千代田牧場
牧場現地リポート

ウシュバテソーロがドバイワールドカップを制覇!

日本生産馬として史上2頭目の快挙となるドバイワールドカップを制覇したウシュバテソーロの故郷、千代田牧場。昨年ドバイゴールドCに挑戦したヴェローチェオロや、2021年の阪神JFを制したサークルオブライフなど、国内外で多くの活躍馬を送り出している、創業78年の名門牧場だ。

昨年の取材馬からは、ミッキーカプチーノがホープフルS5着と、将来につながる成績を残している。

今年、早期デビューからクラシックを意識しているのは、エンパイアブレイク21 (牡、父キズナ)。
「3月末の検疫で入厩予定です。乗り味は抜群で、乗り役のゴーサインにスッと反応できる器用さがありますから、操作性は高いですね。昨年急逝された大野剛嗣オーナーにセレクトセール当歳セッションで購入していただいた大切な馬。オーナーの思いをつないでいきたいです」
と、飯田貴大専務は強い思いを口にした。

ニューウェーブ21(牡、父エピファネイア)も評価が高い1頭。半姉ブラウンウェーブはフェアリーS4着と好走。
「父エピファネイア、母父ハーツクライでエフフォーリアと同配合になります。当歳時から光るところがあった馬です。幼い体型をしていましたが、だいぶ大人びてきました。今は走りたい気持ちが全面に出ている感じですが、コントロールは利くタイプ。いい位置にスッと付けられそうなスピードがあり、息の入りが早いので心肺機能も高そう。4月中には移動時期を決めたいですね」

まだまだ成長途上なものの、ファンが多い血統のホエールキャプチャ21(牡、父キズナ)。順調にトレーニングを積んでいるという。
「まだ少し緩さはありますが、芯が入れば自ずと良くなってくるでしょうし、そこまで慌てていません。良いフットワークで、動きに関しては文句なし。ホエールキャプチャの子どもを春まで手がけるのは初めてで、ぜひともこの馬で結果を出したいと、スタッフ一同期待を持っています」

種付け頭数が爆発的に伸びたキズナ産駒豊作の年。ホエールキャプチャ21の飛躍を応援したい。

牝馬のクラシック候補は、ヴェローチェオロの半妹でサークルオブライフの近親にあたる、プレシャスライフ21(牝、父リオンディーズ)だ。
「種牡馬が変わっても堅実に走る安定のファミリー。1歳12月の時点で15-15まで調教を進めても、グイグイハミを取って登坂できていました。体幹がしっかりしているので早めに移動しても問題なさそうです。サークルオブライフが獲れなかった桜花賞を目指してほしいですね」

牧場の根幹牝系マーチャンテイマー21(牝、父エピファネイア)は、牝馬ながら500キロを超える雄大な馬格を誇る。
「セレクトセール当歳セッションの取引馬で、セリでも馬体の良さが際立っていました。前向きでピリッと強い気性はこの血統ならでは。恵まれた体から繰り出されるフットワークは力強く、入厩時に向けてきっちり仕上げて送り出したいですね」