G1特集 第16回 チャンピオンズカップG1特集 第16回 チャンピオンズカップ

血統分析

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父SS系×母父ノーザンダンサー系のローマンレジェンドに期待!

1)ミスタープロスペクター系とSS系が互角の戦い

2007年までは東京2100m(2002年は中山1800m)、2008年〜2013年は阪神1800mで実施され、そして昨年、中京1800mへと移設、名称もジャパンカップダートからチャンピオンズCと改められた、このレース。過去10年の系統別成績は下記の通りだ。

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父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
ミスタープロスペクター系 4回 1回 5回 45頭 8.9% 11.1% 22.2%
サンデーサイレンス系 3回 2回 3回 35頭 8.6% 14.3% 22.9%
その他のヘイルトゥリーズン系 0回 1回 0回 19頭 0.0% 5.3% 5.3%
ノーザンダンサー系 1回 5回 1回 30頭 3.3% 20.0% 23.3%
ナスルーラ系 0回 1回 1回 20頭 0.0% 5.0% 10.0%
その他の系統 2回 0回 0回 9頭 22.2% 22.2% 22.2%

このうち「その他の系統」についてはトランセンド1頭でマークした数字なので度外視すべきだろう。また過去10年では冴えない「その他のヘイルトゥリーズン系」からは2004年にタイムパラドックスが勝利している。となると「ミスタープロスペクター系とサンデーサイレンス系が互角の戦い」、「ノーザンダンサー系は2着が多い」、「ナスルーラ系はハッキリと軽視」といった点が読み取れる。

コースがコロコロと変わっているため無理に断じるべきではないが、上記が一応の傾向だ。

【過去10年の連対馬の父と母父】

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日付L 馬名 種牡馬 母父馬
2014.12.7 1 8 ホッコータルマエ キングカメハメハ Cherokee Run
2014.12.7 2 4 ナムラビクター ゼンノロブロイ エンドスウィープ
2013.12.1 1 12 ベルシャザール キングカメハメハ サンデーサイレンス
2013.12.1 2 8 ワンダーアキュート カリズマティック Pleasant Tap
2012.12.2 1 14 ニホンピロアワーズ ホワイトマズル アドマイヤベガ
2012.12.2 2 12 ワンダーアキュート カリズマティック Pleasant Tap
2011.12.4 1 16 トランセンド ワイルドラッシュ トニービン
2011.12.4 2 9 ワンダーアキュート カリズマティック Pleasant Tap
2010.12.5 1 3 トランセンド ワイルドラッシュ トニービン
2010.12.5 2 14 グロリアスノア プリサイスエンド ジェイドロバリー
2009.12.6 1 1 エスポワールシチー ゴールドアリュール ブライアンズタイム
2009.12.6 2 12 シルクメビウス ステイゴールド ポリッシュネイビー
2008.12.7 1 10 カネヒキリ フジキセキ Deputy Minister
2008.12.7 2 5 メイショウトウコン マヤノトップガン ジェイドロバリー
2007.11.24 1 7 ヴァーミリアン エルコンドルパサー サンデーサイレンス
2007.11.24 2 11 フィールドルージュ クロコルージュ リンドシェーバー
2006.11.25 1 4 アロンダイト エルコンドルパサー Riverman
2006.11.25 2 7 $シーキングザダイヤ Storm Cat Seeking the Gold
2005.11.26 1 10 カネヒキリ フジキセキ Deputy Minister
2005.11.26 2 7 $シーキングザダイヤ Storm Cat Seeking the Gold
2)ダート適性+芝マイルとの関係性を重視

コースが変わっても維持されている共通点を探したいところ。そこで勝ち馬の父について、現役時の主要勝ち鞍、活躍した距離、他の代表産駒を、全15年に渡って調べてみよう。

