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過去10年でサンデーサイレンス(SS)系種牡馬の産駒が6勝・2着7回・3着5回と他を圧倒している。10年のうち5回がSS系のワン・ツー・フィニッシュだ。ただし勝率や連対率が抜群に高いわけではなく、「数で稼いだ」というイメージ。なにしろ出走馬177頭のうち半数以上の90頭がSS系だ。能力があることは確かだろうが、それ以前に、無事クラシック路線に乗る成長曲線、しっかりと権利をつかむ勝負センスや仕上げやすさなどが他の系統より秀でているのだろう。
また連対馬の父14頭のうち、オペラハウス、ネオユニヴァース、スペシャルウィーク、マンハッタンカフェ、ステイゴールド、ディープインパクト、シンボリクリスエス、キングカメハメハの8頭は芝2400m以上のGI勝ち馬。この8頭の産駒で計6勝・2着6回となっている。
フジキセキとアグネスタキオンは2000mまでしか実績がないものの、ともに勝った弥生賞は道悪馬場、パワー負けしないタイプといえる。ブライアンズタイムは日本ダービー馬や名ステイヤーを数々輩出し、ゴールドアリュールは2000mのダートGI勝ち馬、テンビーには英2100m重賞の1着がある。ロゴタイプの父ローエングリンはマイラー色の強い馬だったが、2200m、ダート、重馬場での勝ち鞍があり、ジャパンC勝ち馬シングスピールと仏オークス馬カーリングの血を引いている。
全体としてスピードよりスタミナ&パワーの気配が強く漂っているのが特徴だ。
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父馬の系統 | 1着 | 2着 | 3着 | 出走 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
サンデーサイレンス系 | 6回 | 7回 | 5回 | 90頭 | 6.7% | 14.4% | 20.0% |
その他のヘイルトゥリーズン系 | 1回 | 1回 | 2回 | 19頭 | 5.3% | 10.5% | 21.1% |
ノーザンダンサー系 | 2回 | 1回 | 0回 | 28頭 | 7.1% | 10.7% | 10.7% |
ミスタープロスペクター系 | 1回 | 1回 | 2回 | 27頭 | 3.7% | 7.4% | 14.8% |
ナスルーラ系 | 0回 | 0回 | 1回 | 13頭 | 0.0% | 0.0% | 7.7% |
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日付L | 着 | 番 | 馬名 | 種牡馬 | 母父馬 |
---|---|---|---|---|---|
2015.4.19 | 1 | 2 | ドゥラメンテ | キングカメハメハ | サンデーサイレンス |
2015.4.19 | 2 | 5 | リアルスティール | ディープインパクト | Storm Cat |
2014.4.20 | 1 | 2 | イスラボニータ | フジキセキ | Cozzene |
2014.4.20 | 2 | 17 | トゥザワールド | キングカメハメハ | サンデーサイレンス |
2013.4.14 | 1 | 7 | ロゴタイプ | ローエングリン | サンデーサイレンス |
2013.4.14 | 2 | 14 | エピファネイア | シンボリクリスエス | スペシャルウィーク |
2012.4.15 | 1 | 14 | ゴールドシップ | ステイゴールド | メジロマックイーン |
2012.4.15 | 2 | 9 | ワールドエース | ディープインパクト | Acatenango |
2011.4.24 | 1 | 12 | オルフェーヴル | ステイゴールド | メジロマックイーン |
2011.4.24 | 2 | 4 | サダムパテック | フジキセキ | エリシオ |
2010.4.18 | 1 | 13 | ヴィクトワールピサ | ネオユニヴァース | Machiavellian |
2010.4.18 | 2 | 16 | ヒルノダムール | マンハッタンカフェ | ラムタラ |
2009.4.19 | 1 | 16 | アンライバルド | ネオユニヴァース | Sadler's Wells |
2009.4.19 | 2 | 4 | トライアンフマーチ | スペシャルウィーク | ダンシングブレーヴ |
2008.4.20 | 1 | 6 | キャプテントゥーレ | アグネスタキオン | トニービン |
2008.4.20 | 2 | 1 | タケミカヅチ | ゴールドアリュール | マルゼンスキー |
2007.4.15 | 1 | 17 | ヴィクトリー | ブライアンズタイム | トニービン |
