G1特集 第58回 宝塚記念G1特集 第58回 宝塚記念

コース解説

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上半期の総決算
阪神芝2200m〔Bコース〕

コース解説

昨年はマリアライトが金星を飾る

先週は芝1600mでレコード決着

3回阪神開催の最終日に行われる上半期のグランプリ。今年も今開催は前半4日間がAコースを使用、後半4日間がBコースを使用。よって宝塚記念はBコースで行われる。宝塚記念がBコースで行われるようになったのは11年から。それ以前は主にAコースで行われていた。芝はイタリアンライグラスによるオーバーシード。JRA発表によると、2回開催終了後、傷みが大きかった各スタート地点の芝の張り替えを実施した模様。芝の生育は概ね順調で、全体的に良好な状態とのことだ。

先週は各地で好時計が連発。阪神でも日曜日のメイン、米子S(3歳以上OP・芝1600m)で1分31秒9のレコードタイムが記録された。前半800m通過が47秒1でペースが遅かったにもかかわらず、凄い時計が出た。芝の状態がもちろん素晴らしいのだろうが、同時に路面の堅さが気になるところでもある。梅雨の時期なので、天候次第にはなるが、引き続き良馬場であれば今週もかなり速い時計が出る可能性があるとみたい。レースレコードは11年にアーネストリーが記録した2分10秒1(良)。それに迫る決着になるかもしれない。

淀みない流れで、厳しい展開になる

コース解説図

スタート地点は正面スタンド前直線の右端。外回りコースの4コーナー出口付近。スタート直後に内回りコースとの合流地点を通り過ぎる。1コーナーまでの距離は525m。かなりの距離があるが、スタート直後は下り坂のため(その後はゴール前に上り坂)、前半からペースが速くなりやすいのが特徴だ。逃げ・先行馬の頭数・出方にもよるが、このレースは特に前半のペースが厳しい。

近年ではやはりレコード決着だった11年が、前半3ハロン33秒6とかなり速いペースとなった。13年も厳しい流れで、前半3ハロンが34秒7に対し、後半600mは38秒0。明らかな前傾ラップであり、かなりのハイペースだったことがわかる。それに対し、15年は前半600m通過が36秒0で、その直後に13秒台のラップが二つ入った。全体的にはスローペースとなり、かなり異例の展開だったと言える。過去10年ではこの年だけが遅い。通常は淀みないラップが続くレースとなりやすい。

3〜4コーナーは内回りを使用。最後の直線が359.1m(Bコース時)と短いせいもあって、各馬の仕掛けは早めになる。前半は中団以降に待機していた馬がマクリ気味に進出してくるので、力がない逃げ・先行馬は非常に厳しくなる。問われるのは、瞬発力ではなく、末脚の持続力と底力。内回りコースなので、ロングスパートの際には器用さも必要だ。道中の流れが厳しい分、レース全体の上がりの時計がかかる。速い上がりの決着にはならない。

8枠から4年連続で優勝馬

過去10年の脚質別成績は、逃げ馬が【1.0.2.7】という成績。勝利したのはエイシンデピュティ(08年)のみ。展開に恵まれての残り目は厳しく、真に強い馬だけが逃げて押し切れる。先行馬は【4.7.3.28】。連対率や複勝率ではトップの数字だが、勝ち鞍数より2着が多い点が特徴。

そして、差し馬が【4.1.4.44】。勝ち馬は昨年のマリアライトらで、差し馬にも勝機は十分にある。追い込み馬は【1.2.1.42】。勝利したのは12年のオルフェーヴルのみ。同馬ぐらいの力がないと、差し切るのは簡単ではない。

過去10年の枠順傾向は、8枠が【5.1.1.16】で最多勝。13年のゴールドシップから昨年のマリアライトまで、目下4年連続で優勝馬が出ている。フルゲートになるケースが少ないので、大外でもほとんど不利にはならないようだ。また、6枠が【3.0.0.17】となっており、外目の枠に勝ち馬は集中している。2着馬は4〜5枠に集中。1枠は【1.0.4.11】で複勝率が31.3%と高い。基本的には中枠より内が有利となっているコースではあるが、勝ちやすいのは外枠となっている。