G1特集 第76回 皐月賞G1特集 第76回 皐月賞

血統分析

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父、母系ともに筋の通ったリオンディーズに期待!

1)SS系中心で、スタミナ&パワー勝負

過去10年でサンデーサイレンス(SS)系種牡馬の産駒が6勝・2着7回・3着5回と他を圧倒している。10年のうち5回がSS系のワン・ツー・フィニッシュだ。ただし勝率や連対率が抜群に高いわけではなく、「数で稼いだ」というイメージ。なにしろ出走馬177頭のうち半数以上の90頭がSS系だ。能力があることは確かだろうが、それ以前に、無事クラシック路線に乗る成長曲線、しっかりと権利をつかむ勝負センスや仕上げやすさなどが他の系統より秀でているのだろう。

また連対馬の父14頭のうち、オペラハウス、ネオユニヴァース、スペシャルウィーク、マンハッタンカフェ、ステイゴールド、ディープインパクト、シンボリクリスエス、キングカメハメハの8頭は芝2400m以上のGI勝ち馬。この8頭の産駒で計6勝・2着6回となっている。

フジキセキとアグネスタキオンは2000mまでしか実績がないものの、ともに勝った弥生賞は道悪馬場、パワー負けしないタイプといえる。ブライアンズタイムは日本ダービー馬や名ステイヤーを数々輩出し、ゴールドアリュールは2000mのダートGI勝ち馬、テンビーには英2100m重賞の1着がある。ロゴタイプの父ローエングリンはマイラー色の強い馬だったが、2200m、ダート、重馬場での勝ち鞍があり、ジャパンC勝ち馬シングスピールと仏オークス馬カーリングの血を引いている。

全体としてスピードよりスタミナ&パワーの気配が強く漂っているのが特徴だ。

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父馬の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 6回 7回 5回 90頭 6.7% 14.4% 20.0%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 1回 2回 19頭 5.3% 10.5% 21.1%
ノーザンダンサー系 2回 1回 0回 28頭 7.1% 10.7% 10.7%
ミスタープロスペクター系 1回 1回 2回 27頭 3.7% 7.4% 14.8%
ナスルーラ系 0回 0回 1回 13頭 0.0% 0.0% 7.7%
【過去10年の連対馬の父と母父】

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日付L 馬名 種牡馬 母父馬
2015.4.19 1 2 ドゥラメンテ キングカメハメハ サンデーサイレンス
2015.4.19 2 5 リアルスティール ディープインパクト Storm Cat
2014.4.20 1 2 イスラボニータ フジキセキ Cozzene
2014.4.20 2 17 トゥザワールド キングカメハメハ サンデーサイレンス
2013.4.14 1 7 ロゴタイプ ローエングリン サンデーサイレンス
2013.4.14 2 14 エピファネイア シンボリクリスエス スペシャルウィーク
2012.4.15 1 14 ゴールドシップ ステイゴールド メジロマックイーン
2012.4.15 2 9 ワールドエース ディープインパクト Acatenango
2011.4.24 1 12 オルフェーヴル ステイゴールド メジロマックイーン
2011.4.24 2 4 サダムパテック フジキセキ エリシオ
2010.4.18 1 13 ヴィクトワールピサ ネオユニヴァース Machiavellian
2010.4.18 2 16 ヒルノダムール マンハッタンカフェ ラムタラ
2009.4.19 1 16 アンライバルド ネオユニヴァース Sadler's Wells
2009.4.19 2 4 トライアンフマーチ スペシャルウィーク ダンシングブレーヴ
2008.4.20 1 6 キャプテントゥーレ アグネスタキオン トニービン
2008.4.20 2 1 タケミカヅチ ゴールドアリュール マルゼンスキー
2007.4.15 1 17 ヴィクトリー ブライアンズタイム トニービン
2007.4.15 2 9 サンツェッペリン テンビー オジジアン
2006.4.16 1 5 メイショウサムソン オペラハウス ダンシングブレーヴ
2006.4.16 2 2 ドリームパスポート フジキセキ トニービン
2)母父は混戦も「マイル向き」か「長距離向き」がカギ

母父の系統別成績は以下の通りだ。

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母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 2回 2回 3回 39頭 5.1% 10.3% 17.9%
その他のヘイルトゥリーズン系 0回 0回 0回 9頭 0.0% 0.0% 0.0%
ノーザンダンサー系 2回 5回 0回 46頭 4.3% 15.2% 15.2%
ミスタープロスペクター系 1回 0回 2回 33頭 3.0% 3.0% 9.1%
ナスルーラ系 3回 1回 3回 33頭 9.1% 12.1% 21.2%
その他の系統 2回 2回 2回 17頭 11.8% 23.5% 35.3%

こちらも混戦模様「その他のヘイルトゥリーズン系」以外なら、どの系統でも勝ち負けできそうだ。

1着馬の母父について現役時の重賞成績を見ると、Sadler's Wells、Machiavellian、Cozzeneは欧米の1400m〜マイルG1勝ち馬で、トニービンとメジロマックイーンは2400m以上の重賞ウィナー、ダンシングブレーヴは両カテゴリーで勝っている。自身はダート中距離型だったサンデーサイレンスだが、産駒はマイルも長距離もOKというタイプだ。母父は「マイルか長距離か」といったイメージで捉えたい。

3)母の母の父まで見据えた配合チェックを

連対馬20頭のうち、父ヘイルトゥリーズン系(SS系含む)という馬について「母の母の父」も見てみよう。

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父の系統 母母父の系統 頭数
父ヘイルトゥリーズン系× 母母父ノーザンダンサー系 7頭
母母父ナスルーラ系 1頭
母母父ミスタープロスペクター系 3頭
母母父その他の系統 4頭