2007.4.15 | 2 | 9 | サンツェッペリン | テンビー | オジジアン |
2006.4.16 | 1 | 5 | メイショウサムソン | オペラハウス | ダンシングブレーヴ |
2006.4.16 | 2 | 2 | ドリームパスポート | フジキセキ | トニービン |
母父の系統別成績は以下の通りだ。
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母父の系統 | 1着 | 2着 | 3着 | 出走 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
サンデーサイレンス系 | 2回 | 2回 | 3回 | 39頭 | 5.1% | 10.3% | 17.9% |
その他のヘイルトゥリーズン系 | 0回 | 0回 | 0回 | 9頭 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
ノーザンダンサー系 | 2回 | 5回 | 0回 | 46頭 | 4.3% | 15.2% | 15.2% |
ミスタープロスペクター系 | 1回 | 0回 | 2回 | 33頭 | 3.0% | 3.0% | 9.1% |
ナスルーラ系 | 3回 | 1回 | 3回 | 33頭 | 9.1% | 12.1% | 21.2% |
その他の系統 | 2回 | 2回 | 2回 | 17頭 | 11.8% | 23.5% | 35.3% |
こちらも混戦模様「その他のヘイルトゥリーズン系」以外なら、どの系統でも勝ち負けできそうだ。
1着馬の母父について現役時の重賞成績を見ると、Sadler's Wells、Machiavellian、Cozzeneは欧米の1400m〜マイルG1勝ち馬で、トニービンとメジロマックイーンは2400m以上の重賞ウィナー、ダンシングブレーヴは両カテゴリーで勝っている。自身はダート中距離型だったサンデーサイレンスだが、産駒はマイルも長距離もOKというタイプだ。母父は「マイルか長距離か」といったイメージで捉えたい。
連対馬20頭のうち、父ヘイルトゥリーズン系(SS系含む)という馬について「母の母の父」も見てみよう。
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父の系統 | 母母父の系統 | 頭数 |
---|---|---|
父ヘイルトゥリーズン系× | 母母父ノーザンダンサー系 | 7頭 |
母母父ナスルーラ系 | 1頭 | |
母母父ミスタープロスペクター系 | 3頭 | |
母母父その他の系統 | 4頭 |
父ヘイルトゥリーズン系×母母父ノーザンダンサー系という配合は、4番人気以下で2勝、7番人気で2勝とやや穴っぽいタイプ。母母父ナスルーラ系/ミスタープロスペクター系/その他の系統という配合は逆に、1〜3番人気のときに3勝、4番人気以下で未勝利と、人気サイドで結果を残すタイプといえる。
下表の通り、連対馬の母系からは必ずといっていいほど2歳重賞〜3歳春のクラシックで上位に食い込んだ馬が出ている。血統的に“筋の通った”母系であること、2歳戦、皐月賞戦線、桜花賞やオークスなどで活躍した近親がいることが必須条件となりそうだ。
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年度 | 馬名 | 母馬 | 母系から出た主な活躍馬 |
---|---|---|---|
2006 | メイショウサムソン | マイヴィヴィアン | 桜花賞6着のノーザンプリンセス |
ドリームパスポート | グレースランド | 弥生賞1着のバランスオブゲーム | |
2007 | ヴィクトリー | グレースアドマイヤ | 日本ダービー1着のフサイチコンコルド |
サンツェッペリン | プラントオジジアン | サウスウエストS3着のキングオヴスキャット | |
2008 | キャプテントゥーレ | エアトゥーレ | 朝日杯3歳S2着のスキーキャプテン |
タケミカヅチ | カズミハルコマ | オークス1着のシャダイターキン | |
2009 | アンライバルド | バレークイーン | 日本ダービー1着のフサイチコンコルド |
トライアンフマーチ | キョウエイマーチ | 母馬自身が桜花賞1着 | |
2010 | ヴィクトワールピサ | ホワイトウォーターアフェア | 青葉賞4着のスウィフトカレント |
ヒルノダムール | シェアエレガンス | 祖母が仏2歳G1勝ち馬 | |
2011 | オルフェーヴル | オリエンタルアート | 朝日杯勝ち馬ドリームジャーニー |
サダムパテック | サマーナイトシティ | 四代母はCCAオークス2着 | |
2012 | ゴールドシップ | ポイントフラッグ | 青葉賞1着のガクエンツービート |
ワールドエース | マンデラ | 母馬自身が独オークス3着 | |
