G1特集 第58回 宝塚記念G1特集 第58回 宝塚記念

血統分析

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父、母父ともに中長距離タイプのシャケトラに注目!

1)どの系統も横並びに見えるが……

サンデーサイレンス系(SS系)種牡馬の産駒が6勝・2着5回・3着7回。3着以内馬の半数以上を占めるものの、率が飛び抜けているわけではない。SS系以外のヘイルトゥリーズン系、ミスタープロスペクター系、ノーザンダンサー系も勝率・連対率はさほど変わらず、複勝率も横並び。ナスルーラ系を除けば父の系統による有利・不利はなさそうに見える。

ただし過去10年間を前半(2007〜2011年)と後半(2012〜2016年)に分けると、ノーザンダンサー系、その他のヘイルトゥリーズン系が馬券に絡んだのは前半だけ。しかもノーザンダンサー系は、3着以内4頭がすべて1〜5番人気で、6番人気以下では14頭走ってすべて着外だった。後半はSS系が4勝・2着3回・3着5回、ミスタープロスペクター系が1勝・2着2回で、この2系統の独占状態にある点は見逃せない。

またステイコールド産駒が計5勝。オルフェーヴルやゴールドシップといった特異な存在によるデータだが、宝塚記念と相性のいい種牡馬であることは間違いないだろう。

○プラス評価……父SS系(特にステイゴールド)とミスタープロスペクター系
 ●マイナス評価…父ナスルーラ系、ノーザンダンサー系(特に人気薄)、その他のヘイルトゥリーズン系

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父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 6回 5回 7回 85頭 7.1% 12.9% 21.2%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 1回 1回 14頭 7.1% 14.3% 21.4%
ミスタープロスペクター系 2回 2回 1回 23頭 8.7% 17.4% 21.7%
ノーザンダンサー系 1回 2回 1回 20頭 5.0% 15.0% 20.0%
ナスルーラ系 0回 0回 0回 9頭 0.0% 0.0% 0.0%
【過去10年の連対馬の父と母父】

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日付L 馬名 種牡馬 母父馬
2016.6.26 1 16 マリアライト ディープインパクト エルコンドルパサー
2016.6.26 2 9 ドゥラメンテ キングカメハメハ サンデーサイレンス
2015.6.28 1 16 ラブリーデイ キングカメハメハ ダンスインザダーク
2015.6.28 2 6 デニムアンドルビー ディープインパクト キングカメハメハ
2014.6.29 1 11 ゴールドシップ ステイゴールド メジロマックイーン
2014.6.29 2 5 カレンミロティック ハーツクライ A.P.Indy
2013.6.23 1 10 ゴールドシップ ステイゴールド メジロマックイーン
2013.6.23 2 4 ダノンバラード ディープインパクト Unbridled
2012.6.24 1 11 オルフェーヴル ステイゴールド メジロマックイーン
2012.6.24 2 7 ルーラーシップ キングカメハメハ トニービン
2011.6.26 1 2 アーネストリー グラスワンダー トニービン
2011.6.26 2 8 ブエナビスタ スペシャルウィーク Caerleon
2010.6.27 1 17 ナカヤマフェスタ ステイゴールド タイトスポット
2010.6.27 2 8 ブエナビスタ スペシャルウィーク Caerleon
2009.6.28 1 9 ドリームジャーニー ステイゴールド メジロマックイーン
2009.6.28 2 8 サクラメガワンダー グラスワンダー サンデーサイレンス
2008.6.29 1 9 エイシンデピュティ フレンチデピュティ Woodman
2008.6.29 2 2 メイショウサムソン オペラハウス ダンシングブレーヴ
2007.6.24 1 6 アドマイヤムーン エンドスウィープ サンデーサイレンス
2007.6.24 2 17 メイショウサムソン オペラハウス ダンシングブレーヴ
2)SS系なら母父はマイナー系がベターか

やはりSS系の取捨選択は大切になってくるわけだが、その目安は母父といえそうだ。

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SS系の母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
ミスタープロスペクター系 1回 2回 1回 17頭 5.9% 17.6% 23.5%
ノーザンダンサー系 0回 2回 5回 32頭 0.0% 6.3% 21.9%
ナスルーラ系 0回 1回 1回 16頭 0.0% 6.3% 12.5%
ヘイルトゥリーズン系 0回 0回 0回 5頭 0.0% 0.0% 0.0%
その他の系統 5回 0回 0回 15頭 33.3% 33.3% 33.3%

ドリームジャーニーとオルフェーヴルの兄弟、そしてゴールドシップは、いずれも父ステイゴールド×母父メジロマックイーン(マイバブ系)で、世にいうゴールデンニックス。特殊すぎる現象にも思えるが、この「父ステイゴールド×母父その他の系統」という配合では母父タイトスポット(リボー系)のナカヤマフェスタも8番人気で勝利していて、要注意であることは確かだ。

この配合がいないなら、母父ミスタープロスペクター系か。3着以内馬4頭は5番人気、8番人気2頭、10番人気だから、人気薄の激走に注意したい。逆に2着3着に数多く送り込んでいる母父ノーザンダンサー系は、1番人気に推された4頭すべてが馬券に絡んでいて安定感が優秀だ。

◎プラス評価……父SS系×母父その他の系統
 ○プラス評価……父SS系×母父ミスタープロスペクター系(特に人気薄)
 ○プラス評価……父SS系×母父ノーザンダンサー系(1番人気)
 ●マイナス評価…父SS系×母父ナスルーラ系/ヘイルトゥリーズン系

