市丸：これまでゲームとかプログラムに関係する馬名を多くつけられてましたが、いま活躍しているアブソリュートは、そういう名前ではないですよね？

薗部：由来はいろいろですけれど、「絶対値」ですから一応プログラムっぽい響きもありますね。あとは「アブソリュートウオッカ」（ウオッカのブランド名）。ウオッカが出てからつけた名前のように思われてるかもしれませんが、同世代です(笑)。

市丸：この馬について宗像先生は？

薗部：（同じタニノギムレット産駒の）ゴールドアグリが新潟２歳Ｓを勝ったときに、「うちのアブソリュートも……」とおっしゃっていたので、この馬も最初から強気でしたね。

市丸：わかるんですねえ……。ただ、年明けにデビュー２連勝した後、休養に入ってしまいましたよね？

薗部：連勝したらもう「ダービーだ」と思いますよね？　それでウオッカも出るという話だったので、「アブソリュートウオッカ」でワン・ツーだと思ったのですが(笑)。

市丸：先日の東京新聞杯のときは「もらった」みたいな感覚は？

薗部：いやいやいや。後ろから行く馬なんですけれど、道悪でちょっと不利かと思っていました。ただ、あのくらいの人気のときは馬券が買いやすいですよね。バランスオブゲームもあのくらい、みんなが「来ない」と思っていると勝つ(笑)。

市丸：アブソリュートは田中勝春騎手がずっと乗られてますけれど、私なんかの印象では「いい人」……。

薗部：そのままです(笑)。みんなから、かわいがられてますよね。（Ｇ１制覇から遠ざかっていたため）つぎのＧ１は自分の馬でと思っていたのですけれど、ヴィクトリーで勝っちゃいました(笑)。

市丸：でも東京コースは東京新聞杯も勝ちましたし、安田記念は楽しみですよね。

薗部：いやいや、まず念願のウオッカと一緒に走れればそれだけで嬉しいですよ。

市丸：今年デビューする２歳馬で「これは！」という馬はいますか？

薗部：全部です！　デビューする前までは完璧な布陣ですから(笑)。キングカメハメハ産駒と、ゼンノロブロイと、あとネオユニヴァース。ネオユニヴァースは（昨年初年度産駒が）デビューしたときは「大丈夫かい？」と思いましたけれど、ここにきてすごいですし、この布陣で走らないわけがないと。

市丸：もう来年は牡牝Ｇ１全部獲るくらいの勢いで。

薗部：それで１年経ってもまだデビューしてないとか(笑)。デビューする前までが楽しいですよね。