2013 | ロゴタイプ | ステレオタイプ | オークス3着のオリーブクラウン |
エピファネイア | シーザリオ | 母馬自身がオークス馬 | |
2014 | イスラボニータ | イスラコジーン | 独ダービー2着のEarl of Tinsdal |
トゥザワールド | トゥザヴィクトリー | 母馬自身がオークス2着 | |
2015 | ドゥラメンテ | アドマイヤグルーヴ | 母馬自身が桜花賞3着、その母はエアグルーヴ |
リアルスティール | ラヴズオンリーミー | 曾祖母は英仏1000ギニーなどG1計10勝 |
種牡馬系統ごとの差は少ないものの、一応の中心は「SS系のスタミナ&パワー型」を父に持つ馬。「母父は欧米のマイル路線で活躍または長距離のGI馬」、「近親に2歳〜3歳春のクラシック路線(とりわけオークス)好走馬がいる」ことが望ましい。また母母父がノーザンダンサー系なら4番人気以下、母母父がナスルーラ系/ミスタープロスペクター系/その他の系統なら1〜3番人気のときが狙いどころとなる。
ディープインパクト産駒で有力視されるアドマイヤダイオウ、サトノダイヤモンド、マウントロブソン、マカヒキとマツリダゴッホ産駒ロードクエストのうち、サトノダイヤモンドは母父Orpenが愛2000ギニー3着、母Malpensaはアルゼンチンの1000ギニーで2着と、条件的には一歩リード。ただし母母父が「その他のヘイルトゥリーズン系」という点が気がかりだ。
ならばキングカメハメハ産駒か。リオンディーズは母父がスペシャルウィーク、母が日米オークス馬シーザリオで、エアスピネルは母父サンデーサイレンス、母はオークス2着のエアメサイア。嫌う理由はない。穴なら父がキングジョージ勝ち馬ハービンジャー(ノーザンダンサー系)×母がオークス3着のディアデラノビア×母父サンデーサイレンスのドレッドノータスだ。
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父 | キングカメハメハ King Kamehameha 2001年 鹿毛(早来町) |
Kingmanbo 1990年(米) |
Mr.Prospectot 1970年(米) |
Raise a Native | Native Dancer |
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Raise You | |||||
Gold Digger | Nashua | ||||
Sequence | |||||
Miesque 1984年 |
Nureyev | Northern Dancer | |||
Special | |||||
Pasadoble | Prove Out | ||||
Santa Quilla | |||||
*マンファス Manfath 1991年 黒鹿(愛) |
Last Tycoon 1983年 |
Try My Best | Northern Dancer | ||
Sex Appeal | |||||
リオンディーズ Leontes(JPN) 牡 3歳 父12歳・母11歳時産駒 2013年 黒鹿(安平町) |
Mill Princess | Mill Reef | |||
Irish Lass | |||||
Pilot Bird 1983年 |
Blakeney | Hethersett | |||
Windmill Girl | |||||
The Dancer | Green Dancer | ||||
Khazaeen | |||||
スペシャルウィーク Special Week 1995年 黒鹿(門別町) |
*サンデーサイレンス 1986年 青鹿(米) |
Halo | Hail to Reason | ||
Cosmah | |||||
Wishing Well | Understanding | ||||
Mountain Flower | |||||
キャンペンガール 1987年 鹿毛(門別町) |
マルゼンスキー | Nijinsky | |||
*シル | |||||
母 | シーザリオ Cesario 2002年 青毛(早来町) |
レディーシラオキ | セントクレスピン | ||
ミスアシヤガワ | |||||
*キロフプリミエール Kirov Premiere 1990年 鹿毛(英) |
Sadler's Wells 1981年(米) |
Northern Dancer | Nearctic | ||
Natalma | |||||
Fairy Bridge | Bold Reason | ||||
Special | |||||
Querida 1975年 |
Habitat | Sir Gaylord | |||
Little Hut | |||||
Principia | Le Fabuleux | ||||
Pia |