市丸：でも、その予算オーバーだったスタープログラマーが良く走りましたよね？

薗部：買ったときは「これで朝日杯もらいました」とかそんなつもりでしたよ(笑)。デビュー２連勝して、ＮＨＫマイルＣは除外になりましたけれど、葵Ｓも勝って３連勝……。

市丸：もう「これはいける！」って感じになりますよね。

薗部：次の中日スポーツ賞４歳Ｓがダントツの１番人気（単勝1.4倍）で、もう「重賞チョロい！」と。競馬場への車の中で「勝ったらなにもらえるの？　ドラゴンズの年間シート？」とか、そんな話ばっかりしてましたよ(笑)。パドックとかで「薗部さん、サインしてください」とかファンの方がいらっしゃると、「応援してね」とか言いながらいい気になってサインしてましたから。

市丸：しかし、結果は12着……。

薗部：そんな甘いものじゃないですよね。もう帰るに帰れないというか、ぼう然としました。あれ以来、馬券でも単勝１倍台とか一切信頼しなくなりましたよ。

市丸：でも、スタープログラマーは（アメリカで）種牡馬にまでなって。子供とかは？

薗部：セリに出てこないかなあ、とは思っているのですけれど、なかなか……。

市丸：その後、日本のセレクトセールでも買われるようになりましたが、これは１回目から？

薗部：そうですね。経験もまったくないですから、「庭先」で買うとかできないんですよ。日本でも、セレクトセールで買う以前に抽選馬に申し込んだことがあって、自分で「ガラガラ」回しにいって２年連続で外れたり(笑)。

市丸：セレクトセールの雰囲気はどんな感じですか？

薗部：最初は社台の１口を買うような感覚で行ってましたけれど、値段がどんどん高くなってとんでもない額なので……、買えないですからね。なんとか安い馬を狙って。

市丸：なにかそのあたりのコツはあるのですか？

薗部：作戦としては「ず〜っと座ってる」。どこかに隙がないかと狙ってるわけですよ。「あ、いま（アドマイヤの）近藤さんトイレ行ったな」とか(笑)。あと、セリの中で「だれる」雰囲気になって値段が上がらなかったりするときがあるんですよね。だからって必ず買うわけではないですけれど、「座ってるといいことあるぞ」みたいに、買う予定がなくてもずっと見てますね。

市丸：グリーンチャンネルの中継を見ていても、なぜか値段があまり上がらない時間帯ってありますよね。逆に「これがこんなにするのか」とか。

薗部：高い値のつきそうな馬が近くなると、雰囲気が盛り上がってくるんですよね、マスコミが待ち構えてて。それで全体的に加熱してくると、関係ない馬も値段が上がってたりします(笑)。