下河辺牧場
牧場現地リポート

シン・坂路でパワーアップ!

今年の2歳は1000mから1150mに延長された坂路を使い始めた世代。スタート位置を掘り下げ、スタートから傾斜をつけたことで、調教で掛かる負荷がプラスされた。坂路の前に1200〜1600mほどダグを踏む。また、坂路に入らない日は昨年導入されたトレッドミルも活用。その効果で、「飼い葉食いが良くなり、体力面が強化された」とは谷口勇介調教主任は話す。

その中で、未来のクラシック候補として真っ先に上げてくれたのが、マザーズデイ22 (牡、父サトノダイヤモンド)だ。「調教を進めるごとに、芝向きの体型になってきました。心肺機能が高くてタフなので、ハードな調教をしてもケロッとしています」と能力の高さを保証する。

フィオレドーロ22(牡、父エピファネイア)は「この血統らしい、バランスの良い見栄えのする馬体です。乗り込めるようになって、いい成長を見せてくれています。まだ、スピードを持て余しているような感じですが、折り合い面の問題はありません。マイルあたりの適性が高そうですが、柔らかくてフォームがきれいなので、トモに力がつけば距離を延ばしていけそうです」

モンローライン22(牡、父サトノクラウン)は「4月生まれのため、入厩当初は小柄でしたが、秋から冬にかけて40キロほど体重が増えました」と急成長。そのおかげで、「乗り込み量も増えて動きが良くなりました。力強さもあります」とのこと。順調なら早期デビューが期待できる。

桜花賞馬を母に持つアユサン22(牡、父レイデオロ)は「年明けからグンと良くなり、坂路での乗り込み量が増すと緩さが抜けてきました。父譲りのスラッとした体型と、スピードがあるのがいいところ。8月移動で秋デビューのイメージですね」
朝日FSなど重賞2勝の半兄ドルチェモアに続けるか注目だ。

ヒアトゥウィン22(父ロードカナロア)は、半姉がフローラS馬のサトノワルキューレ。母は南アの3歳牝馬チャンピオンだ。「イヤリングでは小ぢんまりした馬でしたが、馴致が始まると大きくなっていきました。調教を積むごとに良くなっています。脚元に問題はなく、バネがある走りなので、溜めることを覚えれば、もっと良くなりそうです」と手応えを感じている。

牝馬ではイエローマリンバ22(牝、父モーリス)が一番手。「ここにきてボリュームアップしました。背中や動き、バランスの良さは芝短距離で活躍した母によく似ています。牝馬らしい繊細な面はありますが、調教で問題はありません。夏前に移動できるといいですね」

クリーンファンキー22(牡、父モーリス)は、プロ野球の柳田悠岐選手の愛馬。535キロとボリュームのある馬体で、「どんな調教もこなすし、スピードがあって闘争心もあります。乗り役からの評価は高いですね。速力を生かせるマイルぐらいが良さそう。洋芝の北海道開催で活躍した母譲りのパワーもあります」

老舗牧場で鍛えられた若駒の活躍が楽しみだ。