3)ノーザンダンサーの血を探せ

父SS系以外から出た勝ち馬4頭を見ると、エイシンデピュティは父ノーザンダンサー系(フレンチデピュティ)。アーネストリーはノーザンダンサーの4×4、ラブリーデイは5×5のインブリードを持っていた。また2着馬のべ5頭は、父・母父ともノーザンダンサー系のメイショウサムソン、ノーザンダンサーのインブリードを持つサクラメガワンダー、ルーラーシップ、ドゥラメンテだ。

さらにいえば、ドリームジャーニーとオルフェーヴルの兄弟、ナカヤマフェスタ、ゴールドシップは、すべて「母母父がノーザンダンサー系」という血統構成。マリアライトはノーザンダンサーのインブリードを持つ。

父SS系と非SS系、いずれも好走条件として「ノーザンダンサーの血を(なるべく濃く)持つこと」は、ほぼ必須といえそうだ。

◎プラス評価……父、母父、母母父がノーザンダンサー系/ノーザンダンサーのインブリードあり
 ●マイナス評価…ノーザンダンサーの血を持たない

4)配合にも注意したい

連対馬の母父を、現役時に勝ったレースで3つのタイプに分類してみた。

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タイプ 連対馬の母父 勝利したレース
長距離型 ダンシングブレーヴ 凱旋門賞
メジロマックイーン 天皇賞・春
タイトスポット アーリントンミリオン
Caerleon 仏ダービー
トニービン 凱旋門賞
ダンスインザダーク 菊花賞
キングカメハメハ 日本ダービー
エルコンドルパサー ジャパンC
ダート型 サンデーサイレンス 米BCクラシック
Unbridled 米BCクラシック
A.P.Indy 米BCクラシック
短距離型 Woodman 1600mの愛G3

連対馬のべ14頭を送り出している「母父が長距離型」タイプが最有力か。この14頭のうち9頭(勝ち馬6頭を含む)は父がSS系で、しかもステイゴールド、スペシャルウィーク、ディープインパクトという中長距離タイプだ。残り5頭の父も、オペラハウス、グラスワンダー、キングカメハメハと、長距離GIの勝ち馬。つまり配合的には「父が長距離型×母父も長距離型」というわけだ。

これに次ぐのが6連対の「母父ダート型」。母父はすべて米BCクラシック勝ち馬だ。また6頭の父を見ると、エンドスウィープ(6ハロンのG1勝ち)、グラスワンダー(朝日杯レコード勝ち)、ハーツクライ(レコード決着の日本ダービーとジャパンCで2着)、キングカメハメハ(NHKマイルC勝利、日本ダービーでレコード)と、スピードのある種牡馬との配合で結果を残している印象だ。

◎プラス評価……父が長距離型×母父も長距離型
 ○プラス評価……父がレコード決着に対応できるスピード型×母父BCクラシック勝ち馬

結論

中心は、父がSS系かミスタープロスペクター系の長距離型(特にステイゴールド、またはレコード決着に対応できるスピード型)、母父がその他の系統/ミスタープロスペクター系(特に人気薄)/ノーザンダンサー系(1番人気)の長距離型またはBCクラシック勝ち馬という配合。ノーザンダンサーの血も必須だ。

キタサンブラックは、父が2000mまでしか勝ち鞍のないブラックタイド、母父が短距離型のナスルーラ系サクラバクシンオーで、推すわけにはいくまい。ミッキークイーンやシュヴァルグランも母父が短距離型だ。

シャケトラは父が長距離型マンハッタンカフェ×母父がノーザンダンサー系でジャパンC勝ち馬のSingspiel、スピリッツミノルは父が長距離型ディープスカイ×母父がノーザンダンサー系の凱旋門賞馬ラムタラ。これらは「1番人気ではない」という点に目をつぶれば、ということになる。ステイゴールド産駒レインボーラインも母父がノーザンダンサー系フレンチデピュティ。こちらも1番人気になりそうにない点に加え、「フレンチデピュティを、天皇賞勝ち馬を出しているので長距離型とみなせるかどうか?」が問題。

多少アクロバティックに考えるならゴールドアクターか。父がグラスワンダー産駒スクリーンヒーロー、母父がダート型その他の系統キョウワアリシバ(その父はBCクラシック勝ち馬Alysheba)で、ノーザンダンサーのインブリードあり。各プラス要素がバラバラと盛り込まれている血統である。

【シャケトラの血統表】

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マンハッタンカフェ
 Manhattan Cafe
 1998年 青鹿(千歳市)
*サンデーサイレンス
 Sunday Silence
 1986年 青鹿(米)
Halo
1969年(米)
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well
1975年
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss
*サトルチェンジ
 Subtle Change
 1988年 黒鹿(愛)
Law Society
1982年
Alleged Hoist the Flag
Princess Pout
シャケトラ
 Sciacchetra(JPN)
 牡 4歳 
 父15歳・母 7歳時産駒
 2013年 青鹿(安平町)
Bold Bikini Boldnesian
Ran-Tan
Santa Luciana
1973年
Luciano Henry the Seventh
Light Arctic
Suleika Ticino
Schwarzblaurot
Singspiel
 1992年 (愛)
In The Wings
1986年
Sadler's Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
High Hawk Shirley Heights
Sunbittern
Glorious Song
1976年
Halo Hail to Reason
Cosmah
*サマーハ
 Samaaha
 2006年 黒鹿(英)
Ballade Herbager
Miss Swapsco
Genovefa
 1992年
Woodman
1983年 (米)
Mr.Prospector Raise a Native
Gold Digger
Playmate Buckpasser
Intriguing
Reigning Countess
1982年
Far North Northern Dancer
Fleur
Countess Fager Dr.Fager
Compassionately