長
補佐

ダノンチェリー20
(父ロードカナロア)

ゆっくり進めていましたが、ここにきて上がってきました。トモの踏み込みや柔らかさは、母父ディープインパクトらしさが出ています。早ければ5月の移動を目標にしていましたが、暖かくなってさらに変わりそうですし、デビューは秋頃になるのかもと思っています

岡本厩舎長
補佐

コナブリュワーズ20
(父キタサンブラック)

入場当初から体の形もよかったのですが、少し線が細めでした。それが、調教でハロン15秒を始めてから、がっしりしてきました。距離はマイル以上が合いそう。長くいい脚を使うと思っていたけど、最近の動きを見ると、キレもありそうだと感じています

不在の山根厩舎長に代わり、取材に応じてくれた岡本厩舎長補佐。調教本数を多くしても、馬がそれにしっかりと対応し、いい方向に進んでいると話してくれました。

順調な馬が多い中でも、ピラミマ20(父ハーツクライ)、フォエヴァーダーリング20(父ハーツクライ)、スピードリッパー20(父ミッキーロケット)は、期待できるとのこと。短い距離で持ち味が光りそうなボシンシェ20(父キンシャサノキセキ)にも注目です。

大谷厩舎(牝馬)大谷渡厩舎長

大谷厩舎長

ピースエンブレム20
(父サトノダイヤモンド)

去年の秋くらいから、疲れが出たので、年内は無理せず休んでいました。年明けに乗り出してからは、ここまで順調にきており、軌道に乗った感じですね。馬体、筋肉の付き方が当初からよく、跨っても背中の安定感は、素晴らしいものがあります。今のところは秋以降のデビューをイメージしていますが、この馬は調教で45秒をやり始めたら一気によくなる可能性もあるので、馬に合わせていきたいですね

新厩舎となる大谷厩舎。「新米厩舎なので……」と控えめながら、同時に「かなり質は高いと思っています」と手応えも感じている様子でした。

他には、サンブルエミューズ20(父キタサンブラック)、ファッションプレート20(父キタサンブラック)、レッドファンタジア20(父エピファネイア)の名前がオススメに挙がりました。

岡厩舎(牝馬)岡真治厩舎長

岡厩舎長

シーザリオ20
(父ロードカナロア)

まだまだ幼さがありますが、少しずつ体つきが変わってきていて、さすが良血馬だなと感じさせます。この馬がシーザリオ最後の仔なので、走ってほしいですね。秋に移動し、10〜11月の東京デビューを目標にしています。1600〜1800mが合いそうですね

その他には、父と母のよさを受け継いでいるというポルトフィーノ20(父リアルスティール)。そして、一番進んでいる組にいるアドマイヤテンバ20(父バゴ)が順調のようです。

岡厩舎で育成された馬といえばアーモンドアイ、ラヴズオンリーユーなど歴史に名を残す名馬がズラリ。息の長い活躍にも期待できそうです。

佐藤厩舎(牝馬)佐藤洋輔厩舎長

佐藤厩舎長

ステファニーズキトゥン20
(父ドゥラメンテ)

ディープインパクト産駒だった姉2頭(カトゥルスフェリス、クイーンズキトゥン)もうちで育成していたのですが、それらと比べると硬さがありますね。それが逆にいい方向に進むのでは、と思っています。動き自体は申し分ありません

佐藤厩舎長

レーヴルシード20
(父ミッキーロケット)

412キロですが、もっと大きく見せています。これから15−15に進んだときに、どう変わってくるか楽しみ。すばしっこい印象を受けるので、距離は1400〜1600mくらいでしょうか。馬体は、これから暖かくなれば増えると思います

順調に進んでいるのがルージュクール20(父ルーラーシップ)、クロノロジスト20(父モーリス)。バラダセール20(父ドゥラメンテ)は成長力に期待とのことでした。

「ステファニーはいいと思うんだよな〜」と話す佐藤厩舎長が印象的でした。

木村厩舎(牡馬)木村浩崇厩舎長

木村厩舎長

オーマイベイビー20
(父バゴ)

全兄のステラヴェローチェと比べるとひと回り小さいですが、当然期待している1頭。乗り込むたびに良くなってきています。ステラは入場したときからかなり良かったので、それと比べると課題は多いですが、最終的には兄と同じか、それ以上に良くなりそうな雰囲気も持っていますよ

木村厩舎長

ハーレクイーン20
(父ハーツクライ)

林調教主任も乗り味を絶賛していました。フットワークと背中がすごくいい。最初に乗ったときに、自分で乗りたいな≠ニ思うくらい。乗り味だけなら、うちの厩舎でも5本の指に入ります。あと少し背が高ければ、さらにベタ褒めしていたと思いますね。うちにいたハーツクライ産駒なら、ロジクライに似ていますが、距離の融通は利きそうな印象です

