G1特集 第21回 秋華賞G1特集 第21回 秋華賞

血統分析

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母父ノーザンダンサー系のレッドアヴァンセの連軸に期待!

1)数の上ではサンデーサイレンス系断然だが……

過去4年連続でワン・ツー・フィニッシュを決めるなど、連対馬の数は断然サンデーサイレンス系が多い。ただし勝率6.5%、連対率17.2%、複勝率19.4%、1番人気の勝率33.3%といった数字は「ちょっといい」程度だ。1着より2着が目立つこともあり、アタマとして過信するのは避けたい系統。連軸向けといえるだろう。

勝率としてはミスタープロスペクター系やナスルーラ系のほうが上だが、明確に有利とまでは言い難い。やや不振といえるノーザンダンサー系、勝ち馬を出せていない「その他のヘイルトゥリーズン系」は軽視すべきだろうが、サンデーサイレンス系、ミスタープロスペクター系、ナスルーラ系には等しくチャンスがあると捉えたいところだ。

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父馬の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 6回 10回 2回 93頭 6.5% 17.2% 19.4%
その他のヘイルトゥリーズン系 0回 0回 2回 13頭 0.0% 0.0% 15.4%
ミスタープロスペクター系 2回 0回 3回 25頭 8.0% 8.0% 20.0%
ノーザンダンサー系 1回 0回 2回 35頭 2.9% 2.9% 8.6%
ナスルーラ系 1回 0回 1回 10頭 10.0% 10.0% 20.0%
その他の系統 0回 0回 0回 3頭 0.0% 0.0% 0.0%
【過去10年の連対馬の父と母父】

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日付L 馬名 種牡馬 母父馬
2015.10.18 1 18 ミッキークイーン ディープインパクト Gold Away
2015.10.18 2 9 クイーンズリング マンハッタンカフェ Anabaa
2014.10.19 1 6 ショウナンパンドラ ディープインパクト フレンチデピュティ
2014.10.19 2 4 ヌーヴォレコルト ハーツクライ スピニングワールド
2013.10.13 1 16 メイショウマンボ スズカマンボ グラスワンダー
2013.10.13 2 1 スマートレイアー ディープインパクト ホワイトマズル
2012.10.14 1 14 ジェンティルドンナ ディープインパクト Bertolini
2012.10.14 2 1 ヴィルシーナ ディープインパクト Machiavellian
2011.10.16 1 4 アヴェンチュラ ジャングルポケット サンデーサイレンス
2011.10.16 2 1 キョウワジャンヌ ハーツクライ Seeking the Gold
2010.10.17 1 15 アパパネ キングカメハメハ Salt Lake
2010.10.17 2 10 アニメイトバイオ ゼンノロブロイ フレンチデピュティ
2009.10.18 1 5 レッドディザイア マンハッタンカフェ Caerleon
2009.10.18 2 12 ブロードストリート アグネスタキオン Cozzene
2008.10.19 1 4 ブラックエンブレム ウォーエンブレム ヘクタープロテクター
2008.10.19 2 1 ムードインディゴ ダンスインザダーク Sharpo
2007.10.14 1 13 ダイワスカーレット アグネスタキオン ノーザンテースト
2007.10.14 2 17 レインダンス ダンスインザダーク Bob Back
2006.10.15 1 12 カワカミプリンセス キングヘイロー Seattle Slew
2006.10.15 2 16 アサヒライジング ロイヤルタッチ ミナガワマンナ
2)東京芝2400mで勝ち負けできる底力

勝ち馬の父の現役当時の活躍ぶりを見てみよう。

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勝ち馬 父馬 活躍した路線(主な勝ち鞍)
カワカミプリンセス キングヘイロー 国内・芝短距離(高松宮記念)
ダイワスカーレット アグネスタキオン 国内・芝中距離(皐月賞)
ブラックエンブレム ウォーエンブレム 北米・ダ中距離(ケンタッキーダービーなど)
レッドディザイア マンハッタンカフェ 国内・芝長距離(菊花賞/有馬記念/天皇賞・春)
アパパネ キングカメハメハ 国内・芝長距離(日本ダービー/NHKマイルC)
アヴェンチュラ ジャングルポケット 国内・芝長距離(日本ダービー/ジャパンC)
ジェンティルドンナ ディープインパクト 国内・芝長距離(三冠/ジャパンC/有馬記念など)
メイショウマンボ スズカマンボ 国内・芝長距離(天皇賞・春)
ショウナンパンドラ ディープインパクト 国内・芝長距離(三冠/ジャパンC/有馬記念など)
ミッキークイーン ディープインパクト 国内・芝長距離(三冠/ジャパンC/有馬記念など)

ダート馬からステイヤーまで多彩だが、ある共通項も浮かび上がる。東京・芝2400mでの実績だ。

キングカメハメハ、ジャングルポケット、ディープインパクトは日本ダービー馬。サンデーサイレンスは幾多の日本ダービー馬を輩出し、アグネスタキオンも日本ダービー馬ディープスカイの父だ。

勝ち馬自身でいうと、オークス馬が5頭、オークス僅差2着が2頭。つまり全体として東京の芝2400m、日本ダービー/オークス/ジャパンCといった格の高いレースで勝ち負けできる底力を持ち合わせている血統だといえる。

3)母父は欧州型と米ダート型の戦い

母父の系統別成績は以下の通りだ。

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母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
ノーザンダンサー系 6回 4回 2回 61頭 9.8% 16.4% 19.7%
ミスタープロスペクター系 1回 2回 1回 31頭 3.2% 9.7% 12.9%
ナスルーラ系 1回 1回 1回 24頭 4.2% 8.3% 12.5%
サンデーサイレンス系 1回 0回 6回 34頭 2.9% 2.9% 20.6%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 1回 0回 13頭 7.7% 15.4% 15.4%
その他の系統 0回 2回 0回 16頭 0.0% 12.5% 12.5%