父ヘイルトゥリーズン系×母母父ノーザンダンサー系という配合は、4番人気以下で2勝、7番人気で2勝とやや穴っぽいタイプ。母母父ナスルーラ系/ミスタープロスペクター系/その他の系統という配合は逆に、1〜3番人気のときに3勝、4番人気以下で未勝利と、人気サイドで結果を残すタイプといえる。

4)2歳〜3歳春の活躍馬を出した母系がいい

下表の通り、連対馬の母系からは必ずといっていいほど2歳重賞〜3歳春のクラシックで上位に食い込んだ馬が出ている。血統的に“筋の通った”母系であること、2歳戦、皐月賞戦線、桜花賞やオークスなどで活躍した近親がいることが必須条件となりそうだ。

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年度 馬名 母馬 母系から出た主な活躍馬
2006 メイショウサムソン マイヴィヴィアン 桜花賞6着のノーザンプリンセス
ドリームパスポート グレースランド  弥生賞1着のバランスオブゲーム
2007 ヴィクトリー    グレースアドマイヤ 日本ダービー1着のフサイチコンコルド
サンツェッペリン  プラントオジジアン サウスウエストS3着のキングオヴスキャット
2008 キャプテントゥーレ エアトゥーレ   朝日杯3歳S2着のスキーキャプテン
タケミカヅチ    カズミハルコマ  オークス1着のシャダイターキン
2009 アンライバルド   バレークイーン  日本ダービー1着のフサイチコンコルド
トライアンフマーチ キョウエイマーチ 母馬自身が桜花賞1着
2010 ヴィクトワールピサ ホワイトウォーターアフェア 青葉賞4着のスウィフトカレント
ヒルノダムール  シェアエレガンス 祖母が仏2歳G1勝ち馬
2011 オルフェーヴル  オリエンタルアート 朝日杯勝ち馬ドリームジャーニー
サダムパテック  サマーナイトシティ 四代母はCCAオークス2着
2012 ゴールドシップ  ポイントフラッグ 青葉賞1着のガクエンツービート
ワールドエース  マンデラ     母馬自身が独オークス3着
2013 ロゴタイプ    ステレオタイプ  オークス3着のオリーブクラウン
エピファネイア  シーザリオ    母馬自身がオークス馬
2014 イスラボニータ  イスラコジーン  独ダービー2着のEarl of Tinsdal
トゥザワールド  トゥザヴィクトリー 母馬自身がオークス2着
2015 ドゥラメンテ   アドマイヤグルーヴ 母馬自身が桜花賞3着、その母はエアグルーヴ
リアルスティール ラヴズオンリーミー 曾祖母は英仏1000ギニーなどG1計10勝
結論

種牡馬系統ごとの差は少ないものの、一応の中心は「SS系のスタミナ&パワー型」を父に持つ馬。「母父は欧米のマイル路線で活躍または長距離のGI馬」、「近親に2歳〜3歳春のクラシック路線(とりわけオークス)好走馬がいる」ことが望ましい。また母母父がノーザンダンサー系なら4番人気以下、母母父がナスルーラ系/ミスタープロスペクター系/その他の系統なら1〜3番人気のときが狙いどころとなる。

ディープインパクト産駒で有力視されるアドマイヤダイオウ、サトノダイヤモンド、マウントロブソン、マカヒキとマツリダゴッホ産駒ロードクエストのうち、サトノダイヤモンドは母父Orpenが愛2000ギニー3着、母Malpensaはアルゼンチンの1000ギニーで2着と、条件的には一歩リード。ただし母母父が「その他のヘイルトゥリーズン系」という点が気がかりだ。

ならばキングカメハメハ産駒か。リオンディーズは母父がスペシャルウィーク、母が日米オークス馬シーザリオで、エアスピネルは母父サンデーサイレンス、母はオークス2着のエアメサイア。嫌う理由はない。穴なら父がキングジョージ勝ち馬ハービンジャー(ノーザンダンサー系)×母がオークス3着のディアデラノビア×母父サンデーサイレンスのドレッドノータスだ。

【リオンディーズの血統表】

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キングカメハメハ
 King Kamehameha
 2001年 鹿毛(早来町)
Kingmanbo
 1990年(米)
Mr.Prospectot
1970年(米)
Raise a Native Native Dancer
Raise You
Gold Digger Nashua
Sequence
Miesque
1984年
Nureyev Northern Dancer
Special
Pasadoble Prove Out
Santa Quilla
*マンファス
 Manfath
 1991年 黒鹿(愛)
Last Tycoon
1983年
Try My Best Northern Dancer
Sex Appeal
リオンディーズ
 Leontes(JPN)
 牡 3歳 父12歳・母11歳時産駒
  2013年 黒鹿(安平町)
Mill Princess Mill Reef
Irish Lass
Pilot Bird
1983年
Blakeney Hethersett
Windmill Girl
The Dancer Green Dancer
Khazaeen
スペシャルウィーク
 Special Week
 1995年 黒鹿(門別町)
*サンデーサイレンス
1986年 青鹿(米)
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
キャンペンガール
1987年 鹿毛(門別町)
マルゼンスキー Nijinsky
*シル
シーザリオ
 Cesario
 2002年 青毛(早来町)
レディーシラオキ セントクレスピン
ミスアシヤガワ
*キロフプリミエール
 Kirov Premiere
 1990年 鹿毛(英)
Sadler's Wells
1981年(米)
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Fairy Bridge Bold Reason
Special
Querida
1975年
Habitat Sir Gaylord
Little Hut
Principia Le Fabuleux
Pia