昨年出していただいたのがコマンドラインとセレシオン。「自信がすごくあったわけじゃなかったですが、思った以上に頑張ってくれました。でもずっと続くわけはないので、常に謙虚に」と話す木村厩舎長。

2頭以外には「まだ緩さがあるのにいい動きをする」シックスイス20(父ドゥラメンテ)と、将来性抜群というヴィブロス20(父ロードカナロア)の名前を挙げていただきました。

山内厩舎 (牡馬)加我烈士厩舎長補佐

加我厩舎長
補佐

エポキシ20
(父マインドユアビスケッツ)

GW明けくらいの移動を目標にしています。気のいいタイプなので、マイルあたり。最初は華奢でしたが、がっちりしてきました。今のところ順調にこれていて、いい成長曲線を描いています。早いうちに勝ってくれることを期待しています。芝でも走れると思いますよ

加我厩舎長
補佐

グリューネワルト20
(父モーリス)

素軽くて、いくらでも動ける馬。乗り役もしんどそうにしています(笑)。6月中京の1400〜1600mあたりのデビュー戦を勝って、朝日杯FSに出てきてくれたらうれしいですね。今のところ何も悪いところがありませんね

山内厩舎長が不在でしたが、取材前に話す機会があり、「今年はいいよ」と自信をのぞかせていました。タレント揃いの中で、看板となりそうなのが、シーズアタイガー20 (父ハーツクライ)。「厩舎長も10点満点をつけていました」(加我さん)
もう1頭、エピックラヴ20 (父ロードカナロア)にも注目。「少し奥手ですが、良くなりそう」とのこと。大器のようです。穴っぽいところでは、ノーブルリーズン20(父ドレフォン)がオススメ。

桑田厩舎(牡馬)桑田裕規厩舎長

桑田厩舎長

アグレアーブル20
(父ハービンジャー)

成長を促しながら進めています。これから暖かくなれば、どんどん良くなりそう。乗り味がいいので、ここから走りに力強さが出てくれば面白い存在になると思います。小柄ですが、ハービンジャー産駒はそのほうが体を持て余さなくていいと思っているので、個人的にはすごく期待しています

桑田厩舎長

サンドクイーン20
(父ロードカナロア)

少し時間がかかると思っていましたが、動きもしっかりしてきたので、1番手のグループに混ぜています。ダートが向きそうな走り方で、母父もゴールドアリュールなので、当然ダートに適性はあると思います。ただ、芝馬のような見た目をしているので、芝もこなすと思います

桑田厩舎長は、「去年まではムッチリした体を作っていたのですが、今年はもう少しシャープな体つきを意識しています」と、今年の変化について話してくれました。

他にはパルティトゥーラ20(父サトノクラウン)。桑田厩舎長によると、見た目が好みで早期デビューも狙えるそう。ピンクアリエス20(父シルバーステート)も穴で面白い1頭。

野崎厩舎(牡馬)野崎孝仁厩舎長

野崎厩舎長

パシオンルージュ20
(父サトノアラジン)

まだ緩さはありますが、フットワークが良く、これで力強さが出たらさらにいいかなと。早めから、というよりは将来性を感じますね。乗っていて気性の面の問題もありません。距離はマイルくらいでしょうか。半姉のファインルージュくらい走ってくれたらいいな、と期待しています

牝馬から牡馬厩舎に移った野崎厩舎長。パシオンルージュ20以外なら、ヒカルアマランサス20(父エピファネイア)が、ポテンシャルを秘めた馬のようです。大穴は、ガリレオオールウェイズ20(父ロードカナロア)かスターズアンドクラウズ20(父ジャスタウェイ)の2頭。どちらも9月あたりを目標にしているそうです。

小笠原厩舎 (牡馬)小笠原博厩舎長

小笠原厩舎長

ヒカルアモーレ20
(父サトノダイヤモンド)

期待値が高い馬ですね。乗り味も背中もいいし、体の使い方も上手なので、これが走らなかったらヤバいです(笑)。飛節が曲飛気味なので、スピードに乗るまでに少し時間がかかるかもしれませんが、動きを見るとキレるタイプだと思いますよ

これまで牝馬厩舎に所属することが多かった小笠原厩舎長。「厩舎長としてこの時期の牡馬を管理するのは初めてで、手探りのところはあります」と率直に話をしてくれました。

その他には、バウンスシャッセ20(父エピファネイア)が期待馬のようです。「バウンスシャッセの3番仔なので、そろそろという期待があります」

サザンスピード20(父レッドファルクス)は、調教の動きから早期の移動を目標にしているとのことでした。