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サンデーサイレンス系(SS系)種牡馬の産駒が6勝・2着5回・3着7回。3着以内馬の半数以上を占めるものの、率が飛び抜けているわけではない。SS系以外のヘイルトゥリーズン系、ミスタープロスペクター系、ノーザンダンサー系も勝率・連対率はさほど変わらず、複勝率も横並び。ナスルーラ系を除けば父の系統による有利・不利はなさそうに見える。
ただし過去10年間を前半(2007〜2011年)と後半(2012〜2016年)に分けると、ノーザンダンサー系、その他のヘイルトゥリーズン系が馬券に絡んだのは前半だけ。しかもノーザンダンサー系は、3着以内4頭がすべて1〜5番人気で、6番人気以下では14頭走ってすべて着外だった。後半はSS系が4勝・2着3回・3着5回、ミスタープロスペクター系が1勝・2着2回で、この2系統の独占状態にある点は見逃せない。
またステイコールド産駒が計5勝。オルフェーヴルやゴールドシップといった特異な存在によるデータだが、宝塚記念と相性のいい種牡馬であることは間違いないだろう。
○プラス評価……父SS系(特にステイゴールド)とミスタープロスペクター系
●マイナス評価…父ナスルーラ系、ノーザンダンサー系(特に人気薄)、その他のヘイルトゥリーズン系
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父の系統 | 1着 | 2着 | 3着 | 出走 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
サンデーサイレンス系 | 6回 | 5回 | 7回 | 85頭 | 7.1% | 12.9% | 21.2% |
その他のヘイルトゥリーズン系 | 1回 | 1回 | 1回 | 14頭 | 7.1% | 14.3% | 21.4% |
ミスタープロスペクター系 | 2回 | 2回 | 1回 | 23頭 | 8.7% | 17.4% | 21.7% |
ノーザンダンサー系 | 1回 | 2回 | 1回 | 20頭 | 5.0% | 15.0% | 20.0% |
ナスルーラ系 | 0回 | 0回 | 0回 | 9頭 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
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日付L | 着 | 番 | 馬名 | 種牡馬 | 母父馬 |
---|---|---|---|---|---|
2016.6.26 | 1 | 16 | マリアライト | ディープインパクト | エルコンドルパサー |
2016.6.26 | 2 | 9 | ドゥラメンテ | キングカメハメハ | サンデーサイレンス |
2015.6.28 | 1 | 16 | ラブリーデイ | キングカメハメハ | ダンスインザダーク |
2015.6.28 | 2 | 6 | デニムアンドルビー | ディープインパクト | キングカメハメハ |
2014.6.29 | 1 | 11 | ゴールドシップ | ステイゴールド | メジロマックイーン |
2014.6.29 | 2 | 5 | カレンミロティック | ハーツクライ | A.P.Indy |
2013.6.23 | 1 | 10 | ゴールドシップ | ステイゴールド | メジロマックイーン |
2013.6.23 | 2 | 4 | ダノンバラード | ディープインパクト | Unbridled |
2012.6.24 | 1 | 11 | オルフェーヴル | ステイゴールド | メジロマックイーン |
2012.6.24 | 2 | 7 | ルーラーシップ | キングカメハメハ | トニービン |
2011.6.26 | 1 | 2 | アーネストリー | グラスワンダー | トニービン |
2011.6.26 | 2 | 8 | ブエナビスタ | スペシャルウィーク | Caerleon |
2010.6.27 | 1 | 17 | ナカヤマフェスタ | ステイゴールド | タイトスポット |
2010.6.27 | 2 | 8 | ブエナビスタ | スペシャルウィーク | Caerleon |
2009.6.28 | 1 | 9 | ドリームジャーニー | ステイゴールド | メジロマックイーン |
2009.6.28 | 2 | 8 | サクラメガワンダー | グラスワンダー | サンデーサイレンス |
2008.6.29 | 1 | 9 | エイシンデピュティ | フレンチデピュティ | Woodman |
2008.6.29 | 2 | 2 | メイショウサムソン | オペラハウス | ダンシングブレーヴ |
2007.6.24 | 1 | 6 | アドマイヤムーン | エンドスウィープ | サンデーサイレンス |
