G1特集 第77回 桜花賞G1特集 第77回 桜花賞

コース解説

競馬予想・競馬情報トップ > G1特集 > 桜花賞 > 2017 > コース解説

名牝へのプロローグ
阪神芝1600m〔Bコース〕

コース解説

昨年はジュエラーが大外一気の差し脚で優勝

現コースで10回分のデータが揃った

3歳牝馬クラシックの第一弾。今年も例年通り、2回阪神開催の6日目に芝1600mで行われる。現在の外回りコースで行われるようになったのは07年からで、ちょうど10回現コースで桜花賞が行われたことになる。当時から一貫してBコースでレースが行われており、今年も同じ。芝はイタリアンライグラス(洋芝)を使用したオーバーシード。

今年も連続開催となった1回開催から引き続き、1週目だけはAコースとなった。2週目以降の後半6日間がBコースとなっている。先週は土曜日で道悪が残る状況で、日曜日は良馬場でのレースとなった。パンパンの良馬場とはいかなかったが、G1の大阪杯が1分58秒9(良)の勝ちタイム。まずまず時計が出る馬場にはなっている。

極端なペースになると波乱も

コース解説図

スタート地点はバックストレッチの中間からやや左寄り。平坦のスタートで、3コーナー手前、内回りコースへの分岐の所で上り坂がある。上り終えるとすぐに下りがあり、緩やかな3〜4コーナーのカーブを回ると、4コーナーの出口からも緩やかな下り。最後の直線の半ばまで下がり、そこからすぐに待ち構えるのはゴール前の急坂。Bコース使用時の最後の直線距離(外回り)は476.3m。幅員は20〜25m。Aコース時から直線部分で3m、曲線部分で4m外側に柵が置かれている。

コーナーが2回で、直線部分を走る距離が十分ある。基本的には全馬が力を発揮しやすいコースだ。ただ、極端なペースになると波乱の可能性が出てくる。マイルのG1らしく、普通ペースは平均からやや速めとなりやすいが、15年は前半800m通過が50秒0というかなりのスローペースとなった。ダイワスカーレットが勝った07年もスローペースで、前半600m通過が35秒7、後半600mが33秒9という強烈な上がりのレースとなった。それでも人気馬による一騎打ちとなったのは、この2頭の実力が図抜けていたからに他ならない。極端に遅くなったり、速くなったりすると思わぬ結果となることは頭に入れておいたほうがいい。

道中がある程度流れることになってもしっかりと脚と溜めながら、終いに末脚を引き出す能力が必要になる。非常に地力が問われる競馬となり、総合力が高い馬でないと上位争いは厳しい。現コースになってからは特にその傾向が強く、オークスにもつながるレースとなる。

中枠より外から差し脚を活かしたい

過去10年の脚質別成績は、逃げ馬が【1.1.0.8】。好走はしたのは15年優勝のレッツゴードンキと、10年2着のオウケンサクラ。先行馬は【2.1.2.32】で、差し馬が【3.4.5.73】となっている。最後の直線距離が十分あるため、じっくりと脚を溜めていく馬が多く、差し馬の割合はかなり高い。追い込み馬は【4.4.3.36】で勝率・連対率・複勝率は先行・差し馬を大きく上回る。ジュエラー、ハープスター、マルセリーナ、ブエナビスタが強烈な瞬発力で差し切っており、直線一気でも間に合う。脚を余すようなケースは少なく、決め手がある馬が有利と言える。

枠順傾向は顕著。内枠が不振で中枠より外に好走馬が集中している。1から3枠の成績は【1.0.2.57】で不振。一転して、4枠が【2.2.0.15】で連対率がトップ。5枠が【3.0.3.14】で複勝率が30%でトップだ。7枠、8枠も悪くはなく、4枠よりも外が狙い目となる。ただ、一般的には、阪神芝1600mはフラットな構造。本質的には内枠でも問題ないはずだ。ただ、直線勝負にかける馬は、内で包まれたくないため、外目の枠の方が安心できるだろう。