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1着馬の父 その現役時勝ち鞍 現役時の活躍距離 その他の産駒
アサティス ジョッキークラブ大賞 芝・長距離 メイショウテゾロ
French Deputy ジェロームH ダート・マイル レジネッタ
Gulch 米BCスプリント ダート・マイル〜中距離 ブレーブテンダー
Smart Strike フィリップHアイズリンH ダート・マイル  ブレイクランアウト
ブライアンズタイム フロリダダービー ダート中距離 ファレノプシス
フジキセキ 朝日杯3歳S/弥生賞 芝・マイル〜中距離 サダムパテック
エルコンドルパサー NHKマイルC/ジャパンC 芝・ダート万能 ソングオブウインド
ゴールドアリュール フェブラリーS/東京大賞典 ダート中距離 タケミカヅチ
ワイルドラッシュ メトロポリタンH ダート・マイル クラーベセクレタ
ホワイトマズル イタリアダービー 芝・長距離 シルポート
キングカメハメハ 日本ダービー/NHKマイルC 芝・マイル〜中長距離 ローズキングダム

French Deputy(フレンドシップの父)、Gulch(ハセノガルチの父)、Smart Strike(アムールブリエの父)、ブライアンズタイム(フリオーソの父)、ゴールドアリュール(スマートファルコンの父)、ワイルドラッシュ(パーソナルラッシュの父)は、自身のダート適性に問題はなく、国内外でダートG1級の産駒を複数出している。エルコンドルパサーもダートに変更となった共同通信杯を快勝しているし、産駒がジャパンカップダート2連覇。これらは「ダート中長距離を得意とする血統」といっていいはずだ。

残り4頭は芝しか走っていないが、アサティスは帝王賞などのボンネビルレコード、フジキセキはJBCレディスクラシック連覇のミラクルレジェンド、ホワイトマズルは羽田盃のプリンシパルリバー、キングカメハメハは川崎記念のハタノヴァンクールと、当レース勝ち馬以外にもダートG1級を出している。

加えて「その他の産駒」でわかる通り、多くの種牡馬が芝・マイル路線の重賞級を輩出している事実にも注意しておくべきだろう。

3)母父は「勝ち馬向き」と「2着向き」にキッパリと分かれる

母の父の系統別成績は下記の通りだ。

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母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
ナスルーラ系 4回 0回 3回 20頭 20.0% 20.0% 35.0%
サンデーサイレンス系 3回 0回 2回 26頭 11.5% 11.5% 19.2%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 0回 2回 18頭 5.6% 5.6% 16.7%
ノーザンダンサー系 2回 1回 2回 40頭 5.0% 7.5% 12.5%
ミスタープロスペクター系 0回 5回 0回 29頭 0.0% 17.2% 17.2%
その他の系統 0回 4回 1回 25頭 0.0% 16.0% 20.0%

勝ち馬候補としてピックアップするならナスルーラ系、サンデーサイレンス系(を含むヘイルトゥリーズン系)、ノーザンダンサー系の順。いっぽうミスタープロスペクター系およびその他の系統は不思議と2着が多い。

また、以下は過去10年の勝ち馬の母父についてまとめたものだ。タイプとしては、芝2400mで勝ち負けできるタイプと米ダートG1級に大別できる。産駒にダートG1馬がいれば強調材料だろう。

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勝ち馬の母父 現役時の主な勝ち鞍/ダートで活躍した産駒
Deputy Minister ヤングアメリカS/米BCクラシック勝ち馬オーサムアゲイン
Riverman 仏2000ギニー/ハリウッドダービー勝ち馬リバーフライヤー
サンデーサイレンス 米二冠/ゴールドアリュール
ブライアンズタイム フロリダダービー/フリオーソ
トニービン 凱旋門賞/サクラヴィクトリア
アドマイヤベガ 日本ダービー/特になし
Cherokee Run 米BCスプリント/米BCジュヴェナイル勝ち馬ウォーパス
4)中京ダート1800mの傾向は?