2007.6.24 | 2 | 17 | メイショウサムソン | オペラハウス | ダンシングブレーヴ |
やはりSS系の取捨選択は大切になってくるわけだが、その目安は母父といえそうだ。
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SS系の母父の系統 | 1着 | 2着 | 3着 | 出走 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ミスタープロスペクター系 | 1回 | 2回 | 1回 | 17頭 | 5.9% | 17.6% | 23.5% |
ノーザンダンサー系 | 0回 | 2回 | 5回 | 32頭 | 0.0% | 6.3% | 21.9% |
ナスルーラ系 | 0回 | 1回 | 1回 | 16頭 | 0.0% | 6.3% | 12.5% |
ヘイルトゥリーズン系 | 0回 | 0回 | 0回 | 5頭 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
その他の系統 | 5回 | 0回 | 0回 | 15頭 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
ドリームジャーニーとオルフェーヴルの兄弟、そしてゴールドシップは、いずれも父ステイゴールド×母父メジロマックイーン(マイバブ系)で、世にいうゴールデンニックス。特殊すぎる現象にも思えるが、この「父ステイゴールド×母父その他の系統」という配合では母父タイトスポット(リボー系)のナカヤマフェスタも8番人気で勝利していて、要注意であることは確かだ。
この配合がいないなら、母父ミスタープロスペクター系か。3着以内馬4頭は5番人気、8番人気2頭、10番人気だから、人気薄の激走に注意したい。逆に2着3着に数多く送り込んでいる母父ノーザンダンサー系は、1番人気に推された4頭すべてが馬券に絡んでいて安定感が優秀だ。
◎プラス評価……父SS系×母父その他の系統
○プラス評価……父SS系×母父ミスタープロスペクター系(特に人気薄)
○プラス評価……父SS系×母父ノーザンダンサー系(1番人気)
●マイナス評価…父SS系×母父ナスルーラ系/ヘイルトゥリーズン系
父SS系以外から出た勝ち馬4頭を見ると、エイシンデピュティは父ノーザンダンサー系(フレンチデピュティ)。アーネストリーはノーザンダンサーの4×4、ラブリーデイは5×5のインブリードを持っていた。また2着馬のべ5頭は、父・母父ともノーザンダンサー系のメイショウサムソン、ノーザンダンサーのインブリードを持つサクラメガワンダー、ルーラーシップ、ドゥラメンテだ。
さらにいえば、ドリームジャーニーとオルフェーヴルの兄弟、ナカヤマフェスタ、ゴールドシップは、すべて「母母父がノーザンダンサー系」という血統構成。マリアライトはノーザンダンサーのインブリードを持つ。
父SS系と非SS系、いずれも好走条件として「ノーザンダンサーの血を(なるべく濃く)持つこと」は、ほぼ必須といえそうだ。
◎プラス評価……父、母父、母母父がノーザンダンサー系/ノーザンダンサーのインブリードあり
●マイナス評価…ノーザンダンサーの血を持たない
連対馬の母父を、現役時に勝ったレースで3つのタイプに分類してみた。
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タイプ | 連対馬の母父 | 勝利したレース |
---|---|---|
長距離型 | ダンシングブレーヴ | 凱旋門賞 |
メジロマックイーン | 天皇賞・春 | |
タイトスポット | アーリントンミリオン | |
Caerleon | 仏ダービー | |
トニービン | 凱旋門賞 | |
ダンスインザダーク | 菊花賞 | |
キングカメハメハ | 日本ダービー | |
エルコンドルパサー | ジャパンC | |
ダート型 | サンデーサイレンス | 米BCクラシック |
Unbridled | 米BCクラシック | |
A.P.Indy | 米BCクラシック | |
短距離型 | Woodman | 1600mの愛G3 |
連対馬のべ14頭を送り出している「母父が長距離型」タイプが最有力か。この14頭のうち9頭(勝ち馬6頭を含む)は父がSS系で、しかもステイゴールド、スペシャルウィーク、ディープインパクトという中長距離タイプだ。残り5頭の父も、オペラハウス、グラスワンダー、キングカメハメハと、長距離GIの勝ち馬。つまり配合的には「父が長距離型×母父も長距離型」というわけだ。
これに次ぐのが6連対の「母父ダート型」。母父はすべて米BCクラシック勝ち馬だ。また6頭の父を見ると、エンドスウィープ(6ハロンのG1勝ち)、グラスワンダー(朝日杯レコード勝ち)、ハーツクライ(レコード決着の日本ダービーとジャパンCで2着)、キングカメハメハ(NHKマイルC勝利、日本ダービーでレコード)と、スピードのある種牡馬との配合で結果を残している印象だ。