ノーザンダンサー系が頭ひとつ抜けているイメージ。それ以外の系統は横並びといったところだが、系統より重視したいのは母父のイメージだ。

勝ち馬の母父の現役成績は、Caerleon(仏ダービー)が欧州の芝・中長距離タイプ、ノーザンテースト(芝1400mのフォレ賞)とヘクタープロテクター(仏2000ギニー)、Bertolini(スプリントC2着)、Gold Away(マイルG2勝ち)が欧州の芝・短距離タイプ。Seattle Slew(米三冠)とサンデーサイレンスがダート・中長距離タイプで、Salt Lake(ダ1300mのホープフルS)とフレンチデピュティはダート短距離タイプだ。メイショウマンボの母父グラスワンダーはマイルから2500mまで駆けた万能タイプだが、その父Silver Hawkは愛ダービー2着のある欧州の芝・中長距離タイプだった。

内国産・国内実績タイプよりも、海外・輸入種牡馬が優位。欧州の中長距離型血統と短距離型、米三冠クラスの大物とダート短距離型、これらによる争いと考えたい。

4)母の母の父は3つの系統+マイナー系に注目

勝ち馬の母の母の父を見ると、3つの系統に大別できる。

レッドディザイア(大種牡馬Sadler's Wells)、アヴェンチュラ(英2000ギニー馬El Gran Senor)、ジェンティルドンナ(英G3馬Lyphard's Special)はノーザンダンサー系。カワカミプリンセス(米三冠馬Secretariat)、アパパネ(米二冠馬Spectacular Bid)はナスルーラからのライン、メイショウマンボ(2歳G1勝ち馬ジェイドロバリー)とミッキークイーン(ハリウッドダービー勝ち馬Procida)はミスタープロスペクター系だ。

この3系統以外では、ダイワスカーレットの母母父は2歳G1勝ち馬Crimson Satan(ヒムヤー〜ピーターパンのライン)、ブラックエンブレムの母母父Vaguely Nobleは凱旋門賞馬でオリオール系、ショウナンパンドラの母母父はファイントップ系のジャックルマロワ賞勝ち馬ディクタス。いわゆるマイナー系である。

ここで名前のあがった種牡馬10頭は、欧米の年度代表馬クラスや歴史的な種牡馬、血統背景が優秀な馬など一本芯の通った存在ばかりである。

結論

正直、他のGIと比べて血統的な狙い目をあげにくいのが秋華賞。一応の軸は「父ミスタープロスペクター系かサンデーサイレンス系」で、サンデーサイレンス系以外のヘイルトゥリーズン系とノーザンダンサー系はややマイナス。「父系または自身に芝2400mで勝ち負けできる底力が必須」、「母父はノーザンダンサー系がベターで、欧州型か米ダート型」、「母の母の父はノーザンダンサー系、ナスルーラ系、ミスタープロスペクター系、またはマイナー系の超名馬」といった条件を満たす馬となるだろう。

すべての項目をクリアするシンハライトが中心になるはずだったが、無念のリタイア。ならばレッドアヴァンセを抜擢しよう。父はディープインパクト、母父は凱旋門賞勝ち馬ダンシングブレーヴ(ノーザンダンサー系)、母母父がナスルーラ系の大種牡馬テスコボーイ。ただしアタマより連軸として考えたい。

大穴ならエンジェルフェイス。父はキングカメハメハ、母父Tejano Runはケンタッキーダービー2着などがある北米ダート型、母母父Lord Gaylordはロイヤルチャージャー〜ターントゥの系統で、スケール感には欠くが米G1勝ち馬を出している。

紫苑Sを制したビッシュもディープインパクト産駒だが、母父Acatenangoが「その他の系統」でやや割り引き。桜花賞馬ジュエラーは父ヴィクトワールピサに芝2400mGIの勝ち鞍がなく、母父Pistolet Bleuは「その他の系統」で、こちらも推しにくい馬だ。

【レッドアヴァンセの血統表】

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ディープインパクト
 Deep Impact
 2002年 鹿毛(早来町)
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
 1986年 青鹿(米)
Halo
1969年(米)
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well
1975年
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss
*ウインドインハーヘア
Wind In Her Hair
 1991年 鹿毛(愛)
Alzao
1980年
Lyphard Northern Dancer
Goofed
レッドアヴァンセ
 Red Avancer(JPN)
 牝 3歳 父11歳・母15歳時産駒
 2013年 黒鹿(安平町)
Lady Rebecca Sir Ivor
Pocahontas
Burghclere
1977年
Busted Crepello
Sans Le Sou
Highclere Queen's Hussar
Highlight
*ダンシングブレーヴ
Dancing Brave
 1983年 鹿毛(米)
Lyphard
1969年(米)
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Goofed Court Martial
Barra
Navajo Princess
1974年
Drone Sir Gaylord
Cap and Bells
エリモピクシー
 Erimo Pixy
 1998年 鹿毛(新冠町)
Olmec Pago Pago
Chocolate Beau
エリモシューテング
Erimo shooting
 1984年 黒鹿(えりも町)
*テスコボーイ
1963年 黒鹿(英)
Princely Gift Nasrullah
Blue Gem
Suncourt Hyperion
Inquisition
*デプグリーフ
1974年 鹿毛(米)
Vaguely Noble Vienna
Noble Lassie
Depth Buckpasser
Batteur