参考までに、新生なった2012年以降の中京ダート1800mの血統別成績(ただし一定以上のレベルのレースに限定するため、新馬、未勝利戦、500万下は除く/今年7月までの計23戦)を調べてみた。

種牡馬の系統では、サンデーサイレンス系が12勝でトップ、以下、ミスタープロスペクター系が5勝、ナスルーラ系が3勝。勝率としてはナスルーラ系が11.1%、サンデーサイレンス系が9.8%、ミスタープロスペクター系が5.4%という順だ。

母父の系統別成績は、ノーザンダンサー系が8勝、ミスタープロスペクター系が7勝、ナスルーラ系とサンデーサイレンス系が3勝ずつ。ただし勝率ではミスタープロスペクター系の8.0%からサンデーサイレンス系の5.1%まで、それほど大きな差はない。

結論

過去10年のジャパンカップダートおよび2012年以降の中京ダート1800mの結果から、系統別に有力度を判定すると、次のような感じとなりそうだ。

【種牡馬】
◎サンデーサイレンス系……このレース&中京ダート1800mとも好調で最有力
○ミスタープロスペクター系……このレース&中京ダート1800mとも相性は及第点で対抗格
▲ナスルーラ系……中京に移って躍進する可能性あり。大穴として狙うなら

【母父】
○ナスルーラ系……このレースとの相性よく、中京移設もギリギリ守備範囲か
○ノーザンダンサー系……レース、コースとも成績はまずまず安定している
▲サンデーサイレンス系……中京への移設はやや心配だが、消すまでには至らず
▲ミスタープロスペクター系……レースとの相性は最悪だが、コース代わりで台頭の可能性も

以上の分析に加え、種牡馬は「誰が見てもダート中長距離を得意とする血統。芝血統なら産駒がダートG1で活躍していることが絶対」、「産駒に芝・マイル路線の重賞級がいる」、母父は「芝2400mで勝ち負けできるタイプ」か「北米ダートG1級」という条件を判断材料としたい。

父SS系×母父ナスルーラ系またはノーザンダンサー系という配合の馬では、父スペシャルウィーク(産駒にゴルトブリッツやブエナビスタ)×母父Awesome Again(米BCクラシック勝ち馬)のローマンレジェンドが良さそう。またSS系×ミスタープロスペクター系はコース代わりで台頭の可能性があり、昨年惨敗のコパノリッキーも見限れない。

父ミスタープロスペクター系×母父ナスルーラ系またはノーザンダンサー系なら、連覇を目指すホッコータルマエが筆頭。父キングカメハメハ×母父エリシオ(芝2400mで活躍のノーザンダンサー系)のダノンリバティにも大駆けの気配が漂う。

【ローマンレジェンドの血統表】

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スペシャルウィーク
 SSpecial Week
 S1995年 黒鹿(門別町)
*サンデーサイレンス
 SSunday Silence
 S1986年 青鹿(米)
Halo
1969年(米)
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well
1975年
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss
*キャンペンガール
 SCampaign Girl
 S1987年 鹿毛(門別町)
マルゼンスキー
1974年 鹿毛(早来町)
Nijinsky Northern Dancer
Flaming Page
ローマンレジェンド
 SRoman Legend(JPN)
 S牡 7歳 父13歳・母 8歳時産駒
 S2008年 黒鹿(千歳市)
*シル Buckpasser
Quill
レディーシラオキ
1978年 鹿毛(浦河町)
セントクレスピン Aureole
Neocracy
ミスアシヤガワ ヒンドスタン
シラオキ
Awesome Again
 S1994年
Deputy Minister
1979年(加)
Vice Regent Northern Dancer
Victoria Regina
Mint Copy Bunty's Flight
Shakney
Primal Force
1987年
Blushing Groom Red God
Runaway Bride
*パーソナルレジェンド
 SPersonal Legend
 S2000年 栗毛(米)
Prime Prospect Mr.Prospector
Square Generation
Highland Legend
 S1991年
Storm Bird
1978年 (加)
Northen Dancer Nearctic
Natalma
South Ocean New Providence
Shining Sun
Santella
1982年
Coastal Majestic Prince
Alluvial
Santa Quilla Sanctus
Neriad