大山ヒルズ
牧場現地リポート

コントレイルとキズナの二本柱

GI5勝の三冠馬コントレイルの初年度産駒は130頭が誕生。この2025年シーズンでベールを脱ぐ。
ディレクターの齋藤慎氏は、「馬体のアウトラインが美しく、芝向きの軽い走りを受け継いだ馬が多いですね。気性面が素直で従順にして賢いので、競走馬として必要な素養を教えるにあたって手を焼くことがありません」と産駒全体の特徴を語る。
初のリーディングサイアーを獲得したキズナと二本柱を中心に揃った精鋭たちを紹介しよう。

コンヴィクションU23(牡・父コントレイル)は、セレクトセールで5億2000万円の高値が付いた期待馬。「賢く従順で自由自在にコントロールが利きます。筋肉量が増えても硬さは出ず、柔軟で大きなキャンターはまさにクラシック路線向きでしょう」。父と同様に秋デビューから王道を歩むことになりそうだ。

バイバイベイビー23(牡・父コントレイル)は「乗り込むにつれて、中長距離の芝馬らしいシルエットに変貌してきました」と、まだ成長が見込めるということで、父と同じ矢作厩舎でデビューする秋が今から待ち遠しい。

セラン23(牡・父コントレイル)は、「初仔ながら母の長所を受け継いで筋肉質な体型です。既に立派な体格ですが成長の余地も大きく、これからの時期の変化が楽しみです。走りから芝中距離前後に適性があるでしょう」

牝馬でトップ級の存在といわれているのがフォローアドリーム23 (牝・父コントレイル)だ。
上の2頭で結果を出した母は、コントレイルとの交配を見据えて輸入された。「バランスが良くて半姉より幅もあります。首の使い方が上手くて文句なしに良い走り。反応も抜群に良いですが、騎乗者のゴーサインを待てる強みがあります」
4月中には入厩できる態勢にあるとのこと。早期デビューも期待できそうだ。

フェアエレン23(牝・父コントレイル)は、「兄姉はパワフルな馬が多かったですが、この馬はきれいなシルエットで父らしさのある芝馬タイプ。牝馬全体の中でも馬格があり調教も進んでいる方です」だという。本馬も早期の始動が可能。

キズナ産駒は良駒を多く輩出する母の仔、キトゥンズクイーン23(牡・父キズナ)への期待も大きい。「背が大きくハイクラスな馬体で筋肉量もほど良く、芝の中距離タイプです。気性面や乗り味など何も欠点がありません」

ザナ23(牡・父キズナ)、「最近の母の仔では一番の馬っぷりで、芝のマイルから2000mで楽しみです」。

Blanc Bonheur23(牡・父St Mark’s Basilica)は、「跳びが大きい割に回転も利いた走りで出脚からスピードがあり、持続力もありそうです」と、得意の函館2歳S制覇にも期待がかかる。

Fiducia23(牝・父Kingman)は、「まだ馬体は幼いもののこの血統らしいスピードに、父の柔らかみが加わって良い馬です」

この他にも好素材が揃っており、今から来春のノースヒルズ旋風が目に浮かぶ。