データde出〜た
第1607回 波乱傾向が強いハンデ戦、中山牝馬Sを分析する!
2022/3/7(月)
2回中京開催が開幕する今週は土曜に中山でハンデ重賞の中山牝馬S、日曜に阪神でフィリーズR、中京で金鯱賞と平地では3鞍の重賞が組まれている。今回のデータde出〜たでは、土曜中山のメインとして行われる中山牝馬Sをピックアップ。近3年は3連単で10万円以上が続き、波乱傾向の強い同レースを2017年以降近5年のデータから分析していきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。
■表1 中山牝馬S近5年の人気別成績
人気 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
1番人気 | 0- 1- 1- 3/ 5 | 0.0% | 20.0% | 40.0% | 0 | 60 |
2番人気 | 0- 1- 0- 4/ 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% | 0 | 38 |
3番人気 | 1- 1- 0- 3/ 5 | 20.0% | 40.0% | 40.0% | 192 | 118 |
4番人気 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
5番人気 | 2- 1- 0- 2/ 5 | 40.0% | 60.0% | 60.0% | 460 | 196 |
6番人気 | 1- 0- 1- 3/ 5 | 20.0% | 20.0% | 40.0% | 164 | 114 |
7番人気 | 1- 0- 1- 3/ 5 | 20.0% | 20.0% | 40.0% | 222 | 144 |
8番人気 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
9番人気 | 0- 0- 1- 4/ 5 | 0.0% | 0.0% | 20.0% | 0 | 102 |
10番人気以下 | 0- 1- 1-29/31 | 0.0% | 3.2% | 6.5% | 0 | 75 |
まず表1は中山牝馬S近5年の人気別成績。1〜2番人気馬の勝利がなく、5番人気馬が最多の2勝、3・6・7番人気馬が1勝ずつをあげている。
黄色で強調した5〜7番人気馬はいずれも複勝率40%以上で、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。不良馬場で行われた昨年は7番人気ランブリングアレーが勝利。2着に5番人気ロザムール、3着に6番人気フェアリーポルカが入った。
上位4番人気以内の勝利が1勝と少なく、伏兵の5〜7番人気が4勝しており、複勝率も高いのが中山牝馬Sの大きな特徴だ。また9番人気以下も、一昨年にリュヌルージュが14番人気2着、18年レイホーロマンスが9番人気3着、19年アッフィラートが11番人気3着と、3頭が馬券圏内に入っている。
■表2 中山牝馬S近5年の所属別成績
調教師分類 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
美浦 | 1- 4- 1-30/36 | 2.8% | 13.9% | 16.7% | 29 | 44 |
栗東 | 4- 1- 4-31/40 | 10.0% | 12.5% | 22.5% | 103 | 115 |
表2は所属別成績。栗東所属の関西馬が昨年のランブリングアレーら4勝をあげており、勝率・複勝率で美浦所属の関東馬を上回っている。昨年は1・3着馬が該当。3着以内馬9頭中7頭が5番人気以下の馬で、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。
対して、関東馬は19年フロンテアクイーンの1勝のみ。2着が4回と多く、連対率では関西馬を上回っている。3着以内馬6頭中5頭は5番人気以内の馬だった。
■表3 中山牝馬S近5年の年齢別成績
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
4歳 | 2- 1- 1-15/19 | 10.5% | 15.8% | 21.1% | 93 | 53 |
5歳 | 2- 3- 3-18/26 | 7.7% | 19.2% | 30.8% | 90 | 155 |
6歳 | 1- 1- 1-21/24 | 4.2% | 8.3% | 12.5% | 43 | 46 |
7歳以上 | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
表3は年齢別成績。黄色で強調した5歳馬が17年トーセンビクトリーら2勝をあげ、連対率・複勝率トップ。昨年は上位3着までを独占している。3着以内馬8頭中7頭は5番人気以下の伏兵で、複勝回収率は100%を大きく超えている。
4歳馬は18年カワキタエンカら2勝で、勝率トップ。連対率・複勝率は5歳馬に次いで高い。6歳馬は19年フロンテアクイーンが勝利するも、複勝率では4・5歳馬に離されている。なお、7歳以上の馬はすべて4着以下に敗れている。
■表4 中山牝馬S近5年の前走からの斤量増減別成績
前走斤量 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
増減無し | 1- 3- 2-24/30 | 3.3% | 13.3% | 20.0% | 41 | 51 |
今回増 | 1- 1- 1- 9/12 | 8.3% | 16.7% | 25.0% | 92 | 91 |
今回減 | 3- 1- 2-28/34 | 8.8% | 11.8% | 17.6% | 83 | 104 |
表4は前走からの斤量増減別成績。前走から斤量増減なし、今回斤量増の馬はともに1勝ずつあげており、複勝率20%以上。斤量増の馬で3着以内に好走した3頭はいずれも前走で連対を果たしていた。
出走数が最も多い今回斤量減の馬は一昨年のフェアリーポルカら3勝。連対率・複勝率は最も低いものの、3着以内馬6頭中5頭は5番人気以下で複勝回収率は唯一100%を超えている。この組は前走4着以内だった馬が【2.1.2.6】で複勝率45.5%と非常に高く、複勝回収率も296%と一際高い。今年も斤量減で前走4着以内の馬は狙ってみたい。
■表5 中山牝馬S近5年の前走脚質別成績
前走脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
逃げ | 2- 1- 0- 6/ 9 | 22.2% | 33.3% | 33.3% | 230 | 104 |
先行 | 1- 1- 3-14/19 | 5.3% | 10.5% | 26.3% | 55 | 145 |
差し | 2- 2- 2-24/30 | 6.7% | 13.3% | 20.0% | 69 | 78 |
追い込み | 0- 1- 0-16/17 | 0.0% | 5.9% | 5.9% | 0 | 8 |
表5は前走脚質別成績。前走で逃げた馬が17年トーセンビクトリーら2勝をあげ、連対率・複勝率は33.3%と高い。連対馬3頭はいずれも前走4着以下に敗れており、馬券圏外からの巻き返しに注意したい。
前走先行馬は19年フロンテアクイーンが勝利し、複勝率は前走逃げ馬に次いで高い。前走差し馬は一昨年のフェアリーポルカ、昨年のランブリングアレーの2勝。なお、前走追い込み馬は17年2着マジックタイムしか3着以内に入っていない。
■表6 中山牝馬S近5年の前走馬体重別成績
前走馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単勝回収値 | 複勝回収値 |
400〜419kg | 0- 0- 0- 2/ 2 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
420〜439kg | 0- 0- 1- 8/ 9 | 0.0% | 0.0% | 11.1% | 0 | 56 |
440〜459kg | 0- 0- 1- 8/ 9 | 0.0% | 0.0% | 11.1% | 0 | 72 |
460〜479kg | 3- 2- 2-21/28 | 10.7% | 17.9% | 25.0% | 111 | 117 |
480〜499kg | 2- 1- 0-12/15 | 13.3% | 20.0% | 20.0% | 138 | 56 |
500〜519kg | 0- 2- 1- 9/12 | 0.0% | 16.7% | 25.0% | 0 | 75 |
520〜539kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
最後に表6は前走馬体重別成績。勝ち馬5頭はすべて460kg〜499sの範囲におさまっている。黄色で示した460kg〜519sの馬で3着以内馬15頭中13頭を占めており、前走460s以上と馬体重がある程度重い馬を積極的に狙っていきたい。
なお、459s以下の馬からは連対馬が出ておらず、3着止まりとなっている。3着馬2頭はともに9番人気以下の人気薄だったが、前走で2着と好走していた。
ライタープロフィール
ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。