ノースヒルズの育成部門を担い、過去10年でワンアンドオンリー、キズナ、コントレイルと3頭のダービー馬を送った鳥取県・大山ヒルズ。
確かな相馬眼と高い技術により、クラシックディスタンスから、ダート路線までくまなくカバーしており、POGにおける注目度は年々増すばかりだ。
熱烈な要望に応えるべく、今年は預託馬を含む総勢30頭が登場。充実のラインナップを齋藤慎ディレクターのコメントとともに紹介する。
ノースヒルズといえばこの種牡馬を抜きに語ることはできないだろう。現3歳世代が破竹の勢いで勝利を積み重ねているキズナ産駒について、齋藤慎ディレクターは「種牡馬入りして1年目、2年目よりも3年目以降の方が繁殖牝馬のレベルが上がりましたしこの活躍は想定内です」と話す。
「使い込むことができて、丈夫でタフな馬が多い。この先もどんどん良い馬が出てくるでしょう」と熱弁する齋藤ディレクターが、今回の取材で真っ先に名前を挙げたのがセレブラール22 (牡、父キズナ)だ。半姉にベルカント、イベリスがいる血統で、この母には6年連続でキズナが配合されている。
「活躍した姉たちよりもひと回り大きいサイズ感。脚の回転が速くて、2歳戦から動ける良いスピードを持っています。馬体を見ると距離が延びそうな感じがありますは、この母系特有の気性が勝ったタイプでもあるので、短距離からマイルくらいになりそう。早期デビューで姉同様、夏の2歳重賞を目指していきます」と期待十分。
この他、キズナ産駒の夏競馬狙いとしてはファイネストシティ22(牡)、エディン22(牡)、キラモサ22(牡)、キトゥンズクイーン22(牝)の名前が挙がっている。
一方、「ゆったりとした馬体で長い距離が合いそう」ということで、秋以降のクラシックディスタンスを目指していくのはセレクトセール出身のワンダーオブリップス22(牡、父キズナ)だ。
追分ファームの生産馬で母は独オークス3着、半兄サトノシュトラーセという血統背景。
「キズナ産駒の中でも特に馬格があり、見栄えします。ゆったりと大きなキャンターで動きます」ということで、中〜長距離の番組が充実する秋以降に初陣を迎え、王道を歩むことになりそうだ。
今年のノースヒルズは牝馬のマル外勢も魅力たっぷり。特にPOGに向きそうなのはTiz Miz Sue 22 だという(牝、父Nyquist)。小柄なわりに馬体はしっかりしており、「仕上がりは間違いなく早いタイプ」ということで夏競馬から楽しませてくれそうだ。
本コンテンツは、黄色のPOG本 「POGの王道」2024-2025(双葉社)の一部を掲載しています。