◎プラス評価……父が長距離型×母父も長距離型
○プラス評価……父がレコード決着に対応できるスピード型×母父BCクラシック勝ち馬
中心は、父がSS系かミスタープロスペクター系の長距離型(特にステイゴールド、またはレコード決着に対応できるスピード型)、母父がその他の系統/ミスタープロスペクター系(特に人気薄)/ノーザンダンサー系(1番人気)の長距離型またはBCクラシック勝ち馬という配合。ノーザンダンサーの血も必須だ。
キタサンブラックは、父が2000mまでしか勝ち鞍のないブラックタイド、母父が短距離型のナスルーラ系サクラバクシンオーで、推すわけにはいくまい。ミッキークイーンやシュヴァルグランも母父が短距離型だ。
シャケトラは父が長距離型マンハッタンカフェ×母父がノーザンダンサー系でジャパンC勝ち馬のSingspiel、スピリッツミノルは父が長距離型ディープスカイ×母父がノーザンダンサー系の凱旋門賞馬ラムタラ。これらは「1番人気ではない」という点に目をつぶれば、ということになる。ステイゴールド産駒レインボーラインも母父がノーザンダンサー系フレンチデピュティ。こちらも1番人気になりそうにない点に加え、「フレンチデピュティを、天皇賞勝ち馬を出しているので長距離型とみなせるかどうか?」が問題。
多少アクロバティックに考えるならゴールドアクターか。父がグラスワンダー産駒スクリーンヒーロー、母父がダート型その他の系統キョウワアリシバ(その父はBCクラシック勝ち馬Alysheba)で、ノーザンダンサーのインブリードあり。各プラス要素がバラバラと盛り込まれている血統である。
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父 | マンハッタンカフェ Manhattan Cafe 1998年 青鹿(千歳市) |
*サンデーサイレンス Sunday Silence 1986年 青鹿(米) |
Halo 1969年(米) |
Hail to Reason | Turn-to |
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Nothirdchance | |||||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||||
Almahmoud | |||||
Wishing Well 1975年 |
Understanding | Promised Land | |||
Pretty Ways | |||||
Mountain Flower | Montparnasse | ||||
Edelweiss | |||||
*サトルチェンジ Subtle Change 1988年 黒鹿(愛) |
Law Society 1982年 |
Alleged | Hoist the Flag | ||
Princess Pout | |||||
シャケトラ Sciacchetra(JPN) 牡 4歳 父15歳・母 7歳時産駒 2013年 青鹿(安平町) |
Bold Bikini | Boldnesian | |||
Ran-Tan | |||||
Santa Luciana 1973年 |
Luciano | Henry the Seventh | |||
Light Arctic | |||||
Suleika | Ticino | ||||
Schwarzblaurot | |||||
Singspiel 1992年 (愛) |
In The Wings 1986年 |
Sadler's Wells | Northern Dancer | ||
Fairy Bridge | |||||
High Hawk | Shirley Heights | ||||
Sunbittern | |||||
Glorious Song 1976年 |
Halo | Hail to Reason | |||
Cosmah | |||||
母 | *サマーハ Samaaha 2006年 黒鹿(英) |
Ballade | Herbager | ||
Miss Swapsco | |||||
Genovefa 1992年 |
Woodman 1983年 (米) |
Mr.Prospector | Raise a Native | ||
Gold Digger | |||||
Playmate | Buckpasser | ||||
Intriguing | |||||
Reigning Countess 1982年 |
Far North | Northern Dancer | |||
Fleur | |||||
Countess Fager | Dr.Fager | ||||
Compassionately |